NEWS RELEASE - 格付投資情報センター

NEWS RELEASE
2015年4月15日
関西電力、高浜再稼働差し止め判決―再値上げ審査の進捗を注視
関西電力(証券コード:9503、発行体格付=A、方向性はネガティブ)の高浜原発 3・4 号機に関し住
民が再稼働差し止めの仮処分を申し立てていた件で、福井地裁は 14 日、原告の訴えを認めた。決定は直
ちに法的拘束力を持ち、今後の司法手続きを通じて仮処分が取り消されない限り、再稼働はできない。
関西電力は決定を不服として異議を申し立てる方針だが、仮処分が取り消されるとしても、一定の時
間を要するとみられる。大飯原発 3・4 号機も、基準地震動の引き上げに伴う追加工事などで再稼働のメ
ドが立っていない。原発が稼働せず収支・財務の悪化が目立つ関西電力の経営には痛手だ。
ただ、関西電力は原発再稼働の遅れを踏まえて 2014 年 12 月に料金の再値上げを申請済みだ。先行し
て再値上げした北海道電力の事例を踏まえれば、現行の再値上げ制度は相応に機能すると R&I はみてい
る。現時点で格付を見直す必要はないと判断しているが、再値上げ審査の進捗から目を離せない。
2016 年 4 月に小売り全面自由化を控えるなど、電力システム改革を通じて競争環境は厳しくなる方向
にある。再値上げが実現すれば事業収支はひとまず改善するが、価格競争力の低下が避けられない。も
ともと原子力依存度が高いだけに、経営を安定軌道に乗せるには原発再稼働が欠かせない。
R&I は、申請中の再値上げ審査が、いつ、どのような形で終了し、その結果、事業収支がどの程度改
善するかを見極める。中期的には、新たな料金体系で顧客基盤がどの程度の影響を受けるかなどととも
に、原発 4 基の再稼働の進捗状況などを注視し、格付に反映させていく方針だ。
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