珪藻赤潮情報2710号 - 兵庫県立農林水産技術総合センター 水産技術

発行:兵庫県水産技術センター ℡(078)941-8601
兵庫のり研究所
℡(078)942-1531
珪藻赤潮情報 KH-27-10(播磨灘)
平成 28 年 2 月 12 日 発行
珪 藻 赤 潮 プランクトン調 査 の結 果 をお知 らせします。
調 査 年 月 日 :2 月 10 日 〔調 査 箇 所 は地 図 上 に▲(東 部 )および●(西 部 )印 で表 示 してい
ます。〕
概 況 播磨灘(調査海域)の DIN 濃度は、明石海峡部、淡路島西岸、家島諸島周辺では、概ね 2μ
mol/L 以上を維持していますが、前回調査時(2/1)に比べ全体的に低下しています。また、北部沿岸
域においては、ユーカンピアが多い状況ですが、前回に比べてやや減少しています。コスキノディス
クスワイレシーは個体数は少ないですが海域全体で確認されています。
水温は、白浜以西では 9.1~10.0℃、家島諸島周辺では 8.8~10.2℃、江井ヶ島・高砂周辺で 9.9~10.2℃、明石海峡
付近並びに西浦では 10.2~10.9℃、鹿ノ瀬周辺では 10.0~10.2℃でした。
相生
網干
0.2
(0.1)
赤穂
0.1
(0.1)
0.2
(0.8)
0.2
(0.1)
1.0
(1.2)
家島
坊勢
2.2
(2.5)
)
溶存態無機窒素
DIN
(μmol/ℓ )
白浜
1.3
(0.2)
0.4
(0.2)
高砂
0.4
(0.3)
別府
4.5 東二見
0.3
(4.5) 江井ヶ島
2.0 林崎 4.9
(0.5)
(2.3)
(4.9)垂水
1.6
1.7
2.1
(1.9)
3.0
3.6
(2.1)
(1.9)
(3.1)
(3.6)
2.4
2.5
(2.5)
2.5
(2.8)
(2.6)
富島
2.5
浦
浅野
森
(2.9) 室津育波
尾崎
2.6
(2.8)
※ 底層の値を( )で示しています。
484
(190)
赤穂
352
(48)
285
(257)
37
(17)
156
(76)
家島
坊勢
0
(0)
0
(0)
※ 底層の値を( )で示しています。
仮屋
郡家
江井
相生
網干
須磨
ユーカンピア
( cells/mℓ )
白浜
301
高砂
(239) 220
(263) 別府
29
東二見
(93)
273
江井ヶ島
95
(290)
68 林崎 0
(16) 68
(0)
(73)
垂水
(109)
53
153
0
(67)
(315)
59
(0)
39
(46)
40
(0)
(53)
23
富島
浦
浅野
(0)
森
育波
室津
尾崎
31
(0)
郡家
江井
仮屋
須磨
相生
網干
10
(5)
赤穂
15
(0)
0
(20)
家島
0
(5)
0
(0)
0
(15)
10
(0)
0
(0)
坊勢
0
(5)
コスキノディスクス
( cells/ℓ )
白浜
15
(0)
)
10
(5)
5
(5)
0
(0)
高砂
別府
0 東二見
(5)
江井ヶ島
0 林崎 0
(5)
(0)
0
10
(5)
5
(0)
(0)
5
0
(0)
(5)
富島
5
浦
浅野
森
(5) 室津育波
郡家
※ 底層の値を( )で示しています。
江井
沿岸西部 12 点平均 DIN(μmol/ℓ)※
12
沿岸東部 11 点平均 DIN(μmol/ℓ)※
8
6
10
8
6
4
4
2
2
0
11月
12月
1月
2月
H22
H23
H24
H25
H26
H27
12
H22
H23
H24
H25
H26
H27
10
3月
4月
0
11月
沿岸西部 12 点平均 ユーカンピア細胞密度(cells /mℓ)※
350
~
H22
H23
H24
H25
H26
H27
300
250
200
150
350
374
150
50
1月
2月
3月
4月
0
11月
沿岸西部12 点平均 コスキノディスクス細胞密度(cells/ℓ)※
500
400
~ 1,847(H22)
~ 1,146(H24)
H22
H23
H24
H25
H26
H27
300
200
3月
4月
12月
1月
2月
3月
4月
沿岸東部11 点平均 コスキノディスクス細胞密度(cells/ℓ)※
500
400
~
~
H22
H23
H24
H25
H26
H27
687(H24)
1,222(H22)
300
200
100
100
0
11月
2月
H22
H23
H24
H25
H26
H27
200
50
1月
沿岸東部 11 点平均 ユーカンピア細胞密度(cells /mℓ)※
250
100
12月
12月
300
100
0
11月
仮屋
尾崎
0
(0)
須磨
垂水
12月
1月
2月
3月
4月
0
11月
12月
1月
※1:数値はすべて表層の値です。2:調査地点は、沿岸東部 11 点は▲、沿岸西部 12 点は●で表示しています。
2月
3月
4月
平成28年2月10日の水平分布状況(表層、実測値)
溶存態無機窒素濃度(DIN、μmol/L)
ユーカンピア(cells/ml)
H 300 200 H
L
1
1
H
H
2
2
4H
3
200
100
50
今回南部は調査していません
150
コスキノディスクス(cells/L)
H
100
L
L
50
コスキノディスクスワイレシーは、広い範囲で
確認されていますが個体数は少ない状況で
す。(表層は15cells/L、底層で20cells/L以
下)。
今回南部は調査していません
*Hは濃度又は密度が高く、Lは低いことを示しています
播磨灘における今後の栄養塩等に関する動向見込み
播磨灘北部沿岸では依然としてユーカンピア、キートセロス、スケレトネマ、リゾソレニア等
の珪藻類が多く発生しています。ユーカンピアは前回の調査時(2/1)に比べて、出現域及び個体
数はやや減少しています。ただし、海況によっては若干減少した後、再び増加するパターンもあ
りますので、引き続き動向にはご注意下さい。コスキノディスクスワイレシーは個体数は少ない
ですが、ほぼ全域で確認されています。
全体的に DIN 濃度は低下傾向にあります。明石海峡部、淡路島西岸、家島諸島周辺では、概ね
2μmol/L 以上を維持していますが、それ以外の海域では DIN 濃度が低下した状態です。西部海
域からは季節風による貧栄養水の流入が想定されることや、大阪湾でもスケレトネマが多く発生
していますので、いずれの海域ともノリの管理にはご注意下さい。気象庁の週間天気予報では、
降水量は平年並みとされており、降雨による栄養塩の回復を期待したいところですが、短期的な
栄養塩濃度の推移は低下傾向と考えられます。
週間天気予報 気象庁 2 月 11 日 16 時 32 分 発表
※気象庁ホームページより転載
向こう一週間(2/12~2/18)の近畿地方は、北部では、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやす
く、雨や雪の降る日が多いでしょう。中部や南部では、高気圧に覆われて晴る日もありますが、
気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすく、期間のはじめは、雨の降る日がある見込みです。
なお、
明後日(13 日)から 14 日にかけては、
低気圧の影響で荒れた天気となるおそれがあります。
最高気温、最低気温はともに、期間のはじめは平年より高く、かなり高い日があるでしょう。
期間の中頃からは、平年並か平年より低い見込みです。
降水量は、平年並か平年より多いでしょう。
その他の情報
・岡山県の調査結果は、更新されていません。
・香川県の調査については、以下の URL から参照してください。
http://www.pref.kagawa.jp/suisanshiken/jyouhou.htm
【今後の予定】
・平成 28 年 4 月上旬まで毎月 3 回程度(上・中・下旬)の発行を予定しています。
・次回は 2 月 23 日頃に発行予定です。
*この情報は、ホームページでも見ていただけます。以下のURLにパソコン等からアクセスして下さい。
http://www.hyogo-suigi.jp/