9 月 園だより 平 成 2 7 年 8 月 3 1 日 渋 谷 区 立 本 町 幼 稚 園 発 行 http//academic3.plala.or.jp/hon-yo / 遊びの力 園長 森山未来 高く広がった青空をトンボが気持ちよさそうに旋回していきます。夕方になると、園庭から涼しげ な虫の声が聞こえてきます。秋の訪れを自然の移ろいからも感じるようになりました。幼稚園にも元 気な子供たちの笑顔が戻ってきて、モノクロ写真がカラー動画に切り替わったくらいの変化を感じま す。太陽の光、海の風、山の匂い…夏の栄養をたっぷり吸収して、子供たちの表情は少したくましく なったようです。時間をもて余すことなく遊ぶ43日間だったと思います。保護者のみなさんはいか がでしたか?子供たちのエネルギーに翻弄されつつ、一緒に楽しまれた方も多いのではないでしょう か。ぜひ、夏休み中の出来事をお聞かせください。 さて、 “子供は遊ぶのが仕事”と言いますが、幼稚園でも“子供の遊びは学びの土台”ということを 柱に、教育活動を進めているところです。遊びの中から子供たちが多くのことを獲得 することは、遊 ぶ過程を見ていればよく分かります。しかし、遊びの質を吟味しなければ、遊びは学びの土台になり ません。子供たちの遊びの中に、 「体験」の要素があるかどうかが問われます。ところで、子供たちの 周辺に“遊ばされる遊び”があふれていないでしょうか?主体的に関わらないで済む遊びの多さを危 惧するのは私だけでしょうか。小さな画面で繰り広げられるゲーム、DVD やスマホの動画に時間を 費やし、遊んだ気分になっていませんか?小さな画面で見聞きすることは、「体験」とは言いません。 子供たちには、より具体性をもち、実感を伴う「体験」をさせたいと思います。心ゆくまで楽しむ充 実感、完成して喜ぶ満足感、ちょっと頑張って乗り越える達成感、挑戦してもうまくいかず味わう挫 折感、折り合いがつかずもやもやとする葛藤等、様々な感情と心が 遊びを通して培われます。また、 自分の体をのびのびと思い通りに動かすこと、道具を扱う技術、事物を知識として得ること、分け合 うこと、協力し合うこと…本気で遊び込むことによって身に付くことは数えきれません。 そして、自 分から動き始め、主体的に物や人に関わり、夢中になって遊び込むことで、 「体験」は生きる力と なっ て心と体に落とし込まれます。夢中になるということは「我を忘れる」ということです。自分ではな く対照を見つめて、その中に入り込んでしまうとき、人は「我を忘れ」て、その中で「我そのものが 実現する」ことを感じ、充足するのでしょう。自我を育てる意味でも、夢中になって遊び込むことは 重要です。 子供たちは、本気で遊んでいるでしょうか?子供たちのかけがえのない時間が 、夢中になれること でいっぱいになるように、私たち教職員一同 も夢中になって、遊びについて考え、理解し、寄り添っ ていきたいと思います。 9月の大事にしたいこと 4歳児 もも組 5 歳児 すみれ組 月の大事にしたいこと ・長い夏休みが終わりました。久々の幼稚園 でドキドキしながら登園する子がいると思 います。夏休み前の生活の仕方や遊びを思 い出し、園生活のリズムを取り戻していき たいと思います。 ・好きな遊びを見つけ、遊びの中で友達と話 したり、関わったりしながら、友達と一緒 に過ごす楽しさを思い出していけるように 援助していきます。 ・プール遊び、巧技台やマットを使っての遊 び等で色々な動きに挑戦し、体を動かす楽 しさを感じていきたいと思います。 ・夏休み前の友達との遊びや関わり、また夏 休み中の経験を活かしながら、遊びが広が るように見守り、援助していきます。その 中で思いを出し合い、遊びも気持ちもつな がる楽しさを感じられるようにします。 ・プール遊びでは自分の目標を見つけて取り 組む姿があります。友達と互いの頑張りを 認め合いながら自信をもち、新しい事に挑 戦する気持ちを育てていきます。 ・園庭の野菜の変化に気付いたり 自然物や虫 と触れ合ったりして、夏から秋への季節の 移り変わりを感じられるようにします。
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