農林水産総合技術センタ-森林研究所 担当:森林資源課 News Release 長谷川、斎藤 電話:(直通)076-483-1511 平成 28 年 1 月 26 日 平成 27 年 スギ花粉情報(2) スギ花粉飛散開始日の予想(1 回目) ※ 今年のスギ花粉の飛散開始日は2月23日前後で、 昨年(2月23日)と同時期と予想されます。 スギの花粉が飛び始める時期は、1月と2月の気温に大きく左右され、その年によ って異なります(表1)。花粉を放出するスギの雄花は、前年の 10~11 月に成熟して 休眠状態に入り、冬の低温を経験することによって休眠からさめることが明らかにさ れています。その後は、毎日少しずつ成長して、一定の積算温度(日℃)に達すると 開花して花粉を飛散し始めます。このことから、1月と2月の平均気温が高ければ開 花は早まり、低ければ遅くなります。この開花のメカニズムを利用することによって、 スギの花粉飛散開始日を予測することが可能になりました。 平野部の観測定点のスギ林から雄花の着いた枝を採取してきて、15℃に設定した人 工気象器を用いて実験した結果、今年(平成 28 年)は、1 月 20 日から積算温度が 90 日℃で開花しました。このことから、今後の気温が平年並み(過去 10 年間の平均) に推移した場合、2 月 23 日頃に開花し、花粉の本格的な飛散が始まると予想されま す(図1) 。 開花が始まると平野部ではスギ花粉が連続的に観測されるようになります。そして、 3 月上旬から飛散量は急激に増加し、飛散量の多い状態が 3 週間程度続きます。その 後、次第に減少し 4 月中旬になるとスギ花粉の飛散は概ね終息します(図2)。 今シーズンの花粉飛散量は、平年並と予想されており、平野部では 2,900 個/cm2 程 度の飛散量が見込まれます。花粉症は目のかゆみ、鼻水、くしゃみといった症状を伴 うことから、風邪の症状と間違われ、しばしば見過ごされることがありますが、初期 段階であれば容易に軽快しますので、先のような症状が認められた場合には早めに医 師に相談してください。 問い合わせ先 富山県医師会花粉症対策委員会 県森林研究所主任研究員 斎藤真己 電話 076-483-1511 Fax 076-483-1512 E-mail [email protected] ※ 次回の「スギ花粉情報(3) -スギ花粉飛散開始日の予想(2 回目)-」は、 2 月 10 頃を予定しています。 表1スギ花粉の飛散開始日 年 飛散開始日 平成 18 2 月 24 日 平成 19 2月 8日 平成 20 3月 4日 平成 21 2 月 12 日 平成 22 2 月 23 日 平成 23 2 月 27 日 平成 24 3月 7日 平成 25 3月 2日 平成 26 2 月 26 日 平成 27 2 月 23 日 (※ 過去の平均-2 月 25 日) 1月20日から開花に必要な有効積算温度( 90 日℃) 120 積算温度(日℃) 100 予 想 開花(2/23) 実測値 80 60 40 20 0 図1 平成 28 年のスギの開花予測 花 粉 飛 散 量 2/23 3/15 飛散開始 図2 スギ花粉の飛散パターン 4/20
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