電気回路IV

過渡現象のまとめ
1.RL 直列回路の過渡現象
電流に関する線形1次常微分方程式
⇒ 指数関数
電気回路IV
2.RC 直列回路の過渡現象
電荷に関する線形1次常微分方程式
⇒ 指数関数
2015年度後期
第12回
3.RLC 直列回路の過渡現象
電流に関する線形2次常微分方程式
⇒ (1) 非振動的
(2) 臨界的
(3) 振動的
RL回路の過渡現象のモデル化
RC回路の過渡現象のモデル化
R
回路方程式
初期条件:
R
回路方程式
i(t=0-)=0
E
L
E
初期条件:
q(0) =q0
時刻 t >0 の回路電流
時刻 t >0 のコンデンサの電荷
抵抗両端の電圧
時刻 t >0 の回路電流
コイル両端の電圧
抵抗両端の電圧
コイル両端の電圧
C
RLC回路の過渡現象
R
L
E
C
定数係数線形常微分方程式
t=0 においてスイッチをON にする。
その後の回路電流を i(t) とする。
【解法】
とおき,与式に代入する
回路方程式
は恒等的に零にならないから
一階微分して
特性方程式
固有値
一般解は各固有値に対応した解の線形結合。
先週の議論と同様に,電流関する常微分方程式が得られる。
この常微分方程式が解ければ,電流 i(t) の時間的な挙動が解る。
ただし,
ここで,固有値は3つの場合分けが必要になる。
(1)非振動的な振る舞い【1/4】
が2実根の場合
(1)非振動的な振る舞い【2/4】
境界条件(1) t=0 - のとき,i=0
(1)
一般解
係数 A,B の2個が決定されるためには,2個の条件が必要
境界条件(2) t=0 + のとき
(2)
電流の一般解から
境界条件(Boundary conditions)を2個与える
(1) t=0 - のとき,i=0
(2) t=0 + のとき,eL=E (∵i=0 ⇒ eR=0, q=0 ⇒ eC=0)
(3)
(2) 式に(3) 式を代入して t=0+ とおく
(4)
(1) (4) 式より
(1)非振動的な振る舞い【3/4】
(1)非振動的な振る舞い【4/4】
2個の境界条件から,電流 i(t) の特解が求められる。
得られた電流 i(t) から各素子両端の電圧が求められる。
抵抗両端の電圧
i(t)
コイル両端の電圧
コンデンサ両端の電圧
t
0
(2)臨界的な振る舞い【1/5】
(2)臨界的な振る舞い【2/5】
となる重根の場合
となる重根の場合
一般解
一般解
係数 A,B が決定されるためには,2個の条件が必要
ノート
境界条件(Boundary conditions)を与える
(1) t=0 - のとき,i=0
(2) t=0 + のとき,eL=E (∵i=0 ⇒ eR=0, q=0 ⇒ eC=0)
特性根(固有値)が重根の場合の一般解は
の重ね合わせとなる
係数 A,B が決定されるためには,2個の条件が必要
境界条件(Boundary conditions)を与える
(1) t=0 - のとき,i=0
(2) t=0 + のとき,eL=E (∵i=0 ⇒ eR=0, q=0 ⇒ eC=0)
(2)臨界的な振る舞い【3/5】
境界条件(1) t=0
(2)臨界的な振る舞い【4/5】
- のとき,i=0
(1)
境界条件(2)
C
t=0 + のとき,eL=E (∵i=0 ⇒ eR=0, q=0 ⇒ eC=0)
2個の境界条件から,電流 i(t) の特解が求められる。
i(t)
(5)
一般解を微分
(6)
傾き
(5)(6)式を合わせて t=0+ とおく
(7)
2個の境界条件から,電流 i(t) の特解が求められる。
(2)臨界的な振る舞い【5/5】
得られた電流 i(t) から各素子両端の電圧が求められる。
t
0
(3)振動的な振る舞い【1/4】
特性根が複素根の場合
抵抗両端の電圧
コイル両端の電圧
一般解
係数 K1, K2 の2個が決定されるためには,2個の条件が必要
コンデンサ両端の電圧
境界条件(Boundary conditions)を2個与える
(1) t=0 - のとき,i=0
(2) t=0 + のとき,eL=E (∵i=0 ⇒ eR=0, q=0 ⇒ eC=0)
(3)振動的な振る舞い【2/4】
(3)振動的な振る舞い【3/4】
2個の境界条件から,電流 i(t) の特解が求められる。
境界条件(1) t=0 - のとき,i=0
(1)
境界条件(2) t=0
i(t)
+ のとき
(2)
電流の一般解から
(2) 式に(3) 式を代入して
t=0+
とおく
(3)
(4)
(1) (4) 式より
(3)振動的な振る舞い【4/4】
得られた電流 i(t) から各素子両端の電圧が求められる。
抵抗両端の電圧
コイル両端の電圧
コンデンサ両端の電圧
0
T
t
2T