20 島内外の交流・連携・協働による島の宝磨きプロジェクト ∼菊池レモンを核とした島おこし∼ 企画提案者:島の宝磨き研究会(八丈町商工会女性部、東京島しょ農協) 委託事業者:株式会社パソナ 実施区市町村 対象地域 八丈町 八丈島 現状・課題 八丈島は、温暖多湿な海洋性気候のもと、農産物では切り葉、切り花、あしたば、パッションフルーツ等の生産 が盛んであり、また水産物ではキンメダイを中心とした多様な魚が多く漁獲される豊かな島である。これまでも 島で生産される資源を活用した特産品が多く開発され、島外に売り出 されている。更に、近年では商工会や農協、漁協等の女性部を中心と して島で生産されるこのような地域資源(島の宝)を再度見つめなお し、これらに磨きをかけ、島内住民だけでなく、島に来てもらう方々 に自信を持って振る舞えるような料理レシピや加工品開発に取り組み 始めているところである。 一方で、地域特産品の開発を島内だけで実施するとひとりよがりの商 品になってしまう可能性がある。そのため、島外の方々のアイディア を組入れながら、料理レシピや特産品開発を行う必要がある。 実施内容 成果 ❶ 島内認知度の向上と販促ツール(レシピ等)の整備 消費者ニーズ・意見の把握やそれらを踏まえたレシピ等の開発が行われた。 ❶ 島の宝磨きワークショップ ❷ 島の宝磨き研究会メンバーの意識・モチベーション向上 単に食材の調理・加工・販売方法等を専門家から学ぶ 様々な PR 機会を通して生産者の意欲向上にも貢献した。 だけでなく、 「専門家とワークショップ参加者とが共 ❸ 島外認知度の向上に繋がるメディア等への掲載 同で八丈島の魅力溢れる地域資源を発掘し、菊池レモ 種々の広報活動の結果、各種メディアへの掲載実績も増加した。 ンの新たな活用可能性を探る」ということをコンセプ トに実施した。 ❷ 島内試食会の開催 課題 菊池レモンを活用したレシピについての試食会を開催 ❶ 増加する需要に耐えうる受注体制の構築が挙げられる。現在は、電話注文のみであるが、今後はインターネット等 し、試食会の参加者同士でフィードバックを行うこと による販売方法も整備していかねばならない。 で、レシピの改善・ブラッシュアップに繋げた。 ❷「菊池レモン」のブランディングについても並行して検討を進める必要がある。PRポイントも更に明確に設 ❸ 島外試食会 定した上で、価格戦略・販売戦略を練っていくことが求められる。 試食イベント及び都内飲食店にて、島外試食会を全2 回開催した。第1回目については菊池レモンの生果、 第2回目については、菊池レモンを活用したメニュー 今後の展開 を、それぞれ試食会の参加者に対して提供した。 ❶ ブランド化に向けた PR ポイントの整理と確立 ❹ 島マルシェの開催 ブランド化に向けて様々なポイントが挙げられ、島内関係者内での意思疎通を図る必要がある。 島マルシェは、島内のイベントへ出展(1回)と都内 ❷ 島外からの販売体制の整備と販売ロット で行われているマルシェへの出展(2回)の計3回実 受注体制の整備 (FAX, ホームページ、 販売ロット 2kg)と個人向け販売施策 (マルシェ出展) の強化・低コスト化が必要である。 施した。島マルシェについては、島の宝磨き研究会 ❸ 島内宿泊施設・飲食店との連携強化 及び生産者等を参加させ、実際に消費者への対面販売 島内宿泊施設・飲食店との連携強化によって菊池レモンのメニュー化を推進していく。 を体験してもらうことを目的として開催した。 ❺ 島磨きツアー 島の宝磨きツアーについては、島外で料理に関心があ る層や、地域活性化等に関心がある層を対象として、 島内の観光資源や菊池レモンの圃場見学等を視察する ツアーを2泊3日で開催した。 42 実証を終えて ○ 平成 26 年8月、JA東京島しょ八丈島公設市場出荷組合のレモン部会が公募により菊池レモンの新名称を 「八丈フルーツレモン」に決定したことを受け、更なる認知度向上が求められる。 ○ この事業を通じて培った島外事業者とのネットワークを活用し、都内での定着が期待される。 43
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