1 - 西南学院大学

12.学生生活
【到達目標】
て奨学金を給付する制度に改めた。さらに、給付奨学金に
従来まで、学生生活面(経済的支援や就職支援)につい ついては採用人数枠を年間 8 名から最大 70 名に拡大した。
ては、どちらかといえば学生からの訴えかけに応じる形で
一方、貸与奨学金については、返還滞納の問題を解消す
サービスを提供していた。しかし、近年においては、あら るために督促業務を強化し、電話による返還請求や住所不
かじめ学生のニーズの高さや緊急性を把握し、その状況に 明者に対する住民票等による追跡調査を行っている。その
応じた支援策や予防策を準備することが求められており、 結果、2005 年度からの回収金額は、以前と比較して増加し
むしろ、
大学からの積極的な働きかけが必要となっている。 てきている。特に、住所不明者については、追跡調査を進
とりわけ、学生相談やハラスメントの防止においてその必 めていることから、今後もその数は大幅に減少することが
要性が高い。
見込まれる。
一方、学生の自主的活動として取り扱われてきた課外活
間接的な経済支援となる学生寮の運営においては、築 40
動については、正課外教育の一つとして捉えなおされ、そ 年を経過した男子寮の建て替えに着手し、2008 年 4 月から
の支援のあり方が重要性を増してきている。
新男子寮として運営を開始することになった。これによっ
こうした状況から、本学では、大学が行う教育研究の成 て、建物の老朽化のゆえに入寮を控えていた学生に対して
果を高めるために、教育研究環境の整備とともに、学生生 も、快適な住居環境を比較的安価で提供することが可能と
活面における各種の支援策を積極的に、かつ、様々な事情 なる。
に即したきめ細かな形で実施する。
③改善方策
学生への経済的支援については、学生のニーズが高く、
【1】学部学生への学生生活への配慮
また、
直接的支援として有効性が高い奨学金制度を中心に、
今後も継続して支援策の充実・改善に取り組む。
(学生への経済的支援)
①現状説明
学内奨学金については、懸案事項である貸与奨学金の返
本学では、学生への直接的な経済支援として、各種奨学 還回収の強化に引き続き取り組み、原資の確保を図るとと
金制度、課外活動等における負傷に対する医療費補助、そ もに、学生のニーズに応える新たな給付奨学金制度を検討
して、短期貸付制度の学生金庫を運用している。また、間 する。
接的な経済支援として、アルバイト情報提供及び学生寮の
一方、奨学金システムに関しては、2010 年の新システム
運用を行っている。
移行に向けて再構築作業に着手しており、その中で web を
経済的支援の中心となるのは、
各種の奨学金制度である。 活用した奨学金募集情報の提供や応募手続きの簡素化、奨
本学において取り扱っている奨学金は、本学独自の学内奨 学金の早期交付等のサービスの向上を実現する。
学金と日本学生支援機構奨学金、地方公共団体及び民間団
その他の経済的支援としては、新たな直接的支援として
体奨学金の学外奨学金がある。
学内ジョブ制度の導入を検討し、経済的事情を抱える学生
本学独自の学内奨学金については、2007 年度より給付奨 に対する有効性を確保する。
学金を強化し、採用枠を大幅に拡大した。
西南学院
奨学金業務においては、2000 年度より事務機械化に伴う
奨学金
大学
西南学院大学奨学金
奨学金システムを運用しており、奨学金の選考・推薦業務
名称
入学時奨
の迅速化及び効率化を図っている。
学金
貸与奨学金については、滞納返還金の回収が大きな課題
2年
1年生
採用種
1年生 応急
となっており、回収業務にも努めている。
生以
(入学
別
(後期) 採用
②点検評価
上
時)
奨学金に対する学生のニーズは高く、
2005 年度から 2007
2004 年 (給付) 3 人
1人
4人
年度にかけては、毎年度約 1,000 名の応募があった。この
度
(貸与) 91 人
32 人
39 人
うち、日本学生支援機構の第 2 種奨学金(有利子貸与)で
2005 年 (給付) 3 人
1人
-
4人
も可とする学生については、ほぼ希望者全員が採用に至っ
度
(貸与) 78 人
28 人
-
39 人
た。
2006 年 (給付) 3 人
1人
-
4人
学内奨学金においては、学生のニーズに応え、また、奨
度
(貸与) 83 人
15 人
1人
37 人
学金の趣旨を有効に活用するための見直しを図った。
まず、
2007 年 (給付) 37 人
人
-
4人
学内基金奨学金制度について、基金運用方法の見直しによ
度
(貸与) 33 人
人
2人
28 人
る奨学金額の増額と選考方法の効率化を図った。また、大
学独自の給付奨学金制度については、家庭の経済的事情に
加えて学業成績や課外活動等における優れた成果を評価し
507
12.学生生活
(生活相談等)
度から「西南学院セクシュアル・ハラスメント防止・対策
①現状説明
に関する規程」及びガイドラインを制定・施行し、関係委
学生の生活相談全般については、学生課が窓口となり、 員会や相談員の配置等の組織体制を整備している。
様々な相談を受け止め、
相談内容に応じて関係組織
(教員、 ②点検評価
その他の関係部署等)と連携を図り対応している。また、
本学の学生定期健康診断の特徴は、全学生に対する保健
学生の心身の健康保持・増進及び健康の自己管理能力の育 師面接である。保健調査票に基づき、障害者・病弱者を把
成やカウンセリング等の専門的支援を行う部署として、保 握すると共に、自覚症状や生活習慣状況を確認し、健康相
健管理室と学生相談室を設置している。
談や保健指導を実施している。新入生の中で必要な者には
保健管理室は、保健師 3 名及び非常勤学医(週 1 回来校) 健康診断会場でカウンセラーが面談し、学生相談室での継
を配置し、保健委員会で審議した学校保健計画に基づき、 続相談に繋いでいる。その結果、入学時から卒業に至るま
各種の健康支援を行っている。特に、2006 年度は、教職員 での間、学生の心身の健康状態に応じた支援体制整備が可
の衛生委員会を発足させるなど運営面の円滑化を図った。 能となる。
保健管理室が中心となって、毎年度、全学生を対象とし
保健管理室では、学校保健法に基づく健康支援を一定の
て実施している定期健康診断の総受診率は、別表のとおり 水準で提供できていると考えられるが、生活習慣の乱れに
良好である。健康診断及び学医・保健師による保健指導や 対する食育などの予防的支援をはじめ健康保持・増進のた
外部医療機関の紹介などの事後措置により、疾病の早期発 めの教育的な取り組みが不足している。
見に努めている。保健管理室の利用状況は、別表のとおり
学生の安全・衛生面の対応に関しては、ここ数年、大学
で、実人数及び延べ利用件数とも年々増加している。応急 の管理責任が問われるような事故は発生していないが、よ
処置及び健康相談は保健師が対応し、週 1 回学医相談日を り迅速、かつ、適切な対応を図るための関係部署間の組織
設けている。2006 年度は、ダイエット相談、ストレス関連 整備や学生からの意見・要望を把握して対応するための仕
症状の相談、
休養室頻回利用者などが増加している。
なお、 組みの充実を図る必要がある。
症状の背景に心理的問題が疑われる学生の場合は、カウン
学生相談室では、2005 年度以降、非常勤カウンセラーの
セラーと連携して対応している。
相談時間延長、カウンセラーの終日2名体制化、嘱託常勤
学生の安全・衛生面については、学生課、施設課、保健 カウンセラーの専任化など、次第に相談体制を充実させた
管理室が中心となって、キャンパス内の感染症予防対策、 ことで、学生の利用者も増加したと考えられる。
緊急時の救護体制の整備、障害者支援体制、学内各種施設・ 学生生活上の様々な相談については、専門的支援を行う
設備の点検等を日常的に取り組んでいる。
学生相談室(カウンセラー)を中心に、学医及び保健師、
学生相談室は、本学学生が抱える諸問題について相談に 関係学部、学生課や教務課などの関係部署が連携して、状
応じ、学生生活が円滑に行われるように支援することを目 況に応じた支援を提供できている点は長所である。
的として設置され、主任(本学教員)1名、学医(精神科
セクシュアル・ハラスメント防止に向けては、毎年度、
医・本学教員)1名、常勤カウンセラー1名、非常勤カウ 新入生に対して本学が取り組んでいるセクシュアル・ハラ
ンセラー5名を配置している。なお、学生の利用状況は別 スメント防止に関するリーフレットを配付し、また、学生
表のとおりで、学生の多様化に伴い悩みを抱えた学生が増 課や教務課などの窓口にリーフレットを設置し、学内各所
えている傾向にある。
の掲示板にはポスターを掲示するなど、セクシュアル・ハ
また、学生課では、何らかの理由で学生生活に適応でき ラスメントについての意識向上を図っている。この取り組
ない学生や不登校に陥っている学生、思うように単位を取 みの結果、大学内におけるセクシュアル・ハラスメントに
得できない学生に対して、必修の授業を連続して3回欠席 関する意識は向上しており、被害の発生や拡大を防止する
した学生への長期欠席者面談、単位取得状況を基にした成 効果が現れていると考えられる。
績不振者面談を実施している。呼び出しを受けた学生に対 ③改善方策
して各学部から1名ずつ選出された教員(学生主任)と学
学生が抱える様々な問題については、その相談内容に応
生課学籍担当者が面談をし、特に精神面の不調が見られる じて対応する組織づくりは概ね整備されているが、
今後は、
学生には学生相談室のカウンセラーが対応し、必要に応じ 学生課や教務課、教員(学生主任)等を含め、それぞれの
て学医(精神科医)や学外の医療機関や相談機関を紹介し 立場を活かした全学的な学生支援のための協働体制の構築
て、医師等と連携を図っている。学生主任は、休学や退学 に取り組む必要がある。
等の学籍相談に加え、学生からの様々な相談を受け止める
特に専門的な支援を行う学生相談室は、個別相談に加え
機会として、週に 1 コマの相談日(オフィスアワー)を設 て啓発的・予防的活動を活発に行い、学内における学生相
けている。
談室の機能の周知に更に努めることが必要である。その取
一方、セクシュアル・ハラスメントに対しては、2001 年 り組みを通じて、支援が必要な個々の学生に対する全学的
508
12.学生生活
な支援体制の整備やそうした相談業務を支えるための組織 ①現状説明
作りを行っていくことが課題である。
本学では、事務局に就職課(スタッフ9名及び東京駐在
同様に、保健管理室についても、啓発的・予防的な健康 員1名)を設置し、教員で組織された就職委員会(学生部
長、各学部長及び各学部から選出の計15名で構成)と連
支援を行うための組織作り及び体制整備が課題である。
緊急時の救護体制や障害者支援体制については、既に関 携をとりながら学生の就職活動を積極的に支援している。
係部署によって具体的な支援策が講じられているが、
今後、 併設の資料室には、求人票、就職活動体験報告書、企業フ
全学的な安全・衛生対策を含めた大学としての整備案の取 ァイル、参考図書などを配置するとともに、インターネッ
りまとめや必要な予算措置を図るための委員会等の組織整 トに接続した専用端末を設置し、情報収集の場として提供
している。
備を行う。
また、セクシュアル・ハラスメント防止に関しては、人
常駐のキャリアアドバイザーは配置していないが、東京
権尊重を含めた幅広いハラスメント防止に向けて、組織体 駐在員(民間企業で採用人事や研修を長年担当、現在人材
制の見直しを図り、新たな予防啓発活動の積極的な推進に 育成コンサルタントとして独立)をキャリアアドバイザー
取り組む必要がある。
と位置づけ、学内で実施する就職相談会、各種就職講座、
今後、多様化・複雑化する学生の相談に対応するために 東京地区での就職活動の進め方など、豊富な知識・経験と
は、大学の中長期的目標として、学生支援組織体制を見直 東京地区での企業訪問で得た情報などを踏まえ、学生に対
貴重な存在とな
すことが必須であろう。その具体的な取り組みとして、一 し実践的な指導・アドバイスを行っており、
般的な学生生活相談部門と専門的相談部門との分離または っている。また、就職活動を終えた4年生が3年生の就職
再統合、スタッフ配置等について検討し、
「学生相談支援セ 相談に応じるスチューデントアドバイザー制度も有効に機
ンター(仮称)
」構築に向けたマスタープラン策定を行う。 能している。
その過程において、学生部組織の課題及び今後充実すべき
就職ガイダンス等支援プログラムの実施状況及び各種刊
役割はどのようなものかを再検討し、目標を再設定しなけ 行物は、
(表1)
(表2)に示すとおりである。就職課では、
ればならない。なお、学生生活支援は教学部門全体で行わ 就職活動の早期化と低学年からのキャリア形成支援に対応
れているものであるため、関連部署との懇談、協議を重ね するため、EQコンピテンシー検査を1年次と3年次に受
ながら進めることが重要である。
検させ自己のキャリアの方向性を自発的に考え行動するよ
う動機づけを行うとともに、
2年次・3年次を中心にインタ
ーンシッププログラムの提供や、2年次の1月に就職活動
定期健康診断受診率
2003 年度 2004 年度 2005 年度 2006 年度 準備というテーマで講演会を実施し、早期からの職業
観の醸成を支援している。また、3年次の6月には第
定期健診対象者数
8,086 人
8,287 人
7,946 人
7,920 人
学内健診受診率
93.5%
94.1%
94.0%
93.9% 1 回就職説明会を実施し、現状の就職環境や本学の就
職状況を伝えるとともに、就職意識の高揚と動機づけ
健康診断総受診率
97.3%
97.5%
98.0%
98.0%
を行っている。9月には第2回就職説明会、また3年
(未検者健診含)
次の1月までに 10 回を超える就職講座や業界研究会、
採用セミナー等を実施し、
きめの細かい対応を行っている。
保健管理室利用状況
また、企業からの求人票、学生の進路希望登録カード、
2003 年度 2004 年度 2005 年度 2006 年度
実人数
1,311 人
1,501 人
1,552 人
1,596 人 進路報告書(紙ベース)を基にデータベースを構築し、就
利用率
16.2%
18.1%
19.3%
19.9% 職希望統計、求人統計、決定統計、その他必要な統計デー
延べ利用件数
2,036 人
2,837 人
3,096 人
3,141 人 タを作成している。この統計データは、学生、教員、父母
等への情報提供や外部団体からの各種調査への回答等に利
用している。
学生相談室利用状況
②点検評価
2003 年度 2004 年度 2005 年度 2006 年度
過去3ヶ年の卒業生の進路状況の推移は、
(表3)
(表4)
実人数
291 人
349 人
330 人
342 人
に示すとおりである。就職環境の好転とも相俟って、ここ
利用率
3.65%
4.31%
4.11%
4.26%
数年就職決定率が上昇を続けている。2006 年度の就職決定
延べ利用件数
1,698 人
1,869 人
1,583 人
1,515 人
状況をみると、規模別(民間企業)では、39.7%が資本金
100 億円以上の企業に決定しており、資本金 10 億円以上の
企業を含めると 59.4%となる。このことは、本学学生が就
職市場で高い評価を得ている証左であろう。また例年 40%
(就職指導)
前後の学生が就職する東京地区に東京駐在員を配置してお
509
12.学生生活
り、進路・職業選択に関わる指導や体制においても学生や
③改善方策
企業のニーズに対応した措置を講じている。
学生の職業観の醸成、就業意欲の高揚、進路・職業選択
公務員、教員、幼稚園、保育園への就職に関しては、ほ に関する指導・助言など、低学年からの継続的なキャリア
ぼ毎年同水準の合格・採用実績を上げている。特に小学校 形成支援プログラムと就職支援体制を更に充実・向上させ
教員、幼稚園教員は、採用試験対策に熱心に取り組んでい ることが、大学に対する社会的要請である。具体的な項目
る教員や学生たちの努力が、着実に実を結んでいるといっ としては、
てよい。
1.職業観の醸成を目的としたキャリア教育・正課外教
育の積極的展開及びインターンシップ制度の更なる
就職課の就職指導の基本方針は、①一人ひとりの学生に
拡充
きめの細かい支援「顔の見える支援」をすること。②低学
年の段階から就職に対する意識を高めさせること、の2点
2.基礎ゼミ・専門ゼミ等をとおしての社会人基礎力等
である。これが本学の就職指導の2本柱である。実施して
の育成
いる就職支援プログラムについては、前掲の就職実績等に
3.学部・学科(専攻)に特化した進路支援
鑑みて、おおむね適切であるといえる。本学が高い就職率
4.関西地区駐在員配置の検討
を維持しているのは、就職活動の早期化に対応して、早く
5.常勤キャリアカウンセラー配置(きめの細かい支援
からきめの細かい支援をしていることも大きな理由の一つ
の充実)の検討
であろう。
6.就職課スタッフの能力開発
また、就職関係のデータに関しては、構築しているデー
7.学生の進路・就職に関する教員の意識向上
タベースを基にした統計データを用いて、容易かつ迅速な
8.最終学年後半(就職内定後)におけるフォロー体制
業務処理を行っており、その機能と情報を効果的に利用し
の整備
ている。
9.求められる資格・技能・知識習得を促進できる講座
なお、就職指導上の課題としては、学生の希望とのミス
等の充実
マッチを防ぐための方策の検討、就職しない者(表3の「就
10.学生の就職データ等情報収集方法の検討
職希望せず」及び「不明・未定」
)への対応が挙げられる。 などが挙げられる。
また、支援体制として、東京駐在員の本学での活動時間に
学生の潜在能力を引き出し、開花・向上させ、社会が求
制約があることから対応件数に限界があり、学生のニーズ める資質と能力を備えた優れた人材を社会に送りだすこと
に十分に応えることができないことも挙げられる。
さらに、 が学生への本来のサービス活動であり、その実現のために
統計関係では、学生から十分な報告が得られないために、 は、人材育成のための教職員協働による全学的な取り組み
進路決定状況の把握が不完全となって、データベース構築 が重要である。
の基礎となる情報の正確さに欠ける点が懸念される。
(表1)就職説明会・キャリア形成支援ガイダンス抜粋)
ガイダンス名
公務員ガイダンス
対象学年
2~4 年生
開催時期
趣
旨
4~1 月
国家公務員、地方公務員希望者に対して、外部より講師を招き、受験状
況、試験の概要や流れ等について説明会を実施している。
幼稚園教員・保育 全学年
士就職説明会
6~7 月
教員採用試験対策 2~3 年生
ガイダンス
10 月
幼稚園教員・保育士希望者に対して、本学教員及び職員により、受験状
況、試験の概要や流れ等について説明会を実施している。幼稚園に関し
ては、外部から講師を招いての説明会も実施している。
小・中・高教員希望者に対して、外部より講師を招き、受験状況、試験
の概要や流れ等について説明会を実施している。
就職説明会・就職 2~3 年生
講座
6~1 月
就職活動に対する心構えや基本的な情報を周知させるために、6 月から
年数回実施している。経済や社会の情勢、業界の動向や企業の採用に関
わる情報、そして各学部の 4 年生の体験談や、実際の就職活動の方法な
ど、具体的な事例を挙げ、説明している。
キャリア形成支援 1・2 年生
プログラム
12~1 月
低学年の学生に対する支援行事として、講演会を中心に年数回実施して
いる。
510
12.学生生活
(表2)就職活動支援刊行物(抜粋)
刊行物名称
対象学年
刊行時期
キャリアデザインを描こう
新入生
4月
第 1 回就職説明会資料
(就職統計、就職先一覧、4 年生からのメッセージ)
3 年生
6月
就職活動ハンドブック
3 年生
9月
就職のしおり Ⅰ、Ⅱ
3 年生
9 月、1 月
就職活動ダイアリー
(留学編、航空業界編、マスコミ業界編)
3 年生
11 月~12 月
採用人事担当の方へ
西南学院大学のご案内
企業向け
1月
(表3)過去3ヶ年の西南学院大学における卒業生の進路状況(数値は人数)
男
2004 年度
2005 年度
2006 年度
全学部
全学部
全学部
女
合計
男
女
合計
男
女
合計
卒業者数
717
1,164
1,881
683
1,124
1,807
651
1,065
1,716
希望者数
427
838
1,265
428
825
1,253
474
840
1,314
決定者数
384
739
1,123
389
739
1,128
441
791
1,232
89.9%
88.2%
88.8%
90.9%
89.6%
90.0%
93.0%
94.2%
93.8%
就職率
進学(大学院・
専攻科)
26
18
44
32
21
53
18
24
42
就職希望せず
140
184
324
118
151
269
82
101
183
不明・未定
167
223
390
213
357
110
149
259
(表4)過去3ヶ年の公務員、教員、幼稚園、保育園への就職状況(人数)
2004 年度
2005 年度
全学部
2006 年度
全学部
全学部
男
女
合計
男
女
合計
男
女
合計
公務員
30
12
42
25
20
45
25
16
41
教員(小・中・高)
10
19
29
4
22
26
3
20
23
幼稚園
1
12
13
0
16
16
0
17
17
保育園(公立含む)
0
13
13
0
17
17
0
10
10
511
12.学生生活
(課外活動)
正課外教育の重要性の再認識という高等教育全体の傾向
①現状説明
を受け、本学でも、課外活動に対する支援のあり方につい
2005 年度から 2007 年度にかけて課外活動に所属してい て再検討する必要がある。
る学生の数の推移は、クラブ間の違いはあるが概ね横ばい
なお、本学の就職業務は伝統と実績によって確立されて
傾向にある。特徴的な変化としては、永年活動の実績があ きたものではあるが、常に社会情勢の変化を注視し、社会
り OB 組織も存在している、
いわゆる伝統あるクラブ活動団 および学生のニーズに応えるべく日々改善の努力を行って
体のいくつかが、部員不足から活動を休止する状況となっ いる。その一例を挙げれば、これまで実施してきた語学力
ていることである。また一方では、大学公認の課外活動団 向上のための対策講座、情報処理関係・秘書検定・旅行管
体ではない、いわゆるサークル・愛好会といった団体に所 理者等の資格対策講座に加えて、2007 年度から新たに宅地
属する学生が増えている。こうした状況から、学生は自分 建物取引主任対策講座、二種証券外務員対策講座、ファイ
の居場所を求めて課外活動に所属する意思は持っているも ナンシャル・プランナー対策講座を開講している。
のの、クラブ選びにおいては現代の学生気質を反映する ③改善方策
様々な要素が存在していると考えられる。
高等教育全体の動きに合わせて、本学においても課外活
本学には、特定の課外活動団体の強化を目的とする推薦 動を正課外教育として再認識する必要があり、
そのために、
入試制度等はなく、大学として全国レベルの競技成績を期 課外活動に対する大学の基本姿勢(教育的意義と期待)を
待する取り組みは行っていないが、学生及びクラブの努力 学内外に明確に示す必要がある。
によって、
全国大会出場の成果を上げているところもある。 その上で、本来、自主的な活動である課外活動に対する
現在、大学が課外活動のために行っている支援方策とし 大学の支援のあり方を検討する必要がある。
ては、用具購入や遠征費用のための費用の一部を補助する
具体的な支援策としては、従来から行ってきた経済的支
といった経済的支援が中心となっているが、学生課では各 援の他に、課外活動を正課外教育の一環として奨励し活性
種手続きを通じて各課外活動団体とのコミュニケーション 化させることを目的に、表彰制度や課外活動の成果を広報
の機会を設けて、学生ニーズの把握に努めている。
する機会を設けたい。
なお、近年、多くの大学において正課外教育の重要性の
なお、今後、課外活動を正課外教育の一環として再確認
再認識が盛んに論じられており、その中でいわゆる課外活 し、具体的な支援策を検討する上で必要なことは、本学の
動についても人間的成長の機会を提供するものとして教育 学生が課外活動に何を期待し、大学からの支援策として何
的意義が認められている。そして、今後、大学として正課 を望んでいるのか、といった学生の声に耳を傾けることで
外教育に対する支援のあり方を積極的に見直す取り組みが ある。そのために、サークル・愛好会を含めた課外活動団
検討されている。
体に所属する学生や一般学生との意見交換会の実施を図り
また、
本学では、
就職支援の重要な業務のひとつとして、 たい。また、OB組織や指導者との協力関係のあり方や社
専門学校と契約して資格取得対策講座(情報処理、TOEIC、 会からの期待(要請)についても検討したい。
秘書検定、旅行業務取扱管理者等)を実施し、学生の就職
また、資格取得のための課外授業については、社会に有
の一助となるよう努めている。
為な人材を送り出すために、社会および学生のニーズに応
えるべく、今後、さらに幅広い分野の講座を開講し、就職
②点検評価
大学が課外活動のために行う経済的支援に関しては、試 に直結した資格取得講座の導入について検討していきたい。
合大会参加にかかる交通費や用具購入、施設利用料などを
補助することによって学生の負担軽減を図ることが可能と
課外活動参加状況
なることから、課外活動に参加している学生の満足度を高
年度
2005年度
2006年度 2007年度
め、ひいては、成績向上への意欲を高める効果が期待でき
る。
体育会
882
984
1,003
経済的支援の窓口となっている学生課は、各種の手続き
学術文化会
1,658
1,624
1,691
を通じて各課外活動団体やそれをまとめる体育会と学術文
応援指導部
86
86
86
化会の総務委員会等と日常的に接しているが、課外活動に
その他の公認団体
304
310
284
関する相談が学生生活全般についての相談の「きっかけ」
スポーツ系愛好会
1,511
1,793
1,933
となることも多く、窓口相談業務も重要な学生支援の一つ
文化系愛好会
485
436
380
といってよい。
合計
4,926
5,233
5,377
一方、サークル・愛好会といった課外活動団体に対して
は、大学としての経済的支援がなく、また、公認の課外活
動団体に比べ大学(学生課)との関わりも薄い。
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