サンケイビルがホテル運営会社を買収

NEWS RELEASE
2015年3月13日
サンケイビルがホテル運営会社を買収―格付は変更せず
サンケイビル(非上場、発行体格付=A)は 13 日、日本各地でホテルや水族館などを保有・運営する
グランビスタホテル&リゾートを、ジェイ・ウィル・パートナーズが管理運営するファンドと共同で買
収し連結子会社化すると発表した。
グランビスタホテル&リゾートは地域経済活性化支援機構(旧企業再生支援機構)の下で経営再建に
取り組んでおり、一定の利益・キャッシュフローを稼ぐ力は取り戻しているようだ。外国人旅行客の増
加など、事業環境もどちらかと言えば追い風だ。ただ、帝国データバンクによれば 2014 年 3 月期末の総
資産は 339 億円、借入金は 200 億円余りと、資産・負債は軽くない。
サンケイビルの有利子負債は、2013 年ころからの投資積極化を反映して、2014 年 3 月期末時点で既に、
リーマンショック直後の 2009 年 3 月期末の水準を上回り、さらに増加傾向にある。一方で、2012 年ま
でのオフィス賃貸市況悪化の影響で、基礎的な収益力・キャッシュフロー創出力は弱含んでいる。その
結果、有利子負債とキャッシュフローのバランスは格付に大きく見劣りする状態になりつつある。
サンケイビルにとって今回の買収に伴う財務負担は重い。ただ、自己資本比率の維持を重要な経営課
題としていることから今後、今回の買収による資本負債構成への影響を緩和させる手段が講じられる可
能性はある。ホテル運営事業からの収益は主力のビル賃貸事業の収益ほどには安定していないとはいえ、
利益・キャッシュフローのかさ上げも一定程度期待できる。
そのため、今回の買収によって格付を変更する必要はないと判断した。今後、買収事業の利益・キャ
ッシュフローの安定性を踏まえ、サンケイビルグループの中期的な収益・財務の動向を精査するととも
に、親会社であるフジ・メディア・ホールディングスとの関係も整理したうえで、適宜格付に反映して
いく。
なお、R&I はサンケイビルの親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(証券コード:4676、
発行体格付=AA-)にも格付を付与している。連結ベースでの財務の余裕度などからみて、今回の買収が
同社の信用力に著しい影響を及ぼすことにはならないと考えている。
主任格付アナリスト:木下 廣英(サンケイビル)
廣岡 一雄(フジ・メディア・ホールディングス)
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