第二回 力 力はどんな効果を及ぼすか 力そのものは見えないが、力がかかると・・・ 物体の重心を突く 静止していた物体は運動を始める 運動していた物体は 速度や方向を変える 1 力はどんな効果を及ぼすか 2 力はどんな効果を及ぼすか 物体の重心を突く 物体の重心をはずし て突く 並進運動だけを起こす 3 4 1 力はどんな効果を及ぼすか 力はどんな効果を及ぼすか 反対方向からも 同じ大きさで 物体の重心を突 く 物体の重心をはずし て突く 並進運動と回転運動を起こす 物体の重心を突く 並進運動も回転運動も起こさない 力がつりあっている 5 力はどんな効果を及ぼすか 6 力はどんな効果を及ぼすか 反対方向からも 同じ大きさで 物体の重心をは ずして突く 反対方向からも 同じ大きさで 物体の重心をは ずして突く 物体の重心をはずし て突く 物体の重心をはずし て突く 並進運動も回転運動も起こさない 力がつりあっている 7 8 2 力はどんな効果を及ぼすか 力は物体に運動(加速度)を生じさせる F ma 反対方向からも 同じ大きさで 球の重心をはず して突く 構造力学の対象物体は運動 を起こさない 0 ma 球の重心をはずして 突く 構造物に働くすべての力を足し 合わせた結果がゼロ、ということ (つりあっている。回転も含めて) 回転運動だけを起こす →偶力 9 10 力のつりあいを求めるにあたって すべての力とは? 作用する力(荷重・外力)、支え る力(支持力・反力) • 物体は剛とみなしてよい – 実際は変形する。力のつりあいを考えるときだ け剛と考えて差し支えない:微小変形理論 構造物を仮想的に切断すれば、 そこに現れる 構造物内部に発生している力 (応力) それらの力、それらの合力を どうやって知るか 11 12 3 力のつりあいを求めるにあたって 力のつりあいを求めるにあたって • 力は「大きさ」「方向」「作用点」が決まると 定まる:力の三要素。これを矢印で表す • 剛体に及ぼす力の効果は作用線上を動か しても変わらない 方向 方向 P 大きさ (作用線) P (作用線) A 作用点 大きさ A 作用点 剛体 13 力のつりあいを求めるにあたって 14 力の合成と分解(一点に集まる2力) • AがBに力を及ぼしているとき、BもAに力 を及ぼしている。その大きさは等しく、方向 は逆:作用反作用の法則 y 力の平行四辺形 P sin θ A B 力の三角形 図解法 15 P P cos x 直交座標系を用いて 成分に分解する 数値解法 16 4 力の合成と分解(一点に集まる3以上の力) 回転効果の表し方 y Pi sin i V P sin i i i • モーメント:力×距離 Pi R H 2 V 2 θi x V tan 1 Pi cos i H H Pi cos i P A l B点でも PによるモーメントはPl i B 力の平行四辺形または三角形 をくりかえせばよい。三角形を繰 り返したものを示力図という 図解法 各々の力Piを成分に分解し 成分ごとに足し合わせたHと Vを合成する 数値解法 A点における PによるモーメントはPl (P) Pが作用線上を移動し てもA,B点でのモーメン トは同じ 平行線 17 多くの力によるモーメント(2力の例P1a1+P2a2) P2 多くの力によるモーメントP1a1+P2a2 p.17 • 合力のモーメントRaRに等しい 18 R P2 R P1 aR P1 p1を移動してABとすると はABを モーメントP1×a1C 底辺とする△OABの面積 ×2、即ちOAを底辺とする △OABの面積×2となる A a1 O a2 p.17 • 合力のモーメントRaRに等しい バリニョンの定理 B h1 a2 19 a1 O バリニョンの定理 20 5 多くの力によるモーメントP1a1+P2a2 多くの力によるモーメントP1a1+P2a2 p.17 • 合力のモーメントRaRに等しい P2 p2を移動してACとすると モーメントP2×a2はACを P1 OACの面積 底辺とする△ ×2、即ちOAを底辺とする 2となる △OACの面積× a1 R C B P2 R D C B O a2 p.17 P2 aR h2 h1 A a2 22 R D P1 h=h1+h2 C a1 B aR h2 O バリニョンの定理 p.17 • 合力のモーメントRaRに等しい D h=h1+h2 バリニョンの定理 多くの力によるモーメントP1a1+P2a2 • 合力のモーメントRaRに等しい R O 21 多くの力によるモーメントP1a1+P2a2 P2 h1 A バリニョンの定理 a1 aR h2 a2 モーメントR×aRはOAを 底辺とする△OADの面積 P ×2となる1 h h2 A p.17 • 合力のモーメントRaRに等しい 23 A ACDBは平行四辺形 であり、h1+h2=h の関係がある h1 a2 P1 a1 O バリニョンの定理 24 6 平行な力の合成 R=P1 + P2 + P3 P1 x1 P2 x2 O P3 x3 p.18 平行でない多くの力の合成(一般の場合) P1 • すべてをX.Y成分に分解すれば、各方向 で平行な多くの力の合成に帰着する y P2 xR P3 P1 x1 P2 x2 P3 x3 P1 P2 P3 偶力 25 θi yi Hi H 合力の鉛直成分 V 合力の大きさ x H i i Vi x0 合力の方向 R H 2 V 2 tan 1 V H 合力の作用点 V H 重さのアナロジーで考えれば合力は重心の位置となる 合力の水平成分 i R y0 バリニョンの定理より xR Vi xi x Pi p.18 V x V x0 i i i H y H i i i i H i Pi cos i Vi Pi sin i y0 i i i 26 一つの力の効果 p.19 • ある点に作用する一つの力の効果は • 大きさが等しく向きが反対の一対の力 – 純粋な回転の力 P l P この偶力の効果は物体の どこに作用しても同じPl これを と表現する 27 28 7 一つの力の効果 分布荷重の合力(効果) • ある点に作用する一つの力の効果は • 別の点に作用する一つの力とモーメントに 置き換えられる 分布荷重は平行な力が連続して分布してい ると考えられる pl/2 px/l 例:三角形分布 p x l 29 x0 l px p 2 l pl 大きさ P :面積に等しい dx x 0 0 l 2l 2 l px pl p 3 l pl 2l :重心に等しい xdx x0 x 0 位置 0 l 2 3l 2 3 モーメントより 物体に働く多くの力は p.21 力がつりあっているということは p.22 30 p.23 • 並進移動も回転移動もしないこと • すなわち構造物に働くすべての力の、 • つりあいを考える上では、結局一つの合力 と一つの合モーメントに帰着する • つりあうとは、この合力と合モーメントがと もにゼロということ • したがって物体は並進運動も回転運動も おこさない→静止している – 水平成分の合力=ゼロ Hi 0 – 鉛直成分の合力=ゼロ Vi 0 – 任意点まわりの回転成分の合力=ゼロ M (任意点回り) 0 • この三つをつりあい条件式という • 適当な座標系を用い、つりあい条件式をた てれば作用するすべての力が求められる 31 32 8 質点が静止しているということは 物体が静止しているということは p.24 例題2.2 • 質点に外部から働くすべての力がつりあっ ている(点だから回転はない) T2 T1 30° 水平方向 p.24 例題2.1 • 物体に外部から働くすべての力がつりあっ ている A 右から左の力を正 P=600N 2m B 3m HA T1 cos 30 T2 cos 60 0 鉛直方向 60° T1 sin 30 T2 sin 60 50 0 下から上の力を正 VA T1 25kN 上から下の力を正 V 600 V V 0 M ( A点回り) 600 2 V 5 0 T2 25 3kN 50kN VB つりあい条件式 Hi H A 0 i A B 時計回りの力を正 33 B V A 360 N VB 240 N 構造物が静止しているということは 構造物が静止しているということは • 構造物に外部から働く力(荷重・外力と支 持点の反力)がつりあっている • 構造物に外部から働く力(荷重・外力と支 持点の反力)がつりあっている 荷重・外力 荷重・外力 反力 自由物体 反力 つりあい条件式が成り立っている H i 0 V 0 i M (任意点回り) 0 34 つりあい条件式が成り立っている 35 H i 0 V 0 i M (任意点回り) 0 36 9 これから行うことは p=2kN/m • 自由物体に働く外力と反力のつりあい式 から反力を求める MD=4kNm HA B A (および、その後で C 4m 2m D 2m VA VB • 棒材を切断した自由物体に働く外力+反 力と応力のつりあい式から応力を求める) p.29 演習問題2.4 • という作業である 37 8kN 38 p=2kN/m p.30 演習問題2.7 MD=4kNm HA B A 4m C 2m D 2m VA VB HA=0 下から上の力を正 VA+ VB-8=0 時計回りの力を正 8×2+4-VB×8=0 HA=0 VA=5.5kN VB=2.5kN l/2 39 l/2 40 10 つりあい条件式 H H P cos 30 0 左から右の力を正 V 100 V P sin 30 0 上から下の力を正 l M ( A点回り) 100 l P sin 30 2 0 i i P 400 N A H A 200 3 N A V A 100 N 仮定した向きと逆 時計回りの力を正 P HA Psin30° Pcos30° VA 100N l/2 l/2 41 11
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