メディア掲載(ときめき) - 自己幹細胞培養上清療法

さまざまな能力をもつ
脂肪幹細胞が注目のわけ
いですが、それを叶える医療・美容
医療の世界で、今どんなものが注目
されているのでしょうか。
上田 もっとも旬なのは、再生医療
の分野の脂肪幹細胞療法でしょう。
山崎 脂肪幹細胞のエイジングケア
作用については、近ごろ化粧品業界
でも注目されています。幹細胞とい
うと一般にはiPS細胞やES細胞
がよく知られていますが、そもそも
再生医療、そして幹細胞とはどんな
ものなのですか。
上田 再生医療とは、病気や怪我な
どで損傷を受けた組織や臓器を元通
りにする医療のことです。具体的に
は、自分や他人の細胞・臓器を人工
山崎多賀子さん(美容ジャーナリスト)
ため、発がん性など安全面やコスト
操作によって人工的に作られている
とで知られるiPS細胞は、遺伝子
率が7〜 割と大幅に増すと聞きま
一緒に欠損部に戻すと、脂肪の生着
幹細胞をいったん取り出し、脂肪と
ていますね。皮下脂肪から採取した
ときめき読者の
「知りたい!」
に応えるべく、神戸・三宮駅
前にある上田直光先生の神成
美容外科を訪れた山崎多賀子
さん。互いに初対面ながら、
深い内容にまで話が弾みます。
面での問題があり、一般への応用は
聞き手/
的に操作して、医療に用います。
幹細胞は、細胞分裂するときに、
色々な細胞に変わる能力
(多分化能)
を持つ細胞の総称で、将来的に必要
な臓器や組織になることができるた
め、注目されているのです。
山崎 間違いなく再生医療の中心に
なっていくであろう幹細胞について、
今はさまざまな研究が進められてい
る段階なのですね。
ところで、幹細胞にもいろいろあっ
て、体内の組織にある幹細胞は、体
性幹細胞に属していますが、そのな
(神成美容外科 総院長 医学博士)
そこで、脂肪、骨、軟骨、皮膚、血
作られるため倫理的問題があります。
また、ES細胞はヒトの受精卵から
まだ難しいという現実があります。
のを体内に直接入れる治療は、安全
上田 研究段階ではいろいろと進ん
でいるのですが……。幹細胞そのも
に使われているのでしょうか。
すが、それ以外ではどのような治療
のです。昨年 月に再生医療法が施
管、肝臓、膵臓などの再生が可能な
いるのです。
て、幹細胞を用いた医療は、第二種
面でまだ分かっていないことが多い
山崎 脂肪幹細胞を使った治療とし
ては、乳がんで欠損した乳房のふく
再生医療という大変厳しい審査をク
脂肪幹細胞の応用研究が進められて
らみを戻す乳房再建がすでに行われ
行され、厳しい規制がかけられてい
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かでも特に脂肪幹細胞が脚光を浴び
ているのはなぜでしょうか。
上田 それには二つの理由がありま
す。ひとつは脂肪幹細胞がiPS細
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脂肪幹細胞の上清には、幹細胞
と同じような生理活性作用があ
ることが分かっており、体内に
取り込むことで、さまざまな老
化ダメージが修復され強力に組
織再生力をサポート。体内外か
ら若々しさを復活させることが
できる。皮下脂肪から分離した
脂肪幹細胞(左上)
。これを専
門施設での厳重な管理のもと培
養し、細胞分裂を起こして増殖
させる(左下)
。この過程で一
か月後、幹細胞からしみ出た成
分を豊富に含む上清が完成。
(上)
胞やES細胞並みの高い多分化能を
今美容業界でもっとも
注目されている脂肪幹細胞に
ついて取材に行ってきました!
幹細胞の培養の
副産物こそお宝だった
もっていること。そして、脂肪は他
先生
脂肪幹細胞の培養と上清液
の組織に比べて採取することが容易
で、しかも脂肪組織に幹細胞が豊富
に含まれているためコストが安くす
上田直光
撮影/西山 航
(本誌)
取材・文/山崎多賀子
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み、臨床で応用しやすいのです。ち
し
老けない体づく
り
「美容医療」。
ときめき世代が最も気になることのひとつ、
健康的な若々しさを取り戻すことが目的の医療現場で、
今もっとも注目のキーワード
「脂肪幹細胞」療法について、その可能性をお伺いしました。
う
ぼ
い
さ
ん
か
う
日本でも
始まった
最新医療
ぼ
山崎 いつまでも若々しく、美しく
いたいというのは世の女性共通の願
「脂肪幹細 胞」
療法で
なみに、ノーベル賞を授与されたこ
気になる話題の特別講座