珪藻赤潮情報2709号 - 兵庫県立農林水産技術総合センター 水産技術

発行:兵庫県水産技術センター ℡(078)941-8601
兵庫のり研究所
℡(078)942-1531
珪藻赤潮情報 KH-27-9(播磨灘)
平成 28 年 2 月 3 日 発行
珪 藻 赤 潮 プランクトン調 査 の結 果 をお知 らせします。
調 査 年 月 日 :2 月 1 日 〔調 査 箇 所 は地 図 上 に▲(東 部 )および●(西 部 )印 で表 示 してい
ます。〕
概 況 播磨灘(調査海域)の DIN 濃度は、珪藻が多く発生している高砂以西の北部沿岸域では、降雨
の影響により、河口域では一時的に表層濃度が回復しているところもありますが、前回調査(1/21)と
同様に低い状況となっています。また、コスキノディスクスワイレシーはごくわずかに確認される程度
でしたが、ユーカンピアは前回調査時と同様に北部沿岸域で多い状況です。
水温は、白浜以西では 8.6~10.1℃、家島諸島周辺では 8.9~10.5℃、江井ヶ島・高砂周辺で 10.0~10.6℃、明石海峡
付近並びに西浦では 10.3~10.7℃、鹿ノ瀬周辺では 9.8~10.5℃でした。
相生
網干
0.0
(0.1)
赤穂
1.1
(0.0)
1.9
(2.3)
3.0
(0.1)
0.1
(2.3)
家島
坊勢
3.3
(4.1)
)
溶存態無機窒素
DIN
(μmol/ℓ )
白浜
4.6
(0.3)
0.2
(1.2)
高砂
0.1
(0.1)
別府
10.0東二見
0.1
(4.9) 江井ヶ島
4.9 林崎 6.0
(2.2)
(5.3)
(5.2)垂水
1.2
5.2
0.1
(3.5)
3.4
5.2
(5.4)
(4.1)
(4.7)
(5.2)
2.9
4.0
(4.3)
4.2
(4.1)
(4.8)
富島
4.0
浦
浅野
森
(4.3) 室津育波
尾崎
4.5
(4.9)
※ 底層の値を( )で示しています。
173
(176)
赤穂
60
(87)
303
(231)
185
(45)
105
(47)
家島
坊勢
0
(37)
67
(67)
※ 底層の値を( )で示しています。
仮屋
郡家
江井
相生
網干
須磨
ユーカンピア
( cells/mℓ )
白浜
245
高砂
(183) 425
(351) 別府
281
東二見
(45)
123
江井ヶ島
444
(475)
0 林崎 5
(143) 179
(0)
(8)
垂水
(27)
0
249
1
(0)
(48)
88
(13)
4
(47)
57
(108)
(35)
23
富島
浦
浅野
(0)
森
育波
室津
尾崎
13
(84)
郡家
江井
仮屋
須磨
相生
網干
0
(0)
赤穂
0
(5)
5
(0)
家島
0
(15)
0
(0)
坊勢
0
(5)
0
(0)
5
(0)
5
(0)
0
(5)
コスキノディスクス
( cells/ℓ )
白浜
0
(0)
)
0
(0)
0
(0)
高砂
別府
0 東二見
(0)
江井ヶ島
0 林崎 5
(0)
(0)
0
0
(5)
0
(0)
(0)
5
0
(0)
(0)
富島
0
浦
浅野
森
(5) 室津育波
郡家
※ 底層の値を( )で示しています。
江井
沿岸西部 12 点平均 DIN(μmol/ℓ)※
12
沿岸東部 11 点平均 DIN(μmol/ℓ)※
8
6
10
8
6
4
4
2
2
0
11月
12月
1月
2月
H22
H23
H24
H25
H26
H27
12
H22
H23
H24
H25
H26
H27
10
3月
4月
0
11月
沿岸西部 12 点平均 ユーカンピア細胞密度(cells /mℓ)※
350
~
H22
H23
H24
H25
H26
H27
300
250
200
150
350
374
150
50
1月
2月
3月
4月
0
11月
沿岸西部12 点平均 コスキノディスクス細胞密度(cells/ℓ)※
500
400
~ 1,847(H22)
~ 1,146(H24)
H22
H23
H24
H25
H26
H27
300
200
3月
4月
12月
1月
2月
3月
4月
沿岸東部11 点平均 コスキノディスクス細胞密度(cells/ℓ)※
500
400
~
~
H22
H23
H24
H25
H26
H27
687(H24)
1,222(H22)
300
200
100
100
0
11月
2月
H22
H23
H24
H25
H26
H27
200
50
1月
沿岸東部 11 点平均 ユーカンピア細胞密度(cells /mℓ)※
250
100
12月
12月
300
100
0
11月
仮屋
尾崎
5
(0)
須磨
垂水
12月
1月
2月
3月
4月
0
11月
12月
1月
※1:数値はすべて表層の値です。2:調査地点は、沿岸東部 11 点は▲、沿岸西部 12 点は●で表示しています。
2月
3月
4月
平成28年2月1日の水平分布状況(表層、実測値)
溶存態無機窒素濃度(DIN、μmol/L)
L12
1
ユーカンピア(cells/ml)
港湾水の影響で
局所的に高い10μ
3 H
5
3
H
300 400
100
H
2
200
H
コスキノディスクス(cells/L)
H
50
4
50
L
コスキノディスクスワイレシーは、わずかに
確認される程度です。(表層は5cells/L、
中底層で15cells/L以下)。
50
4
H
*Hは濃度又は密度が高く、Lは低いことを示しています
播磨灘における今後の栄養塩等に関する動向見込み
播磨灘北部沿岸では依然としてユーカンピアを主体とした珪藻類(キートセロス、スケレトネ
マ等)が多く発生しています。ユーカンピアの出現域は灘中央部や淡路島西岸方面にも拡大しつ
つあります。今後の動向には十分ご注意下さい。コスキノディスクスワイレシーは、わずかに確
認される程度でした。
1 月下旬の降雨の影響もあり、北部沿岸河口域の表層では一時的に DIN 濃度がやや回復してい
るものの、特に珪藻が多く発生している高砂以西の北部沿岸表層では DIN 濃度が低下した状態が
続いています。気象庁の週間天気予報では、降水量は平年並み又は少ないとされており、短期的
な栄養塩濃度の推移は低下傾向と考えられます。
週間天気予報 気象庁 2 月 2 日 16 時 32 分 発表
※気象庁ホームページより転載
向こう一週間(2/3~2/9)の近畿地方は、北部では、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がり、期間
の中頃以降は、雪や雨の降る日が多いでしょう。中部と南部では、期間のはじめは高気圧に覆わ
れて晴れますが、その後は気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすく、雨の降るところがある見
込みです。
最高気温は、平年並か平年より高いでしょう。
最低気温は、期間のはじめと終わりは平年並か平年より低く、期間の中頃は平年並か平年より
高い見込みです。
降水量は、平年並か平年より少ないでしょう。
その他の情報
・岡山県の調査(2/1)では、日生沿岸域で DIN(表層)が 0.5~0.8μM でした。大型珪藻のユ
ーカンピアが 0~1 万 cells/L 確認されましたが、コスキノディスクスは確認されませんでし
た。
・香川県の調査については、以下の URL から参照してください。
http://www.pref.kagawa.jp/suisanshiken/jyouhou.htm
【今後の予定】
・平成 28 年 4 月上旬まで毎月 3 回程度(上・中・下旬)の発行を予定しています。
・次回は 2 月 10 日頃に発行予定です。
*この情報は、ホームページでも見ていただけます。以下のURLにパソコン等からアクセスして下さい。
http://www.hyogo-suigi.jp/