第 12 章 管理運営 - 京都ノートルダム女子大学

第 12 章
管理運営
[到達目標]
学校教育法第 58 条③が「学長は、校務をつかさどり、所属職員を統督する」と規定して
いるとおり、学長が大学の最高決定権者であることはいうまでもないが、その学長を補佐
して教育・研究・管理・運営に関する重要な事項の審議を行なう機関が管理運営会議であ
る。一方、学部教授会および大学院研究科会議は、各学部・大学院各研究科の教学に関す
る重要な事項を審議する。管理運営会議および教授会・研究科会議に加えて、大学の多様
な活動や機能・責任に関して、種々の委員会が設置されている。
本学の管理・運営に関する審議を行なう管理運営会議、ならびに教学に関する審議を行
なう学部教授会・大学院研究科会議の機能を充実・向上させることは、大学の発展のため
に不可欠の要件である。そのためには学長、管理運営会議、学部教授会・大学院研究科会
議、各種委員会、事務局各部署等の相互の密接な連携を確立しなければならない。そうす
ることによって、現在および将来にわたって大学が直面するさまざまな課題に対する理解
や認識をすべての当事者が共有し、慎重・的確かつ迅速に対応策の検討・承認・決定が行
えるようにする。
1.大学・学部における管理運営
(教授会)
教授会の権限、殊に教育課程や教員人事等において教授会が果たしている役割とその活動
の適切性 (A)
「現状説明」
本学「学則」に基づき、各学部に学校教育法第 59 条第 1 項に定める教授会を置く。本学
の教授会は、すべての専任教授、准教授および講師をもって組織される。教授会は学部長
が招集し、学長が必要と認めた場合は全学教授会を招集する。定例の教授会は休暇期間を
除く各月に 1 回開催するが、学部長が必要と認めたとき、または教授会構成員の 3 分の 1
以上の要請があるときには臨時教授会が開催される。
教授会は以下の通り、教学および教員人事に関する事項を審議する。
(1)学部、学科そのほか教学に関わる重要な施設の設置、廃止に関する事項
(2)教育課程の編成に関する事項
(3)教員の人事に関する事項
(4)学生の定員に関する事項
(5)学生の入学、卒業、退学、編入学、転入学、再入学、転学部、転学科、転専攻、転出
学、留学、休学、復学、除籍、賞罰及びその他学生に関する事項
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(6)学生の厚生補導およびその身分に関する重要事項
なおカトリック教育センターおよび言語学習センターに所属する専任教員は、担当する授
業科目の専門性により、人間文化学部教授会の構成員となっている。
「点検・評価」
本学は単一学部であった時代が長く、そのために全学教授会方式を採ってきたが、数次
に及ぶ学部改組を経て、2007(平成19)年度に生活福祉文化学部が開設して3学部編成とな
ったことを契機に、学則を一部改正して各学部に教授会を設置した。教授会は休暇期間を
除く各月1回必ず開催されており、誠実に会議運営が行われている。教授会は各学部の教育
理念や専門性を充分に考慮した審議を行い、教育目標の実現と学部教育の充実を進めてい
る。学校教育法の改正などによって、わが国の大学における教授会の権限や役割は大きく
変化したが、本学においては教育課程や教員人事に関して幅広く、かつ深く討議を行う場
としての教授会は極めて重要な役割を果たしている。
人間文化学部は他の2学部とは異なり、既存の人間文化学科と英語英文学科の2つの学科
で1学部を構成していることから、学部として共通する目標や課題を確認し、2学科間の協
力体制を整える必要があるが、教授会の場において積極的な情報と意見の交換が行われて
おり、その要求に応えている。
「改善方策」
人間文化学部においては、各学科から数名を選出して、具体的な問題である「入学前教
育の方法」などに関して討議や意見・情報交換を行なうワーキング・グループの発足を検
討している。
教授会議事録は電子データ化することによって、構成員が随時閲覧可能な状況を提供し
ているが、全教職員へ伝達すべき情報を整理して、学内の伝達システムを確立する。
いっそう円滑で効率的な教授会を運営するために、事務部門との協力体制を検討・整備
し、情報交換をさらに密にする。
学部教授会と学部長との間の連携協力関係及び機能分担の適切性 (B)
「現状説明」
学部長は学部教授会を召集し、その議長を務める。定例の学部教授会は、休暇期間を除
く各月に1回必ず開催し、学部長が必要と認めた場合、または教授会構成員の3分の1以上
の要請があるときは臨時の教授会を開催する。
「点検・評価」
学部教授会は休暇期間を除き各月に 1 回開催されており、当該学部の教学に関する重要
な事項を審議するとともに、各種委員会委員および学部内の各業務担当者による発議や報
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告などを行なっている。教授会では教授・准教授といった職位と関係なく、すべての教員
に発言の機会が保障されており、透明性・公平性の高い運営が行われているといえる。
「改善方策」
教授会としての機能を維持し、効率的な会議運営を行うことが課題である。また円滑な
会議運営を行うため、各種委員会委員および学部内の各課題を担当する教員における事前
協議を充実させ、審議事項の事前通知の徹底を行う。
学部教授会と評議会、大学協議会などの全学的審議機関との間の連携及び役割分担の適切
性(B)
大学の意思決定プロセスの確立状況とその運用の適切性
(B)
評議会、「大学協議会」などの全学的審議機関の権限の内容とその行使の適切性
(B)
(1)全学教授会
「現状説明」
「教授会規程」に基づき、学長が必要と認めた場合は、全学の専任教員で構成する全学教
授会を招集し、学長が議長を務める。各学部に教授会が設置されてからは、全学教授会は
新学年度に学長が所信を表明したり、新任の教職員を紹介したりするために開催されるこ
とが一般的となっている。
「点検・評価」
大学全体にかかわるきわめて重大な事柄に関して、全学的な意思の形成を行ったり、学
部教授会の決定を全学教員に伝えて審議を促したりしなければならない事態も予想される
が、そのような例はこれまでない。
「改善方策」
全学教授会の開催を必要とする審議事項を明確にしておく必要がある。
(2)管理運営会議
「現状説明」
「管理運営会議規程」により、学長が議長として管理運営会議を招集する。本学の最高審
議機関として、教育・研究を含む大学の管理・運営に関する重要事項を審議する。学長、
各学部長、人間文化学部副学部長、各研究科長、人間文化研究科各専攻主任、各センター
長、各委員会委員長、事務局長、各部長が構成員となり(各室課の長は陪席)、以下の事項
を審議する。
①大学運営の将来構想に関する企画立案
②教授会の議事運営方針に関すること
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③予算編成および大学の財政に関する重要事項
④学則の改正に関すること
⑤大学の管理運営に関する規程の制定および改廃に関すること
⑥その他大学運営に関する重要事項
なお、大学の管理・運営に関する事項であっても、教育・研究のあり方や教員・学生の
処遇等に密接にかかわる場合には、管理運営会議に付議する前に、必ず学部教授会・大学
院研究科会議の意見を徴することとしている。
「点検・評価」
「改善方策」
管理運営会議は休暇期間を除く各月に1回必ず開催されており、各教授会や委員会、さら
には事務局の各部署の決定事項や提案事項を審議する、本学の最高審議機関として機能し
ている。管理運営会議の議事録は事務局総務課において管理しており、電子データ化によ
り大学の全教職員が随時閲覧可能である。今後、伝達すべき情報を整理するなどシステム
を確立し、迅速な運営を目指す。また、管理運営会議の審議を必要とする事項を明確にし、
事務部門との協力体制や情報交換を密にすることによって、管理運営会議の効率的な運営
をはかる。
現行規程では事務局の各課室長は管理運営会議に陪席を許されるにとどまっているが、
課室長の責任と権限の重さにかんがみ、管理運営会議の正式なメンバーとすることを検討
しなければならない。
(学長、学部長の権限と選任手続)
学長・学部長の選任手続の適切性、妥当性
(A)
「現状説明」
(1)学長(任期 4 年)は「京都ノートルダム女子大学学長の選考に関する規程」に則って
厳正かつ適正に選考されている。それによれば、
①学長候補者選考会議(理事会を代表する者 4 名、専任教員を代表する者 3 名、専任職
員代表者 1 名、計 8 名をもって組織する)に対して、理事(理事 1 名でも推薦できる)
による推薦書あるいは専任教職員 10 名以上の連署による推薦書を提出する。
②学長候補者として推薦された者は、学長候補者選考会議に履歴書および所信表明書を
提出する。
③学長候補者選考会議は意向聴取のための投票を実施し、その結果に基づき最終候補者
1 名を決定して、理事会に付議する。意向投票の投票権を有する者は専任教員および
主任以上の職員である。
④理事長は学長候補者選考会議が決定した最終候補者を、理事会の議を経て学長として
任命する。
(2)学部長(任期 2 年)は各学部の教授会で選出され、学長が任命する。人間文化学部に
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おいては、英語英文学科長と人間文化学科長が各学科の学科会議で選出され、うち 1 名
が隔年ごとに学部長に、他の 1 名が副学部長となる。
「点検・評価」
学部長候補者は各学部の教授会において選出され、学長が任命するが、選出および任命
の手続きは民主的でかつ透明性を維持している。各学部が独自の選考規程を有しており、
全学共通の選考規程はない。
「改善方策」
全学的な学部長選考規程を制定し、統一した選考方法に基づきながら各学部の特殊性を
充分に反映できるよう、各学部に内規を制定する。
学長権限の内容とその行使の適切性
(B)
「現状説明」
本学の学長は大学の教職員による意向投票を受けて、理事長により任命される。学校教
育法第 59 条③に定めるように、本学においても「学長は校務をつかさどり、所属職員を統
督」する。学長の専権事項は「学校法人ノートルダム女学院内規」に規定されているとお
り、大学の包括的最終責任者として管理運営会議、学部長・研究科長会議、全学教授会を
召集・主宰し、大学にとって重要な事項の決定と全学的意思の調整をはかる。また大学を
代表する法人理事として、理事会に出席し、大学の決定を法人方針として具体化するため、
審議、決定に加わる。
「点検・評価」
学長は大学の最終的な意思決定権者であって、学部教授会をはじめとする各会議や委員
会の決定に必ずしも拘束されるものではないが、現状では最大限にその決定を尊重してい
る。ただし、学長の権限や業務範囲が広範であり、かなり多忙であるといわざるを得ない。
「改善方策」
学部長、研究科長、センター長、各委員長、事務局長等の専決事項を精査し、規程で明
文化するなどして、学長の権限をできる限り委譲して、その負担を軽減する必要がある。
学長と評議会、大学協議会などの全学的審議機関の間の連携協力関係及び機能分担、権限
委譲の適切性
(B)
「現状説明」
管理運営会議は各学部長、人間文化学部副学部長、各研究科長、人間文化研究科各専攻
主任、各センター長、各委員会委員長、事務局長、各部長によって構成(各事務局の課・
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室長等は陪席)され、教育・研究を含む管理・運営に関わる重要事項を審議する本学の最
高審議機関であり、学長がこれを召集する。
「点検・評価」
「改善方策」
管理運営会議は、教授会や各委員会あるいは事務局各部署で審議・決定されたり、提案
されたりした事案を審議するべき、大学の最終的審議機関である。学長はこの会議を招集
し、議事を主宰する立場にある。学長は大学の最高意思決定権者として、管理運営会議の
審議結果に拘束されないが、教授会、各委員会で充分検討されたうえで管理運営会議に発
議されて審議された事案については、その意思を最大限に尊重している。
学部長権限の内容とその行使の適切性 (B)
「現状説明」
「教授会規程」により、各学部教授会は学部長が召集し、議長を勤める。定例の学部教
授会は休暇中を除く各月に1回開催し、学部長が必要と認めた場合、または教授会構成員の
3分の1以上の要請があるときには、臨時の教授会を開催する。
学部長は学部の最高責任者として学部に所属する教員の意見を取りまとめ、管理運営会
議に出席し、学部教授会の決定を可能なかぎり全学方針として具体化するための審議に加
わる。なお、後述するように、各学部長は学長補佐として、学部長・研究科長会議の一員
でもある。
「点検・評価」
学部長は、学部教授会を召集し、また管理運営会議に出席するなど、学部の最終責任者
としてその任を果たしているといえる。
ただし、後述のように学部長は学長補佐としての職務をもち、入試委員会など重要な委
員会の構成員であるため、学部長にかかる業務上の負担は膨大である一方、学部長の専決
事項を明文化したものがない。
「改善方策」
学部長の専決事項を規程によって明文化し、業務の効率化や省力化をはかる必要がある。
学長補佐体制の構成と活動の適切性
(C)
「現状説明」
本学においては、学則上および規程上副学長職が存在するが、現在は空席とし、それに
代わるものとして学長補佐を置いている。学長補佐は「学長補佐規程」により、学長の円
滑な大学運営を補佐するため、各学部長(人間文化学部にあっては学部長と副学部長)、各
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研究科長(人間文化研究科にあっては各専攻主任)の 8 人がそれぞれの任期の間、任命さ
れている。8 名の学長補佐は少なくとも月に 1 回、学長が召集する「学部長・研究科長会議」
に出席し、学長の諮問に応え、また学長の職務を代行する。
「点検・評価」
学長補佐は学部長・研究科長会議の構成員でもあり、8 人がそれぞれ個々に担当分野を定
め、学長を補佐する。学長補佐が現在果たしている役割から見ると、規程で定められてい
る副学長職を集団で担っている形である。
「改善方策」
学長補佐の専決事項を明文化し、業務の効率化や省力化をはかる必要があろう。
(教学組織と学校法人理事会との関係)
教学組織と学校法人理事会との間の連携協力関係及び機能分担、権限委譲の適切性 (A)
「現状説明」
学長は理事会に理事として参加し、管理運営会議の決定を基に大学の教学方針とその運
用を明らかにするとともに、理事会の承認を得て、法人全体の方針として運用している。
「点検・評価」
理事会は月 1 回開催されており、学則改正や教員の懲戒等、重要な事項に関して、審議
している。教員の採用手続きや昇任は学長の専決事項としてその権限を委譲されており、
専門性および自治性の高い大学の教学方針を反映する体制を維持している。
大学の教学方針と理事会の意見が異なる時には理事会の決定が優先されるが、そのよう
な場合は理事会が全学教授会などの場で報告するなど、大学の方針を尊重し、学内の同意
を得るための方策に努力しているといえる。
「改善方策」
理事会の審議を必要とする審議事項を明確にし、効率的な会議運用をはかるべきである。
また理事会議事録の学内開示を進め、理事会と大学との連携を親密にする必要がある。
2.大学院の管理運営
(大学院の管理運営体制)
大学院研究科の教学上の管理運営組織の活動の適切性
(A)
「現状説明」
本学大学院においては「研究科会議規程」に基づいて、研究科の意思決定機関として研究
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科会議が設置されており、その構成員は大学院授業科目を担当する専任教員である。研究科
会議は主として、研究科の教学上の事項や人事に関し審議する。
定例の研究科会議は、休暇期間を除く各月に1回開催することを原則とし、研究科長が必
要と認めたとき、または研究科会議構成員の3分の1以上の要請があるときに、研究科長は臨
時の研究科会議を招集する。研究科会議の議長は研究科長である。
研究科会議の主な審議事項は以下のとおりである。
(1)研究科担当教員の審査に関する事項
(2)研究科の課程及び試験に関する事項
(3)研究論文の審査に関する事項
(4)学位の授与に関する事項
(5)学位の取消に関する事項
(6)学生の賞罰に関する事項
(7)学生の入学、再入学、転入学、転学、退学、休学、復学、除籍及び留学に関する事項
(8)その他大学院の教学に関する重要事項
学長は必要と認めた場合に全学研究科会議を招集し、その議長を勤める。
「点検・評価」
心理学研究科は心理学部を基礎とすることから、その研究科会議は学部教授会に引き続
いて同日開催され、順調に機能している。人間文化研究科は 2 学部を基礎として、3 専攻か
ら構成されているため、各専攻の専攻会議で審議された案件を研究科会議に提出し、審議
する形をとっている。
「改善方策」
研究科会議および、専攻会議の審議事項を精査し、効率的な運用をはかる。
大学院の審議機関(大学院研究科委員会など)と学部教授会との間の相互関係の適切性 (B)
「現状説明」
人間文化研究科は 2 学部 3 専攻で構成されているため、各学部教授会との開催日や審議
内容の調整が煩瑣であるが、できる限り月 1 回の開催を目指している。一方、心理学研究
科は、学部教授会に引き続き同日開催されている。なお研究科会議の構成員は、同時に学
部教授会の構成員でもある。
「点検・評価」
複数の学部を基礎とする人間文化研究科は、各学部教授会との開催日や審議内容の調整
が煩瑣であるために、各専攻主任間で議事を精査し調整しており、必要に応じて研究科会
議を行っている。心理学研究科では学部教授会と研究科会議が同日に開催されていること
もあり、重複する審議事項の調整も順調に行われている。
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「改善方策」
生活福祉文化学科が学部化された現在も、大学院生活福祉文化専攻は人間文化研究科に
属していることは問題が多く、生活福祉文化研究科を独立して設置することを速やかに検
討しなければならない。
大学院の審議機関(同上)の長の選任手続の適切性 (B)
「現状説明」
大学院の審議機関は研究科会議であり、その長は研究科長である。各研究科長の選出過
程は次の通りである
(1)人間文化研究科長
①各研究科の専攻会議で専攻主任を選挙により選出する。
②研究科会議において専攻会議で選出された各専攻主任の中から学長が研究科長を任命
する。
(2)心理学研究科長
研究科会議において選挙により候補者を選出し、学長が任命する。
専攻主任、研究科長の選任を定める規程はなく、慣例に基づいて実施されている。
「点検・評価」
専攻主任、研究科長いずれの選出段階においても選挙が行われており、最終的に学長が
任命することになっているため、公平かつ透明性の維持が図られている。
「改善方策」
研究科長の選出について、これまで充分適正に実施されてきたが、実態に即した研究科
長選考規程を早急に制定する必要がある。統一した選考方法に基づきながら、なお各研究
科・専攻の特殊性を充分に反映できるよう、各研究科の選考内規を制定する。
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