ユニバーサルデザイン授業実践事例集【2016増補

滝沢市立
滝沢第二小学校
・
ユニバーサルデザイン授業
実践事例集
増補版
平成27年度
奥州市立
岩谷堂小学校
・
一関市立
萩荘小学校
・
2016.3.1.
奥州市立
常盤小学校
・
岩手県立
紫波総合高等学校
岩手大学
教育学部
附属学校
はじめに
岩手大学教育学部附属学校特別支援教育推進専門委員会では,平成25年度に実
践事例集を公刊しました。この事例集は,平成22年度から取り組んできた附属学
校の通常学級にいる発達障害児に対する教育の実践研究をまとめたものです。
今回,この事例集の増補版を公刊いたしました。これは,附属幼稚園の事例を
追加したのみならず,公立学校5校の実践事例を追加したものです。
平成25年度に公刊した事例集は,岩手県のみならず,全国の学校,教育委員会
で参考にされております。その中には,優れた実践を実施している学校もありま
す。今回は,岩手県下で優れた実践を実施している5つの学校に事例を提供して
いただきました。この5校は,事例を提供していただくとともに,平成27年1月と
28年1月に岩手大学教育学部が主催して開催した特別支援教育セミナーでも,実践
を発表していただきました。ここに厚くお礼を申し述べます。
平成25年度に公刊した事例集に,今回の増補版を加えたものが,現場の先生方
のお役に立ち,特別の支援が必要な子どもたちばかりでなく,すべての子どもた
ちが分かって楽しい授業を受けられることを願っております。
附属学校特別支援
教育推進専門委員長
我妻則明
(岩手大学教育学部)
1⃣
環境を
整える
集合場所が分かる工夫
生活を
分かり
やすく
附属幼稚園
学級全体で集まって活動
する際、集合する位置をラ
インで示しておくと、どこに
集まればよいかが分かり、
安心して行動できる。
段階
を
踏まえて
提示
滝沢市立
滝沢第二小学校
学習規律「聞き方・話し方」の段階を踏まえた指導
中学校区で
連携、一貫
した内容を
提示。
全学年、全教科で板書を統一
色分け
で
意味
づける
板書の構造を確認する。
奥州市立
岩谷堂小学校
課題は青チョークで囲む。
まとめは赤チョークで囲む。
全学年、全教科で板書を統一
配置
で
結ぶ
授業の始めに示した課題(青枠)と、
授業の終わりに示したまとめ(赤枠)が横
並びになるように配置します。
奥州市立
岩谷堂小学校
授業の展開と板書を端的に結びつけます。
分かれば
行う。
自分から
動く。
日課をわかる、みんなでわかり合う
奥州市立
常盤小学校
時間の目処と、朝の日課を明示。
自分が分かる。みんなで分かりあう。一人
の習慣は、学級の流れになる。
お互い
の
活動が
見える。
あたたか
くなる。
係活動の実施状況を確認し合う。
奥州市立
常盤小学校
一人一役の割り当て。実施してめくる。
目で見て確認したくなるような仕掛け。
学習環境
と
生活環境
を
整える
❶
岩手県立
紫波総合高等学校
黒板を授業専用とするため、
教室の掲示板の利用方法
を全校で統一。
ホワイトボードは、黒板の
そばの壁に配置。
当日及び喫緊の連絡事項
のみを記す。
・期日を過ぎたものははずす。
・いたずらをする者は指導する。
学習環境
と
生活環境
を
整える
❷
岩手県立
紫波総合高等学校
黒板を授業専用とするため、
教室の掲示板の利用方法
を全校で統一。
<HR教室後ろの掲示板の利用の仕方>【新】
【上部:大きく掲示するもの】学級目標等
廊
下
【左側:長期間掲示するもの】
*各教室に必ず掲示するもの
*ラミネートをして配布・掲示
時程
整容規定・携帯電話利用規程 等
大講義室座席表
年間行事予定(学校行事カレンダー)
カウンセリングの計画表
掃除区域・当番表
クラス役員
【中央:一定期間掲示するもの】
* 重要度の高い連絡事項
進路に関する情報(3年次)
【案内・連絡等】
* その他の案内
系列通信
学年通信
各種検定の案内
ボランティア募集
他団体の行事のあんない
ちらし
グループエンカウンター
教室の後ろの壁は掲示板を兼ねる。
学級目標や各種連絡内容で長期掲示のものや定例内容を配置。
左側は長期間掲示するもの、中央は、一定期間掲示するもの、右は案内・連絡。
掲示物は必ず四つ角を画びょうで止める。
窓
2⃣
読む力
を
育てる
工夫
視覚
と
聴覚
を
刺激。
一関市立
萩荘小学校
視覚教材と聴覚教材の
組み合わせ
写真で黒船の形を、テレビから黒船の大砲の音を聞か
せました。視覚と聴覚を刺激され、臨場感を味わった子
どもたちは、当時の人々の気持ちになって資料の読み取
りに集中しました。
注目
したい
から
焦点化
奥州市立
常盤小学校
「お手紙」
がまくんの心情を
読み解くための足がかり。
たくさんの挿絵の中から
注目したい箇所にマーク
を付した。
教科書の挿絵を見比べる。違
いを探し、登場人物の気もち
をとらえる。(「国語2年下 光村図書」)
今、ここ
と
分かれば
読める。
奥州市立
常盤小学校
読むべき箇所を焦点化
黄色のセロファンだと読みやすい。一行ずつ
だと読みやすい。子どもの様子に合わせて、
道具のデザインも変わります。
現代文における
板書の工夫
ないと、
気になる。
岩手県立
紫波総合高等学校
読むから
読み取る、
読み解くという
プロセスへの導入。
そ「
僕ひ昼あ僕一
こおはともあの夜
に坐徒つ夜 一の
ひりらのもそ生う
と」に□僕のはち
つ 同がの夜すに
の
あ 以
□ じる左来ぎ
が 言 側 て
あ 葉 に し
ま
る を い
く つ っ
り も た
か 空 の
え い で
す た あ
の ま ろ
だ ま う
で か
僕□そど□つあ
のののん□つな
左網あなよまた
側をなに しは
に小た多 い
こ
坐鳥がく □の
りの一の □世
によ夜者 でで
来う で な心
たに あ けや
のく な れさ
だぐ た ばし
っり は ない
た抜 な ら□
け け なで
て れ かあ
ば っり
な た
ら
な
か
っ
た
ろ
う
こ坐あああ霧□
のっなななの□
世たたたた夜よ
のばににがに
掟かははそた
がりあ父こっ
何のながにた
とあたあ坐一
無なのりっ度
造た属母ただ
作をすがこけ
に るあと
引 教っが
立 会たあ
て が る
て あ
行 っ
っ た
た
こ
と
か
ひい僕い「
僕そ
とつのつおのこ
つも左で坐左に
の空側もり側ひ
□いにそ」にと
がた う
つ
の
あま 言
□
るま え
が
で る
あ
よ
る
う
に
そ
こ
に
ひ
と
つ
の
□
が
黒
田
三
郎
教科書は閉じる。教師が板書をする。生徒はそれを視写
する。空欄に入る言葉を考えながら読む。
(「改訂版 標準現代文」教科書 第一学習社)
わかるかも、
古文における
学習プリント
の工夫。
と
思えば
読みたく
なる。
岩手県立
紫波総合高等学校
本文と照らし合わせて、読み取り、読み解く。
(「新編国語総合」教科書 大修館)
3⃣
書く力
を
育てる
工夫
指導の視点に即したレイアウト
全校で
統一。
算数ノートの目標
1 2 3 4 5 6
年 年 年 年 年 年
生 生 生 生 生 生
日時,学習ページを書く
● ● ● ● ● ●
文字を整えて書く
● ● ● ● ● ●
ある程度の速さで書く
● ● ● ● ●
直線は定規を正しく使って引く。
● ● ● ● ●
課題とまとめを位置づける。
学習感想を書く。
● ● ● ●
● ● ●
自力解決のあとを残す。(筆算も書き残す)
● ●
全ての問題の答えが分かる。(書かれている)
● ●
間違った考え(自力解決)も残す。
●
見開き1ページに学習をまとめる。
●
ノートづくりは、学年ごとに
目標とする内容(●印)を
設定し指導します。
滝沢市立
滝沢第二小学校
書くことを支える。書き出しが肝心。
はじめ
の
一筆。
奥州市立
常盤小学校
なかなか書き出すことができない子どもに
は、書き出しを提示します。
薄く書き出しの文字を記し、そのなぞりから
スタートします。
4⃣
表現
する力
を
育てる
工夫
感情を
表現する
語彙が
必要
感情を表す言葉を例示。
日常的にも使える語彙に
したい。
児童が使った後をシール
で明示し、意欲を喚起し、
日常化を図る。
奥州市立
岩谷堂小学校
自分
に合った
表現方法
を
選んで
一関市立
萩荘小学校
説明するための表現方法
を選択。
考えを説明し合う活動では、自分の考えを伝えやすい方
法(ノートか、おはじきか)を使って説明しました。
説明の方法の違いによって、一人ひとりの表現にも違い
が見られ、分かりやすい表現をしようとする意欲も高まり
ました。
マイクで、話し手・聞き手
の役割を意識。
話し手
と
聞き手
への
注目
一関市立
萩荘小学校
「自分にマイクを向けてほしいな」とよい姿勢で待つ子ど
もたち。
おもちゃのマイクでも、向けられるとちょっと緊張しながら、
アナウンサーのように話し出しました。
マイクを向けるだけで自然に聞き手を意識した話し方に
なるようです。
伝わる
その実感
が、
プレゼン
を
双方向に
する。
奥州市立
常盤小学校
ICTの活用で、プレゼンのスキルが発揮されやすくなる。
実物投影機でノートを拡大表示し、それを使って発表する。
5⃣
見通しを
持つ力
を
育てる
工夫
一日の生活の見通し、園生活に見通しが持てるような工夫
生活を
見通し、
期待する。
附属幼稚園
・1ヶ月という流れの中で「きょう」
という日を伝える。
・「あと○日で何がある」という先
の見通しが持てる。
・一日の見通しを持てる ・図のような片付け時刻を
示した模型の時計を掲示
し、時計と見比べて、片付
け時刻に気づけるようにす
る。
身体測定のイメージが持てるような工夫
生活を
見通し、
安心する。
初めての身体測定に安心して取
り組めるように、手作りの紙芝居
で具体的なイメージを伝える。
附属幼稚園
実演
は
消える。
自分で確認できれば、安心して挑める。
写真
は
残る。
滝沢市立
滝沢第二小学校
垂直な直線の引き方。
黒板、左側で作業の実演をし、右側の解説と写真カードを見る、確認する。
思考
の
足がかり。
滝沢市立
滝沢第二小学校
目安があれば、考えやすい。
方眼をつかって、図形とその面積に着目しやすくする。
実験結果の分類を可視化
今に
注目し、
次の活動
に取り組
みやすく。
奥州市立
岩谷堂小学校
実験結果を色で分類
することで、それぞれ
に共通する特徴を捉え
やすくした。
ノート
の
完成型
を
見通す。
一関市立
萩荘小学校
ノートの書き方(レイアウ
ト)の明示。
授業のはじめに本時のノートの大まかな完成型を示して
おくことで,子どもたちは「図はこのくらいの大きさで描け
ばいいんだな。」と、安心してノートに図を描くことができ
ました。
どの子のノートも、1ページにぴったりとおさまりました。
ノートや教科書のページを板書で明示。
今に
注目し、
次の活動
に取り組
みやすく。
学習のはじめに、黒板の定
位置に記し、可視化する。
集中が途切れたときも、戻
るところがわかれば復活し
やすい。
奥州市立
岩谷堂小学校
1時間
の
学習内容
を
見通し、
ふり返る
一関市立
萩荘小学校
フラッシュカードを活用
分数の大小比較をフラッシュカードで行いました。
①既習問題と未習問題が次々と示され,テンポよく答え
ることができました。
②答えが分からなかったカードから学習課題を作りまし
た。
③適用問題として,答えられなかったカードにもう一度
チャレンジしました。
子どもたちは,既習事項の確認・課題作り・適用問題が
カードでつながったことで,本時での自分の成長をしっか
りと確認することができたようです。
授業の流れを板書しておく
学習内容
を
明示。
一関市立
萩荘小学校
授業の流れをあらかじめ板書しておきます。
音楽室に入ってきた子どもたちはすぐに黒板を見て
「やったあ,〇〇をするんだ。」と声をあげました。
何を、どの順序でやるかがはっきりしていることで、
集中力と意欲が最後まで途切れませんでした。
黒板で、一目瞭然
学習の
流れを
明示。
奥州市立
常盤小学校
v
学習の過程を5つのス
テップとして表示し、黒
板にレイアウトします。
これは、指導案の様式
とも一致しています。
見通しが、目標に。目標が取り組みに、
取り組みが手応えになる。
目標が
あると、
挑みたく
なる。
奥州市立
常盤小学校
飲みきれなかっ
た牛乳。計量し
て数値で確認し
ました。
すると、「自分か
ら・自分で」とい
う気持ちがわい
たようです。
時間の
目処
が
活動の質
を支える。
岩手県立
紫波総合高等学校
クラス全員が同じ時間を共有する。
個別のワークや、グ
ループワークの時に
は、活動時間の目処
をカウントダウンする。
専用の機材でなくと
も手持ちのノートパソ
コンで十分。
6⃣
整理整頓
の力
を
育てる
工夫
片付けの場所が分かる工夫~絵で表示する
生活
を
分かり
やすく
附属幼稚園
遊具の置き場を絵で表示することで、何をど
こに片付けるのか、一目で分かるようにする。
片付けの場所が分かる工夫~ラインで表示する
生活
を
分かり
やすく
附属幼稚園
積木などの大きな遊具も、片付け
る場がわかるよう床にビニール
テープでラインを付け、その中に自
分たちで片付けられるようにする。
意味と色の対応により、視認性向上
見て、
分かり
やすい
ように。
➊
車を動かすための風の強
さを,「弱・中・強」という文
字だけではなく,グラフの
色を変えて提示した。
奥州市立
岩谷堂小学校
意味と色の対応により、視認性向上
見て、
分かり
やすい
ように。
➋
奥州市立
岩谷堂小学校
酸性の塩酸とアルカリ性の水
酸化ナトリウムを用いた実験。
酸性を黄色,アルカリ性を赤
で印をつけることで実験操作
のミスを防いだ。
意味と色の対応により、視認性向上
見て、
分かり
やすい
ように。
❸
「しつもん」「こたえ」という
文字の色とサイドラインの
色を統一した。
奥州市立
岩谷堂小学校
一対一
対応
が
わかりや
すい。
ぬれた手袋も乾きやすいという機能も兼備。
洗濯バサミには、夏は軍
手、冬は手袋をつけてい
ます。
洗濯バサミに番号がつ
いており、誰のものかが
すぐ分かります。
奥州市立
常盤小学校
7⃣
仲間づく
り・自己
肯定感
を
高める
工夫
安心してやりたいことに取り組める工夫~拠点を作る
安心で
存分な
活動を
拠点となる場があることで、
安心して遊びに取り組める。
コンテナや木の衝立など、
子どもたち自身が動かして
『自分の場』を作る。
場ができることで、互いの遊
びが見えやすくなり、仲間入
りしたり、かかわりが生まれ
たりしやすい。
附属幼稚園
感想寄せ書きシートの活用
仲間と
伝え合う。
作品の鑑賞後、付箋に書い
たお互いの感想を交流しあ
い、寄せ書きにする。
伝え合う、かかわり合う活動。
奥州市立
岩谷堂小学校
合い言葉で、うみ出すかかわり
クラスの
合い言葉
で
つながり
あう
奥州市立
常盤小学校
➀なるほど!
②よく分かった!
➂いっしょに考えようよ
④どうするの?
➄分からないから教えて?
普段、学校生活の中で
子どもたちが、頼りにす
るのは、「担任」そして、
「友だち」です。
わかり
あって、
かかわり
あえる
進捗状況をお互いに伝え合う
水色・・・問題を解いているとき。
ピンク・・・解き終わったとき。
ピンク同士になったら考えをペア
で説明し合います。
奥州市立
常盤小学校
10⃣
様々な
カタチ
の
支援
色々な
チカラ
の
発揮を
願う支援
歌のイメージを思い描けるような工夫
豊かな
表現に
つながる。
附属幼稚園
紙芝居や紙人形などを使い、
歌詞の意味やイメージを理解しやすいように
する。
そうすることで、歌への思いを膨らませながら
楽しんで歌うなど豊かな表現につながる。
マークで、視認性向上
コツ
がある。
岩手県立
紫波総合高等学校
情報の授業、タイピングの基礎。
ア行(母音)を早く見つけられれば、上達できる。
「か」を打つとき、二つのキー(k+a)を探すのに各6秒かかるとすれば、「か」を打つの
に12秒要する。aを見つけることが1秒ですめば、所要時間は7秒に短縮される。
今の確かな手ごたえが学習を支える。
学習の展開、それ自体が支援になる。
無形
の
支援
❶
奥州市立
常盤小学校
STEP1.学習活動を明示
(インタビュー内容を確認)
STEP2.学習活動のモデルを示す
(インタビュー方法を確認)
学習の展開、それ自体が支援になる。
C1 似ているできごとはなんですか。
無形
の
支援
❷
C2
STEP3.学習活動の実施
(訊かれることで自分の考えが言葉になる)
C1
わたしは、「薬を飲ませた」というところが
似ているよ。
わたしも、このまえ風邪をひいて休んだで
しょ?
あ~あ。あったあった。
薬がたくさん出たけど、大嫌いだから、す
ごく嫌だったの。でもお母さんがね、
「大丈夫だよ。飲めばすぐ治るから。」
ってくれて、がんばって飲んだよ。
C1
へえ~、そうなんだ。
そのとき、どんな気持ちだったんですか?
C2 薬を飲めたときは、嬉しい気持ちだったなあ。
奥州市立
常盤小学校
C1 そうなんだ。それは、がんばったね。・・・・・
学習の展開、それ自体が支援になる。
C1 似ているできごとはなんですか。
無形
の
支援
❸
STEP4.学習活動のまとめ
(自分の考え→言葉→作文)
C2
C1
わたしは、「薬を飲ませた」というところが
似ているよ。
わたしも、このまえ風邪をひいて休んだで
しょ?
あ~あ。あったあった。
薬がたくさん出たけど、大嫌いだから、す
ごく嫌だったの。でもお母さんがね、
「大丈夫だよ。飲めばすぐ治るから。」
ってくれて、がんばって飲んだよ。
C1
へえ~、そうなんだ。
そのとき、どんな気持ちだったんですか?
C2 薬を飲めたときは、嬉しい気持ちだったなあ。
奥州市立
常盤小学校
C1 そうなんだ。それは、がんばったね。・・・・・
ユニバーサルデザインの授業への取組状況調査
ユニバーサ
ルデザイン
教科
セルフチェック「ユニバーサルデザイン
授業への取組状況調査」の活用
取り組んでいる ………… 「4」
あまり取り組んでいない … 「2」
氏名
だいたい取り組んでいる …… 「3」
取り組んでいない
………… 「1」
Ⅰ 授業の構造化(メリハリのある授業、見通しのある授業)
① チャイムとともに始めチャイムとともに終える
②「お願いします」で始まり 、「ありがとうございました」で終わる
③ 前時の振り返りをする(既習事項の確認、制作物の進捗状況の確認等)
の
意識
を
確かめ
合う。
④ 本時の目標を明示する(板書等、いつでも確認できるようにする)
⑤ 授業の導入、展開、終末の流れを知らせる
⑥ 課題に取り組む時間の目安を示す
⑦ 本時の学習の成果を確認する
⑧ その他(
)
Ⅱ 授業の工夫(指示・発問)
① 注目させてから話す
② 大きな声ではっきりと話す
③ 主述を明確にした短い文で話す
④ 一度に一つの指示をする
⑤ 一つ一つ伝わっているか確認する
⑥ 指名した場合は返事をさせる
⑦ 「~です」ときちんと答えさせる
⑧ その他(
)
Ⅲ 授業の工夫(板書・プリント)
① 色チョークを使い分けて見やすく書く
② 板書の量はポイントを抑え最小限にする
③ ノートをとる時間を確保する
④ どこに何を書けばよいかわかりやすく示す
⑤ プリントには氏名を書かせる
⑥ プリントをきちんと保存させる
⑦ ノートやプリントを評価する
⑧ その他(
)
Ⅳ 授業への参加を促す工夫
① 机上や机周りに余計な物を置かない
② 必要な教材を確認する(忘れてきた場合はどうすべきか指示する)
③ 導入は平易なレベルから入り、スモールステップで進める
岩手県立
定期的なセルフチェックと、
集計結果の周知。
④ 補助教材を用いる( ICT、模型、実物など)
⑤ 複数の活動を取り入れる
⑥ 机間巡視を行い個別に声がけをする
⑦ 肯定的な話し方を心がけ、できたことは意識的に褒める
⑧ その他(
紫波総合高等学校
【意見等】
授業づくりの心掛けを確認
する。
)
4月
9月
2月
アイディア
を
学び合う。
セルフチェック「ユニバーサルデザイン
授業実践事例集の活用状況について」
の活用
自分の実践を
事例集(2015)
の工夫と照らし
合わせ振り返り
ます。
一関市立
萩荘小学校
実践を発表し交
流します。
特におすすめの
工夫を発表し合
い、学校全体で
取り組むことに
結びつけます。
指導方法
の履歴を
残す。
授業環境の整備、その一環として
指導方法の統一を図る試み。
・教科書の指導方法を基本とし,学年間でそろ
えた方が良いと判断した学習内容や学習方法
を記録用紙に記録します。
(例)かけ算九九の暗唱の習熟方法(上り,下り,
飛ばし),合格認定の方法等
(例)さくらんぼ計算の書かせ方(10をつくる時の
数字のくくり方等)
滝沢市立
滝沢第二小学校
・その他引き継いだ方が良いと思われるものを
資料としてファイルします。
・26年度に作成したものを,27年度に引き継
ぎ検証しながら,加除修正を加えます。
本事例集の刊行に際して、ご協力をいただいた皆様に心から感謝申し上げます。
初版は、県内外で多くの活用をいただいております。本事例集も引き続きご活
用いただければ幸いです。
おわりに
さて、全国的にユニバーサルデザイン授業の取り組みが普及推進されておりま
す。ユニバーサルデザイン授業という呼び名は、多くの教師の興味関心を喚起し、
仲間同士で話題を共有することに役立っています。
ユニバーサルデザインは、子どもたちの多様性を認め、どの子どもにもわかる、
できる、手ごたえがある学習を提供しようというものです。
子どもたちの多様性への対応は、その一面に個別に子どもたちを見るというこ
とでしょう。そこに特別支援教育との接点がありました。
しかし、「どの子どもにもわかる、できる、手ごたえがある学習を提供しよ
う」という理念は、通常教育での授業づくりにおいては伝統的で、かつ普遍的な
ものでした。ユニバーサルデザイン授業とは、通常教育との接面を予め有してい
るものだと思います。
ユニバーサルデザイン授業は、特別支援教育と通常教育のリンクと言うことも
できます。本事例集も特別支援教育と通常教育のリンクです。
そして、本事例集が、これをお読みになっている皆様と、子どもたちのリンク
になりうることを願っています。
附属学校特別支援
教育推進専門委員
佐々木全
(岩手大学教育学部)