実践発表会の開催にあたって

実践発表会の開催にあたって
日ざしの明るさを感じるようになりました。2016 年の「立春」は 2 月 4 日。
陽明高校の実践発表会と同じ週の木曜日にあたるそうです。
立春と聞くと昭和 22 年、科学者・中谷宇吉郎の書いた随筆、『立春の卵』を
想い出します。ある新聞記事に、一年に一度、「立春の日だけに(生)卵が立つ」
との記事に、あまりの非科学性、非論理性に呆れ、根気強く挑戦すれば立春で
なくても卵は立つことを証明した科学者です。
やはり科学者はユーモアを解さない人だと思われては困ります。
新聞では、科学者からのインタービューが掲載され、あたかも「新発見」の
事実として紹介したのです。
一般の人なら、新聞に書かれ記事だから「事実」であろう、と受け止めた人
が多いのではないでしょうか。
私は、
「実践」とは、
「自分で実際に行うこと」を指していると考えています。
自ら考えることなく、
「そう書かれているから、そうなんだ」といった思考停
止を乗り越える「態度・構え」が実践にはあると思っています。
今日、皆さんが実践発表した内容は、一定の法則、新たな新事実の発見とは
言えないものかもしれません。しかし、「そう書かれているから、そうなんだ」
といった思考停止に陥る人ではなく、自ら確かめよう、やってみようという、
「課
題設定(生成)→課題解決」に取り組むという、21 世紀に求められる資質・態度
を有する高校生であることを高らかに示す場となるはずです。
失敗などありません。陽明高校の生徒らしく、自信を持って発表に臨んでく
ださい。
期待しています。
ちなみに、中谷宇吉郎先生は、世界で初めて「人工の雪」づくりに成功した
科学者で、『雪は天からの贈り物』と書いた科学者です。
陽明高等学校
校長 比嘉 正二