あ い さ つ 第24号

第24号
平成27年3月
平成26年度新座市児童生徒
体力向上推進委員会
(題字
あ
い
さ
金子廣志教育長)
つ
新座市児童生徒体力向上推進委員会委員長
菅野
潤一(第三中校長)
「3間(さんま)づくりの工夫」
体力は、人間のあらゆる活動の源であり、健康
な生活を営む上でも、また意欲や気力といった精
神面の充実にも深く関わっています。このように
体力は、人間の健全な発育・発達を支えるもので
あり、「生きる力」の重要な要素なのです。
文部科学省の調査結果によると、子どもの体力
は、低下傾向に歯止めがかかってきてはいるが、
体力水準の高かった昭和60年頃と比較すると、
依然として低い水準にあるとされております。そ
こで、ここでは、子どもの体力低下の原因を探り、
改善策について考えていきたいと思います。
1 子どもの体力低下の原因
(1) 外遊びやスポーツの軽視
保護者や国民の意識の中で、子どもの外遊
びやスポーツの重要性を軽視するなどにより
子どもに積極的に体を動かすことをさせなく
なった。
(2) 生活環境の変化
生活環境が便利になるなど、日常的に体を
動かすことが減少した。特に、スポーツや外
遊びに不可欠な要素である「時間」、「空間」、
「仲間」が減少した。
(3) 地域におけるスポーツ指導者の課題
子どもの発達段階に応じた指導方法を心得
ている指導者が少なく、スポーツ嫌いにつな
がるとの指摘がある。
(4) 学校における指導の問題
教員の経験不足や専任教員が少ないなどに
より、楽しく運動できるような指導の工夫が
不十分である。
(5) 子どもの生活習慣の乱れ
偏った食事や睡眠不足など子どもの生活習
慣の乱れが見られる。学校においては、体育
の授業を始め、業間休みや昼休に「時間」「空
間」「仲間」の『3間 (さんま)づくり』を
意識した、体力向上の具体的な取組が求めら
れています。
-1-
2 学校全体で体力向上への取組の工夫
(1) タイムサービス(「時間」)
始業前・業間、昼休に体育委員会によるスポ
ーツタイムなどの活動を検討し、実施する。
(2) エリアサービス(「空間」)
ランニングコース、3on3コート、ミニサッ
カーコート、ドッジボール等の簡易球技コート
を常設したり、的当てボード、一輪車、縄跳び
スペース、竹馬などの固定施設を活用したりす
る。
3 体育の授業における工夫(「仲間」)
-「できる」「わかる」「かかわる」授業子どもにとって、運動の楽しさや喜びが感じ
られる体育の授業とは、運動が「できる」、運
動が「わかる」、仲間と「かかわる」ことがで
きる授業です。
子どもたちは、運動ができるから楽しいので
あり、できそうだから意欲が湧くのです。その
ためには、「できる」ための技能をしっかりと
身につけさせ、運動を楽しむための基礎をつく
ることです。
また、学習や運動の仕方、技能のポイントや
ルールと作戦が「わかる」ことも大切です。な
ぜなら、できるために必要な技能や戦術のポイ
ントを知ることにより、仲間と関わり、教え合
ったり励まし合ったりすることができるからで
す。運動やスポーツは相手がいるから楽しいの
であり、一緒に活動する仲間がいるから楽しい
のです。
子どもたちが「できる」「わかる」「かかわ
る」授業、「わくわく」して夢中になって取り
組む授業への工夫・改善が大切です。そのこと
により、子どもたちが運動の楽しさや喜びを感
じ、授業で学んだことを、体育以外の様々な時
間に、
実践することにつながっていくからです。
今後の学校における体育授業のさらなる充実
が期待されます。