2015/3/4作成

*グローバル投資環境 No.913*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
オーストラリアの昨年10~12月GDP
~伸び率は高くないが底堅さも
2015年3月4日作成
*4日にオーストラリア統計局が発表した昨年10-12
月期のGDP成長率は前期比0.5%増となり、市場予
想(0.6%増)には届かなかったが、7~9月期(0.3%
増から0.4%増に小幅に上方修正)から小幅に拡大し
た。一方、前年同期比の成長率は2.5%増となり、7
~9月期の2.7%増から鈍化した。
▼GDP成長率推移(%)
10~12月
+0.5%
◇前期比
■前年同期比
10~12月
+2.5%
*前期比の成長率を需要項目別でみると、家計最終
消費支出の伸びが7~9月の0.6%増から0.9%増に
加速、寄与度も0.3%増ヵら0.5%増に拡大した。また、
民間部門の固定資本投資の伸びも7~9月の3.3%減
から0.5%の増加に転じ、寄与度も0.7%のマイナスか
ら0.1%のプラス寄与となったが、伸び率を分野別にみ
ると、住宅投資が1.2%減から2.5%増に転じる一方、 ▼需要項目別内訳
非住宅投資は7~9月の8.0%減から減少率は和らい 最終消費支出
だものの引き続き0.8%の減少となったほか、機械・設 ・政府
・家計
固定資本総投資
備は7~9月の5.5%増から0.8%の減少に転じるなど、 ・民間部門
住宅
企業の投資行動は引き続き緩慢なようだ。
非住宅
(前期比、%)
7 ~9 月
1 0 ~1 2 月
伸び率
寄与度
伸び率
寄与度
0 .7
0 .5
0 .8
0 .6
1.0
0.2
0.4
0.1
0.6
0.3
0.9
0.5
- 3 .3
- 0 .9
0 .3
0 .1
-3.3
-0.7
0.5
0.1
-1.2
-0.1
2.5
0.1
-8.0
-0.7
-0.8
-0.1
5.5
0.2
-0.8
-3.7
-0.2
-0.9
0.1
-0.6
0 .8
0 .7
3.6
0.7
1.0
0.2
-0.7
0.1
-2.5
0.5
0 .4
0 .5
-
機械・設備
*輸出は前期比1.0%増加し、7~9月の3.6%増から ・公的部門
伸びは鈍化したものの、オーストラリアの主な輸出品目 ・在庫投資
純輸出
・輸出
である資源の価格の下落によるマイナスの影響を、こ
・輸入
れまでのところは、最近になって稼動し始めた設備の
GD P
寄与による数量増と豪ドル安で補う形となっている。一 ▼ 為替(対米ドル、右軸)、10年国債利回り、政策
方、輸入は2.5%減と7~9月の0.7%減を上回る落ち 金利(左軸、%)
込みとなった結果、純輸出は10~12月のGDPに対し
て0.7%のプラス寄与となり、7~9月(+0.8%)からや
や縮小したとはいえ、引き続きGDPを押し上げる方向
に働いている。
*在庫投資の寄与度は7~9月の+0.1%から0.6%の
マイナス寄与に転じた。GDPの最大の押し下げ要因が
在庫投資であることを考えると、先に述べた市場予想
比での下振れをネガティブに捉える必要はないだろう。
*オーストラリア準備銀行は昨日開いた理事会で政策金利を2.25%で据え置く一方、声明文では追加
利下げに含みを持たせたが、足下の成長率は決して高くないものの、大きく落ち込んでいる状況にはな
いため、一段の利下げ余地は限定的であり、また、追加の利下げ幅が25ベーシスにとどまるのであれば、
それは現在の債券利回り及び為替市場には概ね織り込まれていると思われる。 (文責:勇崎 聡)
(オーストラリア統計局及びBloombergのデータより髙木証券作成)
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