原子力規制委員会記者会見録 ● 日時:平成26年10月22(水)14:30~ ● 場所:原子力規制委員会庁舎 ● 対応:田中委員長 記者会見室 他 <質疑応答> ○司会 それでは、定刻になりましたので、ただ今から原子力規制委員会の定例会見を始 めたいと思います。 早速ですが、皆様からの質問をお受けしたいと思います。いつものとおり、所属とお 名前をおっしゃってから質問の方をお願いいたします。 それでは、質問のある方は手を挙げてください。 ハナダさん、どうぞ。 ○記者 NHKのハナダと申します。 今日、定例委員会で議題になった九州電力との意見交換の関係で2点伺わせてくださ い。 事故の教訓で安全文化の醸成が非常に重要だと思うのですが、トップマネジメントと いう委員会での御発言がありましたけれども、もう少し具体的にどのような点について 特に九州電力の瓜生社長に伺いたいのか、伺わせてください。 あと、規制の改善へのフィードバックというのを、どのような点を特に意識されて意 見交換していこうと思われているのか伺わせてください。 ○田中委員長 今、話をしてしまうと、種明かしをして余り面白くないのではないかと思 うのですが、基本的には今日言ったとおりなのです。やはりセーフティカルチャーの一 番大もとになるのがトップマネジメントであるというのは、国際的にも、IAEAなどでも わざわざそういうレポートも出ているぐらいですから、従来、我が国ではその辺が少し 欠けているというところがありましたし、それから、九電について、それぞれの電力会 社によっていろいろ状況が違うので、その辺については、今後、もう少し詰めて議論の 焦点を絞りたいと思うし、向こうもそれなりに御意見があれば、よく率直に聞いてみた いということで、最初ですからどういう話になるか分かりませんけれども、そういうこ とをしたいと思います。 規制の改正ということを意識して会うわけではないので、そこについては、今のとこ ろ何も考えていないですね。 ○記者 一応、8月の資料を見ると、規制改善への検討に与するためにも発話などをして もらうという項目が載ってはいるのですけれども、そういったことへの何か検査へのフ ィードバックとか、そういったことは考えられていないという形なのでしょうか。 ○田中委員長 それはこちらから言うことではなくて、向こう、規制を受ける側から見て、 1 どういうところが大事なので、どういうところはもう少し何とかなりませんかという話 があれば、そういう話はあっても当然構わないと思うのです。そういう意味では、率直 に御意見を頂いた方がいいと思っていますが、こちらから何か改めてそれを言うような ことは考えていないということです。 ○司会 次の方、いらっしゃいますか。 マサノさん、どうぞ。 ○記者 フリーランスのマサノです。よろしくお願いします。 川内原発の件で、しかも新基準のことについてで恐縮なのですが、過酷事故が起きて メルトダウンが起きたときの対策として、性能要求があればよいということで、実際の 計画の中に、メルトダウンが起きたときは下部に人力で可搬式のポンプで注水すればよ いということが書いてありましたけれども、これについて、原子力規制庁の方も更田委 員も性能要求だからそれでいいのだというお考えなのですが、委員長もそれでよいと思 っていらっしゃるのかどうかお聞きしたいです。よろしくお願いします。 ○田中委員長 メルトダウンという現象というのをどういうふうにイメージされているか 分かりませんけれども、燃料が溶けて、そのまま圧力容器を溶かして格納容器の方に落 ちていくような状態を今おっしゃっているのだと思うのですね。 ○記者 すみません。さらにメルトスルーも含めて。ごめんなさい。 ○田中委員長 そのときに何が起こるかというと、そのままにしておくと格納容器のコン クリートの壁と溶けた燃料との相互作用、俗にMCCI(溶融炉心/コンクリート相互作用) と言っているのですが、そういうことが起こると、またそこで水素が、昔、映画で「チ ャイナ・シンドローム」というような話もありましたけれども、そういうことのないよ うに、そういうことをできるだけ敬遠するために水を張るとか、そういうことがあって、 そういうことをある程度防げるということの性能要求ということで、あらかじめそうい う状況になればその下に水を張っておくということなのです。後で水を入れればいいと いう話とはちょっと違う。多分そんなことは言っていないと思いますけれども。 ○記者 いや、起きたときに何をするかという対策で、原子炉下部に可搬式ポンプで注水 するということなのですが。 ○田中委員長 いやいや、メルトスルーが予測されるときには、格納容器の下部に注水す るいろいろなシステムがありますから、今、ポンプで入れるというのは、もう最後の最 後、残された一番最後の手段で、通常はそういうことはしなくても十分水が入るように できています。 ○記者 その最後の最後で、要は、福島第一原発のようなことが起きた場合に、では、何 ミリシーベルトの被ばくを想定しているのでしょうかと聞いたところ、規制庁さんの方 は1週間に100mSvという基準に収まるようにするということだったのですが、それで収 まるとお考えですか。 2 ○田中委員長 もっと少ないと思います。実際には、防災基準では1週間100 mSv以内とい うふうに、実効線量ベースで。そのためには安全目標として100TBqぐらいということで すが、川内の場合は、今、最大の過酷事故で5.6TBq、セシウムでね。ですから、十分そ れよりは低いと思いますけれども。 ○記者 では、福島第一原発でもそれができたということでしょうか。 ○田中委員長 だから、福島第一原発の教訓を踏んでいろいろなシステムを要求している から、重大事故対策のためのいろいろな附属施設、いろいろなシステムが付加されてき ておりますので、そういうことを含めて、今、我々はそういう性能を要求しているとい うことです。 ○記者 でも、工事実施計画を見ると、可搬式のポンプで原子炉下部に注水をするとしか 書いていないので、委員長がおっしゃっているような、事前なのか何なのかというのが 全く分からないのですが、今、それで計画を審査されているところだと思うのですが、 その辺は確認されるということで間違いはないでしょうか。 ○田中委員長 もう今まで何十時間やったのか、川内だけでも多分すごい時間やっている と思いますし、今、御指摘のことだけでやろうなんていうことは全く考えていないです。 それはMCCIというものを防ごうということです。 ○記者 最後ですが、委員長がいらっしゃらないときに更田委員が代理でこちらで会見を されたときに、コアキャッチャーのことを聞かれて、コアキャッチャーの性能要求とい うようなお話をされた中で、更に付け加えて、既存の原子炉に対してコアキャッチャー を付けるというのは、これは新設ととるべきか既設ととるべきかという話になって、今 回の議論の視野の外の話だというお話をされているのですが、そういった意味での外の 話はされたのでしょうか。つまり、規制をきつくすることによって、既存のものが使え なくなる。それがゆえに、新設ということも含めてコアキャッチャーなどの機能を付加 することを要求するということを議論した上で、今、計画に書かれているようなところ、 可搬式のポンプで下部注水するということに落ちついたのかどうか、その辺はいかがで しょうか。 ○田中委員長 何か可搬式ポンプで注水することにこだわっているようですけれども、そ もそもコアキャッチャーの目的は、MCCIという現象をできるだけ軽減するということな のです。ちょっとその言葉が「コアキャッチャー」と言うと、メルトスルーした燃料を そこに全部とめて、全部受け止めて何も起こらないというふうにお考えかも知れないけ れども、コアキャッチャーの役割はそういうものではないのです。 ○記者 それは一つの事例ですので、今、質問の仕方が悪かったと思いますが。 ○田中委員長 だから、コアキャッチャーというものの機能というのは何なのかというと、 MCCIによって大きな事故につながらないようにするために、そういうデザインもあると いうことなのですね。 ○記者 それで、その機能を確保するためにどういったことをするかという議論の中で、 3 規制を厳しくすると、あるいはこういった言い方はあれですが、規制を厳しくし過ぎる と新設ということが要求される。更田委員の話ですと、それとの見合いで、新設をしな くて済む程度の基準にしたというふうにしかとれなかったのですが。 ○田中委員長 要するに、コアキャッチャーを既存の原子炉にどういう形で作るのがいい のかということになりますと、それはなかなかできないということだと思うのです。だ けれども、コアキャッチャーが果たすべき役割、性能が別の方法でできれば、それでい いということを、我々はそういうふうに判断した規制をしているというこ とな ので す。 ○記者 それが可搬式ポンプだと。 ○田中委員長 ○記者 それは可搬式ポンプとは全然関係ないですよ。 でも、審査した中身としては、そのように書かれていると。 ○田中委員長 いや、そんな単純なことではないです。 ○司会 これでもう最後にさせていただきます。よろしいですか。 ○記者 結構です。 ○司会 他はいらっしゃいますか。 ミヤジマさん、どうぞ。 ○記者 月刊誌のFACTAのミヤジマです。 この意見交換は、先生が半年前からずっと希望されていて、私は、これはやはり国民 の前でやっていただくことは非常に意義深いと。やはり原発事業者の資質を問うものを 当局が検証するという意味で、これはしっかりやっていただきたい。これはお願いです。 一番伺いたいのは、やはり原発をやる会社の社長と他の会社の社長は違うと。今まで の電力会社のトップにはその自覚がなかったと思うのです。今は翻って、3.11を踏まえ て、電力会社のトップ、原発を持っているところのトップに先生は何を一番要求したい と。それはやはり国民の代表として聞いてほしいのですね、私は。そういう意味で、他 の原発を持っていない会社と持っている会社のトップの資質について、今、お考えにな っていることがあったら伺いたいのですが。 ○田中委員長 御指摘のとおりで、原発というのは、やはりその持っているポテンシャル リスクというのは非常に大きいものがありますし、それが残念ながら福島で顕在化して しまったということなのですが、そういう意識を常に持ってこの技術を使うという、そ の責任者であるという自覚は、いつの場合でも同じだと思うのですけれども、他の公害 問題を起こしているような場合でも、やや似たようなところはあるのですが、そういう 意味では、原子力発電所というのは、更にもう一回りそういう意識を強くして当たって いただかないといけないということだと思います。 具体的にどういう意見交換になるかということは、今、私自身ももう少し考えたいと 思います。おっしゃるとおり、やはり公開の場でこういう場を持つというのは多分初め てですよね。我が国、原子力発電所だけではなくて、他の民間の社長だって、こういう 4 場は多分初めて経験することだろうと思うのです。今までやったのは廣瀬社長ぐらいで すよね。ですから、そういった意味で、少し大きく変わってくれることを期待したいと 思っているし、これは一回で終わるわけではなくて、繰り返し、しょっちゅうというわ けにいきませんけれども、多分、月に1回ずつの割合で、他の社長の会見も見ていけば、 それを御覧になっていて、自分は違うなとか、いろいろ、そういうことから学ぶ機会も できてくるだろうと思いますので、そういうことを含めて、いい場にしていきたいとい うのが私の願いです。 ○記者 もう一点だけ伺いますが、3・11 で東電の会長、社長が中国、関西と、いわゆる ホットラインというのが通じなかったと。これは国会事故調であれ、各事故調で非常に 問題になったわけなのですね。これからやるそれぞれの会社と NRA の間での、いわゆる 非常の、災害ですとか、起こったとき、現実に今、ホットラインというのが存在するの かどうか。仮に何分以内にこの人が代理でホットラインになっているということになれ れば、3・11 の東電のようなことは絶対に起こらないわけなのですけれども、事務方の ことは分かりませんけれども、田中委員長、今回会われるでしょうけれども、更田さん と、それぞれの会社の非常事態におけるホットラインみたいなものは、今、存在するの か。ないなら、こういう機会で、顔が分かって、一応、話ができる関係になれば、そう いうものを備えておくというのは海外では普通だと聞いたのですけれども、その辺の考 えというのはどういうことになるのか、伺いたいのです。ホットラインが必要だと思う かどうかですね。 ○田中委員長 ホットラインというのは、顔も名前もよく知っているという意味でおっし ゃっているのですか。 ○記者 いや、ホットラインというのは、基本的には、非常事態のときに、そこに対して ダイレクトで話が通じると。それがいない場合には、その代理の人が出てくると。どこ でも普通、そういう言葉で使っている意味で言っているわけですけれども、3・11 のと きの教訓においては、東電は会長も社長も連絡とれなかったと。そこは非常に大きい問 題だったと、今でも私は思っているのです。それと、この方たちに最初に会われるとき、 何かあったとき、直の情報が一番 NRA は必要なわけですから、そのとき、トップマネジ メントが、こちらの当局にそれらの事態について状況が説明できるような資質を持って いるかどうかということも含めて、それは社長でない場合には技術系の副社長か知りま せんけれども、そういうのが私はトップマネジメントの本質だと思っているのです。内 部における体質の管理も大事ですけれども、一番上にいる人が非常事態のときにまず率 先して何をやるか、その備えがあるかどうかということだと私は思ってい るの です ね。 それが東京電力のトップにはなかったと。それはもう既に3・11 の教訓なのですけれど もね。だから、その辺のところを国民の代表で是非聞いていただきたいと思っているわ けなのです。 ○田中委員長 今、御指摘のところは、基本的に、形、中身はどうかということはともか 5 くとして、そういうことはできるようになっていますし、事故が起きた場合にはすぐに 本社にうちのしかるべき、今は審議官がトップになって出かけて、まず、そちらの状況 をつかみながら、私自身は官邸のほうに行きますので、いろいろな形でラインはきちっ とつながって、そういう判断についても、きちっとウォッチしたり、サジェスチョンし たり、あるいはその状況によって、住民に対してどういうことを求めるかとか、そうい うシステムは、今、整備しつつあります。今、訓練の段階はまだありますけれども、一 応、そういうことは、福島の事故を踏まえ作りました。作りましたけれども、どこまで 機能するかは、これからもう少し訓練を重ねて、改善するべきところはしていきたいと、 そんなふうに思っています。 ○司会 他はいかがでしょうか。タケオカさん、どうぞ。 ○記者 共同通信のタケオカと申します。 川内原発の審査結果について、鹿児島県での住民説明会が一昨日で5回が終了しまし た。何回か現地で傍聴したのですけれども、住民の方からの質問の大半が審査結果以外 のことに集中していて、なかなか噛み合っていないという印象を持ったのですけれども、 審査結果の中身自体もなかなか理解するのは難しい面もあると思うのですけれども、委 員長としては、事務局からも報告受けているかも知れませんが、説明会によって住民の 方の理解は進んだとお考えでしょうか。 ○田中委員長 事務局も、私がここでやったときから見たら、それをリバイスして、住民 にもできるだけ分かりやすいように丁寧に説明していただいたということはよく理解 しているのですが、やはり原子炉そのもののシステムが分からないと、どこまで理解し ていただけるか、1回聞いたぐらいで分かるかどうかというのは、それはおっしゃると おり、大変難しいことだろうと思います。だから、どうしても違った質問になってくる というか、質問というよりは主張になってくるのですね。そこのところはよく分からな いから、もっと丁寧に説明せよということについては、おそらくきちっとやっていただ いたと思っていますけれども、そういうところはあるかなと思います。でも、こういう のは、一回でそんなにたくさんの人に理解されるものでもないので、必要があれば、今 度は場所も違うかも知れませんけれども、やっていくことになるのだと思います。 ○記者 鹿児島で言いますと、主催が今回、県であったり、地元の市町村であるので、な かなか難しいと思うのですけれども、必要があれば、委員会としては、今後のさらなる 説明も辞さないというお考えでしょうか。 ○田中委員長 自治体からの要請があれば、お断りすることはないと思います。 ○司会 他にいかがでしょうか。モトキさん、どうぞ。 ○記者 NHK のモトキです。 カルデラ噴火について、神戸大学の巽好幸教授が近く新しい研究成果を発表されると 6 いうことで、これについて質問させてください。巽教授が日本列島で過去 12 万年に起 きた火山の噴火規模と発生規模を統計学的に解析した結果、日本列島で今後 100 年間に カルデラ噴火が起きる確率が1%になるという結果が出たそうです。1%というと小さ いような感じもするのですけれども、仮に阪神大震災の前日に 30 年間の発生確率を計 算していたとしたら、同じ数値になっていたそうです。それでも翌日に震災が起きてし まったということで、カルデラ噴火についても、いつ起こっても不思議ではないという のが教授の主張になります。こうした知見、考えについて、原発を巡って火山対策を求 めていらっしゃる立場から、どのような印象を持たれるか、お聞かせ願えますでしょう か。 ○田中委員長 今、おっしゃった論文を私は詳細に見ていないので、答えるのは適当では ないと思います。どういう意味でそういうパーセントが出てきているのかということと か、どうするのかということは。カルデラ噴火というのは、前から申し上げているよう に、いわゆる超巨大噴火というのは、例えば、昔、九州で起こったカルデラ噴火である と、九州全域の人が亡くなってしまうような状況の噴火を指しているわけですね。それ が 30 年に1回ぐらい起こるかも知れないと言っているわけですか。それは大変なこと ですよ、我が国にとっては。私はそういう印象しかないですね。今のお話を聞くと。 ○記者 発生確率自体は、今後 100 年間で1%ということなのですけれども、単純に頻度 にならすと1万年に1回の頻度ということで、これまで言われてきたことと確かに余り 変わらないと思うのですけれども、素人からすると、頻度で言われるのと、改めて確率 として示されるので印象が違うなと思いました。特に、過去に1%の確率だった地震が すぐに起きてしまったという実例があると聞くと、カルデラ噴火についても、当分大丈 夫だよと言われても、本当にそうなのかなという気もするのですけれども 、そ の辺 り、 どんなふうに考えたらいいのでしょうか。 ○田中委員長 今、私が、素人がごちゃごちゃ答えるのは余り適当ではないと思います。 一応、規制委員会としては、火山について、そういった巨大噴火について、どういうふ うに見ていったらいいのかということについては、今後検討していくことに決めていま すので、今日、明日のことであればまた別ですけれども、多分、そういうことの中で一 定の判断の基準ができていくのだと思いますし、逆に言うと、私は前にも申し上げまし たけれども、今まで、多分、ここにおられる方も、私も、カルデラ噴火などというのは 想像もしたこともないのですが、そういうことを改めて認識して、大変な国に住んでい るのだなということを認識して、これからそういうことも含めて、科学技術に携わる者 のある種の社会的責任は大きいと改めて思っているので、火山学者にもそういうことを 原子力のサイドから求めていきたいと私は思っています。 ○司会 よろしいですか。他はいかがでしょうか。ニイさん、どうぞ。 ○記者 共同通信のニイです。 7 事実関係の確認なのですけれども、9月で委員2人が交代したり、あと、その前に JNES と統合したり、順番が変ですけれども、防災部門が内閣府に行ったりしたことで、委員 長、さっきおっしゃったみたいに、非常時の規制委の幹部の配置というのは、これは更 新したのでしょうか。例えば、9月以前であれば、大島委員がいらっしゃいましたけれ ども、9月以降は原子力の専門家である田中知委員が来られたことで、配置等を変える 余地が出てきたり、あと、審議官等もポストがふえたりしてはいるのですけれども、こ の辺は、今、組み替え等は進んでいるのでしょうか。 ○田中委員長 防災対策については、防災部門が内閣府にかなりきちっとできましたので、 そこと非常に密接に連絡を取りながら体制を整備しています。実際の運用がきちっとで きるかどうかということについては、一度訓練もしましたけれども、これからも訓練を しながら、きちっと役割分担を適正に果たしながら、今まで以上に、今までと同じであ れば、何のために防災部門を独立させてきちっとしたかということも分かりませんから、 よりよい方向に持っていきたいと、そんなふうに思っています。 ○記者 これは少しお願いベースになるのですけれども、こういった組織改編の前であれ ば、委員長が官邸に行って、3階に更田さんが詰めて、安井さんが電力本 店に 行っ て、 黒木さんが現地オフサイトセンターに行くという、幹部の配置というのが、確かペーパ ーになっていて、公表していたと思うのですけれども、もしそれがポストとか人が変わ ったことによって変更があるのであれば、それはきちんと示していただきたいと思うの ですが、この辺はいかがでしょうか。 ○田中委員長 それはもちろん変わっているのだけれども、出すのがいいのかどうか。 ○米谷長官官房総務課長 原子力規制庁の総務課長の米谷でございます。 そういう体制図を広く公表していたのかどうかというところは確認をさせていただ きたいと思います。 それで、全体の体制は、内閣府に原子力防災の専属の部隊が先日できました。もちろ ん、そこで政策統括官という新しい職もできましたので、それを踏まえてマニュアルの 改定などはしております。そして、委員長からもありましたように、その新しい体制で 訓練をやると、それがきちんと機能するかというのを確認することにしております。 ○記者 最後にします。では、少なくとも、次回行われる志賀の訓練では、当たり前かも 知れませんけれども、新体制に基づく配置が行われて、それが我々にも分かるような形 になるという理解でいいでしょうか。 ○田中委員長 多分、取材を許可するのでしょう。そうすると、多分、分かるでしょうけ れども、先程ミヤジマさんからも御質問がありましたように、プラントの情報はほとん ど同時に ERC という、ここの3階にあるところと官邸で見られるようになっていますし、 そこの責任者は誰になっているかということとか、それから、EOC といって、現地の本 社に行って、社長のそばでいろいろ状況を見ているというのも決まっていますし、官邸 でどういう判断をするかということについては、私は原子力防災の副本部 長で すか ら、 8 そういう情報、それから、オフサイトセンターの方では、そういった事故が起きればモ ニタリングセンターを立ち上げるとか、そういった情報も全部含めて、トータルで判断 して、避難が必要であるのかどうかとか、いろいろな判断をしていくことになると思い ます。そういった訓練を今度はすることになるのだろうと思っています。詳細なところ まではまだ詰め切っていないと思います。 ○記者 ありがとうございます。 ○司会 では、2回目でよろしいですか。モトキさん、どうぞ。 ○記者 NHKのモトキです。 すみません。今の質問と関連なのですけれども、今、訓練の公開をというようなお話 があったのですが、これは今度の志賀の原発の訓練において、ERCの訓練の様子を公開 するという意味でおっしゃったのでしょうか。確認です。 ○奥山広報室長 広報室長の奥山ですけれども、その関係につきましては、要は、防災訓 練でどういうふうな形で取材をしていただくかということについては今、調整中でござ いますので、後程改めて御連絡させていただくことはできると思います。 ○記者 了解いたしました。 今後の訓練に関しては了解したのですけれども、ちなみに去年の訓練において、私、 やはりびっくりしたのが、当日伺ってERCの訓練の様子が全く公開されなかった。それ で先程らい話があったように、1Fの事故のときのやはり大きな教訓というのは、ERCが 機能しなかった。情報収集をやって、意思決定を支える一番中枢になる部分が機能しな かったというのが大きな教訓だと思うのです。それで設備面では新たに整えられたこと は理解しているのですが、それがうまく機能するのかというのを確かめる訓練がマスコ ミにオープンにされなかったというのは、非常に私は疑問に感じたのですけれども、そ のあたり、委員長、どのようにお考えでしょうか。 ○田中委員長 先程奥山さんからもあったように、今、国が、非常に大事なことは、ERC というのはプラントの情報を把握するということなのですね。プラントの状況を把握し ながら、対国民、住民に対してどういうふうな行動を要請するかというところになって くるので、当然私の個人的な考えでは、そういう緊急事態には、NHKを含めていろいろ なメディアの方にはそういった情報伝達では御協力いただく必要があるだろうと思う のです。単なる情報の垂れ流しだけではなくてね。 ですから、適切などういうことをやっていただけるのか、どういうことを求めるのか ということも含めて、多分この訓練を通していろいろ広報の方もよく考えていただいて いると思いますので、モトキさんの方で今のことだけではなくて、大事なことは住民に どういう情報がきちっと正しく伝わるかということが大事なのですね。混乱しないよう に。ですから、そういうところを含めて相談をしていただいた方がいいと思います。 ○記者 緊急時の実際のときの対応については正におっしゃるとおりかなと思いますので、 9 私もできる御協力はしたいと思います。 あと一方で、訓練をまた取材するということはちょっとまた別の意味があるので、緊 急時のそういう対応訓練が適切に十分なものが行なわれているのかというのを、メディ アの目で見て検証するという意味で公開してほしいという趣旨なので、それはまた別途 ぜひ検討していただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○田中委員長 ○奥山広報室長 前向きに。 正直、原子力規制庁、規制委員会としてだけではなくて、多分内閣府防 災、原子力防災の方とも相談する必要がございますので、ちょっとそこも含めての御相 談になると思いますので、調整させていただきます。 ○司会 はい、他、ございますでしょうか。では、マサノさん、2回目。簡潔にお願いし ます。 ○記者 フリーランスのマサノです。 先程のやりとりで、川内原発の住民への説明で噛み合わなかったという話がありまし たが、この原因として、規則を作っている段階、早期段階から参加がなかったからとい うのは大きなことだとは思うのですけれども、原子力規制委員会設置法26条で「委員会 は委員会規則を制定することができる」とあるだけで、諸外国で、例えばヨーロッパで すとオーフス条約というものがありまして、早期に参加をさせるというところの立法措 置をとるようにという、そういった条約があるわけですが、田中委員長として、今後、 例えば第4条の2項で大臣への勧告も田中委員長としてできるわけですが、そういった 早期段階に関係者あるいは住民、自治体関係者。ここでも何回も知事の意見を早目に聞 かないのですかというような意見が何度も出ていましたけれども、それを法律の中に制 定、26条の2というような形で早期段階からの参加というようなことを入れるというよ うなことを大臣に4条の2項を使って勧告していくということはお考えになられません でしょうか。 ○田中委員長 ○記者 結論から言うと、やるつもりはないです。 どうしてでしょうか。なぜですか。 ○田中委員長 そこに書いてある趣旨は、今、御指摘のこととは多分違うと思います。い ろいろな人がいろいろな御意見を持っているのは、この世の中いろいろお考えがあるの はそれはそれでいいのですけれども、そのことを全部聞いたから、では何か判断できる かというと、そういうわけにもいかないところもありますので、基本的にはいつも私ど もの広報は窓を開けてあって、御意見があればそれに対して意見を言ってきていただく こともできますし、重要なときにはパブリックコメントというプロセスも経ていますか ら、そこで言っていただければいいわけで。それから、こんなに毎週こうやってプロセ スの会議をやっているような役所はどこも多分ないと思いますけれども、そういうこと で私は十分開かれていると思っているのです。 10 ○記者 開かれているタイミングで、規則を作っていく段階で意見を聞くということの重 要性はどのようにお考えでしょうか。正式な場で、権限としてそういった場が与えられ るという。 ○田中委員長 ○記者 必要があれば、専門家とかの参加を得て聞いているのですけれども。 すみません。専門家ではなくて、影響を受け得る可能性のある住民であるとか、 対策を求められる自治体の意見を正式に聞く。 ○田中委員長 だから、今回は御説明していろいろな御意見をいただいているのだと思い ます。何をおっしゃっているのか分からないのだけれどもね。 ○記者 つまり、こうやってずっと後から後から例えば説明会をやっても、その中身では ないところで質問が出てくる、主張が出てくるというようにおっしゃいましたけれども、 例えば基準を決めるところから正式な場で意見を言うということができれば、その場で その中身についてももっと理解を深めることができたわけです。そういったものがなく て、でき上がったものをぽんと渡されて、そこで初めて正式に自治体が開いた説明会で 住民は声をあげることができたというのが今回の構図で、そこで主張がなされていると いうそういった理解を委員長、なされているのですが、だからそれをもっと早くという 意味です。 ○田中委員長 基準というのは、どんな基準をおっしゃっているのか分かりませんけれど も。 ○記者 今回の新基準です。それで、委員長いつもおっしゃって。 ○田中委員長 新基準については、パブリックコメントを1ヶ月やっているし、いろいろ な機会はあったと思いますし、たくさんの御意見もいただいているので。 ○記者 それは文書でですよね。それを例えば他の国がやっているように。 ○田中委員長 では、その御意見を仮に聞くとして、その人がどれだけの意見を、皆さん の意見を、国民の意見を代表しているかどうかということも関わってくるわけですから、 おっしゃるようにそう簡単なことではないのです。これだけ1億数千万人いる。 ○記者 簡単だからやる、簡単ではないからやらないという問題とはちょっと違うと思い うのです。 ○田中委員長 いや、そうだと思いますよ。昔、直接民主主義という全員参加型の都市国 家のときはそういうこともあったでしょうけれども、こういう大きな社会構成の中では、 そういうことはできなくなっているから、各国によっていろいろなシステムができてい るわけでしょう。それが歴史ではないですか。 ○司会 申し訳ないのですが、ここは意見交換の場ではなくて会見の場ですので、その観 点できちんと対応をお願いできますでしょうか。 ○記者 見解をお尋ねしているつもりです。代表制とかという問題。 ○司会 見解はもう委員長、述べております。 ○記者 はい。それに対して、すみません。では、最後です。 11 どのような場合に、それでは委員長は基準の設け方。コンスタントにこれからも改善 されていくという姿勢を前におっしゃっていたと思いますけれども、これが最後ではな いというようなことをおっしゃられていたと思いますが、どういった場合に新たに基準 を設けなくてはいけないということになるかという想定はいかがでしょうか。 ○田中委員長 それは一言で言えば、新しい科学的知見が出てきて、これは取り入れた方 がいいかどうかということをその基準の部会とかで議論をしていただいて、そういうも のを反映する必要があればそれを取り入れていくし、それに基づいてバックフィットも 求めていくと、そういうことになると思います。 ○司会 はい、他はございますでしょうか。では、そちらの方から。 ○記者 NHKのヤマウチと申します。 ちょっと先程の質問の件なのですけれども、神戸大学が近く公開することにしている 最新の知見で、今後の100年にカルデラ噴火が起きる確率は1%というような話がある のですが、これについて、一方で以前の原子力規制委員会の説明の中では、最新の研究 成果を反映させて、火山対策について何らかの基準を示す必要があるというお話があり ましたが、そういういろいろな神戸大学の知見とかについても今後何か参考にされたり とか、確認したりする御予定というか、そういったことはどのように考えていらっしゃ るのか教えてください。 ○田中委員長 今、私は神戸大学のどんな論文が出るのか知りませんけれども、そういう ことについての評価というのは多分火山のうちの委員会の中できちっと議論して、そう いうことも含めてやられるのだろうと思います。 ○司会 よろしいですか。他はいらっしゃいますか。これで最後でよろしいですか。では、 ミヤジマさん、最後でお願いします。 ○記者 FACTAのミヤジマです。 先程先生、おっしゃっていましたけれども、例えばここにこれから会っていかれる電 力会社のトップの携帯でいいですね。何かあったらNRAの先生であれ、更田さんから直に 私に電話がかかってくるということになれば、やはり事業会社の社長に資質というのは 劇的に変わると思うのです。いわゆる電力会社の、要するにフォーメーションが非常事 態どうだとか。官僚制においてどうだではなくて、本当の非常事態。では、海水入れる かどうかとなると全部トップに聞くわけですから、やはりトップの資質というのは最終 的に説明責任を含めて。私がさっきホットラインと言ったのは、別に何かそういうシス テムではなくて、自覚というのは。それで、実際会うわけですから、会ってそこで何が しか人間的関係ができれば、いつもで電話くださいという関係であるのが私は本当の危 機管理だと思っているのです、非常事態においては。そういう意味で申し上げたのです。 だから、形式のいろいろなことを私も皆さんがやっているのは分かりますけれども、 12 東京電力の場合はそこのところの自覚がない。そういう当局からそういうときに電話が かかってくると思わないから中国などに行っていたわけですから、私はそういうところ で、見える形で国民に電力会社のトップの気概とか何かを問うてほしいのです。そこの ところを分かる形で、分かりやすい形で見せてほしいというのが本音です。そこが3.11 のときの東京電力のトップが一番問われた問題だと私は思っているものですから、せっ かくやるのですから、やはりそこから始めていただきたい。そういう趣旨で申し上げま した。 ○田中委員長 はい。御指摘のことは非常によく分かりますので、電力のトップの、トッ プマネジメントはもちろん危機意識、危機管理ということが一番大きな問題ですから、 それについても今、いろいろな形で具体的なところも詰めているところですけれども、 改めて確認するようにしたいと思います。 ○司会 はい、よろしいでしょうか。では、最後、一番後ろの方、どうぞ。 ○記者 文化放送のヨシダと申します。よろしくお願いします。 皆さんのような専門的な質問ではなくて、本当に初歩的なとんちんかんな質問かも知 れないのですけれども、経済産業大臣が宮沢大臣に代わりましたが、委員長の率直な印 象と期待することなどをお聞かせください。よろしくお願いします。 ○田中委員長 一言で言えば、ノーコメントですね。経済産業大臣は私がどうこう言うよ うな立場にあられる方ではありませんから、まして違った役所ですから。 ○記者 分かりました。ありがとうございます。 ○司会 それでは、これで本日の会見は終わりにしたいと思います。御苦労さまでした。 13
© Copyright 2025 ExpyDoc