27 1 10 3 2 [ 東包材の厚生事業として毎年観劇会が行われてきたが、今 回は初の試みとして「新春浅草歌舞伎」であった。 一月十日午後二時過ぎの浅草はまだまだ正月気分いっぱ いで、雷門から浅草寺へ向かう仲見世は観光客でごった返し ていた。そんな中、浅草公会堂で新春浅草歌舞伎は行われた。 今回は当組合貸し切りではない為、一階入口で下尾崎事務 局長が組合関係者を三階へ誘導する。三階に上がれば、事務 局小島氏と白井理事長が笑顔で土産を交換してくれる。組合 の面々ともこのロビーで新年の挨拶を交して指定席へ。 この新春歌舞伎は尾上松也や坂東巳之助・中村隼人など次 世代を担う二十代の花形役者七人が終結し、エネルギー溢れ る公演となっている。観劇会貸切恒例となっている理事長挨 拶は無かったのだが、中村米吉と中村歌昇による公演前のお 年玉〈年始ご挨拶〉口上と軽妙なトークがあり、お得感があ った。 幕開きは『仮名手本忠臣蔵』全十一段内の五段と六段。討 ち入りの話とは直接関係無い挿入話といった感じ。それでも 見入ってしまったのだから歌舞伎は面白い。三十分の休憩後、 中国に伝わる霊獣が、酒を飲みながら上機嫌に舞う格調高い 松羽目物の舞踏『猩々』(しょうじょう)が演じられた。最 後の演目では賑やかな廓風情の中、鳶頭と芸者たちが登場し て正月お目出たい一本締めを行い、浅草の地に相応しい江戸 っ子気質に溢れた粋な舞踏『俄獅子』が披露されて終演とな った。
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