脳神経外科専門医に聞く とくだ 富山ろうさい病院 脳神経外科部長 かずひこ 得田 和彦 H28 年 脳梗塞を予防しよう! 新病院完成予想図 なってからでは遅い。予防が一番! 脳に酸素や栄養を送っている動脈が詰まってしまう事があります。このような事態に陥ると、動脈から の酸素や栄養の供給は中断し、神経細胞が死滅してしまいます。これが脳梗塞です。そして、梗塞となった 脳の機能が欠損し、意識障害・高次脳機能障害・麻痺・嚥下障害などの症状が出るわけです。残念ながら、 神経細胞は再生することがないため、それらの症状は後遺症となります。実際、要介護者の原因疾患の第 1 位は、21.5%をしめる脳血管障害(主に脳梗塞・脳出血)です。また、脳血管障害は、再発率が高い(10 年で 5 割)病気でもあります。従って、一生つきまとう病気ということになります。 どうしたら脳梗塞を防げるのでしょうか? そのためには、危険因子と呼ばれているものをなくすことです。危険因子で最も大きなものは、加齢変化で す。また、遺伝も危険因子の一つです。残念ながら、これらは取り除くことはできません。しかし、取り除 ける危険因子もあります。主なものは、次の 6 つです。 1.高血圧症:脳梗塞だけでなく、様々な病気の危険因子です。目指せ、140/90mmHg 以下。 2.糖尿病・脂質異常症(コレステロール・中性脂肪)・肥満:メタボではありませんか?腹八分目。 3.心房細動:脈は飛びませんか?不整脈はありませんか? 4.1 日 2 合以上の多量飲酒:1 週間に 2 回の完全休肝日も忘れずに。 5.喫煙:税金を納める以外に益はなし。直ちに止めましょう。 6.腎疾患:腎疾患の方も注意が必要です。 ◆1,2 に対する基本は、運動療法と食事療法です。と言っても簡単ではありません。 ろうさい病院には、管理栄養士がいます。ご相談下さい。 ◆血圧は、年齢や持病などの背景によって目標値が異なります。 ◆心房細動の場合、抗凝固薬が必要となります。昔は、ワーファリンという薬だけでしたが、最近はこれに 変わる薬が発売され、食品や薬剤の制限も少なくなっています。 疑問点がありましたら、ろうさい病院を受診して下さい。 『意識が低下した(言動がおかしい、反応しない、ぼーとしている)・手足の麻痺(歩けない、手が動 かしにくい、しびれる)・言語障害(酔っ払ったような言葉、言葉が出ない、会話を理解できない)・目 が見えない(見にくい部分がある)・急速に出現した認知症・急なめまい等』という症状は、脳梗塞が疑 われるので、直ちに医療機関の受診を!遠慮はいりません。 富山ろうさい病院では、緊急に受診を希望される方の受付を行っています。 症状を自覚した時、夜間・休日の救急外来の時間まで待たずに来院してください。 事前に電話されるとスムーズに診療できます。電話 0765-22-1280(病院代表)
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