NPT の時間です。 日本は自国のプルトニウムが 何処にあるか知っていますか? NPT 再検討会議配布資料 It’s NPT time. Japan, do you know where your plutonium is? Non-proliferation Primer for Japan 2015 http://kakujoho.net/e/J_non-prolif_primerMay2015rev1.pdf タイトルは、米国の夜間外出禁止令に関連してテレビのニュースキャスターが毎晩行った次のよう な呼びかけのパロディー:「夜の 11 時です。お子さんがどこにいるか知っていますか?」 日本用核不拡散入門 再処理 ウエブサイト核情報 http://kakujoho.net/e/index.html 日本のプルトニウム分離政策の基本について何点とれるかチェックしてみましょう。点数 によって、一番最後にお勧めしている行動をとって下さい。その際には、長崎の町を破壊 するのにおよそ 6kg のプルトニウムで十分だったと言うことをお忘れなく。 以下のようなことをご存知でしたか。ご存知でしたら各項目について 1 点獲得 です。 1. 日本は、六ヶ所再処理工場の工事を 2016 年 3 月に終える計画で、その後すぐ運転を開 始しようとしています。年間 8 トンのプルトニウム(核兵器約 1000 発分)を分離する 能力を持つこの工場は、非核兵器国で唯一の工業規模再処理施設です。 2. 2014 年 3 月に開かれた「核セキュリティ・サミット」の際、安倍首相とオバマ大統領 は「日本の日本原子力研究開発機構(JAEA)の高速炉臨界実験装置(FCA)から、高濃縮ウ ラン(HEU)及び分離プルトニウムを全量撤去し処分すること」を約束しました。二人の 約束に関連するプルトニウムは 331kg です。二人はさらに、 「高濃縮ウランとプルトニ ウムの最小化のために何ができるかを検討するよう各国に奨励」しました 3. その半年後の 2014 年 9 月 16 日、日本原子力委員会の事務局は、2013 年末現在の日本 のプルトニウム保有量は、2012 年末の 44 トンから 47 トンに増えたと発表しました。 4. この 3 トンの増加の内、2.3 トンは、日本の使用済み燃料の一部を再処理してきた英国 において日本に割り当てられたものです。2005 年末以来ほとんど動きのなかった割当 て量の急増です。実は、英国における日本の使用済み燃料の物理的再処理は 2006 年 1 月に終わっています。ところが、契約では、英国に送られた日本の使用済み燃料に含ま れるプルトニウムの全量が何年かのうちにいずれ日本割り当てられるが、割当てはそれ ぞれの年に日本の使用済み燃料から分離されたプルトニウムの量とは関係なく行われ ることになっているとのことです。分かりにくいですか? 大丈夫。2014 年 9 月 16 日 の会合の議事録を見ると、委員も状況を理解できなかったようです。沸いてくる疑問: 日本に割り当てられる量はこの他にまだあるのでしょうか? 5. ジャジャーン! 原子力委員会事務局は電力会社に問い合わせた後、英国で保管されて いる日本のプルトニウム量にあと 1 トン割り当てられることが判明したと 2014 年 11 月 13 日、国会議員の事務所に認めました。ところが、2015 年 4 月末現在、原子力委員 会はこの事実を公表していません。 6. ジャジャーン! 問題の 3 トンの増加の内の残りの 640kg は、2011 年 3 月に玄海 3 号 炉に装荷されたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料中のプルトニウムです。 この炉は運転停止のままとなっています。日本原子力委員会は、単に原子炉に入れられ たからというだけで、この未照射プルトニウムの量を分離済み未照射プルトニウムの総 量から消し去っていたのです。 7. 1991 年、日本政府は原子力委員会の核燃料専門部会の報告書において「核燃料サイクル 計画の推進に当たって必要な量以上のプルトニウムを持たない」と表明しました。 8. 1997 年 12 月、日本は国際原子力機関(IAEA)に自主的に送付した『日本のプルトニウ ム計画』において、余剰プルトニウムを持たないとの方針を再度表明しました。「核燃 料サイクルを推進するに当たっては・・・計画遂行に必要な量以上のプルトニウム、す なわち、余剰プルトニウムを持たないとの原則を堅持」している。 9. 六ヶ所再処理工場の運転を開始してさらにプルトニウムを分離することの是非に関す る議論のなかで、プルトニウムの供給量と必要量の関係が取り上げられてきましたが、 日本政府は、2012 年末現在の量 44 トンに加えて上述の 2.3 トン(プラス 1 トン)が割 り当てられる予定であることについて触れていませんでした。 10. 日本は 1994 年以来、毎年、前年末に日本が所有した分離済みプルトニウムの量に関す る情報を公表してきていますが、日本原子力委員会の事務局は、1993 年以前の記録は 持っていないと言っています。 11. 原子力規制委員会の保障措置部門は、日本が IAEA 保障措置を受け入れた 1978 年以来 のデータしか持っていないと述べています。そして、1978-1992 年についても、分離 済みプルトニウムのデータは持っていないと主張し、使用済み燃料に含まれた未分離の ものを合わせたプルトニウム合計量のみを国会議員事務所に対して提供しています。 12. パイロット規模の東海再処理工場を管轄する文部科学省は、同工場で毎年分離されたプ ルトニウムの量について、2005 年以降のデータしか持っていないと述べています。工 場は、1997 年にプルトニウムの分離を開始しました。 ○12 点の内 0-6 点だった場合は、日本に対し、六ヶ所再処理工場の運転を開 始しないよう、そして、日本のプルトニウムに関する情報をもっと集め公表す るよう、強く要請して下さい。 ○12 点の内7-12 点だった場合は、もちろん、日本に対し、六ヶ所再処理工場 の運転を開始しないよう、そして、日本のプルトニウムに関する情報をもっと 集め公表するよう、強く要請して下さい 日本の外交官・政府関係者と話してしてみて下さい。そして、貴国の日本大使 館または国連日本代表部([email protected])にメッセージを送って 下さい(コピーを核情報主宰 ([email protected])まで)。 日本大使館リスト: http://www.mofa.go.jp/about/emb_cons/mofaserv.html 付録:預金通帳を再確認してみるといいかも・・・ 下の表は、原子力規制委員会の保障措置部門が、1993 年以前の分離済みプルトニウムの毎 年の量を求めた国会議員事務所に対して送ったものです。表は、ポイント 11 で触れたよう に、分離済みプルトニウムと未分離プルトニウムの合計量を示しています。 日本国内のプルトニウム量 (1978 年-1993 年) 年 プルトニウム元素重量 (kg) 内、核分裂性物質重量 (kg) 1978 3,304 2,544 1979 4,915 3,811 1980 6,974 5,348 1981 8,858 6,690 1982 9,640 7,217 1983 11,171 8,340 1984 13,094 9,745 1985 15,074 11,205 1986 17,064 12,650 1987 19,092 14,022 1988 22,825 16,683 1989 24,578 17,885 1990 26,694 19,272 1991 29,883 21,462 1992 33,570 23,965 1993 38,837 27,606 285,573 208,444 合計 各年の数字は、それぞれの年までの累積量を示しており、預金通帳の数字のようなもので す。 議員事務所「合計欄がありますが、これはどういう意味でしょうか」 原子力規制庁:「単に各項目を合計したまでであり、数字に特段の意味はありません」 (2014 年 8 月 1 日) 銀行があなたの口座で同じような計算方式を適用してくれるといいと思いませんか。
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