2015/ FXウィークリー 2/23 投資情報部 FX ストラテジスト 由井 謙二 イエレン議長の半期議会証言が最大の注目材料 (先週のレビュー) 1月FOMC議事録公 表後にドル売りが強 まる 場面も 、 総じて 119円前後でもみ合う 展開 ドル円は週初、米金融市場が休場となるなか118円台半ばを中心とした狭いレン ジ内でのもみ合い。2/17(火)はギリシャが金融支援の延長を要請する意向との報 道にリスクオンとなり、119円台半ばに上昇した。2/18(水)は日銀金融政策決定会 合で現状維持が決定されると一時円高が進んだが、黒田日銀総裁が会見で「金融 緩和が逆効果だったとは思わない」と述べたことから円が売り戻された。しかし、1月 の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で「多くの委員はゼロ金利政策が長引く との考えに傾いた」ことが明らかになり、早期利上げ観測が後退。米金利低下ととも にドルが売られ、ドル円は118円台半ばに急落した。その後は、2/20(金)にユーロ 圏財務相会合でギリシャ支援合意との報道を受けて119円台に買い戻されて週の 取引を終えた。 ユーロドルは2/16(月)、ユーロ圏財務相会合でギリシャに対する金融支援協議が 合意に達しなかったことを受けて、1.14ドル台前半から1.13ドル台半ばまで下落し た。2/17(火)は独ZEW景況感指数の改善や「ギリシャが18日にも6ヵ月の融資延長 を要請する意向」との報道に1.14ドル台半ばへ反発した。2/19(木)にはギリシャが 6ヵ月の融資延長を含む金融支援の要請を正式に行ったものの、独政府がギリシャ の融資延長を拒否する姿勢を示したことが嫌気され1.13ドル台半ばに下落。2/20 (金)は独誌が「欧州中央銀行(ECB)がギリシャ離脱の準備を始めた」と伝えると一 時1.1278ドルの週安値を付けた。しかし、ユーロ圏財務相会合でギリシャ支援が合 意に達したとの報道を受けて1.14ドル台に急伸し、週の取引を終えた。 主要通貨の対ドルレート騰落率 (2015/2/13→2015/2/20) 主要通貨の対円レート騰落率 (2015/2/13→2015/2/20) 1.03 南アランド ド ル 安 ↑ ↓ ド ル 高 0.93 0.20 ユーロ 円 ▲ 0.24 カナダドル 0.26 米ドル 0.24 0.12 ユーロ ▲ 0.41 ▲ 0.66 カナダドル ▲ 0.43 メキシコペソ ▲ 0.74 ブラジルレアル ▲ 1.21 (%) 英ポンド スイスフラン ▲ 0.97 ▲ 1.50 0.44 0.39 ▲ 0.64 メキシコペソ ▲ 1.00 ブラジルレアル ▲ 0.50 1.16 トルコリラ ▲ 0.11 スイスフラン 1.27 円 安 南アランド 0.03 英ポンド 円 高 NZドル 0.15 トルコリラ 豪ドル ↑ ↓ 豪ドル NZドル 0.00 0.50 1.00 1.50 (%) ▲ 1.50 ▲ 0.98 ▲ 1.00 ▲ 0.50 0.00 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 0.50 1.00 1.50 2015/2/23 FXウィークリー (今週の見通し) イエレン議長の半期 議会証言が 最大の 注目材料 2/20(金)にギリシャとEU等の支援側が今月末に迫った支援プログラムの期限に ついて、条件付きながらも4ヵ月間の延長で合意に達した。延長の条件として、ギリ シャは本日(23日)に現行の枠組みに基づき行う改革案をEU側に提出。その内容 が十分であれば各国が支援延長手続きを開始する。そのうえで、ギリシャと支援側 は4月末までに詳細な改革案で合意することを目指すとした。ギリシャは今回の支援 延長により、今春に期限を迎えるIMFに対する返済が可能となるが、7月と8月に満 期となるECBが保有する総額約70億ユーロの債券の償還は保証されない。ひとま ず「時間稼ぎ」した格好となったが、4月末までに合意がなされなければ、再びギリ シャの財政不安が高まりかねないことには留意したい。 ともあれ、目先のギリシャ財政不安は後退し、市場の関心は次第に今週2/24(火) -25(水)の日程で行われるイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の半期議会証言 にシフトしていくとみられる。同議長の議会証言におけるポイントは大きくわけて2点 ある。1点目は、米利上げ時期についてどのような認識を示すか。2/18公表の1月の FOMC議事録では「多くの委員は政策正常化の開始時期と関連したリスクバランス の評価を通じて、ゼロ金利政策を長期間維持するという考えに傾いた」と記された。 さらに、声明文中の「忍耐強くなれる」との表現が削除された場合、金融市場が過剰 反応する可能性に委員が懸念を示したと記載され、市場ではFRBは利上げを急い でいないとの見方が広まった。基本的にイエレンFRB議長は利上げに対し慎重に 判断する姿勢を改めて示すと予想されるが、議員の質疑応答も含めて発言内容に 注目したい。2点目は、足元のドル高が米成長の鈍化や物価見通しの下振れにつ ながる可能性について、どの程度の認識を示してくるか。議長が米経済の先行きや 物価見通しに対して前向きな見解を示すようだと、米金利の上昇を通じてドル円の 120円台乗せも視野に入ろう。仮に、イエレンFRB議長の発言がハト派的と受け止め られた場合でも、年内の米利上げシナリオが揺らぐことがなければ、ドルの下押しは 限られるとみられる。 また今週は、2/23(月)に米1月中古住宅販売、2/24(火)にトルコ金融政策決定 会合、米2月消費者信頼感指数、2/25(水)に中国2月HSBC製造業PMI、ドラギ ECB総裁の議会証言、米1月新築住宅販売、2/26(木)に米1月消費者物価指数、 2/27(金)に本邦1月消費者物価指数、同鉱工業生産指数、米10-12月実質GDP改 定値等の発表が予定されている。 主要通貨の対ドルレート推移 (日次:2013/12/31~2015/2/20) 2013/12/31=100 110 106 102 98 94 90 86 ドル安 ↑ ↓ ドル高 円 トルコリラ メキシコペソ 82 78 13/12/31 14/3/25 14/6/17 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 ユーロ 豪ドル 南アランド 英ポンド NZドル ブラジルレアル 14/9/9 14/12/2 (年/月/日) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 2 2015/2/23 FXウィークリー IMM通貨先物ポジション動向(2015年2月17日時点) ≪主なポジション動向≫ ○円のネットショートは5週連続で縮小し、2012/11/13以来、約2年3ヵ月ぶりの低水準となった ○ユーロのネットショートは2週連続で縮小 ○主要8通貨に対するドルの買い越し額合計は2週連続で縮小した IMM通貨先物 非商業(投機筋)のポジション(週次:2011/1/4~2015/2/17) 円(JPY) (兆円) 1.0 JPY LONG (1973/3=100) 100 600 USD LONG 500 0.5 米ドル(USD) (億ドル) (1ドル=円) 75 85 95 400 300 0.0 95 90 200 ▲ 0.5 100 105 85 0 ▲ 1.0 ▲ 100 115 JPY SHORT ▲ 1.5 125 ネットポジション(金額、左目盛) ▲ 300 ドル円為替レート(右逆目盛) ▲ 2.0 11/1 12/1 12/7 75 USD SHORT ▲ 400 13/1 13/7 14/1 14/7 ドル合成ポジション(金額、左目盛) ドル指数(右目盛) 135 11/7 80 ▲ 200 ▲ 500 11/1 15/1 (年/月) 70 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 (年/月) ユーロ(EUR) (億ユーロ) 200 EUR LONG 150 豪ドル(AUD) (億豪ドル) (1ユーロ=ドル) 1.55 ネットポジション(金額、左目盛) ユーロドル為替レート(右目盛) (1豪ドル=ドル) 150 1.10 1.50 100 AUD LONG 1.45 50 1.05 100 1.00 1.40 0 50 1.35 0.95 ▲ 50 1.30 ▲ 100 0.90 0 1.25 ▲ 150 0.85 1.20 ▲ 200 EUR SHORT ▲ 50 AUD SHORT 1.15 ▲ 250 0.80 ネットポジション(金額、左目盛) ▲ 300 11/1 1.10 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 ▲ 100 11/1 15/1 豪ドル米ドル為替レート(右目盛) 11/7 12/1 12/7 13/1 0.75 13/7 14/1 (年/月) 14/7 15/1 (年/月) (注)枚数を契約金額により、当該通貨に換算。ドル指数は主要通貨に対するドルの価値を示し、米インターコンチネンタル取引所(ICE)にてリアルタイムで算出される。 米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出 出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 2015/2/17現在のポジション(ドルベース) 対前週比 (億ドル) (億ドル) 15 500 LONG 400 LONG 10 5 300 0 200 ▲5 100 ▲ 10 0 ▲ 15 ▲ 100 ▲ 20 ▲ 200 SHORT ▲ 25 SHORT ▲ 300 ▲ 30 ユーロ 英ポンド 豪ドル NZドル スイスフラン カナダドル メキシコペソ 円 米ドル ユーロ 英ポンド 豪ドル NZドル スイスフラン カナダドル メキシコペソ 円 米ドル (注)米ドルはユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、スイスフラン、カナダドル、メキシコペソ、円の差し引きから算出 出所:米商品先物取引委員会(CFTC)、ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 3 2015/2/23 FXウィークリー (1ドル=円) ドル円 一目均衡表 (日次:2014/5/15~2015/2/20) (1ドル=円) 120 120 116 116 112 112 108 108 104 104 100 100 2014/06 2014/08 転換線 基準線 出所:各種資料よりみずほ証券作成 (1ユーロ=ドル) 2014/10 先行スパン1 2014/12 先行スパン2 2015/01 2015/03 遅行スパン (年/月) (1ユーロ=ドル) ユーロドル 一目均衡表 (日次:2014/5/15~2015/2/20) 1.38 1.38 1.34 1.34 1.30 1.30 1.26 1.26 1.22 1.22 1.18 1.18 1.14 1.14 1.10 1.10 2014/06 2014/08 転換線 基準線 出所:各種資料よりみずほ証券作成 2014/10 先行スパン1 2014/12 先行スパン2 2015/01 2015/03 遅行スパン (年/月) この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 4 2015/2/23 FXウィークリー 金融商品取引法に係る重要事項 当社取り扱いの商品等(外貨建商品等も含む)にご投資いただく際には、各商品等に所定 の手数料(投資信託の場合は銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸費 用等)をご負担いただきます。債券を当社との相対取引によりご購入いただく場合は、購入 対価のみをお支払いいただきます。 各商品等には価格の変動や発行者の信用状況等の悪化等により損失を生じるおそれがあ ります。 なお、債券の利金・償還金の支払いについて、発行者の信用状況等によっては、支払いの 遅滞・不履行が生じるおそれがあります。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向を ふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。また、売却時等の為替相場の状況 によっては為替差損が生じ、損失を被るおそれがあります。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や 目論見書またはお客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-150223-25 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 5
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