96 回薬剤師国家試験 問4 原子の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 1 硫黄、酸素、炭素、窒素のうち、最も電気陰性度が大きな原子は酸素である。 2 イオン化エネルギーが大きい原子ほど陽イオンになりやすい。 3 希ガス以外の原子においては、電子親和力が大きい原子ほど陰イオンになりやすい。 4 硝酸中の窒素の酸化数は、+5 である。 解説 1 正:電気陰仕度とは、共有結合によって結合している電子対を、引き寄せる力の相対的な強さである。 電子を引き寄せる力が大きいほど、電気陰性度が大きく、電気陰性度を表す数値は大きくなる。電 気陰性度を表す数値として Pauling の電気陰性度かおり、その数値は、フッ 素が 4.0、酸素が 3.5、 窒素が 3.0、炭素・硫黄が 2.5 である。したがって、硫黄、酸素、炭素、 窒素のうち、最も電気陰 性度が大きな原子は酸素である。なお、周期表内で電気陰性度を見ると、周期表で右上ほど電気陰 性度は大きくなる(ただし、希ガス元素は除く)。 2 誤:イオン化エネルギーとは、原子から1個の電子(e−)を取り去って、一価の陽イオンにするの に必要なエネルギーのことであり、イオン化エネルギーが大きい原子ほど陽イオンになりにくい。 3 正:電子親和力とは、原子が1個の電子を受け入れて、一価の陰イオンになるときに放出され るエ ネルギーのことである。希ガス以外の原子においては、電気親和力が大きい原子ほど陰イオンにな りやすい。 4 誤:硝酸中の窒素の酸化数は+5 である。 酸化数とは、単体または化合物中の原子が、どの程度酸化または還元されているかを表す数で ある。酸化数は次の原則で割り当てる。 ①単体中の原子の酸化数は0 ②一般的に、化合物中の酸素の酸化数は−2 ③化合物中の水素の酸化数は+1 ④化合物中の原子の酸化数の総和は 0 したがって、硝酸の窒素原子の酸化数をxとすると、 HNO3=(+1)+x+(−6)=0 x=+5 問4 解答 1、3
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