在庫縮小、個人消費は上方改定(2015/3/10作成)

*グローバル投資環境
No.921*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
日本の10-12月期GDP成長率 2次速報
~在庫縮小、個人消費は上方改定
2015年3月10日作成
*9日に発表された日本の10-12月期GDP成長率の2次速報値は前期比+0.4%[市場予想
+0.5%、7-9月期-0.7%]、前期比年率+1.5%[市場予想+2.2%、7-9月期-2.6%]となった。1次速
報値は前期比+0.6%、前期比年率+2.2%であり、それぞれ下方改定された。
* 下方改定の主な要因は、民間在庫品増加の寄与度が+0.2%から-0.2%に引下げられたこ
とである。一方で、GDPの主な押し上げ要因である民間最終消費支出の寄与度は+0.2%か
ら+0.3%へ上方改定され、同じく押し上げ要因である純輸出は寄与度+0.2%で据え置かれた。
* 10-12月期GDPは前期比、年率換算ともに2四半期連続したマイナス成長からプラス成
長に転じている。在庫の縮小は数値上、GDPに対してマイナスの寄与として表れるが、民間
最終消費支出の伸びが拡大していることからも、経済活動の回復によって在庫調整が進ん
でいるとみることができ、ネガティブに捉える必要はないといえよう。
*9日発表の2月の景気ウォッチャー調査では、景気の現状判断DIが3ヶ月連続して前月を
上回り、好・不況の境目である50を7ヶ月ぶりに上回った。家計動向・企業動向・雇用関連
の全ての判断DIが上昇しているが、家計部門では特に小売関連の回復が寄与している。
*10-12月期GDP成長率は下方改定されたものの、1-3月期には個人消費の回復や原油
安の恩恵を受けて、底堅さを増すものと思われる。
▼GDP
▼GDP項目別の推移
[季調済,前期比年率,%]
[季調済,前期比,%,()は寄与度]
前期比GDP
年率換算
国内需要
(国内需要の寄与度)
民間需要
▼現金給与額
(前年同月比,%)
名目賃金
+1.3%
民間最終消費支出
民間住宅
民間企業設備
(民間在庫品の増加:寄与度)
公的需要
実質賃金
-1.5%
政府最終消費支出
公的固定資本形成
輸出
輸入
(外需寄与度)
1-3月期 4-6月期 7-9月期
1.3
5.5
1.6
(1.7)
2.4
2.2
2.4
5.9
(-0.4)
-0.7
-0.4
-2.2
6.5
6.8
(-0.3)
-1.7
-6.7
-2.7
(-2.7)
-3.7
-5.1
-10.3
-5.0
(1.3)
0.5
0.3
1.0
-0.3
-5.3
(1.1)
-0.6
-2.3
-0.6
(-0.6)
-1.0
0.3
-7.0
-0.1
(-0.7)
0.6
0.2
2.1
1.5
1.0
(0.1)
(内閣府、Bloombergのデータより髙木証券作成)
10-12月期
1次速報 2次速報
0.6
0.4
2.2
1.5
0.3
0.2
(0.3) (0.2)
0.4
0.1
0.3
0.5
-1.2 -1.2
0.1 -0.1
(0.2) (-0.2)
0.1
0.3
0.1
0.3
0.6
0.8
2.7
2.8
1.3
1.3
(0.2) (0.2)
(文責:佐野)
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