授業① 4年 縄跳び 台上前転

公開授業①
研究発表会
体育科学習指導案
体育科学習指導案
4年3組 中村 雄紀
場所 体育館
場所
体育館
4年3組 中村雄紀
1.単元 ・体つくり運動領域「縄跳び」
・器械運動領域「跳び箱運動 (台上前転)
」
2.研究主題との関連
身体との対話に没頭していくカリキュラムづくり
~子どもの思いやねがいを活かした 1 時間 2 教材の授業スタイル~
(1)研究主題および単元について
現在の学習指導要領において、体育の年間標準時数は、1~4 年生が 105 時間(1 年生は 102 時間)
、5・6 年生
は 90 時間である。この限られた授業時数の中で、子どもたちの「できるようになりたい。
」といった思いやねが
いを保障し、基礎的な技能を身につけ、運動を豊かに実践していくための基礎を培うことが求められている。本
校においても様々な運動領域の中から、教材を選び、年間指導計画を立て授業を展開しているが、1 年生から 6
年生までの 6 年間にバランスよく教材を選び、
子どもの思いやねがいを活かして、
学び合いながら思考力を高め、
技能を習得していくようにするには、時間的な難しさがある。また、1つの教材に 10 時間近くかけるというよう
なことをすると、1 年間で扱う教材が少なくなり、様々な運動領域に触れることができず、豊かなスポーツライ
フにつなげることも難しい。そこで、今回の研究では各運動領域の特性から考え、短い時間で長い期間扱う方が
技能習得に効果的な単元(教材)と、単一学年でまとまった時数を確保して扱う方が学習に効果的な単元(教材)
に整理し、前者の単元や教材は、1 時間に 2 教材という構成で行うことで、子どもたちの「できるようになりた
い」という思いやねがいを保障できるようにしたい。
単元としては、体つくり運動領域「縄跳び」
、器械運動領域「跳び箱運動(台上前転)
」共に上で述べた前者の
教材にあたると考え 1 時間の中で組み合わせて行うことにする。
「縄跳び」は、2 学期に短縄による1~3 人跳び
に取り組んできた。本単元では、2 学期にできるようになった「かぶり縄」での入り方、できるようになりたい
「むかえ縄」での入り方を活かすことで、短縄、長縄でいろいろな跳び方に取り組むようにする。
「台上前転」で
も、2 学期に取り組んだマット運動「前回り」の感覚や「よじのぼり倒立」での腕支持の感覚を活かし、ゆっく
りで柔らかい美しさのある台上前転をできるようにする。2 学期に短縄跳びやマット運動でできるようになった
経験、技能を活かせることから主体的な学びに期待したい。
(2)単元の目標
○【学ぶ態度】運動に進んで取り組み、きまりを守り仲良く運動したり、場や用具の安全に気をつけたりすることができる。
○【思考・判断】具体的な課題を考え、解決しようと仲間と協力することができる。
○【技能】縄跳び :短縄や長縄でいろいろな跳び方ができる。
○【技能】台上前転:助走から両足で踏み切り、腰の位置を高く保って着手し、前方に回転しながら体を開いて
着地をすることができる。
(3)学びを創り続けるカリキュラムづくりの視点
①運動の特性から考えた 1 時間 2 教材の単元配列
昨年度までのカリキュラム、縄跳び 9 時間に取り組んだ場合、1 時間 1 教材として短期間で集中して取り組む
ことから、縄跳びという教材に触れる期間が短く、子どもたちが動きの感じを捉え始めてきている段階で、次の
教材に進むことが多かった。そのため、子どもの思いやねがいを保障し、
「できた!」という感覚や達成感を味わ
わせることが、できないまま終わってしまうことがあった。それは、縄跳びという運動の特性が、短い時間で長
い期間取り組むことで技能を習得しやすい運動だからである。そこで、2 学期に器械運動領域「マット運動」
、3
学期に器械運動領域「跳び箱運動(台上前転)
」と組み合わせ 1 時間に 2 教材として、長期間取り組むことで、子
どもたちの思いやねがいを保障し、
「できた!」という感覚や達成感を味わわせることができると考える。
②見取りを活かした単元内構成
子どもたちは、
「何を考えたらいいのか?」
「どのように考えたらいいのか?」わからない時、身体との対話に
没頭することができなくなり、自ら学びを創り続けていくことは難しくなる。そこで、授業の中や学習カードで
子どもたちが、何に問題意識を持っているかを見取り、子どもたちの学び合いの中から、その課題を焦点化した
り、明確化したりする。
また、各授業の終末部分に学級全体でその授業をふり返り、感じた問題意識を確認する。そして次の授業につ
ながる新たな課題に気づくことで、授業の枠を越えて身体との対話に没頭していくことが考えられる。
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3.指導計画(全11時間 本時は3/11時間目)
学習活動
【縄跳び】
①試してやってみよう
学習内容
【台上前転】
評価と役割(☆評価規準 ◆役割)
学ぶ態度
思考・判断
☆運動に進んで取り組
☆ 自 分 の 課題 を 理 解
☆【縄跳び】
跳び箱の上で前転なんて、落ちそ
み、ルールやマナーを守
し、動きを工夫した
短縄や長縄のかぶり
うでこわいな。
り仲良く運動したり、勝
り、友だちの動きを見
縄やむかえ縄に入る
敗を受け入れたりしよ
たりして、有効な動き
ことができ、いろい
うとしている。
を取り入れることで
ろな跳び方ができる
課題を解決しようと
ようになる。
子どもの意識の流れ
(2 時間)
○学習の進め方を理解する。
○うまくいかないことを実感する。
○課題に気づく。
連続で跳んでいくのは、楽しい
な。もっと早く入りたいな。
むかえ縄の時に入るのは、なんだ
マットを引いて、低い跳び箱から
か難しいぞ。よく失敗するな。
だったらできそうだぞ。
技能
している。
②課題に向かって練習しよう(8 時間)
(本時 1/8 時間)
【縄跳び】
○なじみの運動をする。
タイミングを教えてあげるよ。
頭がつかえて回れないな。
はいっ!はいっ!はいっ!
どうしたらいいんだろう?
なるほど!かぶり縄より少し早
まっすぐできるようになってき
くはいるんだ。わかったぞ!
たぞ。もう少し高くしてみよう。
○練習をする。
☆【台上前転】
◆毎時間のふり返り
設定し、適度な困難度を
ができるように学習
感じさせることで意欲
カードを用意し、子ど
に体を開いて着地を
の向上を図る。
もの問題意識を把握
することができる。
—
ん~、わかってもするのは難しい
腰を上げるといいよ。頭の後ろを
な。横でタイミングを教えて!
跳び箱につけるようにしよう。
◆共通課題を理解させ
意識から課題を焦点
【台上前転】
かぶり縄の時は、入った場所と反
ん~、頭では、わかってるんだけ
ることで、意欲的に取り
化できるようにする。
○なじみの運動をする。
対側に出ると出やすいな。
どできないな。なんでだろう。
組むようにする。
どちらからも入れるように、出ら
~さんは、腕で体を支えてるな。
れるようになりたいな。
そうか!ぼくは頭で支えてるん
○ふりかえりをする。
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○練習をする。
○ふりかえりをする。
◆いい動きやできた動
気づいている子ども
きを、全体で共有するこ
を見取り、全体に広げ
できた!腕に力がいるな。けど、
とで、意欲的に取り組む
ることで身体との対
たから、交差しながら跳べるぞ!
着地でふらつくぞ。なぜかな?
ことができるようにす
話を促す。
る。
~くん、回り始めたら力をぬくん
○なじみの運動をする。
えていくと面白いぞ。
だよ。ゆっくり!
いろんな方向から入って、おもし
そうだ!ゆっくり柔らかくが美
○ふりかえりをする。
◆課題と解決方法に
どちらからも入れるようになっ
できた!できた!入る場所も変
○発表会をする。
する。また、その問題
切り、腰の位置を高
く保って着手し前方
◆運動量を確保でき
る場を設定する。
◆縄跳びでは、柔ら
③できたことを発表しよう(1時間)
○練習をする。
助走から両足で踏み
◆なじみの運動の場を
ろい跳び方を考えてみよう。
しいんだったな。
かく、グループの人
数に合った長さの縄
を用意する。
◆台上前転では、安
全な教具を開発し、
◆ I C T 機器 を 活 用
◆学習カードで、子ども
し、それぞれの動きを
が感じる課題、気づきを
客観的に見て、ふり返
見取り、授業に生かすよ
る こ と が でき る よ う
うにする。
にする。
子どもが意欲的に取
り組めるようにす
る。