第 29 回日本病院薬剤師会近畿学術大会 - 兵庫県立病院 薬剤部

第 29 回 日 本 病 院 薬 剤 師 会 近 畿 学 術 大 会 ( 平 成 20 年 2 月 9~ 10 日 )
演題「栄養サポートチーム(NST)活動改善のための取り組み」
兵庫県立尼崎病院
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○ 太 田 あ づ さ 、佐 倉 小 百 合、早 野 絵 梨、尼 子 恵 理 子、
中村嘉夫、松本敏明、渡邊薫代、奥川斉
【目的】当院では平成16年にNSTが発足して以来、回診等のNST活動を続けている。
N S T の 回 診 件 数 は 、 平 成 1 6 年 (半 年 で )7 8 件 、 平 成 1 7 年 9 9 件 で あ っ た が 、 平 成 1
8 年 4 7 件 、 平 成 1 9 年 (8 月 ま で )9 件 と 減 少 し て い る 。 今 回 は 、 N S T へ の 依 頼 が 減 少
している原因を把握し、NST活動の活性化を図る為に全医師、病棟看護師及び薬剤師に
対するアンケートを行ったので報告する。
【 方 法 】医 師 、看 護 師 及 び 薬 剤 師 を 対 象 に 、N S T 活 動 に つ い て の ア ン ケ ー ト (共 通 の 質 問 事
項 が 8 割 )を 行 っ た 。配 布 枚 数 は 4 9 1 枚 、回 収 枚 数 は 3 2 4 枚 、回 収 率 は 医 師 1 9 % 、看
護師83%、薬剤師100%、全体で66%であった。
【 結 果 】① 担 当 患 者 を N S T に 依 頼 し た こ と の あ る 医 師 は 3 5 % 、看 護 師 は 3 9 % で あ っ た 。
②NSTマニュアルに規定した選択基準を利用したのは全体の16%、NSTへの患者の
紹介方法が分からないと答えたのは全体の45%であった。③今後のNST活動に求める
ことは、複数の職種による総合的な助言と答えたのが全体の62%と最も多かった。
【考察】当院のNST対象患者は、医師及び看護師が担当患者について適宜依頼する方法を
とっており、薬剤師は薬剤管理指導実施患者の中でNSTが必要と考えられる患者を医師
等に情報提供している。アンケート結果からは、NSTへの依頼方法や基準が十分浸透し
ておらず、環境整備が必要と考えられた。
【 結 論 】このアンケート結果を踏まえ、N S T 対 象 患 者 の 選 択 フ ロ ー チ ャ ー ト を 作 成 の う え 院
内 に 周 知 し た 。 ま た 、 患者の栄養状態の評価方法をポケットマニュアルとして全薬剤師に配布
し、薬剤管理指導業務の一環として薬剤師がより積極的に情 報 提 供 を 行 え る よ う 環 境 整 備 を 行
っ た 。今 後 は さ ら に 、 各 職 種 の 役 割 分 担 を 明 確 に し 、 職 種 横 断 的 な N S T 活 動 が で き る よ
う に 、 N S T マ ニ ュ ア ル の 改定を検討したいと考える。