珪藻赤潮情報2707号 - 兵庫県立農林水産技術総合センター 水産技術

発行:兵庫県水産技術センター ℡(078)941-8601
兵庫のり研究所
℡(078)942-1531
珪藻赤潮情報 KH-27-7(播磨灘)
平成 28 年 1 月 13 日 発行
珪 藻 赤 潮 プランクトン調 査 の結 果 をお知 らせします。
調 査 年 月 日 :1 月 12 日 〔調 査 箇 所 は地 図 上 に▲(東 部 )および●(西 部 )印 で表 示 してい
ます。〕
概 況 播磨灘(調査海域)の DIN 濃度は、珪藻が多く発生している高砂以西の北部沿岸域では、前回
調査(1/4)時から低い状態が続いています。また、コスキノディスクスワイレシーはほとんど確認され
ませんでしたが、ユーカンピアが北部沿岸域で多く確認されています。
水温は、白浜以西では 11.1~12.4℃、家島諸島周辺では 12.0~13.4℃、江井ヶ島・高砂周辺で 12.6~13.2℃、明石海
峡付近並びに西浦では 13.5~14.5℃、鹿ノ瀬周辺では 13.3~13.5℃でした。
相生
網干
0.1
(0.1)
赤穂
0.2
(0.1)
2.9
(4.9)
0.3
(0.0)
1.7
(2.1)
家島
坊勢
5.5
(6.4)
)
溶存態無機窒素
DIN
(μmol/ℓ )
白浜
0.1
(0.1)
0.6
(0.8)
高砂
1.0
(0.7)
別府
5.0 東二見
1.5
(5.1) 江井ヶ島
4.1 林崎 7.3
(1.3)
(4.2)
(6.2)垂水
4.7
3.5
3.9
(4.7)
5.9
5.8
(4.7)
(4.9)
(6.0)
(5.7)
4.9
5.0
(4.6)
4.7
(5.4)
(4.8)
富島
5.0
浦
浅野
森
(5.2) 室津育波
尾崎
5.1
(5.1)
※ 底層の値を( )で示しています。
142
(271)
赤穂
73
(56)
359
(522)
11
(63)
1
(0)
家島
坊勢
0
(0)
0
(5)
※ 底層の値を( )で示しています。
仮屋
郡家
江井
相生
網干
須磨
ユーカンピア
( cells/mℓ )
白浜
421
高砂
(453) 475
(565) 別府
347
東二見
(209)
390
江井ヶ島
113
(350)
133 林崎 30
(269) 74
(6)
(71)
垂水
(50)
86
171
0
(42)
(0)
18
(0)
2
(31)
8
(0)
(6)
0
富島
浦
浅野
(0)
森
育波
室津
尾崎
2
(0)
郡家
江井
仮屋
須磨
相生
網干
0
(0)
赤穂
0
(0)
0
(0)
家島
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
坊勢
0
(0)
0
(0)
0
(0)
コスキノディスクス
( cells/ℓ )
白浜
0
(0)
)
0
(0)
0
(0)
高砂
別府
0 東二見
(0)
江井ヶ島
0 林崎 0
(0)
(0)
0
0
(5)
0
(0)
(5)
0
0
(0)
(0)
富島
0
浦
浅野
森
(0) 室津育波
郡家
※ 底層の値を( )で示しています。
江井
沿岸西部 12 点平均 DIN(μmol/ℓ)※
12
沿岸東部 11 点平均 DIN(μmol/ℓ)※
8
6
10
8
6
4
4
2
2
0
11月
12月
1月
2月
H22
H23
H24
H25
H26
H27
12
H22
H23
H24
H25
H26
H27
10
3月
4月
0
11月
沿岸西部 12 点平均 ユーカンピア細胞密度(cells /mℓ)※
350
~
H22
H23
H24
H25
H26
H27
300
250
200
150
350
374
150
50
1月
2月
3月
4月
0
11月
沿岸西部12 点平均 コスキノディスクス細胞密度(cells/ℓ)※
500
~ 1,847(H22)
~ 1,146(H24)
H22
H23
H24
H25
H26
H27
400
300
200
100
0
11月
2月
3月
4月
H22
H23
H24
H25
H26
H27
200
50
1月
沿岸東部 11 点平均 ユーカンピア細胞密度(cells /mℓ)※
250
100
12月
12月
300
100
0
11月
仮屋
尾崎
0
(0)
須磨
垂水
12月
1月
2月
3月
4月
沿岸東部11 点平均 コスキノディスクス細胞密度(cells/ℓ)※
500
400
H22
H23
H24
H25
H26
H27
~ 1,222(H22)
~ 687(H24)
300
200
100
12月
1月
2月
3月
4月
0
11月
12月
1月
※1:数値はすべて表層の値です。2:調査地点は、沿岸東部 11 点は▲、沿岸西部 12 点は●で表示しています。
2月
3月
4月
平成28年1月12日の水平分布状況(表層、実測値)
溶存態無機窒素濃度(DIN、μmol/L)
ユーカンピア(cells/ml)
H
L
1
2
3
コスキノディスクス(cells/L)
400 H
300
200
4
5
4
6H
L
100
5
今回南部は調査していません
コスキノディスクスワイレシーは、ごく
一部の海域の底層でのみ確認され
ています(5cells/L以下)。
今回南部は調査していません
*Hは濃度又は密度が高く、Lは低いことを示しています
播磨灘における今後の栄養塩等に関する動向見込み
播磨灘北部沿岸では依然として珪藻類が多く出現しています。特に高砂~姫路の沿岸部ではユ
ーカンピアを主体とした珪藻類が多く発生しています。ユーカンピアの出現域は前回の調査時
(1/4)よりもやや東方向に拡大しており、シケ等の天候条件によっては出現範囲が拡大する可能
性もありますので、今後の動向にはご注意下さい。コスキノディスクスワイレシーは、ほとんど
確認されませんでした。
特に珪藻が多く発生している高砂以西の北部沿岸では DIN 濃度が低下した状態です。気象庁の
週間天気予報では、降水量は平年並み又は少ないとされており、短期的な栄養塩濃度の推移は低
下傾向、濃度が低下している北部沿岸では現状維持程度と考えられます。
週間天気予報 気象庁 1 月 12 日 16 時 32 分 発表
※気象庁ホームページより転載
向こう一週間(1/13~1/19)の近畿地方は、北部では、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がり、雪
や雨が降るでしょう。中部と南部では、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすい見込みです。
最高気温は、期間の中頃までは平年並か平年より高く、期間の終わりは平年より低いでしょう。
最低気温は、期間の中頃は平年並か平年より高く、期間のはじめと終わりは平年並か平年より
低い見込みです。
降水量は、平年並か平年より少ないでしょう。
その他の情報
・岡山県の調査(1/5)では、日生沿岸域で DIN(表層)が 2.1μM でした。大型珪藻のユーカン
ピアが 5~8 万 cells/L 確認されましたが、コスキノディスクスは確認されませんでした。
・香川県の調査については、以下の URL から参照してください。
http://www.pref.kagawa.jp/suisanshiken/jyouhou.htm
【今後の予定】
・平成 28 年 4 月上旬まで毎月 3 回程度(上・中・下旬)の発行を予定しています。
・次回は 1 月 20 日頃に発行予定です。
*この情報は、ホームページでも見ていただけます。以下のURLにパソコン等からアクセスして下さい。
http://www.hyogo-suigi.jp/