週間天気予報解説資料 2016 年 1 月 24 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 1 月 25 日から 1 月 31 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS): 期間の前半は冬型の気圧配置が続くが、明日以後は次第に緩む傾向。期間の後半は低気圧が本州付近を通過 するため、北日本の一部を除いて、雨または雪の降る所が多くなる。沖縄・奄美は、期間の前半は晴れる日もあるが、寒気や気圧 の谷の影響で曇りや雨の日が多い。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、オホーツク海に寒冷渦があり、沿海州~華北付近がトラフ。沖縄・奄美が正・負の境 界付近のほかは、負偏差に覆われる。予報期間は、日本付近の高度が上昇し、サブハイも強まる。日本付近は広く正偏差となる。 ●27~28日:5100m付近のトラフが28日前半にサハリン付近を通過、東・西日本付近はほぼゾーナルな流れから、28日は次 第に西北西の流れとなる。その後面ではリッジが朝鮮半島付近に、5700m付近のトラフが華中に進む。地上では大陸の高気圧が2 7日は西日本方面に、28日は本州付近に張り出し、日本の南を高気圧が東へ移動する。27日には華南付近で前線が顕在化し、 28日には東シナ海へのび出してくる。また、北日本付近では冬型の気圧配置が続き、28日は次第に強まる所もある。北・東 日本は概ね冬型の天気分布、西日本は27日は晴れるが、西から雲が広がりやすくなり、28日には雨の振り出すところがある。 ●29~30日: 29日は、北日本では西北西の流れが続くが、西・東日本では次第に西南西の流れとなる。30日には5700m付近 のトラフが西日本付近へ進み、北日本でもほぼゾーナルな流れとなる。地上では大陸の高気圧が北日本方面に張り出すが、前線 が西・東日本の南岸へのび出し、30日には前線上に低気圧が発生して、四国の南から関東の東へ進む。この低気圧の後面の本 州の南にも低気圧が進む。29日は降水が西日本から東日本へ広がる。北日本では寒気の影響の残る所もあるが、太平洋側では 晴れる所もある。30日は北日本の一部を除いて雲が広がりやすく、東北から西日本にかけての広い範囲で雨または雪が降る。 ●31日:5700m付近のトラフは東へ抜けるが、日本付近はゾーナルから西南西の流れが続く。地上低気圧は日本のはるか東へ進み、 日本付近は弱い冬型の気圧配置となる。日本海側の地方では雲が広がりやすく、雪または雨の降る所がある。太平洋側では、西 日本は晴れる所が多くなるが、東・北日本では、東からの湿った気流の影響を受けて雲が広がりやすい。 ●沖縄・奄美:寒気や気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多いが、期間の前半は、高気圧に覆われて晴れる所もある。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:29日に東シナ海に低気圧を予想するメンバーは全体の約5割あり、西日本付近へ予想するメ ンバーは約2割ある。30日に日本の東とは別に、本州の南に低気圧を予想するメンバーは全体の約3割ある。 ・ スプレッド:昨日資料と比べて、2、5日目は拡大したが、他は縮小した。特定高度線は、5400mは期間の後半に中国東北区のト ラフの位相にバラつきが大きくなる。5700mは29日以後は西谷になることで概ね揃っている。 ・ 降水頻度分布:昨日資料と比べて、高降水頻度域は、29日東日本で拡大。30日 西~北日本で拡大した。 ・ 予想T850時系列:北日本は数日の周期で正・負偏差が変わる。東・西日本と沖縄・奄美は、期間のはじめは負偏差だが、その後 は正偏差に転じ、29~30日頃を中心に偏差が大きくなる。 2.防災事項等 ・ 明日(25日)にかけて、冬型の気圧配置が強く、荒れた天気の所があり、大雪となる所もある。 ・ 期間の後半(29~30日)は、西・東日本の南岸を低気圧が進む。低気圧の発達は予想されないが、西・東日本の太平洋側で はθe850≧315Kの暖湿気の流入(850hPa面で南西30~40KT)が予想され、大雨となるおそれもある。今後の資料に留意。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 500hPaでは、リッジが通過する北日本はおおむね負過度場だが大陸方面からトラフが東進。西・東日本はゾーナル場だが、5520 m付近の正渦度移流域。地上では冬型の気圧配置は緩むが、北日本を中心に日本海では気圧の谷が近づく。850hPa-6℃前後の 下層寒気は日本海側に残る。 ・ 天気は、気圧の谷の近づく日本海側は雲が広がりやすく雪や雨の降る所もある一方、太平洋側は比較的晴れ間のでる所もある見 込み。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北・東・西日本日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で、雪または雨の降る日が多い。 ・ 北・東・西日本太平洋側は、期間の前半は高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすく、明 日や期間の後半は雪または雨の降る日がある。 ・ 沖縄・奄美は、寒気や気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多い。期間の前半は、高気圧に覆われて晴れる所もある。 ・ 最高気温・最低気温とも、北海道地方は、平年並か平年より低いが、期間の前半は平年より高い日がある。東北地方から沖縄・ 奄美にかけては、期間のはじめは平年並か平年より低く、平年よりかなり低い所がある。その後は平年並か平年より高く、平年 よりかなり高い日もある。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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