*グローバル投資環境 No.1367 * ご参考資料 髙木証券投資情報部 ユーロ圏の第1四半期GDP確報値~主要先進経済では相対的に高い伸び 2016年6月8日作成 欧州連合統計局が6月7日に発表したユーロ圏の第1四 半期GDPの確報値は前期比0.6%増加した(昨年第4四 半期の0.4%増から加速)。なお、4月29日に発表され た暫定推計値は前期比0.6%増だったが、5月13日発表 の速報値で0.5%増に引き下げられていたため、結局は 当初発表の伸び率に戻ったことになる。また、前年同 期比の伸び率は暫定推計値の1.6%増から速報値で 1.5%に下方修正された後、確報値は1.7%増に引き上 げられた。 前期比 +0.6% 前年同期比 +1.7% 前期比の成長率を主な国別でみると、スペインが 0.8%増、ドイツが0.7%増、イタリアが0.3%増でいず れも速報値から.変わらないが、フランスは速報値段階 の0.5%増から0.6%増に上方修正された。 支出項目別の成長率は確報値で初めて公表されたが、 これを前期比でみると、家計最終消費支出の伸びが昨 年第4四半期の0.3%増から0.6%増に加速して、GDPに 対する寄与度も昨年第4四半期の+0.2ポイントから +0.3ポイントに拡大した一方、固定投資の伸びは昨年 第4四半期の1.4%増から0.8%増に鈍化して、寄与度も 昨年第4四半期の+0.3ポイントから+0.2ポイントに縮 小した。また、輸出は昨年第4四半期の0.7%増から 0.4%増に減速したが、輸入は昨年第4四半期の1.4% 増から0.7%増へとより大きく鈍化したため、純輸出は0.1ポイントのマイナス寄与なが ら、昨年第4四半期の0.3ポイントのマイナス寄与からは改善した。 米国の第1四半期GDP(改定値)は前期比では0.2%増にとどまるほか、日本の1-3月の GDPも1次速報値の0.4%増から本日発表の2次速報値は0.5%増に上方修正されたが、ユーロ 圏の成長率はこれを上回っている。ECBは去る2日の理事会で従来の金融政策を据え置いた が引き続き追加緩和の思惑が燻っており、ヘッドラインCPIは足下で2ヶ月連続の前年同月 比マイナスとなるなど予断は許さないものの(事実、物価の安定はECBにとって、成長以 上に重要な責務である)、1-3月に前期比1.1%の高成長を果たしたオーストラリアは別格 として、ユーロ圏の成長率は先進国では相対的に高いことを考えると、ECBに追加緩和を 求める圧力はいくぶん和らいだ状態にあると思われる。 (文責:勇崎 聡) 《需要項目別成長率と寄与度》 2Q 家計消費 政府支出 固定投資 在庫投資 輸出 輸入 純輸出 伸び率 0.3 0.3 0.1 ― 1.6 0.9 ― 寄与度 0.2 0.1 0.0 -0.2 0.7 -0.4 0.3 2015年 3Q 伸び率 寄与度 0.5 0.3 0.3 0.1 0.5 0.1 ― 0.2 0.4 0.2 1.3 -0.5 ― -0.3 4Q 伸び率 0.3 0.5 1.4 ― 0.7 1.4 ― 寄与度 0.2 0.1 0.3 0.1 0.3 -0.6 -0.3 (前期比、%) 2016年 1Q 伸び率 寄与度 0.6 0.3 0.4 0.1 0.8 0.2 ― 0.1 0.4 0.2 0.7 -0.3 ― -0.1 (出所:欧州連合統計局及びBloombergデータより髙木証券作成) 《ご注意いただきたいこと》当資料は投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資の最終決定はご自身でなさるようお願い いたします。当資料は信頼できると思われる各種データに基づいて作成されていますが、その正確性・完全性を保証するものではありませ ん。株式、債券、投資信託等は、価格の変動や発行者の信用状況の悪化等により投資元本を割り込むおそれがあります。また、当資料の いかなる部分も一切の権利は髙木証券に帰属しており、電子的または機械的な方法を問わず、いかなる目的であれ、無断で複製または転 送等を行わないようお願いいたします。 当社で取り扱う商品等へのご投資には、当該商品等の契約締結前交付書面、上場有価証券等書面、目論見書、お客様向け資料等をよく お読みください。 商号等:髙木証券株式会社 金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第20号 【広告審査済】 加入協会:日本証券業協会 髙木証券インターネットホームページ:http://www.takagi-sec.co.jp/
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