「ワーク・ライフ・バランスについて学ぼう」 [事例]Aさんのケース (1) (3) Aさんは、ある旅行会社で正社員として働く女性です。 ある日、Aさんは上司に呼ばれました。 「 あ な た を 温泉 街 再 生企画 の プ ロ ジ ェ ク ト リ ー ダ ー に 推 薦 したい。仕事は忙しくなるかもしれないけど、がんばって やりとげてほしい。期待しているよ。」と言われました。 Aさんは、このプロジェクトのメンバーをうまくまとめていくため、効率よく仕事を すすめ、仕事と生活以外の生活の両方を充実させることがメンバーの仕事への意 欲を高めると感じました。 そのためAさんは、メンバーの事情や意見を踏まえ、全員で以下のことに取り組む ことにしました。 ①会議のムダ取り ③書類を整理整頓する ⑤労働時間を適切に管理 ⑦担当以外の業務を知る ⑨「がんばるタイム」の設定 Aさんには3歳の子供がおり、同じ会社で働く夫と保育園の 送迎を分担しているため、残業できない日があります。 育児とうまく両立できるかどうか不安に思いましたが、せっかくの チャンスだと考えて、Aさんはリーダーを引き受けることにしました。 ②社内資料の削減 ④標準化・マニュアル化 ⑥業務分担の適正化 ⑧スケジュールの共有 ⑩仕事の効率化策の共有 (4) (2) Aさんはまず、プロジェクトのメンバーに自分の働き方について 相談することにしました。 すると、メンバーの中のBさん(男性)が、 親の介護を抱えていることがわかりました。 一方、そういった事情のない仕事一筋の Cさん(男性)は、「急いでやらなければ いけない業務は、私が残業して何とか します。」と言っています。 また、新入社員のDさん(女性)は、 「プライベートを重視したいので、定時で 帰りたいと思っています。」と言っています。 それぞれ集中して業務に取り組む時間を設定したり、時間を決めて会議を 行うことで、残業せずにすむ日が増えました。 . 育児中のAさんは、以前よりも子供と過ごす時間が増えたことで、毎日が充実して いるようです。 . 残業の多かったCさんも定時で帰ることができる日が多くなりました。 また、業務をマニュアル化したり、スケジュールを共有することで、担当以外の業務 を理解し合い、情報の共有化が図れ、誰もが議論に参加できるようになりました。 新人社員のDさんも積極的に発言するようになりました 。 . このように仕事と生活の調和を整え、効率よく仕事をすすめるようになったことで、 仕事の効率を高めるための工夫や、仕事以外の生活経験を活かした アイデアが、メンバーからたくさん出るようになってきました。 (5) ある日、普段あまり発言をしない、親の介護をしているBさん が、他のメンバーの雰囲気につられてつぶやきました。 . 「昔から旅行が好きで、温泉好きな母親も連れて行きたいと 思うのですが、入浴介助ができないので、行くことができません。 介護をする人も、介護が必要な人も、快適に過ごせるツアーが あればいいのですが。」 高齢化が進行する今、時宜を得た提案と感じたメンバーは、 介護の必要な高齢者や障害者を受け入れてくれる温泉街を テーマにツアーを開発し、プロジェクトは大成功に終わりました。
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