音楽科学習指導案 指導者 廿日市市立金剛寺小学校 田村 典子 1 学 年 第2学年1組 男子10名 女子7名 計17名 2 題 材 おまつりの音楽を楽しもう 3 題材について ○ 本題材は,学習指導要領の第 1 学年及び第2学年の内容「A表現」(1)イ「歌詞の表す情景や 気持ちを想像したり,楽曲の気分を感じ取ったりし,思いをもって歌うこと。」,(3)イ「音を音 楽にしていくことを楽しみながら,音楽の仕組みを生かし,思いをもって簡単な音楽をつくるこ と。」,「B鑑賞」(1)イ「音楽を形づくっている要素のかかわり合いを感じ取って聴くこと。」に 関わるものである。〔共通事項〕については,「音楽を特徴付けている要素」の「リズム」「拍の流 れ」を,また「音楽の仕組み」の「反復」を扱うものである。 本題材では,お祭りの音楽をテーマとし,歌ったり鑑賞したり,また祭りばやしをつくったりす る活動を通して,弾むリズムや太鼓の音色などの特徴を感じ取って表現を工夫したり,楽曲全体の 気分を感じ取って聴いたりする能力を育てることをねらいとしている。 表現教材「村まつり」は,弾むリズムが特徴的な音楽で「ドンドンヒャララ」は笛や太鼓の音色 を表すオノマトペを使っており,お祭りの気分を感じて,楽しく生き生きと歌うことができる。ま た鑑賞教材には,青森県「津軽じょっぱり太鼓」,岩手県「さんさ踊りの太鼓」,石川県「御陣乗太 鼓」及び東京「八丈太鼓」を取り上げる。これは,お祭りのお囃子の音楽を鑑賞することを通して, 太鼓の腹に響く音色や躍動感あるリズムを感じ取らせることがねらいである。 ○ 本学級の児童は,1学期に「ドレミでお話し」の教材で旋律づくりに親しみ,友達と呼びかけ合 うようにリレー演奏する学習を行った。また,2学期には題材「虫の声をつくろう」で、つくった 虫の声で友達と呼びかけたり答えたりする学習を行っており,「問いと答え」に着目して音楽をつ くる経験は継続して行っている。自分でメロディーをつくったりリズムをつくったりすることには どの児童も意欲的で,9割の児童が「音楽づくりが好きだ」とアンケートに答えている。 しかし,音楽の仕組みを手掛かりに音と音を関連付けて一つのまとまりとして形づくるまでには 至っていない。 ○ 指導にあたって,この題材では子どもたちが大好きなお祭りをテーマにしている。第一次では, 教材曲「村まつり」をお祭りの弾むリズムにのって歌う活動を通して,楽曲の気分を感じ取って歌 唱表現できるようにしていきたい。第二次では,和太鼓の音色が特徴的な日本のお祭りの音楽を鑑 賞する活動を通して,和太鼓の音色や躍動感あるお祭りのリズムを感じ取らせていく。そしてそれ らの学習で学んだことを生かし,第三次で「お祭りの音楽をつくろう」の学習につなげる。ここで は,お祭りの雰囲気に合った太鼓のリズムや掛け声をつくる活動を通して,友達と関わりながら音 を音楽にしていくことを楽しみ,伝えたい思いを自分のつくった音楽にのせて表現することの楽し さを味わわせていきたい。 具体的には,6つのリズムカードから2小節のリズムを選び,自分の気に入ったリズムを太鼓で 表現していく。次に,ペアでつくったリズムを反復させたりかけ声等を入れたりして,さらにお祭 りの雰囲気に合った表現へと工夫させる。 4 題材の目標 ○ 楽曲の気分を感じ取って,生き生きと歌う。 ○ いろいろな太鼓の音楽の特徴を感じ取って聴く。 ○ お祭りの音楽の特徴を感じ取って,太鼓のリズムや掛け声をつくる。 ○ 友だちと一緒に音を音楽にすることを楽しむ。 5 評価計画 ア 音楽への関心・ 意欲・態度 ① 楽曲の気分を感じ 取って歌ったり聴い たりする学習に進ん で取り組もうとして いる。 ② 日本の伝統的な音 楽に興味・関心をも ち,お祭りの音楽の 鑑賞に進んで取り組 もうとしている。 ③ 太鼓のリズムに興 味・関心をもち,即興 的な表現に進んで取 り組もうとしている。 ○評価方法 イ 音楽表現の創意工夫 ウ 音楽表現の技能 ① お祭りの気分を表す ① リズムを組み合 リズムを聴き取り,そ わせ,お祭りに合う の面白さを感じ取りな 音楽をつくってい がら,はずむように歌 る。 うなど歌い方を工夫す る。 ② リズムの違いを聴き 取り,その組み合わせ が生み出す面白さを感 じ取りながら,自分な りの発想をもって組み 合わせや音の出し方を 工夫している。 A「行動観察」 B「演奏の聴取」 C「ワークシート」 6 主な教材 「村まつり」 「日本のたいこ」 文部省唱歌 「津軽じょっぱり太鼓」:青森県弘前市 「さんさ踊りの太鼓」 :岩手県盛岡市 「御陣乗太鼓」 :石川県輪島市 「八丈太鼓」 :東京都八丈島 エ 鑑賞の能力 ① 音楽を形づくっ ている音色やリズ ムを聴き取り,お 祭りの様子やお祝 いの感じを想像し ながら,演奏の楽 しさに気付いて聴 いている。 7 指導と評価の計画(全6時間) 次 時 第 一 1 次 第 二 2 次 3 4 第 三 5 次 6 具体の 評価 ねらい 学習活動 評価 方法 規準 楽曲の気分を感じ取っ 「村まつり」をお祭りの気分を感じ取っ ア① AB イ① て,生き生きと歌う。 て歌おう。 ・「村まつり」の範唱を聴き,歌詞の内容か らお祭りの様子を想像したり,雰囲気に合 った歌い方を考えたりして歌う。 ・はずむリズムを感じ取って歌う。 いろいろな太鼓の音楽 いろいろな太鼓の音楽の特徴を感じ取っ ア② AC エ① の特徴を感じ取って聴く。 て聴こう。 ・いろいろな日本の太鼓の音を鑑賞する。 ・リズムや音色を比べながら聴く。 いろいろなリズムのち ア③ AB いろいろなリズムのちがいを感じ取ろ がいを感じ取る。 う。 ・6つのリズムを手拍子や打楽器等で表現す る。 ・強弱や速さを変えて,その面白さを感じ取 る。 リズムカードの中から イ② AB お祭りに合う太鼓のリズムをつくろう。 2小節分を選び,お祭りの C 雰囲気に合う太鼓のリズ ・リズムカードの中から2小節分を選び,お ムをつくる。 (本時) 祭りの太鼓のリズムをつくる。 ・つくったリズムを繰り返し,表現を工夫す る。 太鼓のリズムにかけ声 イ② AB 太鼓のリズムを繰り返したり,かけ声 を入れて演奏する。 C を入れたりして,もっとお祭りらしい 音楽にしよう。 ・つくった太鼓のリズムを反復させたりかけ 声を入れたりして,よりお祭りの感じが伝 わるように,表現を工夫する。 ペアでつくった「おまつ 「おまつりの音楽」を発表しよう。 ウ① BC りの音楽」を発表し合う。 ・リズムの組合せ,強弱等をポイントにお互 いの演奏を聴き合う。 ・つくったリズムやかけ声を「村まつり」の 歌にもつなげ,「みんなの村まつり」の音 楽として楽しむ。 8 本時の学習(本時 4/6 ) (1) 目標 リズムカードの中から2小節分を選び,お祭りの雰囲気に合う太鼓のリズムをつくる。 (2) 学習の展開 学習活動 指導上の留意点 評価規準(評価方法) 1 既習曲を歌う。 2 本時のめあてをつかむ。 ○学習の雰囲気をつくる。 おまつりに合うたいこのリズムをつくろう。 つ か 3 学習の見通しを持つ。 む ①6つのリズムから2小節組み合わ ○2つのリズムを選び,音を出して確 せる。 ②音を出して確かめながらお祭りに 合うリズムをつくる。 考 え る 練 り 合 う かめ,よりお祭りの楽しい感じを出 すためにリズムカードを入れ替えて たたき,例を示す。 ○6つのリズムカードの中から2つの 4 個人でリズムをつくる。 リズムを自由に選んで並べ替えられ るようにワークシートと一緒にリズ 5 ペアに分かれて聴き合い,リズムを ムカードを配布する。 工夫してつくる。 ①つくったリズムを,ペアで聴き合う。 ○終わり方を工夫させる方法として, ②繰り返してまとまりのあるリズム 最後はリズムを変えたり,かけ声を 奏に仕上げ,終わり方を工夫する。 入れたり強弱をつけたりするとよい ことに気付かせる。 ・リズムの違いを聴き取り,その 組み合わせが生み出す面白さ を感じ取りながら,自分なりの 発想をもって組み合わせや音 の出し方を工夫している。 予想される児童の反応 ・Aさんのリズム,はずんだ感じがしておもしろいね。ぼくのつくったリズムも聴 いてみて。 ・8分音符のリズムを入れるとにぎやかな感じになるね。 ・最後のリズムの終わりをかえてみようよ。この方がお祭りの感じがするね。 ・最後に「やっ」を入れてみるとお祭りらしい感じになるね。 ・リズムがとまらないように練習しようよ。 【評価方法】 行動観察,演奏の聴取,ワーク シート 【「努力を要すると判断される」状況(C)と評価される児童への手立て】 ・工夫がみられない児童には,リズムカードを差し替えながらリズムをいろいろ変えてみることを促 し,音を出してその違いを 確かめさせ,自分の思いに合ったリズムを選ばせる。 6 いくつかのペアの演奏を聴く。 ○工夫したところを発表させ,聴くポ イントを共有させる。 ○友だちの演奏を聴いて,よかったと ころやアドバイスを発表させる。 ま 7 本時のふりかえりをして次時の予 ○次時には,もっとお祭りらしくする と 告をする。 ために,今日つくったリズムに合い め の手やかけ声を入れていくこと を伝える。 ○本時のめあてをふりかえり,ワーク シートに記入させる。
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