トプコンが米企業を160億円で買収

NEWS RELEASE
2015年3月23日
トプコンが米企業を160億円で買収―負担重いが格付は変えず
トプコン(証券コード:7732、発行体格付=A-)は 20 日、農業・畜産業用のセンサー類やソフトウエ
アの開発・製造・販売を手掛ける米 Digi-Star Investments の全株式を、米国子会社を通じて取得する
と発表した。取得額は関連費用を含め約 1 億 3700 万ドル(約 160 億円)で 4 月に譲り受ける予定。
Digi-Star は、家畜・収穫物の重量や飼料などの品質を測定するセンサーのほか、各作業のデータを
収集し管理・分析するクラウドソフトウエアも提供しており、米国以外でも販売実績がある。トプコン
の持つ要素技術と、Digi-Star の販売ネットワークやソフトウエアを組み合わせることで、トプコンが
注力分野として位置付けている IT 農業関連ビジネスを強化していくのが、今回の買収の狙いだ。
Digi-Star の 2014 年 12 月期は売上高 5300 万ドル弱(約 63 億円)、営業利益 500 万ドル弱(6 億円弱)。
期末の純資産は 640 万ドル弱(7.6 億円)。自己資本が 600 億円強とまだ厚みに欠けるうえ、一定の有
利子負債も抱えるトプコンにとって、売上高営業利益率こそ 10%弱と比較的高いものの、160 億円を投
じて買収することの財務面での影響は、それほど軽くはない。
とはいえ、トプコンは、新規事業・製品の拡大にも支えられ、2015 年 3 月期の営業利益が 160 億円に
達する見通し。光学技術や高精度測位技術に優れ、測量、土木・建築分野から眼科用機器まで幅広く展
開する強みを生かし今後も比較的高い収益力・キャッシュフロー創出力を維持していけよう。中期的に
は、買収による債務の増加を吸収し、資本負債構成を改善していけるとの R&I の見方は変わらない。
このため、今回の買収をもってネガティブな格付アクションを取る必要はないと R&I は判断した。
Digi-Star とのシナジーを早期に発現して IT 農業関連分野を収益の柱に育てるほか、他の分野でも新規
事業・新製品を伸ばすなどして、全体として収益基盤を一段と拡充していけるか見守っていく。A ゾー
ンとして、必ずしも十分とはいいにくい財務基盤を着実に強化していけるかも注目点だ。
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