------------------------------------------------------------------------------------研究課題：精液の保存性向上試験 担当部署：鳥取中小畜試 養豚研究室 担当者名： 協力分担：なし 予算区分：単県 研究期間：2012～2014年度(3年間)のうち2012年度(2年目) ------------------------------------------------------------------------------------１ 目的 人工授精(以下AI)は、コストの削減と省力化に有効である。その有用性を、研究員が農家実 地講習を行うなどして、液状精液でのAIの普及に努めた結果、県内の75%(35戸中27戸)の農家 に取り入れられている(全国平均43.7%)。 豚精液の凍結化は、保存性と利用性を高めるため望まれており、当場においても凍結精液の 試験を長年行っている。その結果、液状精液と同程度の繁殖成績を得ているが、農家への普及 のためには解凍などの技術的な面において不安が残る。 一方、農家より、現在普及している液状精液が現状より長く保存できないか、との要望があ った。そのため、液状精液の保存性を向上させる試験を行うとともに、凍結精液の解凍時手技 の簡便化についても併せて検討することとした。 ２ 内容 （１）L-カルニチン添加試験 暑熱環境下で種雄豚に対し、L-カルニチンを7月中旬から10月下旬まで飼料に100ppm添加し、 精液量、精子数、精子活力及び保存性に与える影響を検討した。 試験豚は試験区及び対照区それぞれ9頭とし、事前の精液調査で14日以降の精液活性が同程 度となるよう区分けした。 ３ 結果 （１）L-カルニチン添加試験 精子活力は採精当日から21日目まで試験区が良い傾向が見られた。 14日以降の精子活力は試験区が良い傾向が見られたが、保存性が向上したのではなく、対照 区の若い豚の成績が特に悪く全体平均を下げた。 L-カルニチンの添加は、12ヶ月齢以下の成長途中の豚で、採精時の精子活力向上に効果があ ると推察された。 ４ 参考資料 精子活力の推移 (%) 100 対照区 予備調査 精 液 活 性 精液量 試験区 (ml) 350 300 80 試験区 対照区 250 60 200 150 40 100 20 50 0 0 0 7 14 採精後日数 21 予備調査 試験１ 試験２ 総精子数 (億個) 試験区 対照区 500 400 300 200 100 予備調査 試験１ 試験２
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