広島市の都市づくりの方向

参考資料
〔広島市の都市づくりの方向〕(広島市基本構想より抜粋
平成 21 年(2009 年)10 月 16 日改定)
人類史上最初の被爆都市である広島市は、平和を願い、平和都市の建設を進めてきた先人の
努力を受け継ぎ、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け、世界を牽引する都市を目指さなけ
ればならない。また、地球環境の改善など人類共通の課題の解決に向け、世界の多くの主体と
連携し、世界の中で先導的役割を果たす都市を目指さなければならない。さらに広島市は、市
民が自らの地域や街に愛着と誇りを持ち、歴史を伝え、文化をはぐくみながら健康で生き生き
と暮らし、これからも住み続けたいと思う都市、また、国内外の人々が訪れてみたいと感じ、
訪れた人々が住んでみたくなる都市を目指さなければならない。
広島市は、「平和の象徴」、「希望の象徴」として、世界の人々を引き付ける力を持ってい
る。それは、被爆地ヒロシマとしての高い知名度だけでなく、世界の人々が、廃墟からの復興
を評価し、広島市民の被爆体験の中から生まれた「平和」や「和解」のメッセージに共感を覚
え、普遍性を感じることによるものである。そして、「ほかのだれにもこんな思いをさせては
ならない」という被爆者の和解の哲学を踏まえ、真に平和な世界をつくるため、都市が中心的
役割を果たさなければならないというメッセージをヒロシマが発信し、実践していることによ
るものである。その「平和と希望の象徴」としての求心力を持つ広島市は、世界のあり方、特
に未来の都市のあり方を示すことのできる都市である。
こうした都市アイデンティティーの下、広島市は、先駆的精神を持ち、パートナーシップの
構築とパラダイムの転換を図りつつ、市民生活の安寧の確保や活力ある地域経済の創出、文化
的で活気ある美しい都市の創造など、広島で実現されていることや街のたたずまいがそのまま
「平和」の意味であり、具現化であることを実感することのできる都市づくりに取り組み、
「世
界のモデル都市」を目指す必要がある。
1 広島市を取り巻く現状
■
広島市の人口推移
[資料]
広島市「国勢調査結果報告書」
〈平成 17 年(2005 年)〉
第5次広島市基本計画
国立社会保障・人口問題研究所「日本の市区町村別将来推計人口」(平成 20 年(2008 年)12 月推計)
※平成 37 年(2025 年)以降は国立社会保障・人口問題研究所の推計値です。
(万人)
130.0
推計値
120.0
110.0
105.2
109.4
111.7 113.4
115.4
117.5 118.2 117.9
111.2
108.0
99.3
100.0
92.4
90.0
79.9
80.0
70.0
69.7
60.0
50.0
昭和40年 昭和45年 昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年 平成42年
(1965年) (1970年) (1975年) (1980年) (1985年) (1990年) (1995年) (2000年) (2005年) (2010年) (2015年) (2020年) (2025年) (2030年)
- 55 -
■
広島市の年齢別割合
広島市の年少人口(15 歳未満)は減少、老年人口(65 歳以上)は増加し、平成 47 年(2035 年)
には、総人口の約 3 人に 1 人が 65 歳以上の高齢者になることが予測されています。
[資料]
広島市「国勢調査結果報告書」
〈平成 17 年(2005 年)〉
第5次広島市基本計画
国立社会保障・人口問題研究所「日本の市区町村別将来推計人口」(平成 20 年(2008 年)12 月推計)
※平成 37 年(2025 年)以降は国立社会保障・人口問題研究所の推計値です。
推計値
100%
7.3
8.4
9.8
11.9
90%
14.2
17.0
19.6
23.8
65 歳~
26.1
32.2
80%
15 歳~64 歳
70%
60%
68.0
68.9
70.8
71.3
50%
70.3
68.2
66.0
62.4
60.9
40%
57.8
0 歳~14 歳
30%
20%
24.6
10%
22.6
19.0
16.6
15.4
14.8
14.5
13.8
13.1
10.0
平成7年
(1995年)
平成12年
(2000年)
平成17年
(2005年)
平成22年
(2010年)
平成27年
(2015年)
平成32年
(2020年)
平成47年
(2035年)
0%
昭和55年
(1980年)
■
昭和60年
(1985年)
平成2年
(1990年)
広島市の従業者数、事業所数の推移
広島市の従業者数、事業所数は、平成 8 年(1996 年)をピークに減少に転じています。
[資料]
広島市統計書
65.0
6.5
6.0 事
業
所
5.5 数
(
60.0
従
業
員 55.0
数
(
万
5.0 事
業
所
4.5
)
万 50.0
人
)
45.0
40.0
4.0
昭和50年
(1975年)
昭和53年
(1978年)
昭和56年
(1981年)
昭和61年
(1986年)
平成3年
(1991年)
従業員数
■
平成8年
(1996年)
平成13年
(2001年)
平成18年
(2006年)
事業所数
広島市の製造品出荷額の推移
広島市の製造品出荷額は一時回復傾向にありましたが、平成 21 年(2009 年)は対前年比 26.7%減
と、大幅な減少となっています。
[資料]
広島市統計書、工業統計調査結果速報
25,000
(
製
造
23,000
品
出
荷 21,000
額
19,000
)
億
円
17,000
15,000
平成8年
(1996年)
平成11年
(1999年)
平成14年
(2002年)
- 56 -
平成17年
(2005年)
平成20年
(2008年)
■
広島市内交通機関別乗車人員の推移
公共交通機関の利用者数は、平成 6 年(1994 年)をピークに減少していましたが、近年は微増傾向
にあります。このうちバスの利用者数は大幅に減少しています。[資料] 「広島市総合交通戦略」
(万人/日)
(万人/日)
35.0
80.0
30.2 30.2 30.3 30.3 30.3
30.0
59.0
60.1
61.5
63.4
29.7
64.7 64.5
29.0 67.6
64.5
70.0
65.8 65.8
27.4
25.5
64.2
62.4
60.7
25.0
25.0
58.7
57.3
55.1
23.7
56.3 55.6 55.9 56.5 56.7 57.0
60.0
22.5
20.9
20.0
17.4
18.2
18.9
19.4 19.4 19.3 19.4
18.9
19.6
18.6
19.0
17.9 18.6
18.7 18.5
18.2 17.8 18.2 17.8 17.7 18.1 17.7
17.6
16.1
15.2
15.0
50.0
19.4 19.6
18.7 18.9 19.1
40.0
14.1
11.2 11.3
11.6 12.0
12.4 12.4 12.5 12.5 12.5 12.4 12.3
11.8 11.6
11.2 10.9
30.0
10.5 10.8 10.6 10.7 10.7 10.8
11.0
10.0
20.0
4.4
5.0
4.5
4.9
5.0
5.2
5.3
5.3
5.3
5.0
4.9
4.8
4.9
4.9
5.1
5.1
10.0
3.5 3.4 3.5 3.7 3.8 3.5 3.6 3.9 4.0 4.1 4.3 4.3 4.2 4.1 3.9 3.9 3.8 3.7 3.7 3.7 3.7 3.7
0.0
0.0
昭和63
(1988)
平成2
(1990)
平成4
(1992)
平成6
(1994)
平成8
(1996)
平成10
(1998)
平成12 平成14 平成16 平成18 平成20
(2000) (2002) (2004) (2006) (2008)
公共交通全体(宮島線は市内駅分のみ)
バス(市内分)
JR(市内駅分)
路面電車
アストラムライン
宮島線(市内駅分)
- 57 -
2 都心の現状
■
都心の人口推移
都心では、政令指定都市に移行した昭和 55 年(1980 年)以降、人口配置のドーナツ化により定住
人口の減少が続いていましたが、中区・南区での分譲住宅の供給などにより、平成 14 年(2002 年)
を底に微増に転じています。[資料] 住民基本台帳
11.0
7.0
10.8
6.0
10.6
都
10.4
心
の 10.2
人
口 10.0
5.0
4.0
(
(
3.0
9.8
9.6
2.0
9.4
1.0
9.2
9.0
0.0
昭和60年
(1985年)
平成2年
(1990年)
平成7年
(1995年)
平成10年
(1998年)
都心
■
平成12年
(2000年)
平成14年
(2002年)
中区
平成16年
(2004年)
東区
平成18年
(2006年)
平成20年
(2008年)
平成22年
(2010年)
南区
都心(中区、東区、南区)の昼夜間人口差の推移
[資料] 広島市統計書
14
(
13.5
昼
夜
間 13
人
口
12.5
差
12
)
万
人
11.5
11
平成7年
(1995年)
■
平成12年
(2000年)
平成17年
(2005年)
都心(中区、東区、南区)の建築時期別住宅数の割合
全市に比べ、都心(中区、東区、南区)の建物の更新が遅れています。
[資料] 広島市統計書
全市
昭和35年以前
昭和36年~昭和45年
昭和46年~昭和55年
昭和56年~平成2年
平成3年~平成7年
平成8年~平成12年
平成13年~平成17年
平成18年~平成20年
南区
東区
中区
0%
20%
40%
60%
- 58 -
80%
100%
万
人
)
)
万
人
区
の
人
口
■
広島駅周辺、紙屋町、八丁堀地区等における賃貸オフィスの空室率の推移
[資料] シービー・リチャードエリス㈱調べ
16.0
14.6
14.0
(
単 12.0
位
)
%
10.0
8.0
6.0
平成13年
(2001年)
■
平成15年
(2003年)
平成17年
(2005年)
平成19年
(2007年)
平成21年
(2009年)
紙屋町・八丁堀地区、広島駅周辺地区の放置自転車数の推移
八丁堀、紙屋町及び広島駅周辺における放置自転車台数は、年々減少していますが、依然として社
会的な問題となっています。[資料] 道路交通局
7,000
6,000
5,000
(
単
位 4,000
)
台 3,000
2,000
1,000
0
平成7年度
(1995年度)
平成9年度
(1997年度)
平成11年度
(1999年度)
平成13年度
(2001年度)
- 59 -
平成15年度
(2003年度)
平成17年度
(2005年度)
平成19年度
(2007年度)
平成21年度
(2009年度)
3 人間を中心とした観点(生活者・来訪者等の視点)からの現状
■
広島市の刑法犯認知件数の推移[資料]第 5 次広島市基本計画
35,000
30,000
(
単
25,000
位
)
件
20,000
15,000
10,000
平成11年
(1999年)
■
平成13年
(2001年)
平成15年
(2003年)
平成17年
(2005年)
平成19年
(2007年)
広島市の交通事故発生状況
近年、交通事故による死者数は減少しているものの、交通事故発生件数と負傷者数は依然として高
い水準にあり、より一層の交通安全対策が必要となっています。
[資料]広島市統計資料
100
12,000
発
生
11,000
件
数
10,000
90
80
(
9,125
9,366 9,368 9,223
9,000
70
8,824 8,844
8,248 8,838
7,232
50
7,572
7,539
30
20
6,000
10
)
人
40
5,000
0
平成8年
(1996年)
平成10年
(1998年)
平成12年
(2000年)
発生件数
平成14年
(2002年)
負傷者数
- 60 -
平成16年
(2004年)
死者数
平成18年
(2006年)
平成20年
(2008年)
死
者
数
人
)
6,954
8,491
(
負 8,000
傷
者 7,000
数
60
(
)、
件
5%
5%
3%
5%
34%
9%
13%
26%
治安・環境について
家賃・物価等について
交通面について
施設について
魅力・活気について
人、マナーについて
■
職・雇用面について
その他
市民意識実態調査によるアンケートの結果
平成 21 年(2009 年)の調査結果では、
「広島の都心部が、住みよい場、働きやすい場として、魅力
的であると思いますか。」の問いに対し否定的な意見のうち、
「治安・環境について」と「交通面につ
いて」の意見が6割を占めています。
□「治安・環境について」の主な意見
・森を含む公園のような憩いの場がほしい。
・緑が少ない。スペースが空いてない。ゆとりがない。など
□「交通面について」の主な意見
・交通渋滞が多く目的地まで時間がかかる。
・公共交通の充実。など
- 61 -