早稲田大学 - 増田塾

2016 増田塾
入試解答速報
早稲田大学(2/14)スポーツ科学部
― 早稲田大学 ―
2 月 14 日 スポーツ科学部 国語
解 答
一
問一
問二
問三
問四
問五
問六
問七
問八
a.ニ
イ
ロ
イ
ロ
ハ
ニ
ロ
b.ハ
二
問九 A.ニ
問十 ①.ハ
問十一 ニ
問十二 ハ
問十三 ハ
問十四 イ
問十五 イ
B.ロ
②.イ
三
問十六 ニ
問十七 A イ
問十八 ニ
問十九 ニ
問二十 ロ
問二十一 ロ
問二十二 イ
問二十三 (1)ハ
問二十四 ニ
B
ロ
C
ヘ
(2)ニ
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解 説
一
問一
a.「執拗」→イ.質
b.「陥穿」→イ.喚
ロ.湿
ロ.監
ハ.失
ハ.陥
ニ.執
ニ.勘
問二
2 段落 5~7 行目と 3 段落 2〜4 行目で提示されたデータが図と合致し、さらに「政治的関
心度」「政治に関心あり」とあることから正解はイ。
問三
「イグゼンプラー効果」は 4 段落 3~7 行目でまとめられており、ここでの「個人的意見と
して出された生の声」がロの「有力な政治家の演説」。またロの論理よりも個人の演説の方
が説得力を持つ、という内容も 4 段落 3~7 行目に合致することから正解はロ。イは「新聞
や雑誌などの~」は傍線 1 の「結果」起こることであり、傍線そのものの説明としては不適
切。ハは「識者へのインタビュー」はたしかに「個人的意見として出された生の声」だが、
「筋書きが随時変更される」が傍線「影響」の説明として不適切。「影響」はあくまで情報
を「受け取る側の認知と意見形成」におよぼすもの。ニは「資本」「合理的」はイグゼンプ
ラー効果において問題ではない。
問四
本来「沈黙の螺旋」とは「少数派だと自覚している人は、多数派からの反対や孤立を恐れて
自分の意見を表に出しづらくなる」という政治学者による仮説。傍線直前直後は「本来は数
件でしかない意見の声(=極論)が大勢であるかのように錯覚する」とまとめられるが、そ
こでイを見ると「大きな声」は「大勢の(ように思える)意見」であり、
「反対意見」は「少
数派の意見」、そして「表明が見合わせられる」が「沈黙」だと判断でき、傍線の説明とし
てはイが最適となる。ロはこの書き方だと「多くのフォロワー」が「少数派」ということに
なるが、「意見」を表明している時点で「沈黙」ではない。ハは悩ましいが、これは「沈黙
の螺旋」が起こる「原因」であって傍線そのものの説明ではない。ニは「過激な意見が抑制
され」とあるが、そもそも少数派の「沈黙」をもたらすものが「極論」なのだから、「過激
な意見」は抑制などされない。
問五
「ポジティブに賛同を得る」が 5 段落、「一気に反感を買う」が 6 段落でそれぞれ説明され
ており、ここからロが正解。他に悩ましい選択肢もない。
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問六
9 段落 5 行目「認めようとしない」「脳裡から抹殺」と同義の語句が空欄 A に入る。ここか
ら「不寛容・無知」のハが正解。イ・ロ・ニはそれぞれ「脳裡から抹殺」を意識した語句が
含まれておらず、ここで誤りと判断できる。
問七
この問題のポイントは傍線「パンドラの箱にもなりかねない」の主語を確認すること。傍線
直前の「ネットメディアの装置」がそれで、つまり傍線は「ネットメディアの装置」につい
ての説明なのだが、選択肢の中で「ネットメディア」そのものについて説明しているのはニ
しかない。内容的には傍線「少数のデマゴーグが跋扈する先導社会」は 9 段落 1~4 行目を
踏まえると「カリスマブロガーやツイート発信者が操る洗脳」により「意見の極化」「エコ
ーチェンバー現象」に巻き込まれた人が作る社会のことだと言える。そして以上はニとも合
致していると言え、内容的にもニが正しいと判断できる。イは「扇動社会」について「特定
の企業の利益を追求する」という説明は課題文にない。ロは「ツイート数が幾何級数的な広
がりを見せ」るだけでは「扇動」とは言い切れない。ハは「識者」が「意見の極化」「エコ
ーチェンバー現象」に巻き込まれたとする記述は課題文にない。また「ネットヘビーユーザ
ーでもある指導者」は課題文誤読。
問八
各選択肢の正誤判定基準は以下の通り。
イ:5 段落 4〜7 行目と真逆の内容になっているため誤り。
ロ:8 段落「エコーチェンバー現象」の説明通りの内容。
ハ:「様々な側面から~する必要がある」は課題文中に記載なし。
ニ:「専門家の個人的な見解にも注目しなくなる」は 4 段落 6 行目で「識者へのインタビュ
ー」に注目していることから誤り。
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二
問九
A:2 段落 5 行目「実験室は小説作者の頭脳」から、頭脳で行うこと=仮想と関連付ければ正
解はニ。
B:空欄直後「取り憑かれるかとり憑くかして、歌い悲しみ、また歌い喜ぶ」は「当人」と「感
情」を同化させるということ。ここから正解はロ。
問十
①は「帰納」。②は「啓示」。
問十一
3 段落 3~4 行目に注目すると、
「不変なエネルギーのようなあるもの」は 2 段落 8 行目「動
かすべからざる法則」であると言え、それが「彼女の運命を導いている」と続いていること
から正解はニ。
問十二
傍線「実験」はそもそも 2 段落 1~2 行目「人間の心の法則」を発見するためのもの。そし
て傍線「それぞれに異なる形」は 5 段落で紹介される文学作品がそれぞれ取り扱う人間の心
の在り方を示したもの。以上からイとハが候補に挙がるが、イは「複雑な人間の心の法則」
としている点が問題。2 段落を確認すると複雑であるのは「われわれの周囲に起こっている
現象」であり、あくまで「心の法則」を複雑としているのではない。ハには誤りは見当たら
ないので、正解はハとなる。ロはほとんどの文学作品が「一定の法則のもとに必然な推移が
見られる」としているが、これだと 2 段落 4~7 行目と合致しない。あくまで「すぐれた文
学作品」に限って「一定の法則のもとに必然な推移が見られる」のであるから、ロは誤り。
ニは「物理学の現象に比べ」が誤り。1 段落は物理学の現象でもおびただしい実験がされて
いるとあり、これは物理学自体も「複雑」であることを示したもの。たしかに 4 段落 4~6
行目「ただ物質と物質的エネルギーの場合とちがって~」が物理学の話をしていそうにも見
えるが、ここでの物理学は「文学作品の実験が失敗に終わる場合」を説明するために持ち出
されたものであり、ニの内容とは無関係。
問十三
田山花袋は「写実主義・自然主義」の作家として必須の知識。
『蒲団』以外では『田舎教師』
なども代表作。
問十四
「達する」はサ変動詞、「達しる」は上一段動詞。助動詞「られる」は未然形接続であるこ
とから、正解はイ。
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問十五
各選択肢の正誤判定基準は以下の通り。
イ:「人間の心の~点で難しい」が 2 段落 1~2 行目に、
「優れた文学作品~いるからである。」
は 4 段落と対応している。内容に間違いはない。
ロ:「抒情的な詩歌においても全く同じように成立する」が 11 段落 2 行目と合致しない。
ハ:「探偵小説は実証性が強くなければならないから」が 12 段落 8 行目と合致しない。
ニ:「裁判所の~を動かす」は 12 段落 16~17 行目と合致。続いて「生死の境と~人間の行
動」は 5 段落と合致しているが、「裁判所の~を動かす」との関連は課題文中では見られな
い。つまり「無関係な 2 文をただつなげただけ」の内容になっている。
三
問十六
「品詞の種類」を考えるだけでも正解を導くことはできる。最初が、副詞、「ハ さ」。「そ
のように」という指示語である。次が動詞、
「イ あり」。その次が、助動詞、
「ニ む」。こ
れ(三番目)が正解。「ロ かし」は終助詞。選択肢の 4 つの中では、最後にくるはずであ
る。なお、4 つを組み合わせた言い方は「さ・あら・む・かし」。
問十七
A「はべる」は、丁寧の補助動詞。
「聞き手」が敬意の対象となる。弁の君が、この時、会話
している相手を答える。正解は「イ おとど」。
B「たまへ」は、四段活用をしており、尊敬の補助動詞。
「主体」が敬意の対象となる。傍線
B が含まれるおとどのセリフの中で、話題となっている人物は「かの殿」とは「ロ 右大将」
のことで、これが正解。なお、B の「たまへ」が四段活用と判断できるのは、助動詞り(こ
こでは連体形に活用されており「る」)の上、すなわち已然形が「たまへ」の形になってい
るからである。B と同じ行と、2行後に、それぞれ「見た目が同じ」謙譲の補助動詞があり、
それと混同しないよう注意が必要。こちらは助動詞き(ここでは連体形に活用されており
「し」)の上、すなわち連用形が「たまへ」の形になっており「下二段活用」である。
C「参り」は「~に参上する」意の謙譲の本動詞。敬意の対象は「客体」である。
「参る」の
場合には、「~に」にあたるものを答えることになる(反対に、「まかる」「まかづ」の場合
には「~から退出する」の「~から」にあたるものを答える)。直接的には「内」
(=注から
「おとどと宮の居宅」とわかる)を指すが、この箇所では、主語自体が「おとど」である。
そのため、おとどが「宮のいる所に」参上した、と考えるのが妥当であろう。したがって、
正解は「ヘ 宮」。
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問十八
(本文には直接描かれていないが)本文より少し前に、新造の釣殿を披露する目的も兼ねた
納涼の宴があり、その時、宮は参加していなかった…というシーンがあったはずである。も
ちろん、こうした前後の事情を完全に知っている必要もないし、現実的には不可能であるが、
傍線部 1 前後に含まれる表現(「釣殿御覧ぜさせむとしける」etc.)や、注(
「楽の音」etc.)
などから、そのような事情(=近い状況)を、推理・推測することまでは可能であろう。
(そ
して、そのような推理・推測の力を求められた出題であったとも言える。)
傍線部 1 の 3 行前、おとどが宮に「どうして涼みに(納涼の宴に)おいでにならなかったの
か(おいでになればよかったのに)」と言う。これに対し、宮が答えたセリフ「ここまでな
む」には、長い注釈がついており、これを手掛かりに考えることができる。ようするに、宮
が言いたいのは「(たしかに私は)宴そのものには参加していませんが、納涼の宴の涼やか
な雰囲気も、楽の調べも、ちゃんと私のところまで届きましたよ(=参加した気分でしたよ)」
ということである。これと同じ内容を、傍線部 1 を含む和歌で表現した…と考えれば、「籠
もれる根」とは、つまり、私(「ニ 宮」自身)を指すことになる。
「宅に籠って宴に参加し
なかった私(=籠もれる根)までも涼やか(な気分)でした」と詠んだわけである。
問十九
問十八とリンクした問題。宮の和歌を踏まえての返歌であることを考えれば、「松の古根」
とは「宮」を指す以外にはなくなってしまう。これだけで答えはニに決まる。また「かひな
かりけり」は「役に立たなかった(=効用がなかった)」という意味。この点も、ニに合致
する。さらに「宮が納涼の宴においでにならず残念だった」という、これよりも前の、おと
どのセリフ・心情とも合致している。
問二十
傍線部 3 直前の、宮とおとどの会話のテーマは、神楽の開催地(ふさわしい場所)について
である。この点だけで、ロと確定できる。
「またはありなむやは」は、反語。
「他にふさわし
い場所があるだろうか(いや、あるはずもなかろう)」ということ。
問二十一
ロは成立する。「右大将の所有する桂殿こそがふさわしいという弁の君の見解」は、3 行目
の弁の君のセリフである。「おとどは…肯定」というのは、弁の君のセリフを聞いた後の、
おとどのセリフ(5 行目~9 行目)に示される。おとどのセリフは「右大将の邸の素晴らし
さ」「右大将(とその息子侍従仲忠)の人としての素晴らしさ」を言い、これらは、神楽の
開催地として桂殿こそがふさわしいという弁の君の見解への肯定となっている。
以下、イ・ハ・ニの選択肢を消去すべき理由を示す。
イ→「準備の依頼」を「侍従(仲忠)に」向かってするシーンは、ない。後ろから 5 行目に
「その設けせさせたまへ」というセリフはある。だが、これは宮に向けてのものである。
ハ→「造営に関して侍従の意向は反映されていない」が間違い。後ろから 3 行目のおとどの
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セリフに「仲忠(=侍従)が心に入れて造らせたる所」とある。
ニ→「宮も、自邸よりも」が間違い。そもそも、自邸(=おとどと宮の居宅)が、神楽の地
として候補に挙がっていたわけではない。また、「おもしろからむ所」という、宮のセリフ
も、別に「自邸と比較」して言っているわけではない。さらに言えば「右大将の桂殿がふさ
わしい」という「見解」を言ったのも、おとどの方であって、宮の言葉としては、本文には
ない。
問二十二
ヒントの多い(親切な?)文学史問題である。そもそも「あとに成立した作品を『一つ』」
(だけ!)選ぶのであるから、実際には「選択肢同士の比較で、最も遅く成立した作品」を
答えれば、それが正解になるはずである(極端な話、
「うつほ物語」のことは考えなくても、
正解を出すことが可能、ということ)。
わかりやすいので、設問にある「『枕草子』
『源氏物語』などに言及が見られる」という記述
(ひょっとして、これはサービス?)を、一つの基準として採用してみよう。
『枕草子』
『源
氏物語』は、ともに古典文学史の中心的時代と言える『西暦 1000 年頃』の成立である。
「ロ
蜻蛉日記」
「ハ 後撰和歌集」
「ニ 日本霊異記」
「ホ 平中物語」は、全て、これ(西暦 1000
年頃)よりも「前」の成立である。残る「イ 大鏡」は、歴史物語で、有名な作品である。
道長や道隆、伊周(これちか)…といった『西暦 1000 年頃』の人物が登場する。というこ
とは、どうやっても『西暦 1000 年頃』までに成立することはできないであろう(実際には
11 世紀後半頃だが、それを正確に知っていなくても入試問題は解けるというのがミソ)。よ
って、選択肢の中で、最も遅く成立したのは「イ 大鏡」である。設問を難しく考えて「う
つほ物語との比較」などという高度な解法を試みるより、このように考えた方が、効率がよ
いし、実際に正解できる。
問二十三
漢文部分は長いが、実際に出題されているのは「返り点」や、「衣繍夜行」の部分だけであ
る。効率的に解こうとすれば、ストーリーは、大意をつかむだけにしたほうがよいし、また
それで充分であろう。参考までに、ストーリーを、ごくおおまかに示すと次のようになる。
「朱買臣は、家は貧しくても書を好んだ。薪を売って生活の糧としていたが、束ねた薪を
背負って、行き来する間も時間を惜しんで書物を読んでいた。妻もまた薪を担いで、買臣の
後に従ったが(買臣が道中、歌を歌う―実際には『自作の詩をうたいあげる』というような
ことであろう―のに対して)度々、夫を止めては、歌わせまいとした。すると、買臣は、よ
けいに口早に歌うようになった。妻は、これを羞じ、離縁を申し出た。買臣は(すでに四十
である)自分が五十なれば、富貴になるはずだと言って、妻を慰撫したが、結局、妻は買臣
の許を離れることとなった。妻が去って幾許も無くして、朱買臣に幸運がもたらされ、
(色々
あって、最終的に)買臣は会稽太守(=買臣の故郷の長官)になることができた。その時、
上(=武帝)が買臣に言ったセリフ『富貴となったあなたが、故郷に帰らないなどというこ
とは、まるで、暗い夜に(美しい)錦を着ているのと同じだ(=故郷の人の目に触れなくて
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は意味がない。せっかくの出世したというのに、もったいないではないか!)』」
(1)「数(しば)し買臣を止めて、道中、歌うことを毋(なか)らしむ」
(=度々夫を止めて
は、道中、歌わせまいとした)。この語順になるのは、ハ。
(2)「如(ごと)し」は、「まるで…のようだ」。前後の意味は、全文訳参照。
問二十四
「闇の夜の錦」「衣繍夜行」は、どちらも「むだなこと、無意味なこと」のたとえ。暗い闇
夜に、美しい錦(繍も同じ)を着ていても、人には見えない。「せっかく(用意した・成し
遂げた・すばらしい)のものを、相手や他人に見せなければ、意味がないし、もったいない」
というようなニュアンスで考えればよかろう。
上記を踏まえ、古文部分にでてくる「闇の夜の錦」、漢文部分にでてくる「衣繍夜行」が具
体的に何を指すのか、それぞれ検討してみる。
まず「うつほ物語」の「闇の夜の錦」であるが、こちらは、極めて微妙である。
「(恐らくは?
美しい?…であろう)宮が(新造したばかりで素晴らしい!)釣殿で行われた納涼の宴に姿
を見せなかった」ことが「闇の夜の錦」というのである。捉え方によって、この解釈は 2 通
りできてしまう。
(1 つ目の解釈)
「せっかくの美しく素晴らしいあなた(=宮)が、納涼の宴の参加者たちの
前に姿を見せないなんて」。この場合には、イとロが近い。
(2 つ目の解釈)
「せっかくの素晴らしい釣殿や、宴の様子を、あなた(=宮)が見てくれな
いなんて」。この場合には、ニが該当する。
ハだけは「美しい着物」と限定しており、この時点で除外。宮が美しい着物を着ていたと想
像するのは構わない(実際、着ていたであろう)が、この選択肢を正解とするためには「他
の日とは違って」
「この日だけ特別に」
(美しい着物を着ていた)というのでなければならず、
そのように決めつけてしまうだけの根拠は文中にはない。
次に「漢書」の「衣繍夜行」であるが、これが「うつほ物語」の「闇の夜の錦」と同じ意味
の比喩だと考えれば、こちらの答えは明白である。
「せっかく富貴になった買臣」を「(故郷
の)人の目に触れさせなければ、もったいない、意味がない」以外にはない。「イの選択肢
でも近いのではないか」という考えも、一応は、あり得よう。しかし「別の地をめざしてい
る」にも、「闇夜を進んでいくようなもの」にも、特にそう決めるだけの根拠はなく、やは
り、イは消去である。
以上を踏まえて正解を確定する。(今回の場合、たまたま)複数の解釈が成り立ってしまう
…「古文部分」は脇に置いて、(運よく?)確実に答えが決めることができる「漢文部分」
を優先し、正解はニとすればよい。実際、うつほ物語の、この箇所の解釈については、異論・
異説が存在する。ただし、入試問題を解く上では、その解釈「でも」たしかに成り立つ…と
いう状況においては、もう一方の解釈に、それ以上、固執し続けるだけのメリットも、必然
性もないと言える。
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