【平成27年度 農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 実用技術開発ステージ】 27038C モモせん孔細菌病の多発生産地における効果的な防除技術の開発 1 2 3 代表機関・研究総括者 国立研究開発法人 農研機構果樹研究所 中畝 良二 研究期間: 2015 年度(1 年間) 研究目的 モモせん孔細菌病の多発生要因や病原菌の薬剤感受性などを解明し、新規防除資 材について防除効果を確認する。一方で、現在の防除対策について効果を再検証し、 今後の技術的課題を整理する。 4 研究内容及び実施体制 ① モモせん孔細菌病の多発生要因の調査 過去の発生動向の調査により多発要因を抽出する。また、多発生時に施さ れた防除対策およびその効果を調査する (長野果樹試験場、新潟県農総試園芸研究センター、福島県農総セ果樹研究所、和歌山県果 樹試験場かき・もも研究所) ② 病原菌の病理学的・細菌学的性状の解明 各地域からの分離菌株について、抗生物質剤に対する感受性を評価すると ともに、病原性を比較する。 (東京農業大学農学部、長野県果樹試験場、農研機構果樹研究所) ③ 新たな防除技術の開発に向けた新規資材の検討 今後の使用が期待される新規資材について防除効果を確認するための試験 を実施する。 (新潟県農総試園芸研究センター、福島県農総セ果樹研究所、農研機構中央農業総合研究セ ンター) ④ 多発生地域における被害軽減のための対処方法の開発 これまでに推奨されている総合的な防除対策について、その効果を再検証 するとともに、今後の技術的課題を整理する。 (福島県農総セ果樹研究所、和歌山県果樹試験場かき・もも研究所、農研機構果樹研究所) 5 達成目標 モモせん孔細菌病について、その多発生要因を調査・解明するとともに、 病原菌の病原性、新規資材の効果などを評価した上で、総合的防除技術の見 直しと再構築を図り、モモせん孔細菌病の総合防除のための技術資料として とりまとめる。 6 期待される効果・貢献 年間産出額 454 億円(平成 23 年度果樹生産出荷統計)のモモの安定生産、 安定供給が可能となり、国民の豊かで潤いのある食生活の維持に貢献できる。 【連絡先 国立研究開発法人 農研機構果樹研究所 029-838-6416】 27038C モモせん孔細菌病の多発生産地における効果的な防除技術の開発 ・ 近年、モモの産地でせん孔細菌病が多発 ・ 産地によっては収穫皆無となる事態 現状の対策 背 景 薬剤散布 発病部位の切除 果実への袋かけ 防風対策 問題点 ・ ・ ・ ・ ・ 近年の多発生要因が不明 使用できる薬剤が少ない、使用時期が限定される 薬剤低感受性菌の発生が懸念されている 袋かけ、防風対策が不十分(労力・コストがかかる) せん孔細菌病被害果実 気候や栽培体系が変化している 目 的 被害軽減のための効果的な対処方法の開発 研究内容の概要 知見・技術をフル活用 ① モモせん孔細菌病の多発生要因の調査 ・ 農研機構(総括) ② 病原菌の病理学的・細菌学的性状の解明 ・ 長野県果樹試験場 ③ 新たな防除技術の開発に向けた新規資材の ・ 新潟県農総研園研セ ・ 福島県農総セ果樹研究所 検討 ④ 多発生地域における被害軽減のための対 ・ 和歌山県かき・もも研究所 ・ 東京農業大学 処方法の開発 モモ主産県の連携 目 標 ・ 多発生要因(栽培環境、薬剤感受性など菌の性質)を把握する。 ・ 新規資材について防除効果を確認する。 ・ 総合対策の効果を再検証し、今後の技術的課題を整理する。 波及効果 せん孔細菌病の被害が軽減される。 モモの持続的かつ安定的な生産が可能となる。
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