平成21年度千葉市食品衛生監視指導計画について(概要版)

平成21年度
千葉市食品衛生監視指導計画
千葉市保健福祉局健康部
はじめに
千葉市では、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、市民の健康保護を図る
ため、飲食店や食品製造施設、食鳥処理施設などの監視指導を行うほか、市内に流通
する食品等※の試験検査を行っていますが、昨年度は、農薬や化学物質が食品に混入
する問題の発生などによって、消費者の食の安全に対する不安がかつてないほど高ま
ることとなりました。
そこで、平成20年度には組織改正を行い、保健所食品安全課として食品衛生監視、
食の安全に関する事務の一元化を図り、食の安全に対する監視体制を強化しました。
また、健康被害に関する情報が保健所に営業者から報告された場合はもとより、
直接、市民から寄せられた不良食品に関する相談事例についても、調査や必要な精密
検査を行い、原因の究明及び再発防止の指導に努めることとしています。
その趣旨も踏まえ、平成21年1月には「千葉市食品衛生法に基づく公衆衛生上講
ずべき措置の基準に関する条例」を改正し、消費者への食品等の安全情報の提供を
保健所長の許可を要する営業者からすべての食品等取扱営業者へとその範囲を拡大
し、併せて健康被害に関する情報や食品衛生法違反食品等の情報の保健所長への報告
を新たに規定しました。
以下に示す「千葉市食品衛生監視指導計画」は、皆様が安心して食生活をおくる
ことができるよう、食品等の生産、製造、流通等の状況、食品衛生上の問題や食中毒
の発生状況、またリスクコミュニケーションの一環としてパブリックコメント手続の
実施等により市民や食品等事業者の意見を反映の上、本市の監視指導の実施体制を
考慮し、策定したものです。
※食品・添加物・器具及び容器包装をいう。
重点的に監視指導を実施する施設
食品への農薬等の混入問題のほか、過去の食中毒発生状況や健康被害が起こったと
きの影響の大きさなどを考え、次に示す食品取扱施設を重点的に監視指導を行います。
【重点的な立入検査施設】
対
食品の流通拠点となる施設
象
施
(詳細は別添1のとおり)
設
年間立入検査予定回数
(回数は対象施設当り)
食品製造施設
1~2回
大規模食品取扱施設
(調理・販売)
1~2回
中央卸売市場内の主な施設
2~78回
大規模食鳥処理場※1
17回
1
給食施設
(大量に調理する給食施設及び 学校・病院・社会福祉
患者・高齢者・乳幼児等が主に 施設などの給食施設
利用する給食施設)
ふぐを調理、提供等する施設
ふぐ営業認証施設※2
大規模イベント開催時における
幕張メッセ
食品取扱施設
など
1回
1回
1~2回
※1鶏・あひる・七面鳥を食用に供するために処理(とさつ、羽毛除去など)する施設をいう。
※2ふぐの取扱い等に関する条例(千葉県条例)の規定に基づき保健所長の営業認証を受けた施設を
いう。なお、この営業認証を受けなければ千葉県内でふぐの取扱いはできない。
【食品製造施設に対する主な監視指導項目】
・従事者の健康管理記録や製造工程における生産管理記録など各種記録の点検
・原材料の使用、保管状態の点検(消費期限内の使用、衛生的な保管など)
・製造工程における異物の混入のほか、微生物や化学物質による汚染などの可能性に
ついての点検
・機械器具類の洗浄・殺菌方法や管理状況の点検
・容器や包装資材の保管場所・保管状態の点検
・製品の包装・表示・取扱い・保管状況の点検
・不良品などの取扱状況の点検
・添加物※の取扱い・保管状況の点検
※ 食品を加工、保存等するために食品に添加、混和、浸潤などの方法によって使用するものをいう。
(着色料、保存料、甘味料など)
【飲食店などの営業施設に対する主な監視指導項目】
・営業設備の構造等の点検
・食品取扱設備等の点検
・給水設備、排水等の管理の点検
・施設の清潔保持
・施設内外の衛生管理の点検
・ねずみ、昆虫等の駆除及び排除
・食品の相互汚染防止対策
・適正温度での食品の管理
など
・食品衛生責任者の設置の確認
・従事者の自主的衛生管理の点検
・従業者の健康管理
・従業者の衛生管理(衛生教育を含む)
2
【食品販売業などの営業施設に対する主な監視指導項目】
・営業設備の構造等の点検
・食品取扱設備等の点検
・給水設備、排水等の管理の点検
・施設内外の衛生管理の点検
・施設の清潔保持
・ねずみ、昆虫等の駆除及び排除
・食品の相互汚染防止対策
・適正温度での食品の管理
など
・食品衛生責任者の設置の確認
・従事者の自主的衛生管理の点検
・従業者の健康管理
・従業者の衛生管理(衛生教育を含む)
・不衛生、有害又は有毒な食品等ではないことの点検
・食品衛生法で定められた規格基準※に適合した食品等であることの点検
・食品の名称・製造所所在地・製造者氏名・期限表示・添加物等の表示の点検
※食品、添加物の製造、加工、使用、調理又は保存の方法の基準及び成分の規格をいう。
なお、この規格基準に合わない食品等は製造、加工、販売等が禁止されている。
食品等の試験検査計画
(詳細は別添2のとおり)
市内に流通する食品等について、以下の項目の試験検査を実施し、食品衛生法に違
反する食品等(以下「違反食品」という。)の排除に努めます。
また、輸入食品の安全性確保については、厚生労働省が提供するモニタリング計画、
検査命令の発動等に関する情報を速やかに収集し、加工食品の残留農薬の検査など必
要な試験検査を実施します。
さらに、消費者からの通報に基づく不良食品※1についても必要な検査を実施します。
なお、試験検査を実施する機関においては、食品衛生法に規定されたGLP※2の確
実な実施により、試験検査の信頼性を確保します。
【検体数】
【検査項目】
微生物
動物用医薬品
添加物
残留農薬
乳規格
概ね1,000検体
一般細菌数、大腸菌群、食中毒等の細菌及びウイルスの
検査(腸管出血性大腸菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ属菌、ノロウイルス など)
合成抗菌剤、抗生物質の検査
(スルファジミジン、テトラサイクリン
など)
着色料、保存料、甘味料等の検査
(タール系色素、ソルビン酸、サッカリンナトリウム
など)
残留農薬検査(クロルピリホス、フェンバレレート など)
乳及び乳製品の成分規格等の基準に基づく検査
(比重、酸度、無脂乳固形分
3
など)
遺伝子組換え食品※3
未承認遺伝子組換え食品の検査
重金属
鉛、水銀、カドミウム
その他
シアン化合物、アフラトキシン、容器包装規格
など
など
※1 味がおかしい、異臭がする、腐っている、舌がしびれるなど消費者が不良と感じた食品。
(消
費者自ら製造等した食品を除く。)
※2 試験検査の信頼性を確保するための管理手法。
「検査又は試験に関する業務管理」として食品
衛生法に根拠が置かれ、具体的には検査設備の管理、検査マニュアルの作成等が規定されている。
※3 組換え DNA 技術を用いて生産した食品をいう。なお、遺伝子組換え農産物と、これらを原材料
とする加工食品には、食品衛生法に基づく表示が義務付けられている。
【試験検査の流れ】
【保健所食品安全課】
【食品等事業者】
計画に基づき市内の食品営業者から
食品等を収去※・買上
自主的な衛生管理
情報提供
食
品
等
違反食品等への対応
連
携
検査の結果違反食品と判明
・改善命令
・違反食品の廃棄・回収
・営業の禁止・停止
・情報提供
・違反者等の公表
【環境保健研究所】
食品衛生法に基づく検査を実施
※食品等の試験検査に対し、違反食品等を排除するために、食品衛生監視員が食品衛生法に基づき
製造施設や販売施設から食品等を採取することをいう。
4
食中毒防止対策
食中毒の発生を未然に防ぐため、次のとおり対策を講じます。
対策の名称
食品衛生
夏期対策
主
な
内
容
食中毒注意報
警報の発令
市民や市関係施設への注意喚起など
(千葉県と連携)
食中毒予防強
調月間
食中毒予防パレードの実施
大規模調理施設の監視指導
衛生教育の強化など
実施期間
6/1~
6/1~
9/30
9/30
8/1~
8/31
食鳥処理場清掃強調週間
施設等の清掃及び整備を指導し、ね
ずみ、昆虫等衛生害虫の発生防止及 7月の1週間
び汚水の衛生的な処理を図る
夏期及び年末一斉取締り
厚生労働省が示す方針に基づき監視 7/1~8/15及び
12/1~12/28
指導を重点的に実施
食中毒等健康危害発生時の対応
食品営業者に対して、健康被害に関する情報の報告を求めるとともに、千葉県及び
関係自治体の保健所と情報の共有を図るなど、積極的に発生情報の探知に努め、発生
を探知した場合には、迅速かつ的確に原因究明調査を実施し、必要な措置を講ずると
ともに、事件の概要について市ホームページ等に掲載します。
市民、食品等事業者との情報及び意見の交換
市ホームページや、報道発表、講習会等を通じて食品営業施設の監視指導結果など
本市の食品衛生行政についての情報提供を行います。また、消費者、事業者を対象に
した講演会・意見交換会や市政出前講座を通じてリスクコミュニケーションを推進し
ます。
食品等事業者に対する自主的な衛生管理の推進
1 食品等事業者に対する講習会や施設の立入検査時のほか、あらゆる機会を通
じて自主的な衛生管理についての指導を行います。
特に食品製造業者には、製造等した食品の自主検査について推進します。
2 食品衛生管理者、食品衛生責任者の設置について、徹底を図り、自主的な衛
生管理を促進します。
3 HACCP※概念を取り入れた施設の自主的衛生管理の推進を図ります。
※危害分析と重要管理点を組み合わせた衛生管理の方式をいう。
(Hazard Analysis Critical Control Point の略)
4
食品衛生推進員による食品営業施設の巡回指導を通じて自主的衛生管理の
推進を図ります。
5
食品衛生行政に携わる人材の養成及び資質の向上に関する事項
1 食品衛生に関する調査研究を行い、その成果を研修会や学会等の場で発表します。
ア 食品中の残留農薬試験の分析法の検討
イ 食品中の動物用医薬品試験の分析法の検討
ウ 食品の試験検査から得られる知見、特異事例などに関する調査研究
エ 魚介類中の環境汚染物質検出状況等の調査
オ その他監視指導の結果、得られた知見や特異事例などの調査研究
カ 国の調査研究(食品残留農薬等一日摂取量実態調査、輸入生鮮魚介類およ
び動物生肉のウイルス汚染のサーベイランスに関する研究)への参加
2 内部や外部の研修会、講習会等に参加し、職員の資質向上に努めます。
監視指導等の実施体制
千 葉
市
飲食店などの監視指導や食品等の試験検査を効率的
かつ効果的に実施するため、生活衛生課、保健所食品
安全課で事務を分担し、環境保健研究所(医科学課・
生活科学課)で試験検査を実施しています。
また厚生労働省や他都道府県等と緊密な情報交換
を行い、連携を図ります。
保健福祉局健康部
生活衛生課
保 健 所
食品安全課
食品衛生の総括
営業許可・食中毒調査・食品営業施設等の監視指導
中央卸売市場の監視指導・食鳥検査
環境保健研究所
医科学課
生活科学課
食品の試験検査(主に微生物)
食品の試験検査(主に理化学)
市役所庁内関係部局との連携
厚生労働省及び他の自治体との連携
その他関係部局との連携
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【市役所庁内関係部局との連携】
保健福祉局、企画調整局、市民局、経済農政局、教育委員会からなる「食の安全連
絡協議会」を開催し、食の安全確保に関する相互協力や情報交換を行い、食に関する
関係部局の連携を図ります。
また、ゆめ半島千葉国体・千葉大会(平成22年)の開催に向けて、総務局と連携
を図ります。
【厚生労働省及び他の自治体との連携】
広域流通食品や輸入食品の違反等を発見した場合や、大規模食中毒が発生した場合
においては、厚生労働省及び関係都道府県等の食品衛生部局と連携して必要な対策を
講じます。
【その他関係部局との連携】
食品等の表示は、食品衛生法のほか、「農林物質の規格化及び品質表示の適正化に
関する法律(JAS法)」、
「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」等によっ
ても規制されており、違反情報等については、農林水産省関東農政局千葉農政事務所
や千葉県農林水産部等の関係行政機関担当部局との情報共有や連携を図ります。
監視指導実績等の公表
監視指導の実績等については、様々な媒体を通じて市民の皆様に公表します。
【提供する情報内容】
食品衛生に関する緊急情報(食品の安全性等に関する情報や食品等事業者による自
主回収の情報など)
食品・添加物等の夏期一斉及び年末一斉取締りの実施状況
食品衛生監視指導の実施状況(概要・詳細)
食品衛生監視指導計画の案(パブリックコメント手続の実施)
食品衛生監視指導計画
食品衛生法又は同法に基づく処分に違反した者(食中毒の発生、違反食品の発見等)
千葉市では、食品衛生監視指導計画に対する市民の皆様の御意見を
募集します!
【お問い合わせ】
千葉市保健福祉局健康部生活衛生課
〒260-8722
住所 千葉市中央区千葉港2-1 中央コミュニティセンター1F
電話 043-245-5215
FAX 043-245-5556
e-mail [email protected]
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