早稲田大学 - 増田塾

2016 増田塾
入試解答速報
早稲田大学(2/14)スポーツ科学部
― 早稲田大学 ―
2 月 14 日
スポーツ科学部
小論文
解 答
<解答例>
運動部の活動は改革すべきです。私は今後、運動部の部活動も「学問」的な要素をより含
んでいくべきだと考えます。
部活動は学校が主導し、活動環境を整備している以上、学校教育の一環であることは間違
いありません。また運動部では身体面はもちろん、精神面での発育も充分期待されます。集
団競技では部員各自が責任をもって自らの役割を果たそうと自主的に努力し、また勝利とい
う同じ目標に向け一致団結し能力を高めようと努力します。また個人競技でも選手は「部員」
である以上、ただ自らの能力向上のみに固執はできません。対外試合では部(学校)の代表と
しての責任があり、節度あるプレーと態度が求められます。また効果的な練習にはマネージ
ャーやコーチ、監督との連帯感も必要です。これらにより、運動部での活動はいわゆる「道
徳心」とも呼ばれる、まさに学校教育が目指す精神面の育成が可能になると言えます。
以上は充分納得のいくものです。しかし問題は教育にスポーツを組み込む目的はこの「道
徳心の育成」のみでよいのか、という点です。もしそれのみを達成目標とするならば、それ
は芸術・文化的な部活動でも代替可能であり、スポーツは教育のための単なる「道具」でし
かないことになります。「スポーツだからこそ可能な能力の育成」が今後の部活動には必要
です。
そこで私はすべての運動部の活動において新たに、「マネージャー育成」という目標設定
を組み込むべきだと提案します。ここにおける「マネージャー」とは、身体能力を高めるた
めの知識を学びながら選手をサポートします。例えば集団競技において、個人の身体能力や
技能の習得レベルを無視した画一的な練習内容は避けるべきです。そうならないよう、マネ
ージャーは選手の骨格や筋肉の動きを熟知しそれを効率よくパフォーマンスへと導く、いわ
ゆる「科学的トレーニング」を考察・実践します。また栄養管理やケガの予防・処置なども、
確かな知識を基にした的確な対処ができるようにします。以上を学習する環境はもちろん
「部活動」ですので、学校側が準備します。そうして学校教育の段階からスポーツに「科学」
という視点を盛り込むことで、我々全体の身体能力が高まるとともに、生活に科学的思考が
根付くことも期待できます。それはまさに学校教育にスポーツを組み込む意義、と言えるの
ではないでしょうか。(966 字)
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早稲田大学(2/14)スポーツ科学部
解 説
今年度は「スポーツと教育」の中でも「部活動」という、学校教育においてはサブ的なイ
メージをもたれがちなものがテーマとなった。また表現面でも「ディベート(討論)」形式で
解答するよう指示がなされている。ディベートに慣れていない人にはとっつきにくいが、あ
るテーマに対して常に「賛成/反対」両方の意見を持ち、それぞれ有効な根拠と対立意見へ
の反論材料を考えるのがディベートのセオリー。以上の条件はあるが、どのような場合でも
まずは「構成・表現」面をしっかりと整えた、論旨が掴みやすい解答づくりを心掛けること
が第一。
今回は「学校教育としての部活の意義」について課題文では「道徳教育」の側面を強調し
ている点がポイントで、肯定側としてはここに反論の要素がある。例えば「部活動が一体感・
連帯感を強調するあまりに選手の個性が阻害されている」なども有効な反論と言える。また、
解答例のように部活動の「道徳教育」としての役割自体は認めながら、スポーツの役割はそ
れだけではない、とする反論も有効なものとなりそう。もちろんそれぞれの反論に対しては
根拠・具体例をしっかり追加して説得力を上げることは必須。さらに評価を上げるため「今
後の改善策・具体案」も加えた。こちらは解答者自らがアイデアを出す必要があるためにな
かなか難しいが、今回は「改革をすべき」という立場から論じるわけだから、ここは「では
どのような改革ならよいのか」まで踏み込んで内容を追加するべき。
以上で充分な解答となる。小論文となるとどうしても意見の独自性ばかりを気にしてしま
いがちになるが、課題文の内容を無視・軽視したいわゆる「自分語り」は評価がつかないと
心掛けるべき。まず小論文には「課題の充分な理解」が必須であり、その理解から意見論述
の材料が確保できる。無理なく安定して評価を得る解答を作るには、「課題の理解」をまず
最優先にし、そこから意見を組み立てていくと良い。
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