MR(麻疹 ・風 疹 混合)予防接種 説明書

ま し ん
ふ う し ん
MR(麻疹・風疹混合)予防接種 説明書
◎ 予防接種の対象となる病気について
(1)病気の説明
ま し ん
◇麻疹
くうきかんせん(※1)
せんぷくき
麻疹ウイルスの空気感染によって起こります。約10日の潜伏期の後に、38℃以上の発熱とともに
け つ ま く じゅうけつ
カタル症状(鼻汁、咳、目やに、結膜充血等)がみられます。一時おさまりかけたと思うと、再度高熱
ほほ
と全身性の発疹が現れて高熱は4~5日続きます。全身性の発疹が現れる前くらいから頬の内側に
はん
ねんまくしん
コプリック斑(まわりが赤く中心が白い粘膜疹)が認められます。その後解熱して発疹も消失します。
り か ん
めんえき ふ ぜ ん
麻疹に罹患した場合、特別な治療法はありません。感染から回復期までの約1ヵ月間『免疫不全』
ちめいてき
の状態が生じます。そのため二次感染、その他の合併症で小児にとって致命的な事態を招くことが
あります。
(※1)空気感染・・・ウイルスや細菌が空気中に飛び出し、1m以上を超えて人に感染させることです。
ふうしん
◇風疹
ひ ま つ かんせん(※2)
せ ん ぷ く き かん
風疹ウイルスの飛沫感染によって起こります。潜伏期間は2~3週間で、軽い風邪症状ではじまり、
こ う けい ぶ
せつしゅちょう
みっか
発疹、発熱、後頸部リンパ節腫脹が見られます。発疹も熱も3日間で治るので「三日ばしか」とも呼
かんせつつう
けっしょうばんげんしょうせい し は ん びょう の う えん
ばれることがあります。合併症として、関節痛、血小板減少性紫斑病、脳炎などが報告されています。
せんてんせい ふ う し ん しょうこうぐん
しんぞうびょう
はくないしょう
ちょうりょくしょうがい
妊婦が妊娠早期にかかると先天性風疹症候群(心臓病・白内障・聴力障害)と呼ばれる児が生ま
れる可能性が高くなります。また大人になってから風疹にかかると重症化するといわれています。
き ど う ぶんぴつ
ぶつ
(※2)飛沫感染・・・ウイルスや細菌が咳やくしゃみなどにより、細かい唾液や気道分泌物につつまれて空気
中へ飛び出し、約1mの範囲で人に感染させることです。
(2)予防接種の効果
麻疹は感染力が極めて強く(感染率95%)、免疫のない人はほとんど感染し、発病します。その
ため、合併症や死亡を減らすためには早期にワクチン接種をすることが必要で、ワクチンによる免
か く と くりつ
疫の獲得率も高く、効果も持続すると考えられます。風疹は麻疹に比べると感染力は弱いですが
じゅうとく
重篤な合併症の発生頻度も低くなく軽視できません。麻疹ワクチンと同じように風疹ワクチンを接種
ふうしんこ う たい
ようてん
した約95%以上に風疹抗体の陽転がみられておりワクチンの効果は高いです。
(3)予防接種後の反応
ふ く はんのう
はつねつ
ほっしん
副反応の主なものは発熱と発疹で、これらの症状は接種後4~14日に多く見られます。接種直後
か と し しょうじょう かんが
はつねつ
はっしん
から数日中に過敏症状と考えられる発熱、発疹、かゆみなどがみられることがありますが。これらの
よ う しょうじょう
症状は1~3日で治ります。これまでの麻疹、風疹の副反応のデータから、アナフィラキシー様症状
けっしょうばんげんしょうせい し は ん びょう の う えん
血小板減少性紫斑病、脳炎及びけいれん等の副反応がまれに生じる可能性があります。
(4)予防接種健康被害に対する救済制度
予防接種法に基づく定期の予防接種による健康被害救済制度にかかる給付については、当該予防
い ん が かんけい
むね
接種と因果関係がある旨を厚生労働大臣が認定した場合、健康被害に対する給付を行います。