仕様書 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

仕様書
電子・材料・ナノテクノロジー部
1.件名
新規高性能磁石材料の探索に関する検討
2.目的
現在、電力の過半はモーターが消費している。また、家電や産業機械向けに加えて、自動車の電動化に
伴い、モーター需要の拡大が予想されており、中長期的なエネルギー需給戦略において、モーターの省エ
ネは最重要課題の一つである。特に高効率モーターの性能は磁性材料に依存しており、省エネを推進する
ためには、高性能磁性材料の開発が鍵となる。
磁性材料のネオジム磁石は日本で発明された磁石であり、我が国は磁石技術で世界をリードしてきた。
しかし、昭和 57 年に発明されたネオジム磁石の基本特許等は排他的独占権が切れつつあり、革新的な新
規高性能磁石の開発が最重要課題となっている。
また、高性能磁石の原材料には、特定国がほぼ独占しているレアアース(ネオジム、ジスプロシウム等)
が大量に必要であり、レアアースの安定確保とともに、安定供給が不安視されているレアアース元素に依
存しない体制の構築が急務となっている。
このような背景から、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、
「NEDO」という。
)で
は平成 26 年度から「次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発」プロジェクト(以下、
「本プロ
ジェクト」という。
)を実施し、レアアースに依存しない革新的高性能磁石の開発に取り組んでいる。
一方で、一部のレアアースの需給環境が一時期に比べてやや安定してきたことを踏まえ、平成 26 年 11
月に実施された中間評価においては、
「実用化の観点からもレアアースフリーに拘らず新しい磁石材料の
探索も進めるべきである」との指摘があった。NEDO としては、これらの状況に鑑み平成 27 年度より本プ
ロジェクトの基本計画に「新規高性能磁石材料の探索」を追加し、これに関する先導研究を行うこととし
た。
本先導研究は、従来のネオジム焼結磁石を超える可能性を持ち、かつ本プロジェクトのテーマに挙がっ
ていない新規高性能磁石材料の探索・可能性の検討を行い、基本材料設計の指針を示すことを目的とする。
3.内容
(1) 従来のネオジム焼結磁石を超える可能性を持ち、かつ本プロジェクトのテーマに挙がっていない
新規高性能磁石材料の探索・可能性の検討を行い、基本材料設計の指針を示す。
特に本プロジェクトの最終目標である高温における磁気特性を重視し、そのポテンシャルのある材料を
見出すことを目指す。さらに,固化・成形・焼結などのバルク化を視野に入れた材料を目指す。
ただし、重希土類元素の使用を前提とした材料は対象としない。また、計算のみの研究も対象としない。
(2) 検討過程の情報もNEDOと共有できるようにするために、定期的な情報交換を行いながらNE
DOとの情報共有を行うこと。
4.調査期間
NEDOが指定する日から平成28年3月31日(木)まで
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5.予算額
合計:150百万円程度
6.報告書
提出期限:委託業務の完了した日の翌日から60日以内
提出部数:電子媒体CD-R(PDFファイル形式) 1枚
提出方法:「成果報告書・中間年報の電子ファイル提出の手引き」に従って提出のこと。
http://www.nedo.go.jp/itaku-gyomu/manual_tebiki_index.html
7.報告会等の開催
委託期間中又は委託期間終了後に、成果報告会における報告を依頼することがある。
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