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“ジュネーブから今を見る”
今日のヘッドライン
“ジュネーブから今を見る”
今日のヘッドライン
オセアニア
2015年4月17日
オーストラリア、失業率低下も、利下げは続く見通し
今回のオーストラリア雇用統計は市場予想を上回りましたが、失業率の改善は一時的と見られること、主力産業の鉄
鉱石の価格が下落傾向であることから、オーストラリア中銀が利下げを模索するスタンスに変化はないと見ています。
豪雇用統計:3月雇用統計は予想を上回り
利下げ時期の後退観測も
オーストラリア連邦統計局が2015年4月16日に発表した3月
の雇用統計は予想以上に強い内容となり、前月の就業者
数も大幅に上方修正されました。3月の就業者数は前月比
3万7,700人増加し、失業率は6.1%へと低下しました(図表1参
照)。市場予想は、就業者数が1万5,000人増で、失業率は
6.3%程度でした。就業者のうちフルタイムは3万1,500人増
で、パートタイムは6,100人増加でした。
雇用統計を受け、市場では利下げ時期の先送り観測も一
部に見られ、豪ドルは小幅上昇しました(図表1参照)。
どこに注目すべきか:
豪失業率、鉄鉱石価格
図表1:豪ドル(対米ドル)レートと失業率の推移
(日次、期間:2014年4月16日~2015年4月16日、失業率は月次)
1.00
米ドル/豪ドル
%
高 豪ドル 安
0.95
0.90
今回のオーストラリアの雇用統計が市場予想を上回る強い
数字となり、オーストラリアの雇用環境の改善が示されたこと
を受け、一部では利下げの時期が後ろ倒しされるとの観測も
出ていますが、①失業率の改善は一時的と見られることや、
②主力産業の鉄鉱石の価格が下落傾向であるなどの理由
から、オーストラリア準備銀行(以下、オーストラリア中銀)
が、引き続きそれほど遠くない時期に利下げを模索するスタ
ンスに変化はないと見ています(今日のヘッドライン2015年
3月17日号参照)。
①失業率の改善は一時的:今回低下した失業率ですが、年
末に向け失業率の上昇傾向が予想されています。オーストラ
リアの失業率は、他の先進国とやや異なり、この1年ほど月
次での変動(上昇、下降)が大きくなっています(図表1参
照)。市場でも変動の理由について決め手を探しあぐねてい
る状況です。大切なのは単月の動きではなく、傾向を知るこ
とです。現時点では、今後の失業率の傾向(予想)について
は、オーストラリア中銀、市場とも失業率は2015年年末に向
け6.5%へ上昇するとの見方が大勢です。
②鉄鉱石の価格が下落傾向:オーストラリアの主力産業であ
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る鉄鉱石(中国向け)輸出価格は、依然、下落傾向にあります
(図表2参照)。2015年に入り原油価格などには落ち着きも見ら
れますが、鉄鉱石価格は底打ちが見られず、また最大の貿易
相手国である中国の経済成長率は7%程度での推移となって
おり、かつての高成長を下回る水準が定着する模様です。
今回、失業率は低下しましたが、オーストラリアが置かれた状
況を考えると、現時点では金融緩和方向は維持され、年前半
にも利下げが実施される可能性もあると見ています。
0.85
0.80
0.75
14年4月
6.4
6.2
6
豪ドル(対米ドル、左軸)
失業率(右軸)
14年7月
14年10月
15年1月
5.8
15年4月
図表2:中国向け鉄鉱石輸出価格の推移
(日次、期間:2012年4月16日~2015年4月15日)
180
米ドル
150
120
90
60
30
12年4月
中国向け鉄鉱石輸出価格
13年4月
14年4月
※オーストラリア産鉄鉱石(鉄分含有量62%)の中国向け輸出スポット価格
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
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