存在するのは現に生成している自分だけであり、過去はそこに統合されて いるのに、過去の自分と現在の自分が別個に存在すると考えているから。 自分らしさはことさら意識せずに為される行為のうちに自然に表出さ れるものであり、その受け手である他者によって認識されるものだから。 他者の認める自分らしさは、現に生成しつつある自分を示すのではなく、 自己生成の運動の結果生じた過去の痕跡を示すにすぎないということ。 自分が死んでも、自分が生きた過去の痕跡を追う他者がいれば、その他 者によって生前の自己生成の働きが生き生きと再現されるということ。 生 成 し つ つ あ る 運 動 の 中 に の み 自 分 が 存 在 し 、 そ こ に 自 分 ら し さ が 現 れ る と す れ ば 、 自 分 自 身 に も 未 知 で あ る 自 己 の 生 の 可 能 性 を 追 求 す る こ と は 、 自 分 や 他 人 が 抱 い て い る 固 定 的 な 自 己 の イ メ ー ジ を 脱 し 、 新 た な 自 己 の 生 成 高 潔 依 然 を 目 指 し て 果 敢 に 生 き る こ と だ と い う こ と 。 獲 得 カ イ ア まことにお気の毒なことだと拝見して 念仏を唱えるのを途中でやめて 以前の境遇とは違って あなたは冷淡だが、私はあなたの心細さに思いをよせているよ。 色とりどりの衣装よりも、むしろ清楚な趣があるということ。 雪を見ると、元の家で姉と仲良く過ごした日々がしのばれるから。 深刻な顔をせず、女君の苦悩を紛らわそうと万事気を配る態度。 高西園は司馬相如が訪ねてくる夢を見たが、それが何の予兆である か分からなかった、ということ。 不 高西園の所有する司馬相如の玉印と西園の妻。 誰 も 君 の 大 事 な も の を 奪 い は せ ん よ 、そ の よ う な ま ね を す る 愚 か者などおらんよ。 高西園は今時の士大夫でありながら、優れた先人の風格をそなえた 人物であるということができる。 子猫が突然自立を決意し、 外の世界に旅立つ姿を見て、太古から生物 が従ってきた自然の摂理の安定を感じ、安らぎを覚えたということ。 病気で余命いくばくもない猫の苦しみの責任が自分にあると思い込み、 自然と一体化した猫の世界に安易に介入する過ちを犯したということ。 自分が病んだ猫を世話するのは慈悲心があるからではなく、逆に猫が自 分に慈悲心を与えたという側面もあることに気づき始めたということ。 筆者は慈悲心を引き出されたことによって猫を可愛いと思うように なり、不快な臭気にすら猫への愛着を感じるようになったということ。
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