(3要素)、合成、モーメントと偶力

第二回 力
力はどんな効果を及ぼすか
力そのものは見えないが、力がかかると・・・
物体の重心を突く
静止していた物体は運動を始める
運動していた物体は
速度や方向を変える
1
力はどんな効果を及ぼすか
2
力はどんな効果を及ぼすか
物体の重心を突く
物体の重心をはずし
て突く
並進運動だけを起こす
3
4
1
力はどんな効果を及ぼすか
力はどんな効果を及ぼすか
反対方向からも
同じ大きさで
物体の重心を突
く
物体の重心をはずし
て突く
並進運動と回転運動を起こす
物体の重心を突く
並進運動も回転運動も起こさない
力がつりあっている
5
力はどんな効果を及ぼすか
6
力はどんな効果を及ぼすか
反対方向からも
同じ大きさで
物体の重心をは
ずして突く
反対方向からも
同じ大きさで
物体の重心をは
ずして突く
物体の重心をはずし
て突く
物体の重心をはずし
て突く
並進運動も回転運動も起こさない
力がつりあっている
7
8
2
力はどんな効果を及ぼすか
力は物体に運動(加速度)を生じさせる
F  ma
反対方向からも
同じ大きさで
球の重心をはず
して突く
構造力学の対象物体は運動
を起こさない
0  ma
球の重心をはずして
突く
構造物に働くすべての力を足し
合わせた結果がゼロ、ということ
(つりあっている。回転も含めて)
回転運動だけを起こす →偶力
9
10
力のつりあいを求めるにあたって
すべての力とは?
作用する力(荷重・外力)、支え
る力(支持力・反力)
• 物体は剛とみなしてよい
– 実際は変形する。力のつりあいを考えるときだ
け剛と考えて差し支えない:微小変形理論
構造物を仮想的に切断すれば、
そこに現れる
構造物内部に発生している力
(応力)
それらの力、それらの合力を
どうやって知るか
11
12
3
力のつりあいを求めるにあたって
力のつりあいを求めるにあたって
• 力は「大きさ」「方向」「作用点」が決まると
定まる:力の三要素。これを矢印で表す
• 剛体に及ぼす力の効果は作用線上を動か
しても変わらない
方向
方向
P 大きさ
(作用線)
P
(作用線)
A 作用点
大きさ
A 作用点
剛体
13
力のつりあいを求めるにあたって
14
力の合成と分解(一点に集まる2力)
• AがBに力を及ぼしているとき、BもAに力
を及ぼしている。その大きさは等しく、方向
は逆:作用反作用の法則
y
力の平行四辺形
P sin 
θ
A
B
力の三角形
図解法
15
P
P cos
x
直交座標系を用いて
成分に分解する
数値解法
16
4
力の合成と分解(一点に集まる3以上の力)
回転効果の表し方
y
Pi sin  i
V
 P sin 
i
i
i
• モーメント:力×距離
Pi
R  H 2 V 2
θi
x V
  tan 1
Pi cos i
H
H   Pi cos i
P
A
l
B点でも
PによるモーメントはPl
i
B
力の平行四辺形または三角形
をくりかえせばよい。三角形を繰
り返したものを示力図という
図解法
各々の力Piを成分に分解し
成分ごとに足し合わせたHと
Vを合成する
数値解法
A点における
PによるモーメントはPl
(P)
Pが作用線上を移動し
てもA,B点でのモーメン
トは同じ
平行線
17
多くの力によるモーメント(2力の例P1a1+P2a2)
P2
多くの力によるモーメントP1a1+P2a2
p.17
• 合力のモーメントRaRに等しい
18
R
P2
R
P1
aR
P1
p1を移動してABとすると
はABを
モーメントP1×a1C
底辺とする△OABの面積
×2、即ちOAを底辺とする
△OABの面積×2となる
A
a1
O
a2
p.17
• 合力のモーメントRaRに等しい
バリニョンの定理
B
h1
a2
19
a1
O
バリニョンの定理
20
5
多くの力によるモーメントP1a1+P2a2
多くの力によるモーメントP1a1+P2a2
p.17
• 合力のモーメントRaRに等しい
P2
p2を移動してACとすると
モーメントP2×a2はACを
P1
OACの面積
底辺とする△
×2、即ちOAを底辺とする
2となる
△OACの面積×
a1
R
C
B
P2
R
D
C
B
O
a2
p.17
P2
aR
h2
h1
A
a2
22
R
D
P1
h=h1+h2
C
a1
B
aR
h2
O
バリニョンの定理
p.17
• 合力のモーメントRaRに等しい
D
h=h1+h2
バリニョンの定理
多くの力によるモーメントP1a1+P2a2
• 合力のモーメントRaRに等しい
R
O
21
多くの力によるモーメントP1a1+P2a2
P2
h1
A
バリニョンの定理
a1
aR
h2
a2
モーメントR×aRはOAを
底辺とする△OADの面積
P
×2となる1
h
h2
A
p.17
• 合力のモーメントRaRに等しい
23
A
ACDBは平行四辺形
であり、h1+h2=h
の関係がある
h1
a2
P1
a1
O
バリニョンの定理
24
6
平行な力の合成
R=P1 + P2 + P3
P1
x1
P2
x2
O
P3
x3
p.18
平行でない多くの力の合成(一般の場合)
P1
• すべてをX.Y成分に分解すれば、各方向
で平行な多くの力の合成に帰着する
y
P2
xR
P3
P1 x1  P2 x2  P3 x3
P1  P2  P3
偶力
25
θi
yi
Hi
H
合力の鉛直成分
V
合力の大きさ
x
H

i
i
Vi
x0
合力の方向
R  H 2 V 2
  tan 1
V
H
合力の作用点
V 
H
重さのアナロジーで考えれば合力は重心の位置となる
合力の水平成分
i
R
y0
バリニョンの定理より xR 
Vi
xi
x
Pi
p.18
V x
V
x0 
i
i
i
H y
H
i i
i i
H i  Pi cos i
Vi  Pi sin  i
y0 
i
i
i
26
一つの力の効果
p.19
• ある点に作用する一つの力の効果は
• 大きさが等しく向きが反対の一対の力
– 純粋な回転の力
P
l
P
この偶力の効果は物体の
どこに作用しても同じPl
これを
と表現する
27
28
7
一つの力の効果
分布荷重の合力(効果)
• ある点に作用する一つの力の効果は
• 別の点に作用する一つの力とモーメントに
置き換えられる
分布荷重は平行な力が連続して分布してい
ると考えられる
pl/2
px/l
例:三角形分布
p
x
l

29
x0
l
px
p 2 l pl
大きさ P 
:面積に等しい
dx 
x 0
0 l
2l
2
l px
pl p 3 l pl 2l :重心に等しい
 xdx


x0 
x 0
位置
0 l
2 3l
2
3
モーメントより

物体に働く多くの力は
p.21
 
 
力がつりあっているということは
p.22
30
p.23
• 並進移動も回転移動もしないこと
• すなわち構造物に働くすべての力の、
• つりあいを考える上では、結局一つの合力
と一つの合モーメントに帰着する
• つりあうとは、この合力と合モーメントがと
もにゼロということ
• したがって物体は並進運動も回転運動も
おこさない→静止している
– 水平成分の合力=ゼロ
 Hi  0
– 鉛直成分の合力=ゼロ
Vi  0
– 任意点まわりの回転成分の合力=ゼロ
 M (任意点回り) 0
• この三つをつりあい条件式という
• 適当な座標系を用い、つりあい条件式をた
てれば作用するすべての力が求められる
31
32
8
質点が静止しているということは
物体が静止しているということは
p.24 例題2.2
• 質点に外部から働くすべての力がつりあっ
ている(点だから回転はない)
T2
T1
30°
水平方向
p.24 例題2.1
• 物体に外部から働くすべての力がつりあっ
ている
A
右から左の力を正
P=600N
2m
B
3m
HA
T1 cos 30  T2 cos 60  0
鉛直方向
60°
T1 sin 30  T2 sin 60  50  0
下から上の力を正
VA
T1  25kN

上から下の力を正
V  600  V  V  0
 M ( A点回り) 600  2  V  5  0
T2  25 3kN
50kN
VB
つりあい条件式
Hi  H A  0
i
A
B
時計回りの力を正
33
B
V A  360 N
VB  240 N
構造物が静止しているということは
構造物が静止しているということは
• 構造物に外部から働く力(荷重・外力と支
持点の反力)がつりあっている
• 構造物に外部から働く力(荷重・外力と支
持点の反力)がつりあっている
荷重・外力
荷重・外力
反力
自由物体
反力
つりあい条件式が成り立っている
H
i
0
V  0
i
 M (任意点回り) 0
34
つりあい条件式が成り立っている
35
H
i
0
V  0
i
 M (任意点回り) 0
36
9
これから行うことは
p=2kN/m
• 自由物体に働く外力と反力のつりあい式
から反力を求める
MD=4kNm
HA
B
A
(および、その後で
C
4m
2m
D
2m
VA
VB
• 棒材を切断した自由物体に働く外力+反
力と応力のつりあい式から応力を求める)
p.29 演習問題2.4
• という作業である
37
8kN
38
p=2kN/m
p.30 演習問題2.7
MD=4kNm
HA
B
A
4m
C
2m
D
2m
VA
VB
HA=0
下から上の力を正 VA+ VB-8=0
時計回りの力を正 8×2+4-VB×8=0
HA=0
VA=5.5kN
VB=2.5kN
l/2
39
l/2
40
10
つりあい条件式
 H  H  P cos 30  0 左から右の力を正
V  100  V  P sin 30  0 上から下の力を正
l
 M ( A点回り) 100  l  P sin 30  2  0
i
i
P  400 N
A
H A  200 3 N
A
V A  100 N
仮定した向きと逆
時計回りの力を正
P
HA
Psin30°
Pcos30°
VA
100N
l/2
l/2
41
11