第 8 章 施設・設備等 - 京都ノートルダム女子大学

第8章
施設・設備等
[到達目標]
本学の施設・設備の整備における課題は、基本的には施設・設備の維持・管理、環境保
全、安全の確保、利便性や快適性の追及にある。2005(平成 17)年に学内に設置された施
設・設備開発委員会では、老朽化した校舎の建て替えをはじめとする「北山キャンパス総
合整備計画」を検討中である。同計画では施設のバリアフリー化にも取り組み、安全面に
配慮した施設、学生のための憩いの空間等を確保して、有意義なキャンパス・ライフを提
供できる環境、教育・研究を円滑に推進するために必要な施設や設備などの実現化を図る
予定である。
1.大学における施設・設備等
(施設・設備等の整備)
大学・学部・大学院の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況の適
切性
(A)
「現状説明」
(1)北山キャンパスの概要
本学の施設は京都市左京区下鴨南野々神に北山キャンパス、また同区松ヶ崎に松ヶ崎グ
ラウンドおよび同区岩倉幡枝町に幡枝グラウンドがある。また、京都市中京区橘町には学
生寮(マーガレット寮)が賃貸借契約施設として存在している。
本学は 1961(昭和 36)年に、現在の北山キャンパスの地に建設され、以来、下の表に示
すように同キャンパス内で施設・設備の増設や整備を行うと共に、他の地域にもグラウン
ド等を整えてきた。
表 8-1
建物名
①建物構造等
構
造
延床面積
建設年
ユージニア館本館
鉄筋コンクリート造 地上 4 階建
9,356.69 ㎡
1961(昭和 36)年
ソフィア館
鉄筋コンクリート造地上 5 階・地下 1 階建 5,879.45 ㎡
1968(昭和 43)年
テレジア館
鉄筋コンクリート造地上 4 階・地下 1 階建 3,387.00 ㎡
1981(昭和 56)年
ユージニア館別館
鉄筋コンクリート造地上 2 階・地下 1 階建 1,102.74 ㎡
1991(平成 3)年
ユニソン会館
鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリー 7,637.04 ㎡
1994(平成 6)年
ト造・木造地上 5 階地下 1 階建
マリア館
鉄筋コンクリート造・鉄骨造地上 1 階・
249
829.87 ㎡
2002(平成 14)年
地下 1 階建
茶室
木造地上 1 階建
28.75 ㎡
1994(平成 6)年
守衛所
鉄筋コンクリート造地上 1 階建
15.08 ㎡
2002(平成 14)
年
表 8-2
②建物用途
建物名
ユージニア館本館
用 途
教室・実習室・実験室・情報技術演習室・大学院スタディールーム・
教員研究室・事務室・会議室・学生食堂・学生寮
ソフィア館
図書館・教室・特殊教室・ゼミ室・教員研究室・事務室
テレジア館
教室・特殊教室・実習室・大学院スタディールーム・教員研究室
ユージニア館別館
情報技術演習室・教員研究室・学生自習室・学生食堂
ユニソン会館
アリーナ(体育館)※・トレーニングルーム・音楽練習室・学生クラブ室・
合宿室・教室・実験室・教員研究室・会議室
マリア館
心理臨床センター・教室・ゼミ室・大学院スタディールーム
茶室
小間・水屋
守衛所
警備員室・仮眠室
※ユニソン会館内のアリーナは、授業や課外活動に利用できる体育館としての用途以外に、
可動席を使用することによって、約 1300 人収容の大講堂としても利用することができ、入学
式や卒業式、公開講演会等も行われている。
(2)北山キャンパス外の校地・校舎
①松ヶ崎グラウンド
北山キャンパスから徒歩で約 7∼8 分の場所にあり、面積 8,760 ㎡でトラック(一周 150
mコース)
、直線コース 100m、テニスコート(オムニコート 2 面・アンツーカーコート 2 面)
からなる。グラウンドの隅には、心理学部学校心理専攻の理科指導法のための学習園(畑
および自然観察園)を設置している。
当グラウンドは学生の体育授業やクラブ活動を最優先とし、さらに学校行事(各競技大
会・同一法人内の中高等学校体育祭等)、教職員利用(主にテニスコート)、外部者利用(テニ
スコート・少年サッカー教室)等に幅広く活用されている。また北山キャンパスから約 3.5
kmの場所には幡枝グラウンド(面積 10,397 ㎡)があり、地域のスポーツ活動等にも開放
している。
②マーガレット寮
本学創立時より北山キャンパスのユージニア館(本館)に定員 90 名の学生寮(ユージニ
ア寮)があるが、学生寮への入寮希望者が多いため、2004(平成 16)年に開設した。土地・
250
建物共に所有者と本学との賃貸契約であり、企業の社員寮であった建物を学生寮として改
修し、使用している。建物は鉄筋コンクリート造地下 1 階地上 4 階建、延べ床面積 1,049
㎡で、定員 51 名である。
「点検・評価」
(1)キャンパスについて
北山キャンパスは京都市営地下鉄烏丸線の北山駅と松ヶ崎駅間のほぼ中央に位置し、い
ずれの駅からも徒歩で約 10 分、また京都市バスの野々神町停留所からも 2∼3 分と便利な
立地にある。キャンパスの西と北は大通りに、南と東は閑静な住宅街に面しており、京都
の三方の山々が望める恵まれた環境にある。
教室等については、多種多様な講義が行なわれているために、全体的に講義室や演習室
が少なく、特に 100 人以上収容の中規模教室が不足している。最近は演習形式の授業が増
えており、可動式の椅子を使用するといった臨機応変に対応できる教室も求められる。教
室の視聴覚機器等の整備については、時代のニーズに迅速に対応する必要があり、計画的
に整備を進めなくてはならない。
(2)校地・校舎について
学生一人あたりの校地面積は、全校地面積については一人あたり 22.2 ㎡、北山キャンパ
スと松ヶ崎グラウンドだけでも一人あたり 13.7 ㎡と、大学設置基準に定める一人あたり 10
㎡を充分満たしている。幡枝グラウンドは徒歩による移動は無理で稼働率が低く、いかに
有効利用するかを検討中である。
校舎にはユージニア館本館・別館・ソフィア館・テレジア館・ユニソン会館・マリア館
の 6 館があるが、メンテナンスや清掃を入念に行っているため、すべての校舎はおおむね
良好な状態である。特に二足制(建物内は上履き着用)やキャンパス内全面禁煙を実施してい
ることが建物の良好な状況の要因であると思われる。
主な建物(ユージニア館本館・別館・ソフィア館・テレジア館・ユニソン会館・マリア館)
のすべては地下通路もしくは渡り廊下で繋がっており、教職員や学生は傘をささずに移動
できる。また、旧耐震基準下に建設された建物の耐震診断(2 次診断まで)を行った結果、
早めの耐震補強工事が必要とされ、これらの建物の建て替えを含めた北山キャンパス総合
整備計画を現在進めているところである。
(3)建築設備について
①空調設備
2005(平成 17)年度まで、ユージニア館本館およびソフィア館の暖房熱源は重油ボイ
ラーを使用し、冷房熱源は旧式の冷凍機を使用する空調方式であった。しかし、設備の
老朽化と環境問題に配慮した結果、2006(平成 18)年秋までに電気熱源(エコアイス蓄
251
熱方式・ビルマルチ方式等)による空調方式に改修した。これらの空調機器は、将来建
物の建替を行う場合、新築建物への移設が可能である。またテレジア館の空調は、建設
時以来の方式(暖房熱源は灯油ボイラー、冷房熱源は旧式冷凍機)を取り入れているが、
近年中に電気熱源に改修する予定である。そのほかの建物については電気熱源、ガス熱
源による空調方式である。
②給排水設備
ユージニア館本館においては、2006(平成 18)年に給水管の全面改修工事を行った。
また、ユージニア館本館の排水配管およびソフィア館の給排水配管については、建替計
画の時期とも照らし合わせて改修範囲等を検討する。その他の建物については当面問題
がない。
③衛生設備
トイレは 2004(平成 16)年と 2006(平成 18)年に全体の 3 分の 2 を改修した。残り
については、建替計画の時期とも照らし合わせて検討する。
④電気設備
近年の電気機器(パソコン・プリンター・複写機器等)使用の増大に伴って、電気容量
の増設工事を行い、トラブルの発生を抑制してきた。また分電盤等の更新や、毎月実施
している電気設備保安検査により、問題となった項目等は積極的に改善している。
⑤ガス設備
学生食堂厨房・学生寮・一部の実習室・一部の実験室・一部のエアコン(ガス熱源)に
都市ガスを利用しており、各種ライフラインの中で、最も安全管理を徹底している。定
期保安検査での指摘項目は積極的に改善している。
⑥消防・防災設備
施設を維持・運営する上で最も重要な設備であるので、関係法令等に基づく消防・防
災設備を設置し、これらの法定点検や整備を信頼できる専門業者に依託して管理してい
る。特に学生寮では、消防署の協力を得て消防訓練や避難訓練等を定期的に実施してい
る。
(4)AV 設備について
大教室には機器を固定し、中・小教室には移動式の機器を設置している。比較的早い時
期に導入した機種については、更新や増設が必要となっている。
「改善方策」
(1)キャンパスについて
2007(平成 19)年度より、「北山キャンパス総合整備計画」が始まった。北山地区に
は大学のキャンパスと同一法人の小学校のキャンパスが隣接している。両校の施設・設
備の老朽化が著しいために、大学エリアと小学校エリアを総合的に整備することとなっ
252
た。これが「北山キャンパス総合整備計画」の概要である。この計画によって老朽化し
た建物の各種機能を合理的に集約すると共に、将来に向けて変化する諸機能を考慮した
ゆとりのある建物を計画し、施設・設備の配置を総合的に計画することが必要である。
これにより学生のための憩い空間等を確保し、さらに講義室や演習室の充実を図りたい。
また、北山キャンパスは大規模災害発生時に、近隣住民の応急避難場所として利用する
施設とする。
(2)建築設備について
「北山キャンパス総合整備計画」においては、エネルギー効率や地球環境を充分に配慮
する。また、キャンパス全体を一体的に監視・運営できるような集中管理システムを導
入する。
(3)AV 設備について
建物の建替・改修計画に合わせて最新の機器を導入する。
教育の用に供する情報処理機器などの配備状況
(B)
「現状説明」
本学では、1991(平成 3)年 11 月 1 日にコンピューターセンターが発足した。同年度に
はハードウェアの導入、
学内 LAN の工事、ソフトウェアのセットアップ作業等が実施され、
翌年度以降、学生が利用できる環境が整った。対外接続は 1992(平成 4)年 7 月から京都
大学大型計算機センターとの UUCP 接続を開始し、1993(平成 5)年 8 月に NTT のデジ
タル専用回線(64Kbps)使用の IP 接続に切り替えた。その後、インターネット接続速度
は 2004(平成 16)年 8 月に 1.5Mbps から 100Mbps となり、1993(平成 5)年からの 11
年間で通信速度が約 1500 倍に向上している。サーバ機器や基幹ネットワーク機器類は、ソ
フィア館 2 階奥の施錠可能なサーバ室に設置されている。
本学には、PC を使用する情報系授業や自主学習に利用する情報技術演習室が 5 室設けら
れている。ユージニア別館 2 階に演習室〔0〕と演習室〔1〕
、ユージニア館 2 階に演習室〔2〕、
演習室〔3〕
、および演習室〔4〕がある。そのほかに、映像情報を用いた教材作成用の映像
編集室が 1 室、
ヘルプデスク要員が常駐する相談室が 1 室ユージニア館に設けられている。
それぞれの機器配備状況は表 8-3 の通りである。
LAN 設備は 2004(平成 16)年に再整備された。基幹部分は光ケーブル(FDDI)を使用
し、通信速度は最大 1000Mbps である。対外接続には京都府が提供する「デジタル疎水ネ
ット」を利用し、速度は 100Mbps を確保している。セキュリティ確保のためファイヤウォ
ール、ウイルスチェックサーバ、VPN、スパムメールフィルタを導入している。図書館、
トレーニングルーム、ユニソン会館大ホールには無線 LAN アクセスポイントが設置されて
いる。
253
表 8-3
PC(すべてデスクトップ)
プリンタ(すべて
レーザープリンタ)
学生用
教員用
32 台
2台
演習室 0
OS
WindowsXP
カラー
モノクロ
1台
2台
RedHatLinux デュアル・ブート
演習室 1
48 台
2台
WindowsXP
1台
2台
演習室 2
48 台
2台
WindowsXP
1台
2台
RedHatLinux デュアル・ブート
演習室 3
13 台
WindowsXP
1台
演習室 4
13 台
WindowsXP
1台
映像編集室
2台
Windows、Macintosh 各
相談室
3台
WindowsXP
カラー複合機 1 台
1台
RedHatLinux デュアル・ブート
「点検・評価」
ファイヤウォールで対外的なセキュリティを確保しているのみならず、ヴァーチャル
LAN の導入により各セグメント間の通信を制御し学内のセキュリティも確保している。自
動バックアップシステムが稼動しており、情報の冗長化は万全である。無線 LAN の接続可
能領域は全学に及んでいないが、LAN ポートは学内各所に配置済みであり、範囲の拡充が
可能である。
自主学習専用の演習室が必ずしも確保されておらず、学生の研究活動を充分に補助でき
ていない状態である。また、建物がコンピュータ利用を考慮して設計されていないため、
教室南側の全面が窓となっており、日差しによる室内温度の上昇や、一部柱が出ていて PC
卓の設置が制限されるといった問題がある。さらにサーバ室と一部の演習室は扉が木製で、
セキュリティに不安が残る。施錠可能であるとはいえ、鉄製扉に交換するなどの対策が必
要である。
学生には Windows 環境のみならず Linux 環境も提供していることで、情報教育(共通教
養科目の「情報処理」
)においても Linux を使ったコンピュータの本質を学ぶ授業を提供し
ている。情報処理機器の増設は必要であるが、現在の環境では難しい。
「改善方策」
講義利用以外に自主学習専用の演習室を確保し、利便性の向上と研究活動の活発化を図
る。一般教室でのインターネット利用を希望する教員が増えており、無線 LAN アクセスポ
イントの増設は必須である。
「北山キャンパス総合整備計画」の実施に際して、演習室をコンピュータ利用に適応さ
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せたものにする必要がある。またパソコン機器の新規導入計画としてリース契約により設
置しているものは、契約更新時に機器の更新を行う。リース契約以外の機器等については、
建物の建替・改修計画に合わせて最新の機器を導入する。
社会への開放される施設・設備の整備状況(C)
記念施設・保存建物の保存・活用の状況
(C)
「現状説明」
本学では、図書館(第 9 章
図書館および図書・電子媒体等を参照)、グラウンド、ユニ
ソン会館(体育館)を一般社会に対して開放している。ユニソン会館アリーナは年間数回
の公開講演会の開催や、課外活動における他大学との交流の場としても活用している。ま
た本学の創立 40 周年を記念して建設されたマリア館には心理臨床センターが設置されてお
り、本学の心理学部教員や臨床心理士が常駐し、外来の患者を受け入れている。なお、本
学は文化財的な価値を有する保存すべき建物は所有していない。
「点検・評価」
「改善方策」
本学は女子大学であり、またキャンパス内には女子寮があって、社会に広く開放するた
めには警備やセキュリティの強化が必要である。公開講演会などに利用できる施設には段
差はないものの、障害者が利用するにはエレベーターまでやや遠いなど、不便な面も見ら
れる。
「北山キャンパス総合整備計画」において、北山キャンパス内の施設の全体配置が大
きく変化するが、これらの施設へのアプローチ計画も重要となる。雨天への対処、バリア
フリー化なども含めて、学外者が利用しやすい施設としての配慮も行う必要がある。
(キャンパス・アメニティ等)
キャンパス・アメニティの形成・支援のための体制の確立状況 (B)
「学生のための生活の場」の整備状況 (B)
「現状説明」
学生生活を快適にするために、北山キャンパスには学生食堂(一般食堂:500 席、軽食堂:
138 席)、ミニショップ(売店)
、ブックラウンジ(書籍販売)
、学生ラウンジ、自習室等を
整備している。また、北山キャンパス内は二足制(建物内上履き使用)となっており、全
学生は個人用のロッカーに手回り品を収納している。
「点検・評価」
一般的に、大学における学生食堂の平均席数は全学生数の 25%程度といわれているが、
本学の学生食堂は合計 638 席で学生数の 38%となっており、平均値を上回っている。食堂
は営業時間以外には学生の自習の場や語らいの場として、最大限に活用されている。食堂
にはミニショップ(売店)
、ブックラウンジ(書籍販売)
、学生ラウンジなども隣接してお
255
り、これらも含めて学生のための生活の場として整備している。またユージニア館の中庭
に机や椅子を用意しており、毎日学生が憩いの場に利用している。しかし、これらの中に
は手狭な場所もあり、必ずしも現在の学生の要望を満たしているとはいえない。
本学の建物内は全て二足制であり、建物の内部外部共に徹底した清掃を実施している。
また、技術職員により細かなメンテナンス等をしている。なお、キャンパス内は全面禁煙
となっており、この規則は充分に遵守されている。
校地は広くはないが、創立以来の樹木や記念樹と四季折々の草花を手入れし、快適な外
部空間を保っている。建築設備においても老化した部分が残っているが、常に細かな点検・
整備を行っており、大きなトラブルは発生していない。
「改善方策」
校地・校舎・建築設備・そのほか設備の整備において、学生が快適な生活を送ることを
優先し、教学・研究にふさわしい計画を実施していく。本年度よりスタートした「北山キ
ャンパス総合整備計画」において、上の「現状説明」部分で述べた施設は全て建替え予定
の建物内にある。同計画の基本構想段階においても、学生にとって快適で充実した「学生
のための生活の場」造りが討議されている。特にキャンパス内における自習空間、休憩空
間、コミュニケーション空間、食事空間などのあり方について協議・審議して計画を進め
る。
大学周辺の「環境」への配慮の状況
(B)
「現状説明」
北山キャンパス敷地の北面と西面は、歩道と大通りを挟んで店舗等が建ち並び、南面と
東面は一方通行の道路を挟んで、閑静な住宅地である。この本学敷地を取り巻く歩道や道
路の清掃は頻繁に本学職員が行い、敷地内周囲の生け垣や樹木の消毒や剪定も定期的に行
っている。また、キャンパス内部の美化にも力を入れており、樹木・草花の手入れや清掃
を徹底している。周辺地域への環境問題の配慮からも、空調機器(空調熱源)は重油熱源
方式等から電気熱源方式へと切り替えた。またマリア館屋上には、試行的に屋上緑化セダ
ムを整備している。
「点検・評価」
本学内の環境向上が周辺の環境向上へと繋がるよう配慮し、環境整備には特に力を入れ
ているところである。しかし敷地が狭いために緑化等のための空間が少なく、また学生が
憩えるような外部空間も少ない。
「改善方策」
「北山キャンパス総合整備計画」においては、学内の環境への配慮と共に大学周辺への
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環境配慮も重視する。周辺に悪影響を及ぼさないような建物や外部空間の配置、内部から
も外部からも癒される緑化、地球環境問題を配慮したエネルギー選択等を重点に置いた計
画とする必要がある。
(利用上の配慮)
施設・設備面における障害者への配慮の状況
(A)
「現状説明」
本学建物内はエレベーター設置(ユージニア館本館・ソフィア館・テレジア館・ユニソ
ン会館・マリア館に各 1 台)
、身障者用トイレ設置(各トイレ内に 1 カ所)
、出入口の段差
解消処置(簡易スロープ取付)
、外部スロープ設置(各建物への出入口)、全階段に手すりを
設置している。また、建物間はすべて渡り廊下と地下通路で連結され、外部空間も全面舗
装している。ソフィア館の一部とユージニア館別館を除いては、車椅子での通行が可能で
ある。キャンパス内には身障者専用駐車場(1 台分)もある。このように、本学における障害
者への配慮はおおむねできているといえる。
「点検・評価」
ユージニア館本館は中庭をもつ東西に長い建物であるが、エレベーターは北西の角付近
にあり移動距離が長くなる。また、ユージニア館別館にはエレベーターがなく、車椅子で
の 1・2 階移動はユージニア館本館経由となり、別館地階への移動はできない。各トイレに
は身障者用トイレが設置されているが、ソフィア館のトイレは出入口幅が狭いため、車椅
子での出入りがしづらい。車椅子への配慮はある程度なされているが、細部にわたる配慮
が必要な箇所がある。廊下の手すりや点字ブロック等は設置されていない。
「改善方策」
「北山キャンパス総合整備計画」においては、キャンパス計画全体に身障者・高齢者の
施設利用を充分に配慮した計画とする。
(組織・管理体制)
施設・設備等を維持・管理するための責任体制の確立状況
(B)(大学院も含む)
「現状説明」
本学の施設・設備の維持・管理は事務局総務部施設課が行っている。施設課の主な業務
は以下のとおりである。
(1)土地・建物・設備等の管理に関すること。
(2)施設・設備・備品の利用および貸与に関すること。
(3)建物・設備等の営繕および補修に関すること。
(4)付属設備(電気・ガス・給排水・冷暖房・電話等)の新設および管理に関すること。
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(5)備品の修理に関すること。
(6)防火・防災の指導および設備の保全に関すること。
(7)危険物の管理に関すること。
(8)構内の清掃・整理ならびに環境整備に関すること。
(9)そのほか施設等に関すること。
施設課は、事務職員 3 名、技術業務職員 4 名(派遣職員含む)
、用務職員 6 名(派遣職員
含む)
、警備職員 3 名(派遣職員による 24 時間勤務交代制)で業務を行っている。
教室設備のうち、コンピュータ設備は学術情報センターが管理している。
全学的な「施設・設備開発委員会」が施設・設備の開発等に関して、審議や協議を進め
ている。またこの委員会が「北山キャンパス総合整備計画」の企画や立案に参与している。
「点検・評価」
本学の改修工事等は、施設課が分離発注(各工事項目別)を行い、コストの削減を図って
いる。また小規模修繕、施設整備(外構、樹木等手入れ)
、備品製作修理等は本学の技術職
員が行うことによって、コスト削減に繋げている。改修工事等の分離発注はゼネコンや工
務店等への一括発注と比べてかなりのコストダウンとなるが、施設課の業務負担が増大す
る。
「改善方策」
2007(平成 19)年度より始まった「北山キャンパス総合整備計画」において、品質管理
の徹底と共にコスト削減に繋がる計画と発注方式を採用する。また、施設課における書式
の整備や管理体制を強化すると共に、事務の効率化を進める。
施設・設備の衛生・安全を確保するためのシステムの整備状況 (B)
「現状説明」
定期点検が義務づけられている電気設備・エレベーター設備・都市ガス設備・ボイラー
設備・消防設備・受水槽設備・汚水槽設備・空調設備等については、それぞれ専門業者に
依頼し、本学職員の立ち会いのもとに点検を実施している。また、施設・設備の破損箇所
や異常箇所についても、各専門業者に依頼し必要に応じた処置を施している。
「点検・評価」
「改善方策」
施設・設備の衛生・安全を確保することは、修繕費や更新費等の経費負担の増加を余儀
なくさせる。老朽化している施設・設備もあり、急を要する事態が多いが、日常の教育・
研究機能を停止することができず、限られた時間内で施工しなければならない。このよう
な状態に対応するため、本学と業者による協力システムが整えられている。
「北山キャンパ
ス総合整備計画」においても、最低限の費用負担で最大限の効果を有する施設・設備の衛
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生・安全態勢を実行すると共にシステムの強化と効率化を進めて行く。
2.学部・学科における施設設備等
大学・学部・大学院の教育研究目的を実現するための施設・設備等諸条件の整備状況の適
切性
(A)
「現状説明」
人間文化学部英語英文学科は、学科の特性上、LL 教室(1 部屋)、AV ルーム(1 部屋)
、
スタジオ(1 部屋)等がテレジア館に整備されている。ただ、LL 教室をのぞけば、少人数
語学教育用の演習室は配備できていない。
人間文化学部人間文化学科は学内のすべての校舎を利用しているが、同学科の学生が頻
繁に利用する施設の一つが、ユージニア館に複数あるコンピュータ実習室である。
心理学部は専有使用できる施設として実験室や行動観察室をもっており、心理学実験や
実習、観察等を行うことが可能である。しかし、それぞれの施設の稼働率が大変に高く、学
部定員の増加に伴い、実験器具や検査用具の追加購入を行ったこと等により、手狭になって
きている。また学内には、大学院の実習や外来の相談施設として心理臨床センターが併設
されていて、大学院の教育・研究の場として重要な役割を果たしている。
心理学部には小学校・幼稚園の教職課程が設置されているが、特に小学校の教科教育を行
うためには、専用の理科室、図工室、音楽室などが必要となる。しかし現在は、専門的な教
育を提供するのに充分な環境が整っていない状況にある。
生活福祉文化学部は、社会福祉援助技術演習のために 40 名定員の普通教室を演習室とし
て使用している。3・4 年次生配当のゼミ授業には、各ゼミの所属人数(1 ゼミについて学
生 8 名を限度)に応じて担当教員数(15 名)分の演習室が割りあてられるが、一部で普通
教室を転用している。
実験・実習室については、生活領域では食品学実験室(定員 24 名)、調理学実習室(同
32 名)、被服実習室(同 25 名)
、住居学実習室(同 20 名)
、家庭科教育実習室(同 25 名)
を保有している。福祉領域は介護技術実習室 3 室を保有している。さらに、社会福祉士受
験資格取得に必要な福祉関連の各施設における実習に関わる指導・相談を行う、外部実習
支援室(社会福祉相談室)を配置している。
「点検・評価」
人間文化学部英語英文学科については、語学教材の設置場所が適切ではない。教員の研
究室は狭いため、蔵書を配架することはおろか、学生の指導の場としても充分ではない。
人間文化学部人間文化学科では、学生がよく利用するコンピュータ演習室 5 部屋のうち 2
部屋にある合計 80 台のコンピュータが、UNIX 系 OS 環境と Windows 環境のデュアル・
ブートであり、多様な用途に使える。一般授業でコンピュータ演習室が利用されるケース
259
が増え続けていると同時に、レポートや卒業論文の作成のために学生がパソコンを利用す
る必要性が年々高くなっている。30 台以上のパソコンが設置されている演習室〔0〕、演習
室〔1〕、演習室〔2〕の 3 部屋は、授業で使われる時間帯が多くなっている。
心理学部心理学科では、学生数に対応した施設・設備を備えること、具体的には学年や専
攻を越えてゼミや演習を行ったり、学生が共同で学ぶことができる教室を確保することが求
められる。また、前述の問題を解決するために、教職課程を履修する学生のための理科室、図
工室、音楽室などの特別教室を備えることが必要である。
生活福祉文化学科の講義室は、受講者数に応じて単年度ごとに配当されるため、受講人
数に対する教室規模(収容定員)はほぼ適切である。その反面、専門科目授業でも使用教
室が数棟にわたって点在しており、教員や学生にとっての利便性が低い。受講者が 10 名以
下のゼミは演習室で行っているが、このような規模の演習室が教員の数だけはなく、小規
模の普通教室の転用でまかなっており、ゼミ運営には対応していない。実験・実習室のう
ち、食品学、調理学、被服学実習室については設備・収容定員規模ともに必要な機能や条
件は満たしているが、住居学実習室は、製図実習に特化した設備をもたず現代的機能を果
たしていない。また、介護技術実習室は宿舎スペースを改装・転用したもので、広さも設
備も現在の介護実習に求められる機能に適さない。
「改善方策」
人間文化学部英語英文学科では、学生が語学教材、パソコン、AV 機器などを自由に使え
る総合的な学習空間が必要と考えるが、目下それを実現する目処は立っていない。また、
教員の研究室については、現状の約 2 倍の空間が必要である。
人間文化学部人間文化学科では、常に学生が自習に使えるコンピュータ演習室の新規導
入が必要である。
生活福祉文化学部では、ゼミ形式の必修授業に対応する 15 名前後の定員規模で、テーブ
ルレイアウトも配慮された演習室の確保が急がれる。実習室としては、食品学実験と調理
学実習の各室については、今の設備を適切な時期まで維持、更新していくことが必要であ
る。住居学実習室については、受講者分(毎年 15∼20 名程度)の製図台の設置など、製図
実習に関わる装備が必要である。被服実習室については、電気器具使用時のコンセントの
不足や電気容量の不足が著しいので、それへの配慮が必要である。さらに介護技術実習室
については、全般に受講者数に対して部屋が狭く、介護ベッドやトイレなどが不足してい
るため、広さ、設備ともに充実化させる必要がある。
心理学部心理学科では、学生数に対応した施設・設備を備えること、教職課程を履修する
学生のための理科室や図工室などの特別教室を備えることが必要である。現在、野外に花壇
および畑を造成中であり、これを用いて理科教育の自然分野の教育は充実することが期待さ
れるが、物理や化学といった理科教育の成果を上げるためにも、これらの教育に対応する施
設・設備を完備することが求められる。
260
3.大学院における施設・設備等
(1)施設・設備等
大学院専用の施設・整備の整備状況
(B)
大学院学生用実習室等の整備状況(C)
「現状説明」
本学の大学院研究科は学部と同じキャンパス内にあり、教室・実験室・実習室・演習室
等についてはほぼ学部と共有している。大学院専用の施設・設備としては、スタディール
ーム(プランニングパネル 40 席、ゼミテーブル 68 席および専用ロッカー)が整備されて
いる。
「点検・評価」
スタディールームは、大学院開設時に北山キャンパス内の各既設建物を一部改修して設
置したため、利便性からいっても充分に満足できるものではない。また、学習への集中力
効果を配慮したプランニングパネル席は、横幅のサイズが小さいために窮屈さを感じる。
「改善方策」
「北山キャンパス総合整備計画」では、大学院学生の動線を充分に配慮したスタディー
ルームの配置や余裕のあるプランニングパネル席の設置を検討する。
実験等に伴う危険防止のための安全管理・衛生管理と環境被害防止の徹底化を図る体制の
確立状況 (B)
「現状説明」
大学院研究科における実験等に伴う危険防止のための安全管理・衛生管理については、
指導担当教員の責任のもとで学生への指導を徹底し、なおかつ管理についても責任をもっ
て行っている。
「点検・評価」
「改善方策」
大学院研究科における実験等に伴う危険防止のための安全管理・衛生管理については、
指導担当教員の責任下に行われており、大学全体で把握していないのが現状である。
今後は、実験等に伴う危険防止のための安全管理・衛生管理等について、大学全体の管
理の下に周知徹底して把握する必要がある。
(2)情報インフラ
学術資料の記録・保管のための配慮の適切性
「現状説明」
261
(B)
本学発行の『研究紀要』は国内外の大学・研究機関等と交換している。他大学などから
発行される紀要や資料等は図書館に保管されている。また、大学院各研究科学生による修
士論文も図書館に保管されている。
「点検・評価」
図書館に保存されている紀要類については、目録を作成して OPAC に載せている。修士
論文についてはデータ化をしておらず、リストから探さなければならない。
「改善方策」
本学においても今後ますます学術資料が増大し、その記録や保管の方法が複雑化・高度
化するものと考えられる。その記録・保管を効率よく行なうためには、データベース化が
必要である。
『研究紀要』については、PDF ファイルなどにより、その成果の公開に向けた
準備をすべきであろう。修士論文については、人間文化研究科応用英語専攻と心理学研究
科では、国立教育政策研究所・教育研究情報センターの求めに応じ、教育に関する修士論
文の題目と概要をデータ化し、公表しているが、すべての修士論文の題目や概要などデー
タ化することも検討すべきである。
国内外の他の大学院・大学との図書等の学術情報・資料の相互利用のための条件整備と
その利用関係の適切性
(B)
「現状説明」
本学は、国立情報学研究所の NACSIS-CAT/ILL(目録所在情報サービス)に参加し、
国内外の大学・研究機関等との協力関係を構築している。さらに、事務手続きの簡素化と
他機関からの利用促進を図るため、国立情報学研究所が提供する ILL 文献複写等料金相殺
サービスへ加入し、図書館相互利用サービスを行っている(図書館についての詳細は第 9
章を参照されたい)。
また本学図書館は私立大学図書館協会に加盟し、他大学図書館との相互協力関係を
構築している。さらに、私立大学図書館協会西地区部会京都地区協議会相互協力連絡会の
共通閲覧証協定に加盟し、訪問利用のための手続きの簡略化を行っている。そのほか、近
隣の国公立大学ならびに私立大学の図書館で構成する「大学コンソーシアム京都」
、カトリ
ック大学の図書館で構成する「日本カトリック大学連盟図書館協議会」に加盟している。
「点検・評価」
国立情報学研究所の ILL 文献複写等料金相殺サービスに加入したことにより、他大学か
らの文献複写等の依頼が飛躍的に伸びている。また共通閲覧証により、本学教員や学生に
よる他大学図書館の利用手続きも簡素化され、利用が増加してきている。
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「改善方策」
知識の拠点である大学の使命として、学術資料の蓄積は必須であり、今後これらの利用
をふくめた総合的な取り扱いが重要になる。そのためにも、現在の国内外の大学・研究機
関等との協力関係をより強固なものにし、その幅をさらに広げる努力が必要である。
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