平成27年度 野洲市の教育方針 はじめに(平成 26 年度の成果と課題)

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平成27年度 野洲市の教育方針
はじめに(平成 26 年度の成果と課題)
本市では「愛と輝きのある教育のまち・野洲」を基本理念に掲げ、子どもか
ら高齢者までが「笑顔」「元気」「自信」「誇り」などの「輝き」を創出する教育を推
進してきました。
平成26年度の学校教育においては、元気な学校・園の創造を目指し、学力調
査・学習状況調査の結果を分析し、授業改善に取り組み、学力向上に努めてき
ました。
道徳教育や人権教育、キャリア教育、発達段階に応じた体験活動などを通し
て規範意識や社会性、コミュニケーション能力を高めてきました。
「10分間運動」や休み時間を活用した外遊びや運動を通して体力づくりに取
り組んできました。
各幼稚園における様々な地域交流や保護者活動を基盤にして各小中学校に
「学校応援団」を設置し、保護者・地域の方々の支援により学校教育の充実に
努めてきました。
これらの取組を通して、各幼稚園は、五感を通した遊びと生活の中で、
「から
だ・こころ・なかま」を育てる保育を展開し、各小中学校は、自主性、自律性
を発揮しながら、子どもたちに「生きる力」の要素である「確かな学力」
「豊か
な心」「健やかな体」を育てる教育を展開してきました。
学習環境面では、子どもたちが意欲的に学習に取り組み、情報活用能力を高
めていくために、中主小・中主中学校の学習用パソコンの整備を行いました。
いじめ防止対策として、各小中学校で「いじめ防止基本方針」の策定をし、市
においては「野洲市いじめ防止等対策条例(案)」を取りまとめました。
生涯学習においては、「生涯学習振興計画」に基づいた学習支援や出前講座な
どの活動を展開し、市民が主体的に学ぶ機会の充実に努めてきました。市民は、
学びの成果を自らの生活や仕事に活かすことにつなげています。
また、野洲市美術展や野洲文化芸術祭を通して、絵画・書などの美術、文化芸
術の発表の機会の確保と野洲の文化芸術の発展に努めてきました。
生涯スポーツでは、総合型スポーツクラブや野洲市スポーツ推進協議会、各
スポーツ関係団体への支援を行い、生涯スポーツの推進に努めてきました。
また、今後の生涯スポーツの充実を目指して「野洲市スポーツ推進計画」の
策定に着手しました。
課題は、大規模改修を行っていない老朽化してきている校舎への対応や情報
(ICT)教育推進のための電子黒板の導入など新たな学習環境の整備や子ど
もの「生きる力」の確実な育成、一人ひとりの学びや育ちを大切にする特別支
援教育の推進、不登校、いじめの根絶等に向けての生徒指導・教育相談体制の
さらなる強化です。
また、市民が生涯にわたって、いつでも、どこでも学び、スポーツを楽しみ、
互いにつながり、地域の課題の解決を図っていく「生涯学習のまちづくり」が
あげられます。
1.平成27年度の教育方針
平成27年度も「愛と輝きのある教育のまち・野洲」を教育理念に掲げ、市
民が「笑顔」「元気」「自信」「誇り」などの「輝き」を創出する教育を引き続
き推進します。そのために、学校・園と家庭、地域とが目標を共有し、それぞ
れが役割と責任を果たすとともに、互いに連携を深め、協働して子どもたちの
「生きる力」の育成に取り組みます。
また、市民が主体的に学び、生活や仕事に必要な知識・技能を習得していけ
るよう、生涯にわたって学習することのできる環境づくりに取り組みます。
2.具体的な取組
【元気な学校・園の創造】
子どもの教育において、教師が元気を出して生き生きと教育活動を展開する
ことは、子どもの元気と意欲を引き出し、「生きる力」を育むことになります。
そのために、「元気な学校づくりマスタープラン」に掲げた取組を継続して
実施し、充実を目指します。
新規事業として
この5年間の「元気な学校づくりマスタープラン」の成果と課題を整理
し、向こう5年間の新たなプランづくりに着手し、学校教育の基本的な
方向や施策を確立します。
小中学校の一貫教育を推進するため、野洲市学校・園同和教育推進委員
会各中学校区部会の組織を活かし、教育委員会が支援しながら、目指す
子ども像を描き、小・中の9年間の「学力」「心」「身体」「生活」の系統性
を確保した学習や生活内容を編成し、教員の共通理解のもと実践します。
子どもたちの情報活用能力をつけるため、電子黒板や書画カメラ、タブ
レットのICT機器をICT研究推進校に配置します。
拡充事業として
若手教員の授業づくりや学級経営に関する幅広い実践的指導力の向上
に努めます。
各学校・園の創意工夫のもと、
「我が校の3つの挑戦」を掲げ、地域に根
ざした特色ある学校づくりを目指します。
【安心・安全な教育環境と子どもの居場所づくり】
子どもたちが生き生きと学び、充実した学校・園生活を送れるよう教育環境
の整備と学校・園・家庭・地域が「やりたくてもやってはいけないこと」「や
りたくなくてもやらなくてはならないこと」を教え、導き、規範意識の育成に
引き続き取り組みます。
また、地域においては、地域の皆様の協力を得て、様々な体験活動や地域住
民との交流活動を継続して推進していきます。
新規事業として
中主中学校武道場の天井の耐震対策のための実施設計を行います。
野洲市いじめ防止等対策条例の施行に伴い、野洲市いじめ問題対策連絡
協議会や野洲市立小中学校いじめ問題専門委員会を設置します。
【人権を尊重するまちづくり】
「人権を尊重する野洲市」の実現のために、基本的人権を大切にし、お互
いが認め合い、尊重し合い、「お互いの良いところを探し、共に伸ばすまち
づくり」を推進します。
「野洲市まちづくり基本条例」「野洲市人権尊重のまちづくりに関する条
例」に基づき、就学前の子どもから大人まで、学校・園の教育や社会教育を
通して、人権の尊重と人権文化の創造に向けて人権教育資料の開発と実践、
研修、啓発に継続して取り組み、人権教育の充実を目指します。
新規事業として
子どもの自尊感情を高めるため、人権の視点を教育活動の基本に、学
校・園・所・関係機関・家庭・地域がつながり、「自尊感情・学びの礎
を育成する事業」に取り組みます。
平成28年度から市の人権施策基本計画が見直されるのに合わせ、野洲
市人権教育基本方針の改定に向け、内容を検討します。
【生涯学習と生涯スポーツの充実】
市民が身近な場所で学習し、その成果を自分自身の生活の中で活かしたり、
学校と連携を図りながら子どもたちの活動を支援したり、市民同士が交流し
ながら地域づくりに活かしたりすることで、心豊かな人生を歩むことができ
るよう生涯学習機会の充実に努めます。
また、ニュースポーツの普及や障がい者スポーツの支援実施、総合型スポ
ーツクラブの各スポーツ関係団体の支援を行い、さらに、学校や園と連携し
て、子どもの体力向上に向けた取組を進め、市民が気軽に楽しめ、健康な生
活を送ることができるよう生涯スポーツの推進を図ります。
新たな事業として、誰もが気軽に楽しくスポーツができる生涯スポーツ社
会の実現を目指し「野洲市スポーツ推進計画」を策定します。
拡充する事業として、図書館において、市民の資料や情報の要求に応える
ため新鮮で魅力ある資料の整備に努めます。
【文化遺産の継承と豊かな文化の創造】
豊かな自然と文化遺産に恵まれた野洲市では、これらを守りながら有効に
活用し、広く市民にその重要性を知っていただく活動や市内の各地域におい
て永く伝えられてきた文化遺産を今後も保存・継承していく活動を推進して
いきます。
新規事業として
郷土に学ぶ活動を推進するために「郷土の偉人・第2版」の作成に取り
かかります。
重要文化財にかかる消火設備等の改修工事を支援します。
継続事業として
野洲の歴史文化遺産を広く市民に知っていただく秋季企画展「杉田静
山竹工芸作品展」等を開催します。
また、野洲の文化の発展、創造を目指し、市民の絵画や書などの創作活動
の発表と鑑賞の機会を提供する野洲市美術展覧会や野洲文化芸術祭を引き
続き開催し、地域での芸術、文化サークル、団体の活動が一層活発になるよ
うに努めます。
継続事業として
野洲文化ホール・さざなみホールの舞台設備等の維持管理に努め、貸
館等の利用を通して、地域の文化・芸術を育てます。
【教育委員会の活性化】
「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」の施
行に伴い、本年度から新しい教育委員会制度でスタートします。教育行政
における責任体制を明確化し、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確
保しつつ教育行政を展開します。
新規事業として
今後5年間に取り組むべき教育施策を推進する「野洲市教育振興基本
計画」を策定します。
市長と教育委員会が教育政策の方向性を共有し、一致して執行にあた
る「総合教育会議」に参画し議論を深めます。