学校だより19号

未来を切り開き 共にきたえ高め合う稲田小学校
平成 27 年度
帯広市立稲田小学校 学校便り NO.19
平成27年
9月14日 発行
子どもには「叱られる権利」がある
校長 斉藤 昌之
賀川豊彦という大正から昭和初期にかけて貧しい人々、恵まれない子どもたちのために生涯を捧げ、
「日本のガンジ-」
と呼ばれた人がいました。
その賀川豊彦が、ある講演会において「子どもの権利」として 6 つの権利を挙げています。
「子どもには食べる権利が
ある」
「子どもには遊ぶ権利がある」
「子どもには寝る権利がある」と言っています。そして4つ目に「子どもには叱られ
る権利がある」と言っています。叱られることを子どもの権利として捉えていることに少し驚きを感じました。
脳の研究をしている人の話では、叱られると不快な気持ちになるそうです。誰だって叱られると、いい気持ちはしませ
ん。しかしそのことで脳にひずみができて、後から来る情報をストップさせる働きが生じるとのことです。つまり、
「叱
られる」ような同じ間違いは犯さないようになるということです。叱られることは同じ過ちをしないために必要だという
ことになります。しかし、きちんと叱られないと、また同じ過ちを犯すことになります。
自然界の動物の生態を描いたドキュメンタリ-番組を見ていると、愛する子どもを必死で守る親が、時にひどい叱り方
をしている場面に出会います。周囲に命をねらう敵が多く存在する自然界では、少しの失敗が命取りになることが多いた
め親は、子どもを守るために必死に叱っているのです。
しかし、
「今の親子関係は友だちのような親子関係だ」と言う教育評論家がいます。
「今の子どもは叱られることがない」
「叱れない親が増えている」とも言っています。可愛がること、愛情をかけることと甘やかすこととは違います。
昔から「一つ叱って、九つ褒める」のが子育てのコツといわれます。子どもを褒めることが大切であることは当然です。
しかし、それと共に「叱ること」
「叱りながら教えること」の教育的意義についても考える必要があるように思います。
悪いことをしたらきちんと叱る、それが子どもを立派な大人に成長させるために大切ではないでしょうか。
「子どもに
は叱られる権利がある」のなら、
「親には子どもを叱る義務がある」ということを肝に銘じることが必要です。
なお、賀川豊彦が挙げた「子どもの六つの権利」の残り二つは、
「夫婦げんかをやめてもらう権利」と「禁酒を要求す
る権利」だそうです。
<参考・引用文献:賀川豊彦(岩波現代文庫) 月刊プリンシパル(学事出版)>
子どもの学力向上の大きなポイントは教師
の授業力です。今年も本校では算数科を中心
に授業研究を進めてきましたが、11 月 13 日
には 2 年ぶりに市内管内の教職員を対象とし
た本校の教育実践発表会が行われます。
それに先立ち、過日 2 年 1 組で校内研究授
業が行われ、それにあわせて、十勝教育局、
帯広市教育委員会の指導主事の皆さんの来校
も受けた学校教育指導訪問が行われました。
全学級の授業公開とともに、初任段階教諭
3 名の特設授業も参観いただき、本校の今後
の研究の進め方とともに授業づくりにかかわ
る助言や指導を受けました。
今後も、1 時間 1 時間の授業の中で、子ど
写真左上から
時計回りに
こりす学級篠原教諭
4の3鈴木麻里教諭
2の1中村俊太教諭
もたちがわかった、できた、おもしろいと実
感が持てる授業作りに向け、教師のスキルア
ップを進めていきます。
明日の稲田小をつ
くる 1,2 年目教員の
若い力です。
平
成
二
十
七
年
九
月
三
日
十
勝
毎
日
新
聞
か
ら
3 年生では、今年も日本航空とオリエンタルランド(東京ディズニーランド経営)
のキャビンアテンダントとキャストの方をお招きした、
「思いやりの教室」が行わ
れました。これは 3 年連続の実施になります。
日頃から接客しながらのお仕事をされている方に「相手意識をもった接し方とそ
の大切さ」について、お話とともにクイズやあいさつ、おじぎの体験も織り交ぜな
がら、楽しく学ぶことができました。今年実施されたのは管内では本校だけのこと。
外部講師を活用した貴重な道徳の授業を体験することができました。
「あいさつ」
、
「えがお」
、
「心配り」
、
「話し方」
、
「立ち居振る舞い」の 5 点が人と
接する際の大きなポイントとのこと。子ども、保護者をはじめ人に接することが多
い教職員も、大いに学ばされた時間となりました。
明日 15 日と 16 日の日程で、6 年生は札幌方面への修学旅行に行ってきます。保護者の皆
様におかれましては、この間の準備や気配り心配り、お子さんの健康管理など、様々なご
配慮をいただきありがとうございます。
さて、帯広市ではこの期間の給食費用をもとに「バイキング給食」を実施しており、過
日本校でも実施されました。新しい学校給食センターとなった今年は、バイキング給食の
中身も大きく変わり、子どもが喜ぶフルーツやデザート各種の充実とともに、スペアリブ
など豪華なメニューも取りそろえられ、目にもお腹にも心にもうれしいバイキング給食と
なりました。
修学旅行ではバイキング形式の食事も予定されており、古澤栄養教諭の事前指導も受け
たバイキング給食の実施は、修学旅行に直結するよい体験となりました。
築 30 年を超す本校は、老朽化により、様々なと
ころで修繕を要するところが見られています。
本校校務員の後藤さん、金谷さんが日頃から精力
的に点検修繕を行ってくれていますが、手に負えな
いものも多く、そんな時は市教委営繕班が頼りにな
ります。
先日は、物置屋根のペンキの塗り替えを 3 日がか
りで丁寧にしていただきました。営繕班の本校担当
の菖蒲さん曰く「今月は稲田小強化月間です!」大
変心強い言葉です。ありがとうございます。
写真左:物置屋根のペンキ塗り替え作業から。高
所での作業は誰でもできるものではありません。