体力向上事業の意義 - ようこそ早通小学校へ

体力向上について
新潟市立早通小学校
はじめに
近年,児童生徒の体力の低下が問題となり,5年ほど前から県内のどの学校にも「新体力テスト」を行うことが義務づけられました。こ
れまで当校では,敏捷性と柔軟性の2点に重点を置きながら指導し,体力向上に努めてきました。結果,2回目の体力テストでは大きく
数値を伸ばすことができましたが,年々子どもたちの体力が減少傾向にあることはいなめません。そこで,文科省の訴える体力向上の
意義について考えていきましょう。
子供にとっての体力向上とは
体力は,人間のあらゆる活動の源であり,健康な生活を営む上でも,また物事に取り組む意欲
や気力といった精神面充実にも深く関わっており,人間の健全な発達・成長を支え,より豊かで充
実した生活を送る上で大変重要なものです。
こうしたことから,子どもの時期に活発な身体活動を行うことは,成長・発達に必要な体力を高め
ることはもとより,運動・スポーツに親しむ身体的能力の基礎を養い,病気から身体を守る体力を
強化し,より健康な状態をつくっていくことにつながります。したがって,子どもの心と身体と知性が
バランスよく成長・発達するよう育て,働きかけていくことが必要となります。とりわけ,体力は,人
間のあらゆる活動の源であり,子どもの頃から積極的にその健全な発達を図ることが大切となっ
てきます。
子供の体力の現状
文科省が行っている「体力・運動能力調査」によると,子どもの体力・運
動能力は,昭和60年ごろから現在まで低下傾向が続いています。現在の
子どもの結果をその親の世代である30年前と比較すると,ほとんどのテ
スト項目において、子どもの世代が親の世代を下まわっています。一方,
身長,体重など子どもの体格についても同様に比較すると,逆に親の世
代を上回っています。
このように,体格が向上しているにもかかわらず,体力・運動能力が低
下していることは,身体能力の低下が深刻な状況であることを示している
といえます。また,最近の子ども達は,靴のひもを結べない,スキップが
できないなど,自分の身体を操作する能力の低下も指摘されています。
子供の特徴
幼児期や小学校低学年の段階をへて,小学校中学年(3~4年生)になると,身体の発達面では比較的安定した時期となります。ま
た、歩く、走る,跳ぶ,投げる,捕るなどの基礎的な動きがより洗練されていきます。さらにこの時期は,思春期の発育の準備期でもあ
り,スポーツに対する興味が芽生え,運動する喜びや意義,そして他者との関わりを意識するなど集団活動に不可欠な社会性に対して
も理解を深めることができるようになってきます。
小学校高学年(5~6年生)は,人生でもっとも成長の著しい思春期の入り口と言われています。個人差はありますが,身長が急速に
伸びたり,心臓をはじめとする内臓器官や骨,筋肉など,運動にかかわる身体の諸機能の著しい発達が見られるようになってきます。こ
の時期は,一生のうちで最も重要な「心身の成長の黄金時期」と言えるます。また,精神面でも急速な発達がみられる反面,不安定な
状態にもなりやすいので,心身の発達のバランスがとれるように心と体を鍛えることが大切なのです。
早小 児童の体力テストの結果
子供の体力低下の原因
現在の早通小学校では1回目の体力テストの結果を受けて,体力アッ
プスキルを取り入れながら体力向上に取り組んでいます。繰り返し取り組
むことによって反復横跳び(敏捷性)や20mシャトルラン(持久力)は伸ば
すことができたが,ソフトボール投げ(巧緻性)の様に遊びの中で経験か
ら習得する力については十分とは言えなかった。
文科省では以下の3点を運動不足の直接的な原因としています。
1. 学校外の学習活動や室内遊び時間の増加による、外遊びやスポーツ
活動時間の減少
2. 空き地や生活道路といった子ども達の手軽な遊び場の減少
3. 少子化や、学校外の学習活動などによる仲間の減少
今日の社会においては,屋外で遊んだり,スポーツに親しむ機会を意
識して確保していく必要があります。学校だけではなく,家庭でも子どもを
取り巻く環境を十分に理解し,積極的に体を動かす機会を作っていく必
要があります。また,「よく食べ,よく動き,よく眠る」という健康3原則をふ
まえた基本的な生活習慣を身につけることも重要であり,そのためには
家庭における保護者の積極的な関わりが不可欠と言えます。