生物多様性の恩恵(生態系サービス) 生物多様性はそれ自体も価値を有していますが、多様な生物に支えられた生態系は、私た ち人間に多大な利益をもたらしており、「生態系サービス」といわれています。 この考え方は、国連の主唱により 2001 年から 2005 年にかけて行われたミレニアム生 態系評価に基づいています。これは、地球規模での生物多様性及び生態系の保全と持続可能 な利用に関する科学的な総合評価の取組です。 生物多様性は生態系が提供する生態系サービスの基盤であり、生態系サービスの豊かさが 人間の福利に大きな関係のあることが分かりやすく示されました。ミレニアム生態系評価の 報告書の中で、生態系サービスを以下の 4 つの機能に分類し、生物多様性の意義について紹 介しています。 生態系サービス 供給サービス -暮らしの基礎- 食料、燃料、木材、繊維、 薬品、水など、人間の生活 に重要な資源を供給する サービス 文化的サービス -豊かな文化- 調整サービス -安全な生活- 森林があることによって気 候が緩和されたり、洪水が 起こりにくくなったり、水 が浄化されたりといった、 環境を制御するサービス 精神的充足、美的な楽し み、宗教・社会制度の基盤、 レクリエーションの機会 などを与えるサービス 基盤サービス -いのちの生存の基盤- 光合成による酸素の生成、土壌形成、栄養循環、水循環 上の3つのサービスの供給を支えるサービス など このように生物多様性の多くの恩恵を受けています。生物多様性が豊かな自然は、私たち のいのちと暮らしを支えているのです。 しかしながら、私たち人間の次のような活動により生物多様性が危機に瀕しています。 1 開発や乱獲による種の減少・絶滅、生息・生育地の減少 2 外来種などの持ち込みによるかく乱 3 地球温暖化による生息環境の変化 4 人間活動の縮小による自然の質の低下(例:里地里山などの手入れ不足) <参考文献> 環境省生物多様性HP、環境白書(平成 19 年版)、東京都HP
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