2 月 園だより 平 成 2 8 年 1 月 2 9 日 渋谷区立本町幼稚園発行 http//academic3.plala.or.jp/hon-yo/ 一人一人に それぞれの思い 園長 森山未来 イタリアのレッジョ・エミリア市で進められる幼児教育が、1991 年に“世界で最も優れた 10 の学校”に選ば れ、その教育実践が注目されて久しくなりました。レッジョ・エミリア市では市の予算の 10%が幼児教育費とし て計上され、さらに市全体の予算の半分を教育費が占めるという、まさに次代を担う子供たちが主人公!の希望あ ふれる教育が進められています。創設者ローリス・マラグッツィによってその教育内容を示す詩が残されています。 「子どもたちの100の言葉」 冗談じゃない 百のものはここにある 子どもは 百のものでつくられている 子どもは 百の言葉を 百の手を 百の考えを 遊んだり話したりする 百の考え方を 愛することの驚きを いつも百通りに聴き分ける百のものを 歌ったり理解する百の楽しみを 発見する百の世界を 夢見る百の世界をもっている 子どもは百の言葉をもっている・・・ (一部抜粋 佐藤学訳) 子供たちが100人いれば100の感じ方や個性があるわけです。一人一人の感性が尊重され、その子にしかも ち得ない世界観が受け入れられることは、心を育てる上で重要です。そして、心が満ち足りることで、 “自己肯定感” という人格の根っことなる部分を築くことができます。幼稚園では、あらゆる機会を捉えて、 「人・もの・こと」に 出合わせ、自分を知り、さらにつながりの中で自他を知り、豊かな心情を育むことを中心に教育を進めています。 レッジョ・エミリアが行う深く造詣に富む教育実践からも刺激を受け、ここ渋谷区本町幼稚園でも、子供たちが表 現することを通して、自分らしさを肯定的に受け入れ、自他を尊重できるような心の教育に取り組んでいます。描 いてみよう!作ってみよう!という遊びの中では、目の前に表現されたものに自分自身の内面が投影され、不思議 と出来上がったものに愛着が湧くものです(泥団子が自分の分身のように感じられた方、いませんか?)。のびやかに自 分を表して、それいいね!すてきだよ!なかなかおもしろい!と認められたら、自分自身が受け入れられたのと同 じ感覚を味わうでしょう。子供たちの作品は、 “みんな違ってみんな良い”ものばかりです。クレヨン描きの一本の 線でさえ、粘土についた小さな指の跡でさえ、それぞれに味わいがあります。まさに、この子のこの時期にしか表 現できない「わたしの物語」がそれぞれの作品に込められているのです。2 月 5 日、6 日の展覧会では、ぜひ、子 供たちの日頃の表現活動の一端をご覧いただき、作品の細部とその思いを感じ取っていただければ幸いです。 2月の大事にしたいこと 4歳児 もも組 月の大事にしたいこと 5歳児 すみれ組 ・コマ遊びに夢中な子供たち。「一緒に回そうよ」 「見て、こんなに回っているよ」と、友達と一 緒に何度も試す姿が見られます。遊びの中で自 分の思いを伝え、友達と遊びを深めていけるよ うに援助していきます。 ・新入園児の体験入園に向けて準備をしたり、年 長組から係の仕事や誕生会の仕事を教えてもら ったりして進級することに期待をもって生活出 来るようにしていきます。 ・ケイドロやコロコロドッチボール等、体を動か す遊びを取り入れ、寒さに負けず戸外で思いき り遊べるようにしていきます。 ・グループの友達とイメージを共有しながら海の 生き物の大型製作に取り組んでいます。一人一 人が力を発揮し、友達の意見に耳を傾け、お互 いに認め合って活動を進められるようにしま す。また、イメージしていたものが完成し、皆 でやりとげた達成感や満足感が得られるように 援助していきます。 ・修了に向けた活動がいよいよ始まります。 修了アルバム作りや文集作り、年少への係の仕 事を引き継ぎする中で、年長組としての自信を もち、一年生になる期待を膨らませていけるよ うにします。
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