2016 増田塾 入試解答速報 早稲田大学(2/22)社会科学部 ― 早稲田大学 ― 2 月 22 日 社会科学部 国語 解 答 一 問一 ①. 5 問五 5 ②. 3 問二 4 問三 1 問六 3 問七 1 問四 ア. 2 イ. 1 二 問八 1・2・4 問十一 2・5 問十四 1 問十六 (一). 1 問九 A. 2 C. 6 問十二 B. 7 D. 6 問十五 5 (二). 3 問十 3 問十三 4 (三). 3 その他の大学・学部の解答解説はコチラ PC 用 解答速報ページ スマホ用 解答速報ページ 増田塾は早慶上智・GMARCH・関関同立などをはじめとした難関大学の解答解説を随時公開していきます。 1/7 難関私大文系専門予備校 © 2016masudajuku 2016 増田塾 入試解答速報 早稲田大学(2/22)社会科学部 解 説 一 問一 ①「貫徹」→ 1.閑 2.患 3.還(喚) 4.看 5.貫 6.簡 ②「顕著」→ 1.検 2.健 3.顕 4.賢(建) 5.険(嫌) 6.見 問二 傍線「顧客」の言い換えとして最適なのが 3 段落 2~4 行目。住民は税金やサービス料 を「支払う」ことで巨大システムに「ぶら下がるだけになっている」という表現が傍線 「受け身で無能力な存在」とも合致する。以上を踏まえると正解は 4。1 は「テクノロ ジーの可能性を過信している」が課題文中に記述なし。2 は「日頃から追随的に賛同し ている」が課題文中に直接記述がなく、 「受け身で無能力な存在」の説明として不適切。 3 は「個人が意思表示を行うことが困難になった」が課題文中に記述なし。5 は 1 段落 12 行目や 3 段落 2~4 行目などを踏まえており悩ましいが「生産者の側に位置してい た人々が」が課題文中に記述なし。 問三 傍線「家族という検閲所」が「中間集団」であることをおさえ、2 段落 4~5 行目も踏 まえると傍線は子どもたち(小さな個人)が家族(中間集団)をクッションとせずに巨大な 社会システム(流通システム)に直接つながっている、と捉えればよい。以上を踏まえる と 1 は子どもたち(小さな個人)が家庭にある固定電話を使用せず(中間集団をクッショ ンとせず)直接通信システム(巨大な社会システム)を利用している、と解釈できる。傍線 の説明として適切と言えるので、正解は 1。2 は「巨大な社会システム」を示すものが 登場していない。3 はそもそも「新聞」もマス(巨大)メディアと言えるもの。つまり 3 はマス(巨大)メディア上で用いられる媒体が変わった、という説明に留まっており、 「旧 来は中間集団をクッションとしていた」という意味合いが含まれない。4 も 3 と同様 「旧来は中間集団をクッションとしていた」という意味合いが含まれない。5 は子ども が「ものではなく情報」を欲しがることが「巨大な社会システム(流通システム)に直接 つながっている」の説明になっていない。 問四 ア: イ: 空欄直前「自然と制度という、対立する二契機」から人間存在には「両義性」が含 まれる、という解釈をすればいい。他に悩ましい選択肢もないので、そのまま 2 「両義性」が正解となる。 8 段落より商店街は「保守政治家層(政権党)」による保護、つまり政治という「巨大 な社会システム」の影響下にあったことがわかる。そして 9 段落でも「地方自治が 中央の補完体・代行機関」とあることから、空欄直前直後は地域社会が「巨大な社 会システム」の「保護を受ける=頼る・依存する」ことで自治能力を失っていくこ 2/7 難関私大文系専門予備校 © 2016masudajuku 2016 増田塾 入試解答速報 早稲田大学(2/22)社会科学部 とが述べられていると考えればよい。そしてこれらは 3 段落 2~4 行目でも指摘さ れていたことなので、この解釈で正しいと確認すれば、イの正解は 1「依存度」で 良いことになる。4「信頼度」が若干悩ましいが、地域社会は中央政府に直接・具体 的な保護を受けているので、「信頼」という気持ちだけの問題ではなく実際に「依 存」している、と考えればやはり 1「依存度」が正解となる。 問五 5 段落より「中間集団=自然と制度が交差する場所」であることに注意。1・4 は「制 度」に限定した説明になっており、そもそも「自然」についての説明が不足している。 一方 3 はというと、今度は「自然」に限定した説明になっている。よって 1・3・4 はど れも不適切。2 は権力や富に対する「欲望」についての説明は課題文中になし。最後に 残った 5 は「矛盾する要素」がまさに 5 段落 4 行目「自然と制度という、対立する二契 機」であり、「調整」も 5 段落 3 行目に指摘がある。また「個人を社会につなぐ、とい う媒介的な役割」は 2 段落 4~5 行目で指摘があり、これは「中間」集団の役割が述べ られた箇所なので適切な説明と言える。以上から不適切な箇所はなく、5 が正解となる。 問六 傍線 4 で筆者が述べようとしているのは、 「商店街」はそもそも中央政治という巨大な 社会システムの保護下になったものであり、それを「中間集団」と捉えてノスタルジー を強めること自体が「幻想」であるということ。3 は前半が 7 段落 3~4 行目を、後半 が 8 段落全体の内容を的確に捉えている。1 はこの書き方だと「商店街に限らず、百貨 店や量販店なども中間集団と言える場合がある」とも読み取れてしまうが、それは傍線 の主張とは異なる。2 もこの内容では「都市ごとに地域社会の共同体となるものは異な る、つまり商店街が地域社会の共同体となる場合もある」と解釈できてしまい、それは 傍線の主張とは異なる。4 は 8 段落を確認すると商店街の「生き残り」が問題となった のは九〇年代以降。「政治的な判断」は商店街の発足以降からずっと続いていることな ので、「生き残り」のために政治的な判断を要する、という説明は誤り。5 は商店街を 「近代の共同性の典型的な特質」としているが、6 段落などを確認すると商店街は「近 代以前の人々の連帯感」があるように「幻想」されていたと分かる。つまり 5 は「幻想」 を誤解していることになるため誤り。 以上を踏まえると正解は 3。 問七 各選択肢の正誤基準は以下の通り。 1: 10 段落全体の内容と合致している。「同朋のために」は 4 段落 3~5 行目などを確認す ると適切な表現だと判断できる。 2: 「商店街という~という心性」は課題文では「幻想」とされているもの(6 段落などを 確認)。そのためそれを過小評価することに批判的な 2 は誤り。 3/7 難関私大文系専門予備校 © 2016masudajuku 2016 増田塾 入試解答速報 早稲田大学(2/22)社会科学部 3: 5 段落 2 行目などで家族の役割が述べられているが、そこで「奉仕と受益」という個人 の果たす役割は特に指摘されていない。 4: 「コミュニティの再編」は 10 段落の通り「いま必要」とされていることであり、これ まで「支えられてきた」としている点が誤り。 5: 4 と同様に 10 段落を確認すると、「国家を超えて結ばれるつながり」は「いま必要」 とされていることであり、「歴史的(つまり過去)」な背景に基づくものではない。 二 [『とはずがたり』について] 誰に問われるでもなく自分の人生を語るという自伝形式で、後深草院に仕えた女房二条の 49 歳ごろまでの境遇が綴られる。二条の告白として書かれているが、ある程度の物語的虚 構性も含まれると見る研究者もいる。前半(1~3 巻)の舞台は後宮である。二条は 4 歳から院 の後宮に上がり、院のもとで育てられた(このくだりは光源氏と若紫の関係を連想させる)。 14 歳のとき後深草院の寵愛を受けた。だが他にも好きな男性がおり、院の子も、その男性 の子も産む(皇子は夭逝してしまう)。その後も女房として院に仕えるが 26 歳の時、後深草 院の中宮であった東二条院の怒りを買い、後宮を退かされる。後半(4・5 巻)は尼になってか らの日々である。巻 4 では既に二条が尼になっているところから話が始まる。巻 5 は 45 歳 頃からのことと思われる。安芸(=現在の広島県)の厳島神社、讃岐(=現在の香川県)の白峰 から坂出の崇徳院御陵などを訪れる(=このあたりが出題文に引用された箇所である。出題 文冒頭にあるのが、厳島神社へと向かう道中立ち寄った地での出来事であり、後の 2 つが讃 岐である)。なお後深草院が亡くなったのは、この場面よりも後である。 問八 傍線部⑦は助動詞「む」である。これと「同じ語」は、選択肢の 1・2・4。3・5 はと もに助動詞「けむ」の一部。なお設問指示は「『同じ語』を選べ」なので「む」の文法 的意味が何であるかは問われていない。 問九 A=「ありがたし」は「めったにない」。ただし、ここでの使い方は「尊い」に近い。 長く遊女として生き、今では仏道に目覚めたこの女性を、二条は「ありがたし」と思っ て見ているわけである。 C=「ゆかし」は「見たい・聞きたい・知りたい」。「崇徳院の御陵に、ぜひとも訪れ てみたい(=この目で見てみたい)」と二条は思ったのである。 4/7 難関私大文系専門予備校 © 2016masudajuku 2016 増田塾 入試解答速報 早稲田大学(2/22)社会科学部 問十 「つとめ」は「勤行・仏道修行」。「(遊女の)仕事」ではない。(自分と同じように)発 心し、仏道修行に励むこの女性に「あなたはどんな修行をなさっているんですか」と訊 いたのである。1・3 の 2 択だが、 「毎朝の」に根拠がなく 1 は消去(「つとめて」=「朝」 の連想によるひっかけであったろうか)。 問十一 基準となる「くださる」は「尊敬語」であり、これと同じものを選べばよい。 問十二 B=直前から「更級日記」の作者を答えると分かる。 D=2 箇所あるが、古文の中で決めるのは難しい。だが現代文を見れば「かからむ後 は」は「よしや君昔の玉の床とてもかからむのちは何にかはせむ」という歌を指すと わかる。これを詠んだのが誰か。「『山家集』にも載る」がヒント。「山家集」は西 行の私家集。 問十三 「沈む」には「成仏できない。地獄におちる」などの意味もある。この部分はそれ である。海に沈むことでも、悲しみに沈むことでもない。傍線部の直前に「法華堂は、 如法行ふ景気見ゆれば」とあるのがヒント。「法華堂が仏法の定め通りにしっかりし た『行ひ』をやってくださっているのだから、崇徳院様がたとえ地獄に落ちかけてい たとしてもきっと大丈夫」という二条の気持ちである。話は逸れるが、崇徳上皇は保 元の乱により讃岐に配流され、悲運のままに同地で没している。怨霊伝説があり、以 下がその要約である。 讃岐配流ののち、五部大乗経の写本作りに専念する(本文では、二条もこれと同じ修 行をしようとしていたことが書かれている。崇徳院の場合には「血で書いた」という 伝説もあるが、諸本で違いがあり、定かではない)。完成した五つの写本を京の寺に 収めてほしいと朝廷に差し出した。ところが後白河院は「呪詛が込められているので はないか」と疑いこれを拒否し、崇徳院のもとにそのまま送り返した。激怒した崇徳 院は、舌を噛み切り、滴るその血で、写本に「日本国の大魔縁となり、皇を取って民 とし民を皇となさん」「この経を魔道に回向(えこう)す」と書き込み、最期は悪鬼の 姿になって死んだ… 問十四 問十三の解説に挙げたようなこと(=「伝説」など)を少し知っているだけでも、正解 の 1 には辿りつく。他にも方法はある。和歌の解釈をしてみるのもよい。「君よ(= 上皇に対する呼びかけ)たとえ、あなたが昔、玉座に着いておられた(=至上の地位に あった)といっても(今では)こんなお姿(=死者)になってしまわれました。(死んだ)後、 そんなもの(=過去の栄光)が何になりましょう(=そういった現世への執着は、もう忘 れ去ってください)」死んでしまえば、現世の栄光も権力の座も何の役にも立たない …、亡き崇徳院に向けた「この世に恨みを遺さず、きちんと成仏してほしい」という 西行の願い(=鎮魂歌)である。 5/7 難関私大文系専門予備校 © 2016masudajuku 2016 増田塾 入試解答速報 早稲田大学(2/22)社会科学部 問十五 正解以外の消去を以下に示す。 1 → 「自分自身(=二条のこと)、かつて遊女」が間違い。出題された現代文の範囲で充分 読みとれる。(更級日記作者である)菅原孝標女(=本問では空欄 B になっている)が美 しい芸人(=遊女)を見て憧れる(=ということは孝標女は遊女ではない)。これと並立 して「とはずがたり」ではどうだったか…と現代文の筆者は言っている。孝標女と同 じなら、二条もまた遊女ではない…と考え進めばよい。むろん「とはずがたり」を知 2→ 識として知っていた場合には、いきなり消去しても構わない。 「四つの緒」は「琵琶」である。二条は若い頃に琵琶を「思い切り」(=断念)にして いるが、賜りの撥だけは手許に置いているのである。執着を断ち切るために寺に置い てきたというのではない。 3→ 「北野天神に祈った女房」のエピソードを思い出したのは「現代文の筆者」であって 「『とはずがたり』の作者(=二条)」は無関係である。 4→ 「真犯人が名乗り出た」理由として「女房の歌に心を動かされたから」が、実は本文 からは読みとれない。その場合「真犯人」は女房の歌を見るか聞くかをしている必要 6→ があるが、そこが書かれていないのである。本文に書かれてあるのは「(女房が)北野 天神に…訴えたところ、真犯人が名乗り出た」までである(参考までに、実際の「袋草 子」では「『天神が』心動かされて」女房にプラスになるよう事を運んだ…という展 開をしており、典型的な歌徳説話の扱いである)。 「後深草院の供養」とあるのがまずい。なぜなら、引用された古文の時点では、後深 草院は「まだ生きている」からである。7 ページの現代文に「作者(=二条)は今や折 にふれて都の院を慕い」とある。ということは(引用された古文の時点では)院は、ま だ亡くなってはいない。今も、都にいる。だがしかし、二条とは会えない…のである。 問十六 以下は「従軍行」の書き下し並びに大意である。 [書き下し] 烽火(ほうくゎ)西京(せいけい)を照らし、 心中自(おの)づから平(たひ)らかならず。 牙璋(がしゃう)鳳闕(ほうけつ)を辞(じ)し、 鉄騎(てっき)龍城(りゅうじゃう)を繞(めぐ)る。 雪暗くして旗画(きぐゎ)凋(おとろ)へ、 風多く鼓声(こせい)を雑(まぢ)ふ。 寧(むし)ろ百夫(ひゃっぷ)の長(ちゃう)と為(な)らんも、 一書生と作(な)るに 勝(まさ)れり。 [大意] (国境地帯から外夷侵攻を知らせる警報の)のろし火が、西京(=長安の都)を照らし、心の中 は、おのずと平静ではいられなくなってくる。牙璋(=軍隊を出陣させる時に用いる割り符) を(天子より賜って)鳳闕(=宮城の門)から出撃し(我が軍の)鉄の鎧・兜を付けた騎兵が匈奴 6/7 難関私大文系専門予備校 © 2016masudajuku 2016 増田塾 入試解答速報 早稲田大学(2/22)社会科学部 (=西方の異民族)の本拠地を取り囲んだ。雪は降りしきり、空は暗くなり(そのため)旗の面 に描かれた絵模様はしぼんで、風は強く、軍鼓(=軍中で用いるつづみ)の音が混じっている。 (私にとっては)書生(=学問する人。もっと意地悪く言えば、世間知らずな学者?)として過 ごすよりは、むしろ(戦場に出て)百人隊長になるほうが素晴らしいことなのだ。 (一) 偶数句末が韻を踏んでおり「平」以外には考えられない。 (二) 勇ましい(?)百人隊長として生きることの肯定であるから 3 か 4 の 2 択であるが、4 に は「出発点として出世しよう」とあり、これが違う。百人隊長を目指すことは「書生よ り出世できそうだから」と考えたわけではあるまい。 (三) 律詩は 8 句。2 句 1 組で聯を構成し、4 つの聯からなる。 その他の大学・学部の解答解説はコチラ PC 用 解答速報ページ スマホ用 解答速報ページ 増田塾は早慶上智・GMARCH・関関同立などをはじめとした難関大学の解答解説を随時公開していきます。 7/7 難関私大文系専門予備校 © 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