生理活性物質化学

動物資源利用学
4年次/ 2 単位
選択
後期
増田 哲也【教授】
学科・クラス
指 定 等
乳・肉・卵の理化学的特性,また,その加工食品の製造方法について理解する.また,畜産食品の機能成分とその利用状況について学び,畜産食品の健康
的意義について理解を深める.
学習目標
学 び の 乳・肉・卵、機能成分、ラクトフェリン、免疫グロブリン、オリゴ糖、プロバイオティクス、プレバイオティクス、卵黄抗体、リゾチーム、シアル酸
キーワード
指定した参考書である「動物資源利用学」を事前に熟読し予習することが望ましい。履修条件は特になし。
準備学習及び復習
の内容・履修条件
初回講義時に畜産食品に関する理解度をはかると共に,小テストを随時行い,その結果をふまえて講義する.プリントを配布すると共にパワーポイントで
説明し,理解を容易にする。
授業方法
平常点50%(2/3以上の出席)と定期試験50 %による総合評価(講義内容全般に渡る基礎的知識が理解されていれば合格:60 点)
成績評価
基 準
備 考
参考書:動物資源利用学(伊藤敞敏他編:文永堂出版)
履修条件:専門選択科目
オフィスアワー:火曜日16:00∼18:00 6号館4階 ミルク科学研究室対応
回 数
授 業 内 容
講義内容全般について概説し、乳・肉・卵の利用状況について講述する。また,受講生の関連事項に関する理解度を計るための「力試し」を行う。
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牛乳の主成分の割合、動物種による乳成分の相違、そして牛乳成分の変動要因について講述する。特に乳たんぱく質含量とカルシウム含量は成長は早い動
物種のものほど高いなどといった特異性について解説する。
乳タンパク質(カゼインとホエータンパク質)の種類と特性について講述する。牛乳アレルギーのアレルゲンがαS1-カゼインとβ-ラクトグロブリンであ
る理由を理解させる。ラクトフェリンや免疫グロブリンの三次機能について講述する。
乳中の脂質・糖質・ミネラル・ビタミンについて栄養学的価値、機能性を絡めて講述する。脂質についてはトリアシルグルセロールの脂肪酸組成をイワシ
油、大豆油のそれと比較し、その特性を講述する。糖質については乳糖の特異性、また人乳に多く含まれているオリゴ糖の役割について講述する。
牛乳の殺菌法、均質化、加熱によって起こる乳成分の変化について講述する。殺菌法については従来の方法を説明するとともに、近年開発された新規の加
熱殺菌法についても講述する。なお,加熱臭の生成機序を説明し、その低減方法について説明する。
牛乳の検査法と乳質の現状について講述する。各検査の目的を理解させ、その方法の概略を説明する。抗生物質を多用するようなっている現状を説明し、
その検出検査の必要性を講述する。
乳・乳製品(飲用乳・バター・チーズ・アイスクリーム・練乳・粉乳)の製造法について講述する。特にアイスクリームとバターについては各製造単位工
程の理論を詳細に説明する。また、両者のオーバーランの算出法について説明し理解を高める。
乳用乳酸菌と発酵乳製品(主にヨーグルト)について生理的効果を中心に講述する。乳用乳酸菌の特性を説明し、プロバイオティクス、プレバイオティク
スそしてシンバイオティクスについて事例を提示して講述する。また、これら乳酸菌が生成する抗菌物質について、認可されたナイシンを例に説明する。
食肉の科学として、筋肉の構造、死後硬直そして熟成中の変化について講述する。筋肉の構造については生物学ならびに生化学的な側面から講述し、筋肉
が死後硬直および熟成という過程を経て食肉となるメカニズムを段階的に説明する。
食肉の品質とその変化について、食肉の色調、食肉の保存性、異常肉そして食肉と食肉製品の安全性について講述する。食肉の色は、肉中に存在するヘム
色素に由来しており、食肉中の主要なヘム色素タンパク質はミオグロビンであることを理解させる。発色剤および発色助剤の肉食変化におよぼす影響につ
いて講述する。
食肉加工の科学として、加工の方法、その特性、加工による変化について講述するとともに、コラーゲンの特性利用について概説する。ハムならびにソー
セージの製造工程における物理的正常の変化を後述するとともに、食塩天下が製品正常におよぼす効果について理解させる。
卵の構造、卵の生合成、卵成分の化学、卵の栄養について講述する。 特に卵白タンパク質の存在意義を理解させる。また、卵黄抗体(IgY)の有用性を乳
由来のIgGと比較して理解させる。さらに卵黄に高濃度に含有されているコレステロールについて総合的な観点から講述する。
卵の保存、卵の品質、卵の品質判定法、卵の加工とその特性、卵製品について講述する。品質の判定法については、ハウユニット、卵黄係数そして卵白係
数などを詳細に説明し理解させる。マヨネーズの製法を説明し、卵黄レシチンが持つ特性を理解させる。
産食品(特に乳・卵)の機能成分とその利用について集中的に講述する。乳の機能性成分についてはラクトフェリンを、卵の機能性成分としてはリゾチー
ムとシアル酸を中心に説明する。またグルタチオンの有用性について説明する。
学期末試験
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