速記録【PDF:214KB】

原子力規制委員会記者会見録
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日時:平成 27 年2月 25 日(水)14:30~
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場所:原子力規制委員会庁舎
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対応:田中委員長
記者会見室
他
<質疑応答>
○司会
それでは、定刻になりましたので、ただ今から原子力規制委員会の定例会見を始
めたいと思います。
早速ですが、皆様からの質問をお受けしたいと思います。いつものとおり、所属とお
名前をおっしゃってから、質問の方、よろしくお願いいたします。
それでは、質問のある方は手を挙げてください。では、シズメさんから。
○記者
共同通信のシズメです。
先週のことで恐縮なのですが、ちょうど1週間前の東通のピアレビュー会合でのこと
について質問させてください。会合の最後に有識者と事務方、規制庁との間であったや
りとりなのですけれども、基準で重要施設の直下にあってはならないとされている、将
来活動する可能性のある断層等についての定義の質問があって、有識者からは、震源と
して考慮する活断層、地震動に伴って永久変位を生じる断層、それから、基盤まで及ぶ
地すべり面の3つであるはずで、それらについて成因を問わない、つまり、ずれなら何
でも禁止するのだということではないはずだという問いかけが事務局にありました。事
務局側から、それに対して、今の有識者の見解でよいと、その3つを基本として我々も
考えていきたいというやりとりが最後の方にありました。これについてです。こういう
ことであると、東北電力ないし東京電力が主張している膨潤ですとか、堆積膨張という
ことは、この断層等に含まれないということにもなりかねないのですが、これについて、
2つお尋ねします。膨潤や堆積膨張による地層のずれは、将来活動する可能性のある断
層等には含まれないのでしょうか。
○田中委員長
シズメさんから質問書をもらっているので、今、探していたのだけれども、
基本的には、安全上の問題を生じるかどうかというところがポイントだと思います。た
だ、どういう原因でそれが起こるかということとか、そのことがどういう意味というか、
膨潤と、いわゆる断層とはメカニズムも違うし、起こる現象も違うと思いますし、だか
ら、そこら辺については、私は専門家ではないから分からないけれども、専門的なとこ
ろの判断が要るのだと思います。だから、どういう原因で起こるにしても、重要な安全
施設に大きな影響を及ぼすようでしたら、そこはそういうものに該当するということで、
多分、3つを挙げたというのは、代表的なことを挙げたということだと思います。
○記者
ありがとうございます。
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つまり、今おっしゃったのは、施設ないし重要な施設ですかね、影響を与えるような
ずれであれば、成因は問わないということをおっしゃっているのだと思うのですけれど
も、これについては過去にも、敦賀の追加調査の事前会合で、例えば、小林管理官から、
基盤を切る地すべりのようなものについては、その成因を問わず、基盤を切るようなも
のは対象ですよというようなことにしてございますという紹介ですとか、あと、基準を
作るときの検討チームですね、地震・津波に関わる規制基準に関する検討チーム第8回、
当時の島﨑委員からは、地滑り面についての質問を受けて、これに関しては、地震とと
もに起こることも当然ありますし、それ以外の単なる風水害だとか、そういうことで起
こることもありますということをおっしゃっておられます。つまり、確認なのですけれ
ども、成因を問わないということではないという有識者の疑問について、そのとおりで
すと答えた事務方の説明はちょっと違っていたということ、不適切であったということ
であると理解するのですが、いかがでしょうか。
○渡辺安全規制管理官(地震・津波担当)補佐
若干細かい話なので、事務方から補足さ
せていただきます。原子力規制庁の地震・津波担当の補佐をしております渡辺でござい
ます。
今、御質問のあった件なのですけれども、会合のときのやりとりは、粟 田先 生か ら、
基準のところに、将来活動する可能性のある断層等というものについて3つを挙げてい
て、それを含むと書いてあるのですけれども、それらだけに限定するということなのか
という御質問に対して、事務方から、その3つを基本として考えると。粟田先生のおっ
しゃったような解釈で我々も考えていきたいと思ったところでございますと申し上げ
ているのですけれども、基本として考えるという意味は、正にその3つは含むし、当然、
それ以外にもあり得るものはあるかも知れないので、そういうものも考えていくという
ことだとは思っています。さっき例で挙げられました敦賀の破砕帯の会合のときの話は、
地すべりについて、基盤を切るようなものについては成因を問わずに入れていくという
話だったので、今の膨潤云々というのとは話が若干違うのかなとも思っていますけれど
も、いずれにしても、先ほど委員長が申し上げたように、重要施設のある地盤に変位を
及ぼすかと。変位を及ぼさないというのが正に規則の方に書いてある基本でございます
ので、そういうものがないかどうかということについて確認をしていくということだと
思っています。
○記者
すみません、確認ですけれども、成因は問わないということでいいのですね。
○渡辺安全規制管理官(地震・津波担当)補佐
一応、基準の中には成因を問わないとも
書いていないですし、成因を問うとも書いていないので、あくまでもその3つは例示で
あるということですので、それ以外の現象などについては、それは個別具体的に判断し
ていくことになろうかと思っています。
○記者
分かりました。委員長、今の説明は、原子力規制委員会としての見解ということ
で伺ってよろしいですね。
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○田中委員長
いいと思います。
○記者
分かりました。ありがとうございます。
○司会
次の方、いらっしゃいますか。マツイさん、どうぞ。
○記者
テレビ朝日のマツイと申します。
委員長には2年ほど前から何回か聞いている質問の重ねになるのですが、昨日、福島
第一原発のK排水路の出口で 100Bq ほどの、全ベータで出ているというのがありました。
こういったものが日常出続けているということに関しての委員長の見解をお願いいた
します。
○田中委員長
私の見解ですか。K排水路というか、暗きょのあるところはもともと原子
炉建屋の並んでいるすぐそばにあって、非常に事故時に汚染されたところですから、雨
とか、いろいろなものが流れ込めば、当然、ある程度レベルが上がるということで、こ
れまでも監視検討会でも何度も議論されてきて、それについての対策も指示が出ている
と私は理解しているのです。だから、今朝の新聞見て、2号炉のトラックヤードでした
か、大物搬入口の上、屋根のたまり水が少し汚れていることが分かりまし たけ れど も、
当然、いろいろなところ、たまり水、そういうところを見れば、大なり小なり、かなり
の汚染が見つかるだろうなというのは想像できます。ですから、それについては、一応、
監視検討会で、きちっと対策をとるべきだということは指示していると私は理解してい
ます。
○記者
そうすると、同じK排水路の出口から、例えば、地下水バイパスを同じ出口から
流しているのですが、地下水バイパスというのは非常に管理されていまして、全ベータ
で5以下にすると。実際は1もいっていないように管理して、それを漁協の皆さんに提
示しているのですが、同じ出口から同時に、例えば、100 というものが、それも毎日大
量に出ているという状況になっていると。これは委員長に聞くことかどうかは分からな
いのですが、地元の漁協の方々は、そのことに対して、今、大きな問題点を持っていら
っしゃるようなのですが。
○田中委員長
多分、漁協の人から見れば、どこから出てこようが、そういうものが出て
いるということについては、ある種の納得いかないものを感じているのだろうと思いま
すが、もう一つは、地下水バイパスというのはコントロールしていますね。排水路の方
は、雨水とか、そういうもので、結局、なかなかコントロールできないので、私か聞い
ている限りでは、排水した、環境へ出た線量をトータルとして見ていったときに、今年
の3月で2mSv、全体、いろいろなもののファクターを入れて。来年の3月には1mSv に
するようにということで、そういう指示が出ていると思います。だから、瞬間的にそう
いうことが起こったからといって、起こらないほうがいいのですけれども、あの状況の
中では、全くそういうことをコントロールできるような状況ではないところもあります
ので、そういうことかなと思います。そういうことから比べると、今、ようやく止まっ
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て、高濃度の排水があったトレンチですかね、あそこのところの水はほぼコンクリート
が入って止まってきているということなので、大きなリスクのところを少しずつクリア
していっているのだろうと思っています。でも、この汚染水の問題は、そういう意味で
は、いろいろなことが起こるということを頭に描きながら対策を考えるということかと
思います。
○記者
最後の質問です。海側に出たのを測定するのに、南放水口付近というモニタリン
グポイントがありまして、T-2-1 というところなのですけれども、そこの数値が変わっ
ていないと東電は発表しているので、外洋への影響はないと言っているのですが、昨日
確認したところ、この T-2-1 というのが、K排水路の出口から1km 離れていると。それ
だけ離れれば当然そういうふうになってしまうというのは、素人考えなもので、もっと
K排水路に近いところにモニタリングポイントを置くべきではないか。あるいは、以前
あったのですが、今、それが止まっている、そういうところでやっていないというのも
あるのですけれども、この辺りに関してはどうでしょうか。
○田中委員長
細部まで、その経緯も含めて私が承知しているわけではないのだけれども、
こういう問題が明るみに出て、いろいろ漁民の方たちに御心配をかけてい ると いう か、
迷惑をかけているということであれば、それなりの対策を東電側で検討していただける
ものと思っていますし、その状況は我々としてもよくウォッチしていきたいと思います。
○金城室長
福島第一を担当しております金城と申しますが、今の点、補足させていただ
きますと、T-2-1 といったところは確かに海洋モニタリングで見ているところでありま
すけれども、一方で、むしろC排水路のときの対策で出てきたところでありますけれど
も、もっと近くの T-2 といったところでも、これも今、1 週間に一遍ぐらいになってし
まったかも知れませんけれども、モニタリングは続けていて、そこは報告 は来 てい て、
そこの大きな変動といったものは見られないところはこちらでも確認しているところ
であります。
○記者
もっと近いのですか。
○金城室長
○記者
もっと近いです。
どれぐらい。
○金城室長
距離は忘れましたが、昔、C排水路が流れ込んでいたところの近くですね。
今、1週間に1回の報告が来ています。
○司会
では、モリさん、どうぞ。
○記者
日本テレビのモリです。よろしくお願いします。
今の質問に関連してなのですが、このK排水路の話は、監視・評価検討会合で出てい
るというのは知っておるのですけれども、一方で、東京電力では、放射性物質の濃度が
上昇していることを確認しながらもデータを公表してこなかった部分もありまして、そ
れは東京電力としては原因が特定されていないので公表していないということなので
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すが、規制庁側にも昨日の段階で初めてデータが来たと先ほど聞いたのですが、こうい
うデータの公表の姿勢について、委員長としての御見解をお聞かせいただければと思う
のです。
○田中委員長
昨日来たデータって、どんなデータ。前にK排水路の濃度とか何か、いろ
いろ、監視検討会で検討していますね。
○金城室長
事務方から、これまでの説明を補足させていただきますと、まず、K排水路
の状況については、昨年の1月の検討会やワーキングで、K排水路の中の濃度がどうな
っているか、詳しい説明はそのときにも提示があって、今の状況だと告示濃度を超えて
しまうという説明はございました。
ただ、昨日報告があったものは、4月以降、モニターで取られているデジタル値とい
ったものは、昨日、グラフとともに報告があったもので、ですので、そういったところ
については、これまでも面談とかの中で、敷地境界2mSv に向けた取組、どうなってい
るのというのは、面談でも何回か確認はしていたのですけれども、なかなか説明に来な
かったという状況はありますので、そういった意味では、説明はもっと早くできてもよ
かったのではないかなというのが事務方の感じであります。
○田中委員長
○記者
いいですか、私が答えなくても。
そういう形で、もう少し早くデータを出すべきだという意見も当然あるとは思う
のですが、そのあたりについて、委員長としてどう思われているかというところなので
すが。
○田中委員長
データはできるだけ速やかに出すのが原則だと思います。特に環境に影響
があるとか、そういう場合にはね。だから、そこのところは、反省すべきところは反省
してもらわなければいけないと思います。ただ、監視検討会の中では、何 回か 、6 回、
7回ぐらい、K排水路絡みのところの議論もしているので、そのときにどういうデータ
が出ていたかという、細かいことまでは知らないのですが、昨日、急にクローズアップ
されたような感じも否めないのですけれども、基本は出すべきだと思います。
○記者
質問の仕方が下手で恐縮なのですが、つまり、原因が分からない段階でもデータ
を出すことによって、みんなで知恵を出し合うことも可能かと思うのですが、原因が分
かってから明らかにするという姿勢に対しては、どのようにお考えでしょうか。
○田中委員長
これは今の排水の問題だけではなくて、原因が明確になるまでというのは、
ある場合にはうんと時間がかかる場合もありますから、起こった現象の重要性を踏まえ
て、速やかにその事実は発表すべきだと。今度の瞬間的に上がった、今日、(事故対処
室長)武山さんから報告してもらった、あれはまだ原因がはっきりしないのですね。だ
から、そういうものはきちっと出してもらう必要はあると思います。
○記者
分かりました。ありがとうございます。
○司会
ミヤジマさん、どうぞ。
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○記者
FACTA のミヤジマです。
3・11 前に非常に残念としか言いようがないのですが、K排水路については前から危
ないと言われていたし、2号機の裏辺り、最も高いところを通ってくるわけだから、蓋
然性として高いというのは分かっていたわけなのですけれども、規制庁の側はなぜそれ
を指導してこない。それから、アンダー・ザ・コントロールというのは基本的に汚れた
水は港湾内に流すということで、その範囲内での濃度の上昇ということで確認するとい
う、私はそう理解しているのですが、外洋に流れている部分については、先ほど近くで
汚染度について確認しているというけれども、それは恐らく国際的に全く通用しない議
論だと私は思うのですけれども、なぜ、このK排水路をタンク周りから流れているのと
同じように構内に流して、そこの濃度が高くなるかどうかというところで説明しようと
しないのか。どうしてそういう指導が規制官というのですか、現場にいる人たちが 10
人からいて、そういう当たり前のことが、雨を見たらすぐ分かるわけですから、4年経
ってそれができないというのは、私は前から先生にも申し上げているけれども、やはり
東電任せの限界ではないのですか。
これは本当にどうして港湾内に流すということを考えなかったのか、率直に伺いたい
のです。
○金城室長
すみません。1Fの対策室長の金城の方からの補足をさせていただきますと、
まず、日曜日にありましたC排水路の件につきましては、あちらの方は核種も分析して
もそうなのですけれども、もともと懸念があったのが、汚染水のタンクとか汚染水の処
理設備から、高濃度のRO濃縮水を含んだ溶液とか、要は、そういった処理済水の漏えい
が大量に起こるのではないかということでずっと対策が議論されてきました。
そういった中で、そのモニタや港湾への流し込みも、これは検討会とかでもずっと議
論を続けてきていたのですが、通常時は海に流すけれども高くなったら港湾に流すとか、
そういった対策の検討の中で対策が準備されてきました。
一方で、K排水路のところは、ずっと検討会を追っていただければあれなのですけれ
ども、やはりフォールアウトの影響。最初は山側ののり面に降り積もったセシウムの影
響とかを懸念してのものでありまして、そういったものは既に環境中にあって、それを
除染してやはり取り除くということが根本的な対策になりますので、そういった観点か
らの対策が優先して進められてきたとこちらの方では見ております。
ただ、いずれにしても、どういう期限であっても、敷地境界線量の基準の中で、告示
濃度をちゃんと照らした上で管理基準を守るような対策というのを来月までに求めてい
ますので、そういった中でしっかりと対策がとられるといったことが重要かと認識して
おります。
方策については、いろいろあり得るかと思います。
○記者
もう一点だけ伺いますけれども、基本的にやはり港湾内に流す。そこにはシルト
でいろいろあるわけですね。基本的に港湾内に流すことでコントロールするという考え
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方が私は基本だと思っていたわけですよ。
だから、先ほどおっしゃるようにK排水路のちょっと側は、2号機の裏とか、これは
みんなシーベルト級の場所もあるということはみんな分かっているわけですから、そう
いうことで考えたら、やはり規制庁の側で東京電力を指導して、タンク周りと同じよう
に港湾内に流すと、そこで測定するというのが私は当たり前のことだと思うのですが、
その点については、結局それがやりたくないから数字を報告してこなかったかと私は疑
うのだけれども、そんなに金のかかることでもないのに、そういうことを現場の検査官
が指導できるような力というのは、この規制庁にはないのですか。
私は東電任せということが問題と思っているのですけれども、そういうのはやはり現
場にいる規制当局の方が指導すべきものであって、これは東電の責任ではなくて、私は
規制庁に問われている責任。そう思うのですけれども、金城さん、どうですか。
○金城室長
そういった中では、別に特定の方策についてのみ我々が何か指示するといっ
たところのものではなくて、いろいろ方策を取り得ますので、そういった中ではいろい
ろな可能性を検討して、させた上で、その中で一番いい方策をとり得るといったものが、
最終的には規制側の立場かなと考えております。
○司会
はい、他いかがでしょうか。では、ハナダさん、どうぞ。
○記者
NHKのハナダと申します。
同じくK排水路の関係なのですけれども、ちょっと先ほどの質問でも出ていたのです
が、今回、去年4月以降に雨が降る度に濃度が上昇するのが、原因が分からないので公
表してこなかったという部分なのですが、これは一昨年の夏の地下水が港湾内に流出し
ているというときも、原因が分からないのでずっと公表してこなかったというのと同じ
ように、情報の公開について変わっていないのではないかというのを感じます。
それで、今、サブドレンとか汚染水対策を進めている中で、こういったことが起きて、
ま たそ う い っ た汚 染 水 対 策が 進 ま な いと い う こ とへ の 影 響 とか も 出 て くる 可 能 性 があ
ると思うのですけれども、そういった情報公開を含めた今回の東京電力の姿勢への見解
は、どのように持たれているでしょうか。
○田中委員長
先ほど申し上げたとおりで、やはりそういう状況、変わった状況が起こっ
て環境に影響するようなことがあれば、速やかに発表していくということは堅持される
べきだと思います。
○記者
それによって、こういったことが繰り返すことによって、情報公開をすぐにする
というのは基本だと思うのですけれども、汚染水対策がなかなか進んでいかないといっ
たことへの原因にもつながっていると思うのですが、そういったことについてはどうい
う御見解をお持ちでしょうか。
○田中委員長
不可抗力と言うとちょっと語弊があるのだけれども、1Fの今の状況では、
いろいろなことが起こり得る、起こりますね。そのことが度々起こることによって、不
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思議なことにこういったものは続けて起こるということが多いのですが、そのことでい
ろいろなそういう問題が、難しさが出てくるとしても、やはりそれはそれとして克服し
ていかないといけないと思います。
○司会
はい、他いかがでしょうか。アライさん、どうぞ。
○記者
東京新聞のアライですが、お願いします。
K排水路の関係なのですが、先ほどもミヤジマさんから声がありましたけれども、や
はり規制庁の責任もこれはあると思うのですが、それに対する委員長のコメントを頂き
たいのです。今回の、放置していたようにも見えるのですが、いかがですかね。
○田中委員長
私は放置していたとは思っていません。更田さんのところの監視検討会で
も福島県の人も入っているし、何度もそういう話をしているわけだから、そのことにつ
いて放置していたというわけではないと思います。
○記者
責任というか、結局今もじゃぶじゃぶと流れているような状況だと思うのですが、
とり得る方策はあったと思うのですけれども、外洋に流れないようにする方策はあった
と思うのですが、その辺はいかが感じていらっしゃいますか。
○田中委員長
それはいろいろなことを考えればあったかも知れないけれども、先ほど金
城さんが言ったように、やはり規制というサイドからどういうところでコントロールを
していくかということで、今、排水とか廃棄とかいろいろなことを含めて、外部線量も
含めて、年間2mSv以下にするようにという目標を掲げてやってきているわけですので、
そこだけを取り上げてどうこうということにはならないし、ましてや責任問題とか何と
かということとは全く関係ないと思います。
○記者
あと1点だけ、すみません。
本日、規制委員会の議題として、せっかくCの方で議題が上がっていて、Kの方も昨
日東電から報告があって、ちょっと法律に基づかないから議題に上げないとかとちょっ
と事務方の方にも聞いたのですが、何となく危機感が乏しい気もするのですが、いかが
でしょうか。
○田中委員長
東京新聞は非常にクローズアップして取り上げたみたいですけれども、議
題に上げて議論するというときには、それなりの、ある種の議論できるようなものが必
要なのですね。だから、何か起こったらすぐに。だから、状況をよく踏まえた上で、ど
こで議論するか。これは監視検討会できちっと処置すべきものであるということで、委
員会で議論したら解決するかということではなくて、監視検討会で、本当は私、これは
やや個人的ですけれども、きちっとそこでその状況を議論した上で対策を立てるべきだ
と思います。
○記者
ありがとうございます。
○司会
はい、他いかがでしょうか。では、そちらの真ん中の方。
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○記者
ちょっと議論が変わってしまってすみません。
フリーの記者のオオムラと申します。
先日の米谷総務課長と、それから、エネルギーフォーラムのサノ記者のやりとりの中
から質問させていただきたいのですが、敦賀の破砕帯調査のピア・レビュー会合の会見
なのですが、通常ピア・レビュー会合というのは、同分野の専門家による評価や検証の
ことを言いますね。
ただ、先日の米谷課長のブリーフィングでは、25年2月27日の文書を見れば、破砕帯
を再評価するものではないことが自ずと分かるということを言われておったのですが、
25年2月27日の文書の、より多くの専門家に科学的・技術的見地から確認していただく
という文言は、先に述べた一般的・国際的なピア・レビューの定義である同分野の専門
家による評価や検証と同義というものが自然かつ常識的なのだろうと思います。
しかし、2月27日の文書からは、再評価するものではないという趣旨のものは出てこ
ないのですが、この件について委員長はどのようにお考えになるのか教えてください。
○田中委員長
今、おっしゃっているピア・レビューというものの定義は、多分そうでし
ょう。
ただ、再評価という意味ですね。そこで書いている再評価というのは、ピア・レビュ
ーはよく論文とかいろいろなことでもやるのですけれども、まとまったものについて専
門的な知見から誤りがないかどうかということを見るわけですね。それで、再評価とい
うのは、有識者側がずっと長いことかけてやってきたような、いわゆる活断層かどうか
というような、そういうことまで踏まえて全部やり直すということではないという意味
で使っているのだろうと思います。だから、そういう意味での再評価ではないのだとい
うことです。
○記者
分かりました。
○司会
はい、次の方、いかがですか。では、キノさん、どうそ。
○記者
フリーランスのキノですけれども、先ほど委員長、先ほどのK排水路の件で、デ
ータは速やかに発表すべきということだったのですが、一方で、東電がきちんとそうい
ったデータを公表しているのか、東電が何を把握して何を出しているのかを監視するの
も規制当局に求められる役割ではないのでしょうか。その辺から考えると、ちょっと今
回に関しては疑問が残ると思うので、その件について、まずコメントいただければとい
うのが1点。
あと、海に関しては、海のモニタリングを以前やっていて、ここ1年以上開催してい
ないのですけれども、日曜日のことがあって昨日のことがあっても、昨日の会見ではま
だ開催の必要がないという回答を頂いたのですが、このような事態があってもなお必要
がないというのはどういう理由なのか、御説明いただけないか。
それから、中村委員がこれ所掌だと思うのですけれども、中村委員はこの件について
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どのようにお考えなのか。その辺は御説明いただけないでしょうか。
○田中委員長
東電からの発表が、私どもは、東電も最近はかなりできるだけ発表はして
いると思っていますけれどもね、相当そういう指導も行き届いていますので。ただ、次々
といろいろなことが起こって、そういうことについてどこまで把握できているかと言わ
れれば、それは全て我々が把握できていると申し上げることはできないわけですね。ど
うやったってそれは無理ですよ。ですから、それは事業者の責任で、やはりできるだけ
きちっと、特に社会的とか環境への影響というものがあるものについては発表すべきと
いうことを先ほど申し上げたとおりです。
それから、海のモニタリングの会合というのは、特に今、定常的な業務の中でやって、
定常的にやっていますので、それで何か異常が出たようなときにはやる必要があると思
いますけれども、特にとりたてて何か出たわけでもなければ、会合を開いても議論のし
ようがないと思います。
○記者
議論のしようがないというのは、会合に任命されている委員の方もそのようにお
考えなのでしょうか。それから、中村委員もそのようにお考えなのでしょうか。
○田中委員長
委員の気持ちとか中村さんの気持ちは分かりませんけれども、私はそう思
いますということですね。
○記者
これ、開くかどうかは、やはり委員の方の意見を聞いたりして決めるものではな
いのでしょうかね。
要するに、実際に何が変わる、何がどう影響しているかというのは、これは海のモニ
タリングの議論の中でもかなりありましたけれども、専門家からの指摘で分かったこと
が数多いと思うのですね。そういったことを考えると、必要かどうかというのは、どな
たがお決めになるのかなと思ったのですが、委員長お一方の判断でということなのでし
ょうかね。
○田中委員長
いや、それは状況の変化が出てきたら、そういう会合を開くべきかどうか
ということは相談しますけれども、今回の状況の中では、開くべきだというような議論
をするようなレベルではないと思っています。
○記者
長くなって申し訳ないです。
最後に確認なのですが、今回の状況というのは、どのような状況をもって開く必要が
ないとお考えか。
○田中委員長
要するに、港湾も含めていろいろなところを、外洋も含めて測っています
ね。その測定の方法については、一応IAEAのモナコ研究所の方からも何度か来ていただ
いて、測定のやり方とか何かについては一応確認をもらっています。そういう方法で測
ったデータに何ら何か特別の変化が出ていないわけですから、それを会合を開いて。
何か出たらば、それは何でこれが出たのだとか、これはどういう判断をすべきなのだ
というような議論はできると思うんだよ。何も出ていないところで開いても結局は議論
ができないので、そういうふうには判断しないというのは普通だと思います。
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○記者
もう一点だけ。
そうすると、先ほどの排水路の出口のところの、B、Cのところでは測っていますけ
れども、Kのところは測っていないと思うのですが、この測定場所についても、そうす
るととりあえず問題はないという認識になるのでしょうか。
要するに、そうでないと、影響があるかないかの判断というのはできないと思うので
す。
○金城室長
すみません。金城の方からお答えさせていただきますけれども、KやB、C
も含めて、今、T-2やT-2-1で海洋モニタリングというのはやっていると思いま
すが、一方で、Kの方は、先ほどから申し上げているように、敷地境界線量の基準を満
たすような放出について、ちゃんと来月中にはしっかりとした計画を出させますけれど
も、その際には、当然放出管理の方法などについてはしっかりと見ることになりますの
で、そこの方で管理していくことになると考えております。
○司会
はい、他にいらっしゃいますか。モトキさん、どうぞ。
○記者
NHKのモトキです。
先ほどK排水路について、やはり港湾内に流すように変えるべきではなかったかとい
う御指摘があったと思うのですけれども、それについてすみません、委員長の御見解を
伺わせていただければと思うのです。
○田中委員長
多分、そうしたほうがいいような気はしますけれども、港湾内に流しても
いずれまた港湾外に出てきますので、希釈されてというところがありますので。
それから、Kのトレンチはかなり大きいですね。人が立って歩けるような昔からあっ
たもので、それをどういうふうに工事できるのかというのは少し、私は細かいところは
分かりませんけれども、少しそこも含めて今後検討すべきことだと思います。
だから、そこは先ほど申し上げましたように、監視検討会の中でもよく議論をしてい
ただいたらいいと思っています。
○記者
これまでも敷地内で除染を進めたりとか、来月までに線量を2mSvに下げるという
ところで努力されていると思うのですけれども、今回のことを受けて、改めて何かこう
いったことをもっとすべきではないかみたいな指導を考えていらっしゃる、考えられる
ことがあれば教えてください。
○田中委員長
1Fの廃止措置は、今は排水問題、汚染水問題が非常にクローズアップされ
て、いっときは電源問題とかいろいろなことがいっぱいありました。その前はタンクの
問題とかね。いろいろなことがあって、一番そういうことで心を痛めるのは福島県民で
すから、そういったところの方たちにきちっとした1Fの状況を。どういったリスクがあ
って、どういうふうにそれがクリアされていっているかということが見えないねという
ことで、マップを作らせていただいたわけですね。だから、あれを十分にしんしゃくし
て、東電には今後とも取り組んでもらいたいと思います。
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水1つとってみても、たくさんいろいろな問題があります。今度のK排水路で今日は
盛り上がっていますけれども、それこそタンクの水をどうするのだということもありま
すし。
ただ、一番前から議論、心配してきたトレンチの高濃度汚染水は、大分それは見通し
が出てきたと。ほぼ終わったのですかね。まだもう少しあるのですかね。そういうとこ
ろまで来ていますので、やはりそういう問題を含めて、トータルでリスクを下げる努力
をしていくということかと思います。きっといろいろ起こりますよ。
○記者
今フォールアウトによって、それが排水路とかに流れ込んで海に出る可能性があ
るということに関しては、全体のリスクの中では総体的にはリスクが低いということを
説明して、理解を求めるということなのでしょうか。
○田中委員長
最終的には環境への影響があるかどうかということが判断の基準になると
思いますが、そういう意味では濃度だけで判断はできないわけですけれども、一応、規
制としては濃度規制というようなことをやっていますから、そこのところをきちんとク
リアできるようにという指導をしているということです。
○司会
よろしいですか。
○司会
それでは、他にいらっしゃいますか。
では、タナカさん、これで最後でよろしいですか。
○記者
雑誌科学のタナカです。よろしくお願いします。
今の汚染水の問題の続きなのですけれども、今、委員長は環境への影響があるかどう
かで判断すると。濃度だけでは判断できないけれどもとおっしゃいました。環境への影
響があるという判断をするための総量がどのぐらいかという見積もりはなさっている
のでしょうか。今回のイベントはどのぐらいかとか、日常的にこれまで出てきたものが
どれぐらいかとか、オーダーでどのようなものかというのを判断してお話しになってい
るのでしょうか。お願いします。
○田中委員長
いや、そんな定量的な判断はしていません。環境と言ってもいろいろです
からね。
○記者
これまでのお話、今日の委員長のお答えの中で状況の変化が出てきたらというお
言葉もありましたけれども、どういう状況になったら変化が出てきたと御判断なさるの
ですか。
○田中委員長
それは海水をサンプリングしたり、いろいろな海洋の近辺の生物を採取し
て変化が出てきたら、それはなぜ出たのだという議論になってくるのだと思います。
○記者
これは既に指摘があることなのですけれども、濃度に変化がないということは定
常的に漏出が続いているということになります。もちろんオーダーが低いというのはあ
るでしょう。でも、漏出が続いているということになります。
○田中委員長
濃度の変化がないというのは、今の濃度というのはほとんどNDでしょう。
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あなたがおっしゃっているのは違うよね。あなたはいつも何を言いたいのですか。
○司会
すみません、質問をちょっと絞り込んでいただけますか。答えようのない質問が
来ておりますので、そこをもう少し分かりやすく絞り込んだ形でよろしくお願いします。
○記者
では、先ほどの質問を繰り返しますけれども、総量の見積もりをどのようになさ
るのですか。
○司会
多分同じ答えが返ってくると思いますので、これで終わりにさせていただきます。
他にいらっしゃいますでしょうか。
○記者
では、別の質問をさせていただきます。
委員長に改めて原子力における安全の定義というのを伺いたいのです。お願いします。
○田中委員長
今、ここでそういう質問に答えるようなものではないので、やめておきま
す。
○司会
はい、他の方はいらっしゃいますか。
○記者
いや、まだあるのです。
○司会
他の方がいらっしゃいますので、もう終わらせていただきます。
○米谷総務課長
あなただけの時間だけではないので。
○記者
もちろんそうですけれども、私で最後と先ほどおっしゃったので。
○司会
いや、そんなことは言っておりません。
○米谷総務課長
まだいらっしゃるので。
○司会
他の方、いらっしゃいますか。カワダさん、どうぞ。
○記者
全く別件で、今日の委員会の中で、研究炉の審査について促進してくださいと。
安全上の判断はしつつということをおっしゃっていたのですけれども、その意味をもう
少し詳しく説明していただけますか。
○田中委員長
委員会でもちょっと申し上げましたけれども、いわゆる研究炉とか臨界実
験装置とかというのは、学生の教育実習とか、もっといろいろな多様な基礎研究に使う
というようなものなのです。もう大体ほとんど40年近いというところでかなり古いもの
も多いから、なかなか新しい規制とマッチングしないところがあると思うのです。
かといって、だめなものはだめなのですが、発電炉とか、かなり規制基準とか規則と
か解釈というのが、読んでいただければ分かりますけれども、それをどのように見てい
くかというところがあります。
要するに安全規制のところはグレーデッドアプローチとよく言われているのですが、
例えば臨界実験装置であれば、そこの燃料を手で扱うことはできます。でも、発電炉の
使用済燃料だったら、手でなんか絶対に扱えませんよね。それから、原子炉が止まって
しまったら、熱はほとんど関係ありません。全く関係ないです。
ですから、そういうようなことを踏まえて、全てがそういうことで一つ一つ適用して
どうだこうだという議論をするのではなくて、そこはもう少し合理的な判断をしてくだ
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さいということです、何度も何度も議論をしていて。
ですから、多分、大学なんかの先生から見ると、何でこんなことまでというようなと
ころがあるのかも知れないので、そういうことも踏まえてよく御検討くださいというこ
となのです。
○記者
委員長の念頭にあるのは大学の試験炉ですか。例えば他のHTTRとか、そういった
他の炉も念頭にあるのでしょうか。
○田中委員長
それは大きさによりますよね。だから、HTTRはHTTRだし、大学だってKUR
みたいに5メガワット級のやつもあります。ただ、それがどの程度の安全上の問題があ
るのかということをよく考えてやる必要があるということです。だから、そこのところ
はもう少し実態論的に見ていかないと、多分いつまでたっても審査が終わらないという
状況が続くのではないかという気がするので、そのことをちょっと懸念して申し上げま
した。
○記者
分かりました。ありがとうございます。
○司会
他はいらっしゃいますか。マツヌマさん、どうぞ。
○記者
1Fのことですが、先ほど委員長は環境影響は濃度だけでは判断できないとおっし
ゃったわけですけれども、この問題は何回か質問させていただいていますが、今の規制
というか、敷地境界1mSvの判断の仕方が、水に関しては濃度ということで見ているわ
けですけれども、いろいろな評価の仕方があると思うのですが、1Fの現状に照らして、
やや濃度だけで見ているというのが物差しとしてどうなのかなというのを以前から疑
問に思っていまして、先ほどの濃度が下がっていないというのは、多分港湾内の濃度が
下がっていないという問題に関して専門家の方がということは、水の出入りがあるにも
かかわらず下がっていないのは、出続けているということだろうと書かれていたり、そ
う指摘されている方もいるので、そういう問題なのだと思うのです。
外洋に関してはNDだと委員長はおっしゃいましたが、確かに外洋に関してはNDが続い
ていますけれども、これに関してももっと細かく小さいレベルまで見ることはできるわ
けで、その中で本当にどう下がっていっているのかどうかというのを見るべきだという
意見をお持ちの方もいらっしゃるわけで、その辺で総量に関して、なかなか難しいこと
だろうとは思うのですが、もう少しそういったものを視野に、つまり濃度の規制という
のは、基本的には健全な原発に関しての規制の在り方を今の1Fに応用しているのだと思
うのですけれども、やや合っていないのではないのかなという感じがするのですが、委
員長はその辺はいかがでしょうか。
○田中委員長
合っていないと言えば合っていないでしょうね。ですから、今のところは
健全な普通のやつから比べると少し高いレベルにセットしています。
その濃度というのも、確か1年中1日何Lかの水を飲み続けて1mSvとか、海の水を毎
日1Lずつ飲んだら、それだけでも体を壊してしまうような、そういう前提になってい
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るので、相当セーフティサイドに規制は決まっているのです。
ですから、私は、濃度は今の基準でやっておけば特に問題はないと思っていますが、
実際には1Fはそれだけでは処理できなくて、例えば敷地境界の線量は今だんだん下がっ
てきて、大分下がりましたけれども、いっときは年間にして8mSvぐらいありました。
それはストロンチウムの処理をしてだんだん下げてもらっているというようなことが
ありますので、一遍にいろいろなことを皆さんは要求されるけれども、1Fはなかなかい
かないのです。俗に40年かかりますと言うけれども、事の重大さはそういうことなので
す。でも、できるだけリスクを大きいものからちゃんと処理していくという、そのこと
を求めているということです。
○記者
一朝一夕にはいかないと思うのですけれども、すぐにということではないにして
も、やはり1Fに合った形での規制というのを考えたときに、今、問題になってくるのは
ほとんど核種でいえば長寿命のものになってきています。そういう意味では、濃度だけ
ではなくて、やはり総量を視野に入れたような規制とか管理の在り方というのをいずれ
考えてほしいなと。これは要望でもありますが。
○田中委員長
1Fというのは、特定原子力施設ということで特別な扱いをして、それにつ
いては、全体を含めて監視検討会で評価をして、ウォッチしている、規制していると理
解していただければいいと思います。一つのことだけではないということなのです。
○司会
他はいらっしゃいますか。
では、今、手を挙げている3名の方で終わりにしたいと思います。
まず、タケオカさん。
○記者
共同通信のタケオカと申します。
先ほどの大学の原子炉の審査のことで1点だけお願いします。
乱暴に受け止めてしまいますと、リスクの低い施設は、教育との兼ね合いもあって、
多少細かい審査の項目はすっ飛ばしても迅速にするべきだなんて乱暴に受けとめてし
まう人もいるのかなと思ったのですが、定例会のお話を伺っていると、主に大学の研究
原子炉を想定してお話しされていたのかなと思っているのですけれども、もう少し丁寧
な説明をお願いします。
○田中委員長
今、タケオカさんが言ったような誤解をされると思うから、最後に、別に
だめなものはだめ、いいものはいいという判断を含めてきちんとグレーデッドな、資料
に書いてあったことを読むとどれもこれもみんな同じなので、そうではないだろうとい
うことを申し上げたわけです。
○司会
よろしいですか。
○記者
はい。
○司会
では、次はクマイさんからでいいですか。
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○記者
朝日新聞のクマイと申します。
今週の金曜日の夕方に東電の廣瀬社長との意見交換の臨時定例会がありますが、東電
の方でもいろいろな資料を持ってきて御説明をされるかと思うのですけれども、委員長
としては、どんなことについて説明を聞いて、どういう意見交換をしたいと現段階でお
思いでしょうか。
○田中委員長
これまでもう何回かやってきたことと基本的には同じですけれども、東京
電力の場合には1F事故を起こしましたから、そういうことを踏まえて一味違った安全の
考え方、トップの考え方というのを聞かせていただければと思いますし、そのことは私
どもとしてもやはり反省を踏まえて、今後、他の事業者の模範になるような取組。そん
なことをしたって取り返しがつかないことは事実ですけれども、そういう意気込みぐら
いは見せていただきたいと思っています。
○記者
1Fの廃炉に向けた作業のことを主に中心にされたいのか、今、申請中の柏崎刈羽
6・7号機のことを中心にされたいのか。
○田中委員長
前から申し上げていますけれども、この会合は、申請されているものの評
価、適合性がどうのこうのとか、そういう話は一切しないということはもう伝えてあり
ます。
1Fのことが話題になるかどうかはちょっと分かりません。分かりませんけれども、今
日の議論にもあったようなこともありまして、情報の公開とか、そういうこともありま
す。それは安全文化の問題とも関わってくるので、場合によってはそういう議論になる
かも知れないです。ただ、相手がありますから、すぐにこういうことをお話ししますと
いうことは今ここで申し上げるわけにはいかないと思います。
○司会
それでは、最後、キノさん、どうぞ。
○記者
何度もすみません。フリーのキノですが、先ほどの私の質問でお答えが頂けなか
ったので、もう一回確認なのですけれども、中村委員の今回の件に関しての認識という
のは聞くことはできないのでしょうか。要するに、モニタリングの関係なので、監視の
必要があるかないかというのは、当然、委員が判断されるべきことなのかなと思うので
すが、その辺はどうなのでしょうか。
○田中委員長
私が聞いてもいいですが、少なくとも先ほども会いましたけれども、特に
そういう御指摘はありませんでした。私の方から確認してみます。
○記者
すみません。
あと、先ほど委員長は、1Fの状況を全て把握するのは無理だというお考えを頂いたの
ですが、一方で、それができないとやはり今回のようなことがまた起きる可能性があっ
て、地元の信頼というのが得にくいのではないかと思えるのです。
そうすると、例えば報告聴取のような形で1Fにあるデータの全て、一体そこでどんな
データを持っているのかというのを集めるようなことというのは、そこまでは必要がな
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いということでしょうか。
○田中委員長
1日に6,000~7,000人の人が入って作業をして、日々刻々と状況が変わっ
ていくデータを全部把握しろと言っても、ちょっと不可能ですよね。
○記者
いや、お伺いしたいのは、例えば汚染水に関してのデータだけでもどうなのかな
と。
○田中委員長
汚染水といっても、今日はKトレンチの話が大分話題になりましたけれど
も、水も、先ほど申し上げましたように、いろいろな水がいっぱいありますね。ですか
ら、それを全部、東京電力自身もあれだけの広大な敷地の中で、雨なんかが降った場合
にどうなっているかというのを、できるだけ把握するようには努めてもらっていますけ
れども、全部は把握し切れないのだろうと思います。
要するに、そういう状況にあるということなのです。ですから、大きなリスクになら
ないようにしなければいけないということだけはいつも繰り返して言っていることな
ので、データを全部把握しろと言われたって、これは無理です。
○記者
データのリストだけでもと思ったのですが。
もう一点だけ、先ほど周辺の影響については、年間1mSvというのを目標にしていると
いうのは現状では分かるのですが、そうすると、1Fのゴールについて、一方で廃炉は1
個あるのですけれども、周辺の影響について、より事故前の状況に近づけるということ
は今は考えていないのでしょうか。
要するに、1mSvになればそれでいいというのであれば、そこで終わってしまうのです
が、それ以上やるとなると、先ほど別の方の質問でありましたけれども、例えば海のモ
ニタリングをもっと細かいレベルまで詳細なモニタリングをするであるとか、そういう
指摘も出ているわけですが、そういうのも必要ではないかと思うのですが、そういった
ことまでは今はないということなのでしょうか。
○田中委員長
様々な放出源を考えて、放射線の影響が敷地境界で年間1mSv以下になるよ
うにというのは、今どこの発電所でもそういう規制をしていますから、まず、それを事
故前の状況に近づけるということだと思います。
○記者
分かりました。
○司会
それでは、本日の会見はこれで終わりにしたいと思います。御苦労さまでした。
-了-
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